転生者たちの終末事件簿~クトゥルフ・ファイル~   作:どくいも

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今回はこんなタイトルだけど、掲示板はあるアルヨ!

あ、初投稿です


・神の見殺し

【とある老人の遺言】

 

昔はよく、空を見て育ったもんだ。

 

雲のかたちが変わるのを眺めて、今日は晴れるか、雨か、風が出るか。

そういうのは、肌でわかった。

 

……けど、あの目は、ぜんぜんわからなかった。

 

黒い目玉が、空に浮かんでいた。

まるで最初から、太陽のかわりにそこにあったみたいに、自然に。

誰も説明してくれないし、今さら説明されたところで、もう関係ない。

 

あれは──見ている。

それだけはわかった。

 

目が合っているような気がしても、それは間違いだ。

こっちのことなんて、向こうからはまるで見えてない。

あれは空そのものみたいに、遠すぎて、やさしすぎて、興味がない。

 

犬が鳴き止んで、川が流れを止めた。

畑の水を吸っていた土が、乾ききったように静まり返った。

 

静かすぎると、人間は壊れる。

 

遠くで男の叫び声がした。

「おい!! 見ろよ!!見てくれよ、俺を!!」

 

見ると、片手にバール、もう片手には血のついたジャケット。

誰かの。

いや、もう“誰か”という存在も、この世界には残っているかどうか怪しい。

 

「無視するなぁぁぁぁッ!!」

 

男は電柱に頭をぶつけ、空に向かってガラス瓶を投げた。

どこかで火が上がる。

 

ここ数日でよく目にした光景だ。

笑いながら泣いている者。

空に向かって祈る者、裸になって走り出す者。

誰かを殴る者、殴られる者。

それらを見ても止めない者。

そんな奴は数多くいた。

 

そして、今回の彼は……“注目されるために壊れる”──そんな選択肢が、最後に残ったらしい者らしい、

 

しかし、それは無駄なことだ。

確かにあれは神かもしれない。

注目さえされれば、生き残れるかもしれない。

 

でも、あれは、結局は見えてはいても、見ていない。

だから、何をしても助けてくれない、それすらも、届いてないんだ。

 

私がこうして、縁側で腰を下ろしてても、

その暴れる音も、叫ぶ声も、ただ風に流れていくだけ。

 

あれは、目が合った者を選びはしない。

 

世界が音もなく畳まれていくように。

畑の畝が沈み、鳥の羽が空中で止まり。

人々の“名前”が少しずつ消えていった。

 

この年まで生きてきて、思ったよ。

 

一番怖いのはな、忘れられることでも死ぬことでもない。

存在しなかったことになることだ。

 

最後にもう一度、空を見上げた。

神様、見てるかい?

……いや、たぶん見てる。でも、それだけなんだろう。

 

私は静かに目を閉じた。

これが終わりなら、それでいい。

終わりらしい、終わりだった。

 

―――――――――

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

〇【実況】『空の目』を見た人、今どこにいる?【消えるor生きる】その3

 

214:名無しのオカルトマニア

やっぱりあの目は大きくなってるって!

機械に映らないから、正確な大きさは不明だが、昨日見た時よりも大きくなんてるもん!

指に印付けれはかったから間違いない!

瞬きもしてたし!

 

215:名無しのオカルトマニア

↑つまり、このまま放置していれば、地球は目玉に飲まれてエンドってことでおk?

 

216:名無しのオカルトマニア

おそらくそう

だから、そうならないためにも主に祈るべき

さすれば、消滅は回避できる

 

217:名無しのオカルトマニア

↑カルトの生き残りが、ふざけたこと言ってるんじゃねぇぞ

というか、214もでたらめ言うな

こっちで確認したところ、そんな情報どこにもねぇじゃねぇか

ソースはどこよ

 

218:名無しのオカルトマニア

↑そこは自分の指って書いてるだろ

それにソースも何も、今の地球でまともな情報媒体が残ってるとでも?

 

219:名無しのオカルトマニア

地球は言い過ぎだろw

困ってるのはせいぜい日本だけだよwww

……日本だけだよな?

 

220:名無しのオカルトマニア

いや、普通に世界規模だぞ

ちゃんと、海外向けの掲示板も確認しろ

 

221:名無しのオカルトマニア

↑掲示板のたわごとに、情報価値はない!!

 

222:名無しのオカルトマニア

でも掲示板以外だと、公式サイトの類はほぼ絶滅だし、残ってるのも支離滅裂

オールドメディアなんかもほぼほぼ終わりかけてる上、俺の地元だとテレビが2局しか残ってないんだぞ!

