鬼畜死に戻リプレーヤー   作:覚め

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薬学部卒業永琳「…薬の作り方…?どこから話せば…?原材料、とか?」


薬というもの

「これか…」

 

「どうせなら、変身とかしたいでしょう?おまけよ」

 

「力んだら鬼になるって…俺刀振り回す時力むよ?」

 

「ええ。ま、それはやってみればわかるわよ。調整は出来てる」

 

「さっすが、頼りになるね」

 

薬を飲むと、腹を中心にぐるぐると渦を巻く気持ち悪い感覚に襲われ、思わず座り込んでしまう。ただ、頭に何か温かいものがズルズルと入って、そのまま無くなったのを感じる。まだ頭の中やらどこかの変化はあるが、どうにも落ち着き始める。永琳に鏡を持って来させて顔を見る。よく見慣れた顔だ。ここ数百回の死に戻りで一番見たことのある顔。閻魔は絶対に許さんが、多分殺せないだろうからね。

 

「んで、永琳。やりたい夫婦の行動ってのはなんだ?」

 

「そうねぇ…こう、桃太郎みたいな」

 

「川もねえのに」

 

「えぇ…じゃあ、どうしましょう…夫婦喧嘩?」

 

「輝夜ぁ!」

 

「鈴仙!武力でも知力でも負ける蒲柳が見れるわよ!」

 

「はい!!」

 

「違えってバカ、味方増やそうとしただけなんだよ」

 

「そうねぇ…武力でどうかしら?」

 

「よしきた」

 

刀を抜く。が、それはダメだと言われたので外に出る。武力ってもしかして殴り合いってこと?あ、やばい?早速力む。ググッと…全身力ませてようやく鬼になる。コツってのはまさか、全身に力を入れる速さなだけ?マジかよ…さて永琳と向き合う。夫婦喧嘩ってんだから多少は不満を言うべきなんだよな?…この、マッドサイエンティスト!夫の体内に血を入れるやべー奴!あとは…なんだ?

 

「なんかあるか?」

 

「パワハラ!月の都なら王に何度か勧告される人!」

 

「ないわね」

 

「じゃあ私からも…蒲柳、貴方はいつになったら私に血液を入れてくれるの?」

 

「えっ」

 

「その罰を何年も待っているのに…」

 

「言ったなそういえば」

 

「…えと、後あったかしら」

 

「あ、終わり?」

 

と言うわけで武力の始まり。鬼になった力で永琳と手を握り合う。そのまま腕力で押し合う。あ、意外と押せるな。このまま行けば押し切れそう。と思ったのに膝で急に腹を突かれ、下がった顔が永琳の両手で叩かれる。こちらも叩かれた後に頭突きしてみたが、出した頭の勢いを利用されて一回転。…いや、奇襲は俺の十八番だろ。なんで俺とられてるわけ?

 

「がっふ…」

 

「貴方の得意分野でやってあげてるのよ。さ、もう少しやりましょ」

 

「それもそうだな…ほら!」

 

「はずれ」

 

膝蹴りを放てばその膝に合わせて足が出されて、カウンターを喰らう。そのカウンターに合わせて空手チョップ。これは決まった。そのまま両手で頭をぶっ叩き、タックルで押し倒す。つもりが、どうにもそれは永琳に読まれたようでタックルを躱され俺が倒れかける。そこに永琳が蹴りを入れてきて倒れる。そこに永琳がのしかかる。チンピラみたいな戦いだ。辛いぞ、これは。

 

「これってどうやったら勝ちなのかしら」

 

「さあな!」

 

起き上がって永琳の頭を抑え、口づけ。そしてそのまま頭突きもセット。愛と暴力、それはセットなんだな。そのまま抑えていた手を離してアッパー。永琳の股下を抜け出し、顔面に蹴り。地面にあった石ころを拾って永琳に投げつける。永琳はまだどこか悦に浸っているような顔をしているが…さて、どうしたものか。

 

「…永琳〜?ダメだ悦に浸ってるぞマジで」

 

「これは蒲柳の勝ちね」

 

「惚れた弱みですね?」

 

「そうね。永琳にもこんなわかりやすい弱点があるだなんてねぇ」

 

「っあ、…今のは、夢?」

 

「もしかして俺のやったこと感知されなかったの?」

 

そもそも怪我があるのかどうかすら怪しい。とりあえず夫婦喧嘩は俺の勝ち。いやそもそも勝ちとかあるのか?夫婦喧嘩だろ?…なくね?ないわ。いやでもあるわ。意見を押し通す権利が勝者への御褒美として。永琳に輸血してやるかぁ。ちゃんと…あれするんだろ?合併症とかそう言うのが起きないようにする処置。え?生が良い?処置は違うの?何言ってんだお前…?

 

「ほらよ」

 

「これが相互輸血…!蓬莱の薬で不死人になった私たちにしか出来ないものね」

 

「おい鈴仙、そろそろ俺はこいつが怖いぞ」

 

「いや蒲柳さんはいつ発作起こすんですか?お師匠様のコレは発作だと思ってるんですけど」

 

「あぁそっか…え、あー…」

 

「…鈴仙、多分血液一周し始めてるから、そろそろ」

 

「なんでわかるんだよ気持ち悪いなぁ」

 

「さて、ご飯にしましょう」

 

「おい鈴仙」

 

「いやちょっと」

 

鈴仙に泣きつくも一蹴。輝夜は『永琳ならそれくらいやるし、それくらいわかってるのよね』と返される。依姫を頼りたい気分なんだが、その依姫はここにはいないので。ままならんもんだねと落ち込み気味な俺をよそに永琳は早速この血液で走り回ってくると楽しそうだ。なあ鈴仙、結婚って普通はこんなもんなのか?みたことない?ああ、そう…輝夜は完全に知らんだろうが。

 

「今日も変わらずに飯がうまい」

 

「…そういえば、私たち月の民と蒲柳は種族が違うのよね?」

 

「そうだ…そうなのかな?いやでも俺が知ってる限りは人類一度消えてるし、まあ別種ではあるか…?」

 

「血液交換して大丈夫だったのかしら」

 

「俺が無事だから良いんじゃない?案外蓬莱の薬でなんとかなってるかも」

 

「それもそうね」

 

「…いやあの、衛生観念とかって大丈夫なんですかね?」

 

「永琳のやることだぞ、安全なはずだ」

 

「セカンドオピニオンなんていざ知らずよ」




そもそも幻想郷においてまともな医者が存在するのか?
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