杯に、なみなみと酒がつがれてシキはいよいよ気分が高揚していた。
大広間の左右、祝いの膳を前に居並んだ海賊たちを前に告げる。
「知ってのとおり東の海は、偉大なる航路を含めた五つの海で最弱の海。…死んで惜しまれる偉人もいねぇ!思う存分暴れるがいい!」
シキは杯を掲げた。
「─金獅子海賊団結成だ!」
「「おおっ!!」」
新たな首領となった伝説の海賊の言葉に海賊たちは契り、この杯の絆を断つときは命をもってあがなう覚悟で忠誠を誓った。
海では…ましてや悪魔の実の力で空に浮かぶメルヴィユでは、この約束をたがえることは奈落の底に落ちる事に繋がる。
海賊たちが杯をふくむ。
それを確かめて、シキが杯を口に運ぼうとした時、左手の襖が慌ただしく開け放たれた。
「シキ様!!」
「あぁ…?てめぇ、なんだこんなときに」
「申し訳ありません!至急、お耳に入れたいことが!」
広間にかけ込んできた部下は、海賊たちの視線を気にしながらシキに告げた。
「八人?さっさと討ち取らねぇか!!」
数百人の強化兵が警護しているのだ。侵入者の八人やそこら、たたんでしまえ。
つまらない事をいちいち報告に来た部下を、シキは睨みつけた。
「いえ、それが…」
部下が次の言葉を口にする前に、白刃がきらめき、広間の大襖が一刀両断にされた。
「!?」
次いで、その隣の大襖を破ってボコッと足先が飛び出した。
しかし今度は、大襖は倒れなかった。
「わっ…」
「それじゃきまらねぇだろ!こうすんだ!ウソップ!」
烈風をまとったけりが、大襖を今度こそ破り倒した。
「やつらに…!」
部下の声がふるえた。
警護にあたっていた数百人の強化兵は、すでに彼らによって全滅させられていた。
広間に現れた八人の海賊を、シキは睨みつけた。
ゾロ、ウソップ、サンジ、チョッパー、ロビン、フランキー、そしてブルック
黒いスーツで正装した麦わらの一味の面々だった。
みな手持ちの大筒やバズーカなどの重火器で、武装している。
最後に黒いロングコートを羽織って現れたルフィは、居並ぶ海賊たちを前にして、堂々とメルヴィユの王と対峙した。
「お前らだったか!こりゃあ、驚いた…!」
実のところシキはまったっく驚いていない。麦わらの一味との再戦がある事はわかり切っていたからだ。
シキは杯をおいた。
麦わらの一味八人は、一列に並ぶと広間を威圧した。
「東の海を襲うって…?」
「…まぁな」
居あわせた海賊たちは、みないっぱしの船長である。
取り乱す者もなく、わずかに腰を浮かせて宴を邪魔した侵入者を迎え撃つ体勢になる。
「ナミは無事か?」
広間のなかほどに進んだところで、ルフィがシキに問う。
「あぁ、ピンピンしてる」
シキがそう言うと壁際に控えていた部下たちが下卑た笑いを上げた。
「ジハハハハ…!物騒なナリしてるが、まさか八人でこれを相手にするつもりじゃあるめぇな!」
シキがそう言うと、大広間の左右の襖がバタバタといっせいに倒された。
控えの間から現れたのは完全装備の海賊たち。その数およそ五千人。契りの杯を交わした船長たちの舎弟分たちだ。
一階ばかりか二階のバルコニーまで敵があふれかえっていた。
「わが身を犠牲にすりゃあ故郷を守れると信じるメルヘン女と共に散りに来た無謀な特攻隊か?」
「バカだな、おまえ」
「ん!?」
「ナミは犠牲になりに来たんじゃねぇよ!先陣切って、ここに戦いに来ただけだ!!」
ルフィの言葉は真実だった。
ナミは再び王宮に乗り込み、ダフトグリーンの囲いを壊してこの城を落とそうとした。
大事なものを、大事な人たちを守りたい一心でシキと戦おうとしたのだ。
「覚悟しろよ、金獅子のシキ…!!」
八人は半円に布陣して、おのおのが手にした重火器を八方にむけた。
広間に緊張が走る。
「…!」
「俺たちが本隊だ!!」
八人の手にした重火器が火を噴いた!!
