王宮の島に囚われたナミはガラス壁越しに外を眺めていた。視線の先の港には島船が係留されているのが見える。
ここ数日、大型電伝虫の餌を毎回少しずつ回収しておいた。今それを与えたばかりだ。電伝虫は餌に夢中で自分の事は見ていないだろう。
ナミは踵を返してプールへと向かう。鼓動はいつもより速く脈打っていた。
走っちゃいけない!無駄に音を出してはダメ!!自分に言い聞かせながら…
ビーチチェアの上に置いたリュックを水着のまま背負い、エレキ鳥をひと撫でするとプールサイドへ向かう。
その後ろをエレキ鳥がついていく。
ナミはそっとプールに足を入れた。
エレキ鳥も、ぽちゃんと水面に浮かぶ。
プールの中ほどまで泳ぐと、ナミは水中に姿を消した。
それを見たエレキ鳥も頭をプールに突っ込んで、お尻を立てて上手に潜っていった。
空の入り江に、とりどりの海賊旗がなびいていた。
数十隻の海賊船に乗っているのは、みな伝説の海賊船金獅子のシキの号令のもとに集まった新たな同盟の賛同者たちだった。
「船長たちが全員港に到着したようです。」
「よし。総会が終わりしだい、出立するぞ」
司令室でシキが告げた。
「いよいよ今夜ですか」
反逆の旗揚げのときを迎えて、部下たちは一様に戦意をたかぶらせた。
「あぁ…島の男を村にもどしておけ」
思い出したようにシキが言った。
「えっ?開放していいのですか?」
「約束だからな。ただし、ひとりだけだ。絶望の前には希望を与えとくもんだ。より高いところから落ちるヤツの、ひきつった顔は格別だろう?ジハハハハ…!」
シキの言葉に部下が寒気を覚えていると、おならのような音が近づいて来た。Dr.インディゴである。
いつものようにパントマイムの様な動きを見せるが、何を言いたいのかわからない。
「あぁ?」
「シキの親分!」
「「「しゃべるんかい!」」」
その場にいる全員が揃ってキレイなツッコミを入れた。
「一大事でして!あの娘が逃げ出しました。」
「なに?」
「王宮のプールがそのまま海に繋がっている事に気づかれたようでして!」
「うかつな。得難い能力をみすみす逃すとは!全ネットワークを駆使して必ず探し出せ!」
「はい!」
プールの排水溝は、長いパイプを通じて外界とつながっていた。
フワフワの実の能力で、島ごと空に上げられた空中の海だ。
エレキ鳥につかまって、ナミは水中を進んだ。自分で泳いでいたならば、到底息が続かなかっただろう。
エレキ鳥は水かきのある脚をもち、かなりのスピードで泳ぐことができた。
エレキ鳥が海面を突き破って、空に飛び出した。
「ぷはっ」
いくらか水を飲んでしまい、ナミは激しくむせた。
メルヴィユの島々を眼下にしながら、エレキ鳥が翼を広げて滑空する。
「!?」
甲高い叫び声とともに、ナミの背後から怪鳥が襲いかかった。
翼から爪が生えた古代鳥だ。
エレキ鳥を執拗に追いかけてきて、牙の生えた嘴で餌食にしようとする。これがSIQが生み出したという、恐るべき怪物か!!
「きゃっ!」
古代鳥の攻撃がかすめた拍子に、ナミはエレキ鳥の背から転落してしまった。
エレキ鳥は慌てて翼をすぼめると、ナミを追って垂直降下する。
眼下の島に激突する寸前、エレキ鳥が追いついた。ナミはその背にしがみつく。
― ドッボーン ―
着水!湖に水柱が立つ。
叩きつけられた衝撃でナミは気が遠くなりかけたが古代鳥をやりすごすために、エレキ鳥の背につかまったまま湖を潜水した。
「!!?」
しかし一難去ってまた一難
ナミのまわりを大魚大海爬虫オオウミガッパ。さらには大王海百足が取り囲んだ。いずれも人間など餌粒としか思わないほどの巨大動物だ。
湖の上ではしつこく古代鳥が狙っている。
水中の怪物は、その食欲のままに餌をひと呑みにしようとした。
ナミが恐怖にさらされた時、それとおなじ命の危機を感じ取ったエレキ鳥の防衛機能が発動した。
― ビリビリビリビリビリビリビリビリッ! ―
電撃が水中の敵を打ちのめし、水面に嘴を突っ込んだ古代鳥をも巻き込んだ。
巨大生物たちは気絶し、ぷかぷかと水面に腹を見せて浮かんだ。
古代鳥は、ふらふらと飛んで逃げていった。
水面に顔を出してクォ~っと勝どきを上げたエレキ鳥だったが、やがて大変なことに気がついた。 ナミがいない。
あわてて辺りを見ると、意識を失ったビキニの娘が湖面に浮かんでいた。
エレキ鳥は泡をくって、彼女をくわえて岸に運んだ。
「クォ~~~~!クォクォクォ!」
嘴で軽くナミの頭に触れると、少し動いた気がした。
とにかく助けたい一心で、エレキ鳥は横たわったナミの頭を必死でつつきまわした。
「痛いわっ!」
強制的に目覚めさせられたナミは、思わず鳥をぶっ飛す。
叱られたエレキ鳥は、それでもナミの無事に涙を流した。
そして感情のまま、放電しながら勢いよくナミに抱きつこうとしたが、
「やめて!」
また感電してはたまらない!と制止されて、ちょっとしょげかえる。
「だけど助かったわ。ありがと!」
その言葉にエレキ鳥は喜び踊る。
「それにしても、ここはどこかしら?」
ナミは立ち上がると、再びエレキ鳥に乗って上空に昇った。
そこは夏島で、二人が落ちたのは火口のカルデラ湖だった。
山裾には熱帯性のジャングルが広がっている。
「あっ!サニー号…!」
ナミは、山麓に着地したサウザンドサニー号を発見した。
宝樹アダムで造られた船は、幸いにも落下の衝撃に耐えたようだ。
ナミは喜び、サニー号に向かって駆け出していた。
船で待っていれば誰かが来るかもしれない。もしかすると既に誰かが居るかもしれない!