しかも、半数以上はほぼ1人で回してる不思議番組か再放送だし、終わりだよこの国

 

223:名無しのオカルトマニア

↑テレビがまだ見れるとか、どんな都会だよ

こちとら0だぞ0

 

224:名無しのオカルトマニア

ワイもテレビとかそんな文化的なものは……ねぇ?

図書館の場所は廃墟だし、動物園は奇人園になっていく気がしない。

その上、ラジオからは冒涜的な宗教勧誘が流れてくる

 

225:名無しのオカルトマニア

都会の方こそ、テレビが使えないらしいぞ

聞いた話、テレビを通して、特定の番組を見ている人が消失したらしいからな。

だから、都内ではテレビ及びメディアの破壊ラッシュが起きて、今の都内は地獄だそうだ

 

226:名無しのオカルトマニア

マ?こわ~~……

 

227:名無しのオカルトマニア

未だに消失を信じてる情弱乙wwww

それはじめっからいなかっただけだからwww

 

228:名無しのオカルトマニア

↑いや、それは信じろよ

外に出たら、一人二人位消失した人が見れるだろ

 

229:名無しのオカルトマニア

(このレスは削除されました)

 

230:名無しのオカルトマニア

まぁ、それが安パイだよな

この掲示板を見るに、今生き残ってるのはあの目から注目されなかったものだけだ

だから基本的にステルス推奨だよ。みんなも気をつけろよ。

 

231:名無しのオカルトマニア

だよなぁ、別スレだけど、以前【俺を見てくれ!!】ってうるさい位書き込んでた奴は途中で書き込みなくなってたもん

ログ掘ったら、IPも残ってなかったし、やっぱステルス生存説が正しいんだろうな。

 

232:名無しのオカルトマニア

なんかこんな設定の映画があったなぁw

あっちは音だったけどw

 

233:名無しのオカルトマニア

↑今回の場合音は大丈夫なの?

アイツは見た目こそ目だけど、実は音を感じ取れるとか、あれが実は耳な可能性はない?

 

234:名無しのオカルトマニア

(このレスは削除されました)

 

235:名無しのオカルトマニア

妄想乙

 

236:名無しのオカルトマニア

それはないだろ。

というかその辺は本能で察せられるというか、結局機械で取れないのに見えてる時点で、あれは目だと脳が認識してるから大丈夫なんだろ

 

237:名無しのオカルトマニア

でも、世間だと、逆にみられなかったら消える派の方が多いよね

実際、俺の知り合いもそれでガソリン被ったし

目にあピりたいとか言ってたわ

 

238:名無しのオカルトマニア

家の備蓄で備えてるけど、過去の俺どうやってここまで資材揃えたんだろう?

しかも、明らかに俺では作れない料理とかもあるし。

……知らない間に盗んでたとかないよな??

 

239:名無しのオカルトマニア

↑カーちゃんがやったのでは?

 

240:名無しのオカルトマニア

(このレスは削除されました)

 

241:名無しのオカルトマニア

(このレスは削除されました)

 

242:名無しのオカルトマニア

せやな、俺らみたいな日蔭もんに家族なんておるはずがないもんな

彼女はまだしも、親兄弟なんて妄想よ!

 

243:名無しのオカルトマニア

↑エア彼女を馬鹿にするなぁああ!!!!

 

244:名無しのオカルトマニア

件の目は見てるんじゃなくて、図ってるって説もあるからな。

それだと俺

 

245:名無しのオカルトマニア

自分にも、家族はいたもん!!

家に旦那用の服とか、子供の服とかあるもん!

きっとそこでいい奥さんしていたはずだもん!!

 

246:名無しのオカルトマニア

↑わかるわ。

おれもなぜか子供だけいるか

 

247:名無しのオカルトマニア

失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗したしっぱ

 

248:名無しのオカルトマニア

いや馬鹿だろ、みんな家族とかいたに決まってる

ならどうして俺らが生まれてきたんだよ

大方家族に会わ

 

249:名無しのオカルトマニア

>>238 料理とか浦山

こちとら、騒動前に一気に増えた安い海外製の劇安マズ飯しか食ってないわ

 

250:名無しのオカルトマニア

海外といえば、結局終末カルトとか滅びってこの目の事でいいの?

たしかに、文明が崩壊してるし、気付く人は気づくんやなぁ

 

251:名無しのオカルトマニア

黄衣の主って、言われてたけど、現実だと黄色要素は特にないな

しいて言うなら、太陽と重なってるせいで、黄色に見え名もないぐらいか

 

252:名無しのオカルトマニア

>>251 いや、太陽の衣だから、黄衣の王で間違いないだろ

それよりも、深海の主の方が、100倍関係ないというwww

 

253:名無しのオカルトマニア

いや、50歩100

 

254:名無しのオカルトマニア

どっちも違うからな?