二階にいた海賊たちが、吹き飛んだ。
高所からの銃撃は絶対優位だったが、大広間にいた幹部連に流れ弾が当たるのを恐れてか攻撃が遅れた。
そこへ、ルフィたちは寡勢ながらも、ちょっとした軍艦クラスの火砲で一斉攻撃をあびせたのだ。
あちこちでバルコニーが崩れ落ちる。それが一階の控え室にいた海賊たちを上からつぶして、さらに後続の戦力が広間に入るのを阻止した。
室内の銃撃戦で相手を囲むのは同士討ちの危険がある為躊躇が生まれる。隙を逃さず、マシンガン、擲弾銃、ロケット砲、フランキーお手製のあらゆる携行火砲が大広間を襲った。
「ちっ…弾切れか」
フランキーが手持ちの武器を投げ捨てる。
「まーだ結構、残ってやがんなぁ!」
「あいさつがわりだ。上等だろ」
サンジが銃を投げ捨て、ゾロは砲を刀に持ち替える。
一斉射撃のあとは反撃にさらされる事になった。
しかし、彼らは激闘をくぐり抜けてきた麦わらの一味だ。
フランキーは鋼鉄の体を盾にした。
ゾロは刀を回転させて銃弾をはじく。
そしてルフィは大きく息を吸って気球のようにふくらみ自ら的になって、あえて集中攻撃を受けた。
「効か~~~ん!」
ゴム人間には銃撃無効。
風船の体にくい込ませて弾丸をはねかえす得意の技で、反撃する。
敵は、たちまち撃った弾の数だけ負傷者を出した。
大広間が負傷した海賊たちで埋めつくされていく。
麦わらの一味の八人は、コートやジャケットを脱いで身軽になり次なる戦闘に備えた。
「ウソップ、チョッパー!!ナミを探せ!!」
「「おう!わかった!!」」
ルフィの指示にチョッパーとウソップが応えて主戦場を離脱した。
広間では火炎が発生していた。
襖が、柱が、煙を上げて燃え上がっている。
「ぐぅ…あの、はねっかえりを討てぇ!みな殺しだぁ!」
海賊の船長たちが抜刀し、残った配下に号令する。
「シキの親分!奥の部屋へ」
「ああ…」
怒りに身をふるわせながら、シキは自分が手を下すまでもないと、この場はいったん退こうとした。
それを見たルフィは、立ちふさがった海賊たちの銃撃をものともせず、金屏風のむこうに消えたシキを追いつめようとする。
「うわっ!?見えねぇ?」
数人の海賊が、目を塞がれてうろたえた。
ロビンがハナハナの実の能力で、数十の手を咲かせて海賊たちの視界を封じた。
「頭を討ち取れっ!」
ロビンの手をのがれてルフィに斬りかかった海賊たちを、今度はブルックが阻む。
「眠り歌・フラン」
ブルックのバイオリンで襲い掛かった海賊たちが子守歌を聴かされたようにその場でカクンと眠りに落ちる。
仲間のサポートを受けて、ルフィは逃げるシキに追いすがる。
「おれの仲間に!なんかしたのかぁ~~~!」
ルフィは殴りかかった。
ふいをつかれたシキは、振り返りざまにゴムの拳をあごにくらった。
「親分!」
部下たちの前で、シキの体が吹き飛んだ。
シキは目を見開いてこらえると、フワフワの実の能力でそのまま舞い上がって奥の部屋へと飛んでいった。
追いかけるルフィの前にインディゴが立ちはだかった。
インディゴが手にした仕込み杖の剣がルフィの眼前に迫る。
― ガキィィイン! ―
「船長の…邪魔すんな!」
かけつけたゾロがインディゴの剣を受けている間に、ルフィは走り抜けた。
次に立ちはだかったのはスカーレットだ。
両手を広げて廊下で通せんぼをしたところを、そのわき腹に強烈な蹴りが襲いかかり、巨体をのけぞらせた。
「ゴボ~~~ッ!」
「道を開けろって…言ってんだろ!」
サンジとスカーレットが相対する。
奮戦する仲間たちを信じ、ルフィは広間をあとにして金獅子のシキを追った。
「絶対に…!」
逃がしはしない!