山を駆け降りていると、もの凄い振動と共に森から土煙があがる。それに驚いてナミが止まると森から人が駆け出て来た。
「あっ!サニー号!!」
「ルフィ!?」
なんと、麦わら帽子の船長ではないか。
「んあ?」
サニー号を見ていたルフィが振り返る。
「あ~~~!!ナミじゃねぇか!!」
探しものをいっぺんに二つも見つけて、ルフィはニカッと笑った。
そしてナミに向かって走り出す。
「ぎえっ!!?」
ナミは顔をひきつらせて、くるっと背中をむけて逃げ出した。
首をひねったルフィの背後で、ヤシの木がメキメキと音を立てて倒された。
現れたのは、毒針とハサミを備えた巨大サソリ3匹だ。
「よかった無事で!よく逃げ出せたな、あいつらから!」
「こっちに来んな~~!!」
怪物たちを引き連れて追いかけてくるルフィに、ナミは叫びかえした。
その時、翼がルフィと巨大サソリめがけて突っ込んだ。
バリバリッ──と空気がふるえて放電攻撃が迸しる。
ナミが振り返ると、そこには、ひっくり返って痙攣する三匹のサソリの姿があった。
「うおおおおおおおおおっ~!」
いっしょに電撃をくらったはずのルフィは、ぴんぴんしてエレキ鳥の放電攻撃に目を輝かせていた。
その様子を見て、ナミは溜息を漏らすのだった。
サウザンドサニー号に戻ったナミは水着を脱いで、三色のキャミソールとデニムのホットパンツに着替えると、髪をゴムで二つに分けて結わえた。
「みんなは?」
「あれから誰とも会ってねぇよ。いくつも島があって広いんだココ!まさか最初にナミに会えるとは思わなかったよ!!」
ルフィは電撃でこんがり焼けたサソリを腹につめこんでいる。
「ともかくナミも食えよ!このサソリうめぇぞ!な、ビリー!」
いっしょになってサソリを食べていたエレキ鳥が、クォ~と応える。
「いらないわよ!…って、ビリーって?」
「こいつだよ!だってビリッてくるんだろ?」
ルフィは食事中のエレキ鳥の嘴を撫でてそう言った。
反射的に放電されるも、ルフィはなんともない様子で嘴をなで続ける。
「そっか…。ゴム人間だから、電気は効かないわけね。」
ナミは水着を干してルフィの方へと歩み寄る。
そして答えの分かり切った質問をルフィに投げた。
「さてと。サニー号の在り処もわかったことだし、皆を待つ?それとも探す?」
「もちろん探す!!」
迷いなく、ルフィはそう答えたのだった。
「あるぇ?」
会場準備をしていると、シキの城にあったナミの気配が消えていた。
そうかと思えばナミはルフィと合流してる?
そしてこの城のある島の下?に多くの海賊達に紛れてロビンとフランキーとブルックが居る?
どゆこと?
「どうしたんだい?」
「あ、いえ。なんでもないです。」
「?」
なるほどね~!!ナミは自力で脱出した訳だ。って事は…
ナミを連れ戻そうとするシキと麦わら一味が戦って、そこで一度負けるって流れなのかな?
でもどうなんだろう?
原作よりみんな強くなってるから簡単に負けるとも思えない。
そこで強敵認定されたらマズいんじゃ?
おんやぁ?何だか知らんが随分と全員気配が弱ってるけども…?
ゾロはなんとなく分かる。
恐らく1週間ずっと彷徨っていたんだろう。チョッパー、介護お疲れ様!!
サンジはナミとロビンと離れたせいで、ずっと探し回っていた感じ?
ウソップはそれに連れ回されてたのかな?
ルフィは……うん。きっとはしゃぎまくってたんだろうなぁ…。
ナミと合流して自分が疲労している事に気づいたってところだろう。(気づいてる…よね?)
これなら強敵認定される事なく負けるかしら?
場合によっては(内緒で)足を引っ張っといた方がいいかもね?
それにしても年長者組が別行動とはいえ、敵地でほとんど寝ずに行動するとか…
何してんだろうね?この子達…
あ~…でも別にいっか!もうすぐ2年の修行に突入だもんね!
その前にも一つ?ドでかいイベントあるけども!!
結局ナミはもう一度、
どこかの時点でシキの計画を知り、阻止する為に動くのだろう。
そこでダフトに罹患するのかな?その後ナミはどうなる?どこかに監禁されるのか?
みんなの所にも状況確認の為に分身を各所に送り込んどきますか。
しっかし胸糞悪いよねぇ…
~ より高いところから落ちるやつの、ひきつった顔は格別だろう? ~
「ま、今回はおめーが
因果応報という言葉を、金獅子のシキが知るまであとわずか!!