鬼畜死に戻リプレーヤー   作:覚め

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聖なる徳の王と書いて聖徳王。
腹あたり掻っ捌けば徳の積んだ血しかないだろうか?


聖徳

「お、太子様、懐かしい顔ですよ!」

 

「ん?」

 

「げっ」

 

俺からしても懐かしい声がしたのでそちらを向けば、思い出すのに時間はかかったが布都さん。その隣には…忌々しい奴がいた。なにやら声をかけてきやがったが…無視もできないし。

 

「どうもこうもない。なんでこう、連続して昔の奴に会うんだ」

 

「…いやまあ、君の反応から大体予想はできていたが…」

 

なんだその声は。ぶち殺すぞお前。まあ良いけど。俺の目の前にいるのはかつての聖徳王だ。いやまあ仕えたよ。出会った時に本物だーって叫んだよ。仕えた過程?叫んだら見出されて、ね。あの時は意味わかんなかった。今もだけど。そう言えば、聖徳太子との生の時に育ててくれた屠自古さんが見当たらない。どこ行ったんだろうか。巫女の様子を見るに、仙人のアレコレには成功したように見えるが。

 

「…見えていない?」

 

「いやいや…里の防人には見えましたぞ?」

 

「それもそうか」

 

「待て、どういうことだ?」

 

「あー…その、な」

 

説明を受けた。どうやら屠自古さんは布都さんの画策により仙人のアレコレには失敗したらしく、怨霊として彷徨い続けているとか。しかし、幽霊か。今までに一度も見たことのない存在だな。でも今の二人の反応からしてみると、どうにも二人には見えているようだ。それどころか他の奴らにも見えているらしい。マジか…と驚いていると、なんか息苦しい。息苦しさを振り払って息を確保する。

 

「…今のは息苦しかったのかな」

 

「私には分かりませぬ」

 

「…まって今の屠自古さん?」

 

「うん」

 

「まじかぁ…幽霊ってそういうふうに存在知らせるんだ…」

 

「そっち?」

 

さてそんなことは良くて。良くはないけど。そんな感じで話を進めていると、寅丸と会った。今俺は甘味を食べている。新作パフェを。聖徳王と。逃げられない。が、聖徳王ならこの俺の気持ちもわかっているだろう。多分だが。まあそもそも俺がこいつを嫌ったのは仙人云々の話だけだ。俺がやろうとした時はどうにも止めにきやがったし。お前らからすれば千数百年の別れだが、俺からすれば一万年以上の別れだ。

 

「あら、また女?」

 

「永琳」

 

「帰りが遅いから迎えにきたのよ」

 

「えっと…彼女は?」

 

「俺の嫁。八意永琳だ」

 

「別嬪じゃなぁ」

 

「でしょ〜?布都さん話がわかるね〜」

 

聖徳王が口をパクパクさせているのを横目に、永琳に屠自古さんが見えるか聞いてみる。一応見えているらしい。緑色っぽい人だそうだ。俺の目に映らない理由はなんなのか。思いつくのは閻魔くらいだが…はて、記憶を戻したくらいだろう、あれは。永琳に事情を説明。その屠自古さんは俺を育ててくれた母親と呼べる人の内の一人で、久しぶりにその顔を見たいからと頼み込む。

 

「…そう。ダメ」

 

「えぇ!?」

 

「大体幽霊なら冥界に行けば見れるはずよ。あそこのお嬢様のこと、見えてたでしょ」

 

それだと思い、永琳と共に冥界…にはいかず。なんなら鈴仙に頼めば見えるようになるんじゃないのか?という理由で鈴仙のところへ。話をつけて波長を合わせていく。屠自古さんがここにいるかどうかもわからない中、探しまくる。瞬間、緑色が見える。鈴仙にストップをかけ、徐々に合わせていく。はっきりと見えたところで完全にストップ。間違いない。思い出すまでもなく、屠自古さんだ。

 

「屠自古さん!」

 

「ようやく見えたか!?」

 

触る。触れる!?屠自古さんの体に頭を埋め、挨拶を交わす。その時に初めて知ったのだが。どうやら屠自古さんが死んだ後怨霊になって、その後はなにをするわけもなく俺に着いてまわっていたらしい。つまりは、聖徳王は約束を守らずに屠自古さんがその約束を果たしたというわけだ。尚更聖徳王は嫌いだ。屠自古さんを殺した布都さんはまだ永琳の美しさを肯定したのでOKです

 

「…えへへ」

 

「甘えてる!あの蒲柳が!!」

 

「…」

 

「嫉妬の声がします…」

 

「鈴仙さんきゅ!」

 

「あぁ、言葉までもが子どもらしく!」

 

「そんなに甘えたかったのか?嫁さんに甘えれば良かったろ」

 

「実母と嫁は違くない?」

 

「実母じゃないぞ」

 

実母じゃない?違うな。俺が母と呼べるやつの中で一番初めてのちゃんとした母だった。萃香は…うん。鬼としての生き方を教えてきた。教養とかを教えてくれたのは屠自古さんが初めてだったはずだ。ちゃんと甘えられる環境だったのもあるが、同族なことも関係はしているだろうな。今は全然違うけどな。しかし、幽霊が見えないんだ、俺。屠自古さんによると里の防人に見えたらしい。何故??

 

「ま、良いか。今はこうして見えてるし!」

 

「おいおい…」

 

「というわけで聖徳王、帰れ」

 

「えっ」

 

「鈴仙案内よろしくね」

 

「え、あ、はい」

 

「ん、じゃあ私も帰るか」

 

「じゃあまたいつか、里で」

 

「分かった」

 

「…さて。色々と聞かせてもらうわね?」

 

勘弁していただきたい。母にその類の感情はないんだ。お前からしたら姑だぞ?ほれ、な?だから落ち着けよ。なんで俺の交友関係が女に限って竹林に…え?聖徳王の方?あれは…な。俺を捨てたに等しいやつだから普通に嫌いだし、死ねとしか思わんぞ。もう死ななさそうだけどなあいつら。じゃあ俺たちと同じか?いや仙人ってやつだから違うか。

 

「あいつとはなにもない。本当に。言い寄られた覚えはないしな…頼りにはしてたけど」

 

嘘発見器(鈴仙)

 

「嘘ですね。言い寄られた部分だけですけど」

 

「…さて」

 

「待ってよもう」




鈴仙「嘘をつけば波長が乱れます。個人差はあっても、必ず。」
永琳「その乱れを見やすくする薬を私が与えてるってわけ」
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