ぶっ倒す!!
「ナミ、しっかりして!」
王宮を囲ったダフトグリーンの樹林帯のかたわらで、鉄棒監獄に囚われていたナミに呼びかける声があった。
「クォ~…」
意識を取り戻して、ゆっくりと体をよじったナミの前には、雪原に黒コゲになった強化兵が倒れていた。
「…ビリー…?」
鼻栓をしたエレキ鳥が、バチバチと電気をまとって心配そうにのぞきこんでいる。
ナミは、我に返った。心なしか気を失う前より体が軽い感じがした。
「あなたがやったの…?」
ビリーは羽ばたいて、ナミの後ろをチラッと見たあとにクォ~っと鳴いた。
その翼に、ナミが手を伸ばす。
電気に打たれてナミがうっと顔をしかめると、ビリーは身をひこうとした。
いったん放電したビリーは、しばらく帯電したままになってしまう。
しかしナミは、今回はビリーを遠ざけようとはしなかった。
「このままで!おねがい、私のいう事をよく聞いて!!」
ナミの必至の形相に、ビリーは息を呑んでコクリと頷いた。
「私も手伝おうか?」
「えっ!?」
主戦場を離脱したウソップとチョッパーはナミを捜し王宮を走り回っていた。
「チョッパー、匂いはどうだ?」
「ダメだ。空気中にダフトグリーンの匂いが紛れててうまく鼻が利かねぇ」
「ちくしょ~!いったい、どこに居るんだ?…ん!?」
遠くで何かが光った気がした。
ウソップはゴーグルでその場所を覗き込む
王宮の城郭の外、ダフトグリーンの樹林帯のあたりにピカピカと光るものがある。
ナミが連れていた、エレキ鳥のビリーだった。
そしてそのそばに、人影が見えた。
「たぶんあれだ!!ナミ…とイオリ!!?」
「えっ!!イオリが居るのか?どこ…ああっ!あそこか!?」
暗闇のなかに、放電の光を見つけた二人はその場所へと急いだ。
ナミがビリーに頼もうとしたのは彼女の計画の続行だった。
ダフトグリーンの根元には彼女が仕掛けたダイナマイトが置かれたままになっていた。
電圧を上げたビリーは一気に放電!一ヵ所に集めた導火線の端に火花が散り着火する。
それを見届けたビリーはナミを背に乗せ空に飛び上がった。
ダフト病はイオリが持っていた薬によって徐庶にその症状を消していた。
全身に広がっていた痣は手足の先からゆっくりと薄くなりはじめている。
ナミはビリーの背から導火線の火花を見つめた。
「だいじょうぶよ、心配しないで!大切な故郷をめちゃくちゃになんか絶対させない!!」
ナミはノジコを思い浮かべて呟いた。
~ ~ ~ ~ ~
「もう少しだ!待ってろよナミ!」
そこにかけつけたのはウソップとチョッパーだった。
ところが、火のついた導火線とダイナマイトに気がついて、『えっ』と声を上げるがもう間に合わない。
大爆発がおきた。
「痛てて…なんとか助かった。」
爆風であたりに積もった雪は、すっかりふき払われていた。
そして、幅数十メートルにわたって、ダフトグリーンの樹林帯が薙ぎ倒されていた。
「ナミは…!?」
「ウソップ、チョッパー!!」
あたりを見まわすと、空からナミが降りて来た。
「ナミ、無事だったか!!」
「その痣…!!?シャオのばあちゃんとおなじだ!」
ダフト病だ。ナミはあの恐ろしい病気に感染してしまったのだ。
しかも顔の半分以上が変色してしまっている。体にも痣が見える。
「大丈夫。イオリが解毒薬を持ってたの。王宮の研究室から奪って来たって言ってたわ!」