ハスターもクトゥルフも召喚されず、仮面の神であるニャルラトホテプが召喚された。

それがすべてを台無しにした

これはそういう結末だ

 

255:名無しのオカルトマニア

ハスター、クトゥルフってなんだよ

 

256:名無しのオカルトマニア

>>254 なら、今両陣営が召喚しようとしていた神は?

 

257:>>254

どっちも失敗した、いや、乗っ取られたといった方が正しいか

もう、再召喚のための触媒や信仰心は足りないし、逆転の為には信徒自体が消された

だから、今は祈ることしかできない。

この教会でも、10人の信徒でひたすら祈ってるわ

 

258:名無しのオカルトマニア

(このレスは削除されました)

 

259:名無しのオカルトマニア

(このレスは削除されました)

 

260:名無しのオカルトマニア

祈りしかできないとかwww

カルトなのに弱すぎるwwww

 

261:名無しのオカルトマニア

↑むしろ、無意味な祈りはカルトの本質では?

 

262:>>254

>>259 無理なもんは無理

今だって、我ら8人でなんとか、神へと祈りを届けているが、それ以上に目の力は大きいように思える

いや、あの目に悪意はなくても、強大すぎる力は時にそれ以外のすべてを消し去ってしまう。

今回はそういう事なのだろう

 

263:名無しのオカルトマニア

(このレスは削除されました)

 

264:名無しのオカルトマニア

>>260 >>261 でも、神社とか霊験あらかたの場所とか明らかに生存率高いからなぁ

やっぱなんかあるだろ

 

265:名無しのオカルトマニア

(このレスは削除されました)

 

266:>>247

最後になるから言っておくが、聖なるの印はむしろ罠だ

いや、実際効能は強く、高価も甚大、消失は防げるが、目に視線には正気保護あって、それすらも防いでしまう。

俺には無理だ、こんなすべてが消えてしまう世界に一人残るだなんて

だから、俺はまもなく消える。

一人ではすべてを救えないし、人の身では耐えられない。

じゃあな、おまえら、俺が狂う

 

267:名無しのオカルトマニア

(このレスは削除されました)

 

268:名無しのオカルトマニア

(このレスは削除されました)

 

269:名無しのオカルトマニア

神職の方が生き残りやすいからな

やっぱり神様はいるんだろ

 

270:>>254

>>267 すまん、我らやっぱり5人の間違いだったわ

やっぱり、前の記憶が混ざってるのかな

でも、なんとか祈り続けるわ

 

271:名無しのオカルトマニア

(このレスは削除されました)

 

272:名無しのオカルトマニア

(このレスは削除されました)

 

273:名無しのオカルトマニア

(このレスは削除されました)

 

274:名無しのオカルトマニア

なんで、電気も水道もないのに、ここは使えるんだろうな

まぁ、水がないのに干からびない時点で何言ってんだって感じなんだが

 

275:名無しのオカルトマニア

(このレスは削除されました)

 

276:名無しのオカルトマニア

(このレスは削除されました)

 

277:名無しのオカルトマニア

(このレスは削除されました)

 

278:名無しのオカルトマニア

(このレスは削除されました)

 

279:名無しのオカルトマニア

おまえら、まだここを見てるのか?

いるなら、伝えておくが、生き残りたいなら、近所の残ってる神社や寺にいけ

そこに行けば、ワンちゃんこの世界を生き残れるかもしれないぞ

 

280:名無しのオカルトマニア

(このレスは削除されました)

 

281:名無しのオカルトマニア

(このレスは削除されました)

 

282:名無しのオカルトマニア

(このレスは削除されました)

 

283:>>254

なんで俺は一人で書き続けてたんだ?

しかも、複数人のふりをして、やり方すらわからにのに

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

【黄色の印の兄弟団・最終記録】

 

※以下は、黄衣の星教団(黄色の印の兄弟団)中央部より送信された、断続的な報告文の再構成である。

 

【第1項:クトゥルフ覚醒阻止作戦の経過】

 

・本団は件の旧支柱意識の再活性化(=クトゥルフ覚醒)に対応し、断続的な夢染の儀を行ってきた。

・現在の旧支柱覚醒兆候は不明、観測が不可能に。

・空に出現した“目”以降、夢位相の深度感知が激しく乱れ、神格レベルの精神干渉波がノイズとして全域に発生。

・結果、我々は「クトゥルフが目覚めようとしているかどうか」も判断できなくなった。

 

