鬼畜死に戻リプレーヤー   作:覚め

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刀「俺の出番は本当にないぞ!」
ちなみによく切れて手入れ要らずです。どれくらい切れるかっていうと、水圧カッターを逆に切れたり。海底に沈んでも持ち手の部分まで海底を刺したりするくらい。


成長

「疑問があるのよ」

 

「何?」

 

「貴方の話が本当だとして、貴方がここで初めて貴方が死に戻る時まで生きた時に、貴方は貴方に会えるのか。会えるのなら貴方はなぜ会いに行ってないのか。」

 

「しらん。でもまあ、この月にいる限りは会わないんだろ。ってことはだ、俺はもうここに骨を埋めるってことだな」

 

「次の貴方はどうやって孤独に耐えるのかしら」

 

八意には覚えてる限りの死に戻ったことを話した。鬼はもう名前も出てこないが、聖徳太子は覚えてる。意外とそういうのは覚えてたりするんだよ。そういうことはほとんど話した。その上で今の発言。こいつ心ある?あったとしてそれは人の心かどうか疑わしいものである。一時期死に戻りでヤケになった俺でももう少し考える。人間が変な生き物から逃れてる時代だったが。

 

「八意、今のはダメだ」

 

「だからって腕を切り落とすことはないでしょう」

 

「違うそっちじゃない。切られたら怒れ。そして何も言わずに『仕方ないなぁ』的な雰囲気で腕をくっつけるな。」

 

「あ、そう?じゃあ離す?」

 

「違うそうじゃない…こう、害を加えられたら怒って良いんだ。俺がお前の下着着ること嫌がってた時期みたいにさ」

 

「ああ、なるほど」

 

そう言って俺の腕に矢を刺してきた。かなり久しぶりに叫んだ気がする。最も精神的な言い分であればこの程度の痛みは知っているし慣れているわけだが。死ぬ方が怖いのでさっさと治療してもらう。八意は、現代(死に戻る前の一番最初)のように頭の良い=医学部な感じなのか知らんが医療にも長けている。こいつあれや、八方美人的な奴だ。全方位無敵。八百万方美人。ちなみに腕はもう良さそう。

 

「…そうだ、私も教え子を持つことになったな」

 

「え、ごめんだけど八意って何歳なの?」

 

「…××歳」

 

「失礼だからって認識できない言葉で言わないでよ」

 

「月に来て何年だと思ってるの?」

 

「まだ三年も経ってないだろ」

 

「残念まだ2ヶ月よ」

 

俺の細腕が八意を襲う。特に効果はないようだ…。しかしこいつの年齢、三桁云々はジョークかどうかもわからない。まあ放っておけば良いと言うのはその通りだが。八意は今日も暇らしく、いつも通りに話したり寝転んだりしている。太るから動けと言ってみると、職場の姫と一緒に運動をしているので大丈夫とのこと。お前やっぱ職場で浮いてるの姫のせいじゃない??

 

「ねえ」

 

「何?」

 

「私たちってどう言う風に見えると思う?」

 

「あー…『有能女とヒモ』かな」

 

「すごい…姫様と全く違う」

 

「そりゃあな。国に養われるか頭の良い女に養われるかは別だろう」

 

「姫様は家族って言ってたからてっきりそう言うかと」

 

「ごめん俺が悪かった」

 

最も俺の外見ならそれもおかしくはない。というより、それ以外ならまず犯罪かそれに近い臭いがして当然であろう。ここ犯罪臭しない?と言うことだ。刀を持って素振り。ここ本当に月なんだろうな、刀がクソ重いんだけど。そんなことを愚痴ると八意からは『子供だからでしょ』と言われた。ふーむ正論。八意と共に寝転がり、一つ大あくび。月とは暇だな。何もやることがない。

 

「貴方だけよ」

 

「八意は?」

 

「そうね、あると言えばあるわ」

 

「けっ」

 

「たまに変な人が家に来るでしょう?」

 

「来るけど」

 

「大体私の家と知って訪ねているのだから、大体仕事の話よ」

 

「でも前よくわからん黒い人がドアめっちゃノックして来たよ」

 

「…とにかく。暇なら私を労ったら?」

 

どうやって労えば良いのか。そうだな…よし、なんか小さいことで褒めるか。いや褒められるのは慣れてるとか言ってたな。じゃあダメか…そうだ、感謝を伝えられるのは慣れてないとか言ってたな。感謝しようか。何に感謝すれば良いのかはわからんが…そうだな、菓子買ってくれてありがとうとかしか思い浮かばない。

 

「…ありがとな。色々と手伝ってもらって」

 

「っ…それが労い?」

 

「逆に聞くがこれ以外に俺が出来ることはないぞ」

 

「…もうすぐお昼の時間ね」

 

「そうだな」

 

「私の好物は昨日買って来た袋の中にあるのよねー」

 

「…わかった、作る」

 

袋を見てみると…なんだこりゃ、ほとんど甘味じゃないか。頭のいい奴って甘いものが好きなのか?唯一血縁のある家族を思い浮かべる。アレもそうだった。もはや男か女か、年上か年下かもわからないが、甘味が好きで頭の良い奴だった。八意ほどではないが、まあそれは良い。問題は甘味だらけなことだ。と言うか月に甘味とかあるのか?八意の許可を取って食べてみる。栄養食の味がする。

 

「一応作った。味は知らん」

 

「ありがとう、いただきます」

 

「俺とお前が出会ってから今どれくらいだっけ」

 

「3ヶ月…いや、4ヶ月?」

 

「まだそんくらいなのか…今まではずーっとただ死ぬ時を待つまでだったから、新鮮なんだよ。久しぶりなだけだけどな」

 

「私の食事を邪魔しないで」

 

「俺が作ってんだぞ?」

 

「養ってるじゃない」

 

「くそっ」

 

八意が食べ終わり、俺も食べ終わり。さて完全に暇な午後だぞと思えば八意は本日早速の昼寝をしようとしていた。昼寝か。八意の心地よさそうな寝顔に誘われ俺も…とはいかん。皿を洗い最低限の片付けをして床に横たわる。毛布を敷いてその上に八意が進めて来た謎のよくわからない模様の布団。例えば、謎の英単語が印刷されてるよくわからない服。いやしかし、八意のセンスは壊滅的だと思う。

 

「…こっち来なさい」

 

「うぉっ」

 

「ここの布団気持ち良いでしょ?枕もちゃんと気持ち良いのよ。じゃあ一緒に寝ましょう」

 

「…いや眠いだけなので遠慮します」




八意永琳「一緒に眠れば二人とも体調が良くなるだけなのに…」
蒲柳「寝させて…」
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