「イオリは?」
「私の話(計画)を聞いたら、あとはまかせろって言って…どっか行っちゃった。」
「「?」」
その場から、副船長の姿は消えていた。
すると…
― ドドドドドドドドドドドドッ…! ―
地鳴りが、ゆっくりと迫ってきた。
三人と一羽は顔を上げた。
「この音…」
「もしかして…」
ダフトグリーンの切れ間の向こうで雪煙が上がっていた。
三人は事態を察した。
この王宮の島には、空中群島メルヴィユの多くが合体しつつある。
当然、シキをが東の海に放とうとしていた怪物たちもここにいる。
「いくらなんでも早すぎない?」
「それより早く逃げなきゃ…!」
メルヴィユの怪物たちのなかでも、とびきり重量級が群れをなして移動する様は、さながら山が動くかのようだ。
怪物たちの先頭に白虎が見えた。
「「「!!?」」」
それはイオリの飼い虎エルだった!!そしてその背に乗っているのは!!
「「イオリ!!?」」
怪獣たちは彼らを阻んできたダフトグリーンの樹林帯の切れ間から、シキの王宮になだれ込んだ。
「わ~~~っ!」
「お、おおっ!」
「すごい…!!」
トナカイに変形し、ウソップとナミを背に乗せてチョッパーが走る。
「二人とも、しっかりつかまってろよっ!」
まだ本調子ではないナミを支えてウソップがチョッパーにしがみ付く。
三人は怪獣たちを引き連れる格好で王宮に取ってかえした。
― ズガンッッッ! ―
怪物たちはその巨体をもって王宮の壁を壊して進む。
「なんだっ!?」
大広間で乱戦をくりひろげていた海賊たちは、突如襲ってきた怪物たちに敵味方関係なく混乱に陥った。
シキと彼の配下たちは、シャオの村を壊滅させた怪物たちの破壊力を身をもって体験することになった。
ダフトグリーンの結界を破られた王宮は、もはや防御の役に立たなかった。
五千人の精兵も、それをはるかに上回る数の大小さまざまな怪物たちを前にしては烏合の衆でしかない。
腕のマシンガンを乱射して大槌磯巾着と戦っていたフランキーだったが、触手にからめとられて逆さ吊りにされてしまった。
「うぉっ!?」
ライフル弾では、埒があかない。
大ピンチにもニヤリと笑ったフランキーは、左手首をカクンと折った。
「ウェポンズ左!」
獲物を補食しようとしていた大槌磯巾着だったが、ゼロ距離から砲撃をくらってたまらずふっ飛んだ。
「ヨホホホ…!!」
廊下の天井いっぱいに跳びまわる揉み手繩と対峙したブルックは、バイオリンの弦に仕込んだ刀を抜いた。
「鼻歌三丁………矢筈斬り!」
居合一閃!うるさい蠅を斬り伏せた。
美しい羽から散る鱗粉は、呼吸を苦しめる毒だった。
大鳳蝶に狙いをつけられたロビンは、反撃のチャンスをうかがった。
滞空する大鳳蝶の羽根に、つながりがあったロビンの腕がいくつも咲き、ロープになって縛り上げる。
「クラッチ!」
羽根を絞られて、大鳳蝶はもろくも墜落した。
しかしロビンの呼吸も乱れて、口を押さえてその場に膝をついた。
彼女の背後に、新たな敵が迫る。
「!?」
振り返ると立っていたのはまっ赤なスーツで正装したスカーレットだった。
「ウホッ」
サングラスを上げたスカーレットは、目をハートにしてロビンを見た。
ウソップとチョッパーは、戦闘を避けて安全な場所に移動していた。
ナミは眠っていた。
「チョッパー、ナミは…」