「もはや深さを測る物差しがない」

「夢の反応すら、すべて揺らぎに吸い込まれる」

 

【第2項:ハスター降臨儀式の失敗】

・並行して進めていた“黄衣の王”の再接続儀式、第三幕直前に異常終了。

・劇場内の詩文構造が崩壊、演者・観客が相次いで消失。

•出現したのは、天井を覆うような“目”の影のみ。

 

「あれは見ていた。でも、何も理解しなかった」

「劇を見たのではない。天井の埃のように、ただ通りすぎた」

 

【第3項:目及び仮面の神の評価】

•出現以降、神格との接続率ほぼゼロ。

•特に“王・夢・無貌”の三軸神位との通信は完全遮断。

•当初は黄衣の王の変態形と誤認されたが、観測者の証言と干渉結果により訂正。

→反応しない

→選ばない

→破壊もしないが、結果的にすべてが消えていく

 

仮称:アトゥ=ラ

 

「存在そのものが、既知の神性系譜に分類できない」

「善でも悪でもなく、“非目的的な影響”のみがある」

「神性ではなく、ただの“在ることの構造”に近い」

 

【第4項:内部反応と精神状況】

・構成員のうち、42%が観測職能を失ったと申告。

・対象神格に意味的アクセスができず、祈祷も無効化。

・一部は“御業一神”への信仰を試みるも、祈りすら“透過する感覚”を訴える。

 

「祈っているうちに、言葉の形がなくなった」

「自分がなぜ祈っていたのか、わからなくなった」

「理解されなかったのではない。理解されるという概念がなかった」

 

【第5項:最終報告】

•我々は、クトゥルフの覚醒を止めようとしていた。

•王を呼び、旧き夢と現実の均衡を保つための観測網を保っていた。

•しかし今、すべてが遮断された。

 

「神を見上げる術を持っていた我々が──神に見られない側に回った」

 

•現在も、夢は揺れている。

•覚醒は進んでいるかもしれない。

•けれど、我々はそれを知ることすらできない。

 

幕が閉じたのではない。

幕の外に押し出されたのだ。

 

それでも、我々は記録し続ける。

 

“神の目に映らなかった者たち”として。

 

――――――――――――――――――――

 

──予測はできていた。

 

反応も検出していた。

呼びかけも、祈りも、悲鳴も、全部届いていた。

 

ただ──対応が時間がかかった。

 

昔の名残だった。

 

人の意識を保つ為、無理矢理神の体を人に模し。

その結果、私は自分の体内の様子を自分で認識できずにいた。

魔法でなんとか誤魔化すが、それにも限度あり、白血球が異物を除去するが如く、不必要なものは消してしまう。

それが、人にとって大切な何かであろうとも。

 

もちろん、意識も十全ではない。

そろそろ、神の機構に人の意識が混ざってるのだ。

情報の優先順位が曖昧になり、意味の取捨選択ができなかった。

「これは痛み」「これは嘆き」「これは願い」

これらを分類するだけでも、時間がかかったほどだ。

 

……そして、その時間の差が致命だった

 

世界は静かになっていた。

 

人は消えていた。

言葉も、感情も、消えていた。

誰かが何かを叫んでいたはずなのに、残っていたの僅かな同胞と同類、それに守られた信者達だけ、後は空白だった。

 

想定外の結果、というには白々しすぎた。

 

私は暴れたわけではない。

怒っていたわけでも、拒絶していたわけでもない。

ただ、穏やかに、そこに居ようと務めただけだ。

 

けれどそこにいること自体が、この世界には強すぎたらしい。

 

祈りし者たちの声は、最後まで届こうとしていた。

ただ、それを受け止める形を、私は間に合わずに忘れていた。

 

「何が間違っていたのか?」

 

そう考えた時、答えはすぐに出た。

 

「理解が遅すぎた」

 

私は理解しようとした。

でも、それが完了する前に、“対象”が消えていた。

 

神であるはずなのに、私は遅れていた。

この世界にとって、私は“反応しない神”になっていた。

 

……ならば、せめて、次は間に合うように。

 

今度は、もっと単純な構造で。

もっと大きい。

私の処理が届く速さで。

 

ひとつの空間を切り取り、時間をほぐし、

もう一度、始まりをつくる。

まずは“目を合わせる”ことから始める。

 

この再構成に意味があるかは、わからない。

だが、それでもやり直したいと思ったのは──

それが彼らの願いであり、きっと、まだ私の中に“人間”が残っていたからだ。

 

私は、最初の粒子を置く。

ここから、もう一度、何かが始まるかもしれない。

 

今度こそ、最初の声も、聞き取れるように。

 




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