まあとある時点で未来が変わる未来だと言われたら納得ですが。本作では蒲柳のせいで蒲柳の知る限りの未来確定してるんで。
「…八意」
「何?」
「ここどこ?」
「私の教え子がいる場所」
はぇ?どうしてこんなところに…無理だよ俺学校行ってないもん。小学校…いやそもそも学んだことのほとんど死に戻りで失ってるからね。あれだ…掛け算までだ。多分あれだな。割り算は無理。そんくらいの頭だぞ?あ、教えるんじゃない?そうなのね。じゃあ良いわ…いやよくねえわ。じゃあなんで連れて来られたの俺?
「こちらが同居中の蒲柳。」
「こんちゃーす」
「…子供だ…」
「八意の教え子…二人だけ?」
「姫様もよ」
「やっぱお前姫のせいで浮いてるんじゃない??」
「そんな馬鹿な」
「先生…」
目の前には俺よりデカい女性が二人。八意、こいつら生意気だぞ。俺の通算年齢より年下だろ。いや子供だからってお前…子供扱いすんな。とうとう抱えられたぞ。金髪に。顔蹴ってやろうかな。ダメだ届かない。さてこの二人、片方は豊姫、もう片方は依姫と言うらしい。うーん…豊かなんだから、多分金髪が豊姫。消去法で紫色の髪してる奴が依姫。
「ませてますね」
「…あのね、言わせてもらうけど俺はお前らより長く生きてるし多く死んでるからな」
「なぞなぞ?そうねぇ…私たちより長く生きてるのに年下な人、だーれだ」
「しかし背丈にあっていませんよ、この刀」
「八意から貰った刀。成長したら使えるようになる」
「地面に刺さってましたよ」
「なんで言わないのさ八意」
「…別に引きずってても良いじゃない」
顔を背けずに言ってれば完璧だったよ。なあ八意。おい聞いてんのか。二人からの扱いって俗に言う親戚の集まりに参加した子供に対する扱いじゃないのかこれは。抱えられたままどれくらいの時間が経過してるの?そろそろ離してほしいんだけど。くそっ顔が良いなこいつ…どうすれば手放してくれるんだろ。力強いから身動き取りづらいし。
「っの…!」
「あら、嫌だったの?ごめんなさいね」
「八意!こいつ怖いんだけど!?」
「まあ、貴方みたいな子供自体珍しいし」
「だからって見つめたまま無言はないと思うんだけど?」
「私帰りますね」
「貴女が見たいって言ったのに?」
「姉様は勝手が過ぎると思いますが」
そう言って豊姫の方は帰って行った。残ったのは依姫と八意と俺。なんだか知らんが俺のせいみたいな空気出すのやめてくれ。俺のせいじゃないと思うんだ。依姫に刀を取られて身軽になる。なんで急に刀取ったのこの人??依姫は剣術を主に扱うらしい。でもなんでこの人俺の刀取ったの??依姫は刀を振り回して舞のようなものを見せてくれる。が、ダメだ刀を取ったことが気になりすぎる。
「どうです?貴方も刀の扱いを心得ていると聞いていたのですが」
「心得てるよ。でもちょっと型とかは知らん」
「え?」
「心得てるのは戦い方じゃないの?」
「刀持って防具着込んで、こうガッシャンガッシャン言わせながら歩いてだな」
「それは刀の扱いではないのでは??」
実際に戦ってみようと言うことで、戦うことに。いやでも俺子供…あの、刀は振り回すのが精一杯なんですけど?どうやら関係ないらしい。なんなら俺は刀を持たないらしい。切れたらどうするのと聞いたら八意が治すので大丈夫とのこと。八意!やっぱこいつも怖いわ!なんでお前裁縫セットみたいなノリでそれっぽい道具出してるの?八意も怖いんだけど!こいつらみんな怖い!
「うわっ!?」
「うーむ…貴方は防具頼りの戦い方をしていますね。相手の攻撃を避けると言う概念がないように感じます」
「八意に腕治してもらってるから黙って!」
「いやそう言う話ではないのでは」
「依姫は切断面が綺麗だからくっつけ易くて助かるのよ。蒲柳とは違ってね」
「先生、その蒲柳というのは名前なのですか?」
「…八意蒲柳」
「良いわね。それ採用。と言うわけで名前よ」
そう言うと、なんだか依姫は頭を悩ませた。八意の苗字を名乗ると面倒そうなのでこれからも蒲柳で行くことが決まった。俺の名前が八意蒲柳となった時、八意はなんだか変な顔をしていた。なんだその、微笑みに似た何かの顔は。俺はたまに八意がわからなくなる。いや数ヶ月でわかる方もおかしいが、数ヶ月かけてもたまにわからないのはもっと変だ。理屈がつけられない。
「やはりマセガキですね」
「うるせーぞ豊かじゃない方」
「先生、手術は任せますね」
「短気すぎ」
「名前の話なのに…」
そう言って刀を返してもらう。うん、重い。八意に連れられお家へ帰る。あの二人怖いからもう近づけるなよ。絶対だかんね。ほんと、どれくらい怖いかって言うと初めて見た親の笑顔並みに怖かったもん。八意、聞いてる?ちょい、抱えるな。なんでお前まで子供扱いするのさ?悲しいぞ?でもまあとにかく家に帰れた。あー、腕がまだ不安定。
「ところで、貴方はあの二人だったらどっちが好き?」
「どっちも怖いんだって。ほら家に入るぞ。鍵開けてくれ」
「…今からあの二人より怖い話をするけど、良い?」
「え、何?」
「鍵、開いてるわよ」
「あ、え?…掛けたよな?」
つまりは今中には誰かいるってこと?八意の後ろに隠れる。いやここは子供じゃなくて八意さんが行くべきだと思うんすよえへへ…あ、ダメっぽい。仕方ないから家の中を進む。その後ろを八意が着いてくる。ねえやっぱ八意が先じゃダメ?ダメっぽい。俺の姿が目に映らないかららしい。まあ確かに俺が急に消えた時に気付かれなかったら俺終わりだしな…じゃあさっきみたいに抱えてよ!
「結局誰もいなかったな」
「そうね」
「なんか今日は色々とごちゃごちゃしててよくわからんかった。寝る」
「同じ布団で寝る?」
「八意が床でも良いんだよ」
「勘弁。」
え、ここから輝夜脱出まで何万年もかかるんですか??
話一気に進めなきゃ…