「寝てるだけだよ。だけど…シャオのばあちゃんより痣が全身に広がってる。イオリにもらった解毒薬は足りてるのかな?」
そこへ空から、クォ~という聞き覚えのある声が聞こえた。
「ビリー!」
エレキ鳥が羽ばたきながら下りてきた。
ナミの顔をのぞきこんだかと思うと、クォ~と心配そうな声で鳴いた。
「解毒薬はイオリが持ってんだろ?」
「わからない。…もしかしたらイオリは…解毒薬がもっと必要だと思って取りに行ったのかも」
「王宮のどっかにそれがあるって事か…」
二人は王宮を振り返った。
怪物の群れに襲われた建物は、あちこちで爆発がおきている。
今戻れるような雰囲気ではない。
しかし…
ここで、手をこまねいてるわけにもいかない。
「行くっきゃねぇだろ?」
「そうだな」
王宮を見て二人が腹を括ったその時だった。
― ザンッ!! ―
「「!?」」
突然、轟音とともに楼閣の床が砕けた。
裏門が、たちまち崩れ落ちる。飛んで逃げられたのはビリーだけだった。
チョッパーとウソップはナミを庇いながら地面に落ちた。
「痛てて…ナミ!大丈夫かっ」
「なんとか大丈夫みたいだ…」
壊れた門の残骸を押し分けて、体をおこす。
今のは飛ぶ斬撃だった。ゾロが得意な技だが一定レベル以上の剣士であれば似たような技の使い手はいる。
敵はどこだ!?
燃えさかる炎に照らされてフワフワと漆黒の空に浮かんでいたのは、金色の鬣をひるがえしたシキだった。
「「ひぃいい~~~!し…シキ…!」」
ウソップとチョッパーは悲鳴をあげた。
避難したはずの二人が最悪の敵に見つかってしまった。
「やってくれたな!小娘…よっぽど死にたいらしい!」
「「ひぃいいいいいい!」」
二人は再び悲鳴をあげた。
「お前はもういらん!!」
シキの背後に、巨大なライオンのシルエットが姿を現した。
「お前らがどうあがこうと、東の海は必ずぶっ潰す!!」
土塊から練り上げられた獅子が数匹、地面から立ち上がる
「獅子威し・御所地巻き!」
汚れた雪を巻き上げて、地面が津波となって襲いかかった。
「うわぁ~!」
「やべぇ~!」
「絶望のうちに死ね!」
造りものの獅子が顎を開き、三人を呑みこもうとした時、衝撃波がその土塊の頭部を一撃でふっ飛ばした。
「んっ!?」
異変を察したシキの視界は、雪煙にさえぎられる。
空を切る拳の連打が造りものの獅子をたちまち元の土塊に変えた。
― JET銃乱打!! ―
”ギア2”を駆使した拳の連打は、目でとらえる事すらできず、拳の先はときに音速となる。
心臓が破れるほどの血流の圧力も、血管にいたるまでゴムの性質を備えた能力者であれば耐えることができた。
ウソップとチョッパーはルフィを仰いだ。
「「ルフィ!」」
ルフィの顔は紅潮し、ギア2による極度の高体温のせいで体から湯気を上げている。
「まだ、あがくか」
シキはまだルフィを侮っていた。何度挑もうと自分には勝てるわけがないと。
「ナミ!あいつをぶっ飛ばして、みんなで帰るぞ!!」
麦わら帽子の少年は、彼の航海士に向かって言った。
わずかに意識を取り戻したナミが笑顔を返す。そして再び目を閉じる。
「ここはまかせろ!ナミと…あとこれ頼む!!」
ルフィはウソップに何かの輪っかを投げて寄こす。
「わ、わかった!」
「がんばれ、ルフィ!」
ウソップとチョッパーはナミを抱えて、その場から避難した。