鬼畜死に戻リプレーヤー   作:覚め

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鈴仙「異変解決なんて、懲り懲りだ〜!」
博麗の巫女「は?」
鈴仙「ごめんなさい」


言い訳

永琳の症状が治るまでの間の世話は全て俺がやったので、治してその感想を聞くことにする。ちなみに鈴仙が解毒剤を場当たりで作ったので俺は殺さずに済んだ。そうして身体の動きを把握した永琳は、俺の腹に頭をぐりぐりと押し付けてきたのだった。腹が湿る。泣いてるのか、永琳が。幼い子みたいに。幼児退行?やばいな、早急に戻さなければなるまい。こういうのは大体頭を叩けば治るんだよ。

 

「その、言い訳としてなんだけど」

 

「おう」

 

「最近、蒲柳とどこかに行くことをしなかったじゃない?だからその、疑似体験って訳じゃないんだけど…」

 

「一緒に歩きたかった、と」

 

「え、ええ!そう、そうなの。」

 

「異変に乗じたと」

 

「…それはその、ごめんなさい」

 

「まあ謝ったなら良いんだ。で、どうだった?俺の介護は」

 

「二週間延長お願い」

 

鈴仙が永琳をぶっ叩く。まあ流石に叩かれて当然な受け応えだ。そうして永琳も普通に戻って行き、面倒な異変も消え、てゐが頭を下げていたのはイタズラの被害が因幡まで及んだからで全然異変ではなく、なんともない一日に戻って行った。鈴仙に宴会の手紙が来て、そのついでで俺たちも招かれた。ついでなのが気に入らんとは思いながらもタケノコ料理持ってけば良いだろと詰め込んで来た。

 

「…妹紅もいるのか」

 

「まあな。蒲柳は嫁さんと離れて良いのか?」

 

「つい最近喧嘩してな…神経毒で二週間介護してやったわ」

 

「おかしくね?」

 

「蓬莱人にとっては暇つぶしよな」

 

「いや、その感性はおかしい。」

 

「…そうか?」

 

酒は飲まずに時間が過ぎることだけを待つ。話をして。永琳からの視線が痛いので永琳の側に戻る。甘えたがりかお前。独占欲?あぁ、そう。まあそれは良くて。何も良くはないが。さて今回の異変の首謀者はと言うと、どうにもここにはいないらしい。らしい、というのは…俺がその首謀者を知らないから。あそこにいる妙に小さい奴が起こした異変ではあるが、どうにも相方がいたらしい。その相方が首謀者と聞いた。

 

「いやぁ、そんなことがあるなんてな」

 

「小物が大物を唆すなんて、おかしな話ね」

 

「輝夜もそう思うか」

 

「永琳は唆した側だもの、共感できる部分があるんじゃない?」

 

「やめて…」

 

「踊らされた同士楽しくやろうぜ一寸法師」

 

「良いよ。私、針妙丸って言うんだけど、貴方は?」

 

「八意蒲柳。踊らせた方の夫だ」

 

「えっ…まさか惚気?」

 

そうとも言う。どうやら針妙丸は今現在宴会に参加している奴らに挨拶回りをしているらしい。騙されていたとはいえ、失礼な真似をしましたと。これからはどこで過ごすのか。城を構えるくらいなのだから、城に住むのかとも思うが、鈴仙の話にあった空浮く逆さの城が見当たらない。捨てたか異変の時だけの演出なのかわからないが。今後は主に博麗神社で過ごすらしい。質の良い布があるため、その商売をするとか。

 

「蒲柳さんの服も随分と傷んでるし、縫ってあげようか?」

 

「あ〜…いや、俺はこれで良い。世話になった鬼に縫ってもらった服を嫁に作らせただけだからな。」

 

「惚気じゃん。吐くよ?」

 

「そんだけちっさいと相手もいないもんな」

 

「私たちの夫婦仲を見て惚気だと騒いでなさい」

 

「神経毒で二週間死にかけてた奴が言うかな」

 

「神経毒で二週間?」

 

「この嫁が異変に乗じて俺に甘えてきたからな。嘘ついた罰で」

 

「罰…?」

 

と言う訳で、針妙丸の商売話を意図せず手に入れた。針妙丸の挨拶回りが終わった頃に解散の号令がかかったので各々片付けに入る。酔い潰れてるやつも中に入るが、そいつには博麗の巫女が容赦なく蹴りを入れて起こしている。鬼かお前。鈴仙は勿論酔い潰れていたが、異変解決を頑張った褒美なのか揺さぶられて起こされていた。二度寝を決め込んだ瞬間には蹴り飛ばされていたが。鈴仙の保護者会がここにあるのに。

 

「どうした針妙丸。なんで着いてくる」

 

「いやぁ、その子の服が珍しいから」

 

「こいつの?…ブレザーが?まあ確かに幻想郷では見ないけど」

 

「でしょ!?」

 

「あの、どうでも良いんだけど。なんで私が鈴仙背負って、蒲柳がその小人を肩に乗せてるのよ」

 

「嘘ついた罰じゃ」

 

「私が蒲柳を背負って、蒲柳が鈴仙を背負って、その鈴仙の上にそこの小人が乗る。で良くないかしら」

 

「…こいつの持ってる荷物もなかなかに重いぞ」

 

「蒲柳の腕力なら余裕でしょ」

 

んま、そりゃそうだが。起きた鈴仙が暴れないと決まってないので流石に。今でも居合抜刀は続けているので力も落ちてない。衰えてないはずだ。それでも針妙丸の荷物はかなりきつい。背中を振ると針妙丸が振られ、それにつられてか遠心力で背中が振り回される。背中が揺れないように歩くのに精神を使う。こいつ、本当に荷物が重い。この小人はかなりの力持ちと見える。

 

「さて。永琳、飯食おう」

 

「さっき食べてきたのに?」

 

「永琳は飯食ってなかっただろ。作ってやるから」

 

「愛されてるねぇ」

 

「よく見られてる、と言ってもね。輝夜はもう寝ちゃったし」

 

「三人だけの秘密食事だ」

 

「やったー!」

 

飯を作る。永琳の好きな飯を作る。直接聞いたことはないのだが、出した飯の中で一番反応が良かったものだ。あ、明らかにすると思ったか?残念、明らかにしないよ。出来上がった飯を出す時にはもう針妙丸は寝ており、永琳も眠そうにしていた。飯を並べて手を合わせる。針妙丸がどれくらい食べるかわからないので、少なめ…とは言っても一寸法師なのでお猪口に乗せるくらいの量しかないが。

 

「…どうだ?」

 

「幸せって感じの味よ。」

 

「…意外と美味しいね」




蒲柳の飯は意外と美味く、意外と美味くないくらい。
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