鬼畜死に戻リプレーヤー   作:覚め

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なお進むたびに差は大きくなる模様。


チリツモ♡

「あー疲れた。」

 

「お前、何者なんだ…?」

 

先ほど飛ばされた場所まで飛んできた。いや歩いてきたのか。ほとんど意識なかったからわからん。そのまま歩いて左右を見渡し、見覚えのある道と反対を行く。ある程度進んで振り返り、見覚えのある道が見えたのでそのまま進む。一瞬で帰ってきたらあいつらなんて言うのかな。あ、もう帰ってきた的な反応はするだろうな。と言うかそれ以外の反応が思いつかない。

 

「ただいま〜」

 

「…ボケた?」

 

「時間の感覚がおかしいだけよ。2万分の1なんて、あやふやでしょうし」

 

「朝夜くらいわかるからな?永琳、寝るわ」

 

「そう、わかった」

 

「今昼よ?」

 

「…死んだ時ってもう少し意識失ってたと思うんだけど」

 

「これが蓬莱の薬よ」

 

まあそれもそうか…永琳の薬だしな…と納得させ、寝転がる。いやまじあの鬼怖いわ。すんごい強かったし。腹切ろうとしたら握力が足りないくらい早く走るし。どうなってんのさあの鬼。俺を育てた鬼は刀で死んだってのに…いや、待てよ。そもそも今はいつだ。竹取物語とは言え、鬼に育てられた俺は今存在しているのか?もしくは死んだ後…死んだ後はないな。あれは相当初期だし。

 

「…何、永琳」

 

「あなたの口ぶりだと何回か死んだふうに聞こえたのよ。だから警告しに来たの」

 

「え、警告することあるの?」

 

「死なないって、つまり死に続けるってことなのよ?それをわかって。」

 

「はーい」

 

「もう、分かってるの?」

 

「永琳の発明品に欠陥なんてない。あれば使い手の問題ってのはここ数千年で身に染みて分かってるからな」

 

「そ…そう?」

 

「伸びた爪を切れないのは不便だけど、伸びもしないし。」

 

「それは褒めてるの?」

 

それから遠出はやめて刀を振り回す日々。家の軒下をチラリと見ればタケノコ。…あれ、家貫かれたりする…?もしかしてこれ、永琳に対策を要請した方が良い?と、聞いてみたら永琳が結界を地中深くまで張った後でタケノコを駆除した。あれ、おかしいな。俺が相談したのは輝夜なんだけど。まあそれは良いと無視して竹を綺麗に切れるように振る。

 

「ねえ、これ切ってみて」

 

「岩ぁ?」

 

「そ、岩。」

 

「まあ、良いけど…じゃ、行くぞ」

 

「来い!」

 

振り下ろす。すんなり通る。月の都の刀だ、流石の切れ味。じゃああの鬼マジでなんなの?…まあ良いか。刀を納刀。肩に。これをやる度に輝夜は目を逸らすし、この状態のまま永琳と出会うと目を丸くされる。そうして渡された腰に帯刀するためのベルト。斜めにかけて刀を背負うような形で安定させる。刀って言ったら腰か背中よ。当然の条理だな。

 

「あれ、抜けねえ」

 

「腰にやらなきゃ抜けないのよ。依姫も同じようなことして抜けずに焦ってたわ」

 

「マジかいな」

 

腰に巻き直す。抜刀、踏み込み、振る。居合いなんてものは知らんし、早ければ良いものだと思ってる。何度も振って、動きを止める。これあれだ。聖徳太子のやつにやらされた稽古とほぼ同じだ。やっぱりあれだな。行動に準じて記憶が蘇る。ふー…まったくだ。こんなことになるなんて考えもしなかった。じゃあ俺は誰かに甘やかされたら鬼のことを思い出すのか?…やめとくか。

 

「…疲れた」

 

「でしょうね」

 

「輝夜もやろうぜ〜」

 

「嫌よ。私が振ったら地平線まで切るもの。」

 

「マジかよ」

 

「それはそれとして。ご飯です」

 

「不老不死とは言え、ご飯はやめられないのよねぇ」

 

「永琳これ何の肉?」

 

「前襲ってきた、妖怪とか言うやつ。多分同じ種族のものよ」

 

「…あいつらの肉がぁ…」

 

永琳の腕前で美味いんだが、やはりあいつらの肉は素がまずいのか輝夜もあまり箸が進まないらしい。永琳も何か首を傾げながら食べている。ただの牛やら豚の方が美味い。そうだったな。妖怪が出てきた時に美味くないと言えば良かったか。失敗したな。あ、おい輝夜、お前俺が食べ進んでるからって俺に肉を寄越すな。目の前に作った奴がいるだろ失礼だぞ。

 

「…はぁ。ごめんなさい、これはもう使わないわ」

 

「すまん、不味いって言うの忘れてた」

 

「そーよそーよ!永琳が失敗するなんてありえないわ!」

 

「そうなると家畜を飼った方がいいかしら…」

 

「誰が妖怪かの見分けがつかないのに家畜か。無理だな」

 

「えっ」

 

「食事は困難を極めるわね」

 

「えっえっ」

 

「隠れて生活するなら飯は我慢だな…」

 

輝夜の微かな悲鳴を聞き流し、外に出てまた刀を振る。思いっきり振って竹を切る。同じ竹をもう一度切る。中をくり抜いて長い筒を作る。獅子脅しを作ることにした。多少はマシになるだろう。永琳に水を流してもらい、試作獅子脅しの音を聞く。ちっせ。獅子脅しってどうやったら音がデカくなるのか。後ろで鳴らしてるからなぁ…ジェット機でもつけるか。

 

「これで良い?」

 

「多分」

 

「ねえ」

 

「何輝夜」

 

「美しい輝夜。それ、竹が割れない?」

 

「え?」

 

スダァッと大きな音を立てて石と竹を割りさらにその向こうへと進んだ加速器を見て、ちょっと俺には無理だな、と。拗ねて凹んで眠る。もう良いもん、知らね。このまま二百年くらい寝てやる。はぁーあ!ったく…いや永琳がいてそれに気付かないのおかしくね?あ、うんおかしいわ。どう考えてもそれはおかしい。何で永琳いるのに設計ミスなんか起こしたんだい??

 

「この植物についてほとんど何も知らないのよ」

 

「だから俺が疑問なくやってるのを見て耐えれると思ったのか」

 

「ええ」

 

「…俺のせいじゃん…」




永琳「私が死に戻りを助かる展開はまだですか?」
蒲柳「もう助けられてる」
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