「おい輝夜…なんだこれは」
「久しぶりに格好いい蒲柳を見たいって、永琳が」
「永琳??」
「…ほら、体が鈍ってると…」
「お前また介護してやろうか?」
「四週間コースでお願いね」
俺はもう永琳に連れられて真っ赤な館へ。その中へ行くと、いつぞやのメイドが。知らねえ中華人も居たが、そいつが意気揚々と襲いかかってきた件に関しての謝罪はなかった。お前ら聞いとくけど許可取ったよな?取ったの?それでこれなの?…まじかぁ。あいつ斬ったけど問題なかったよね?流石に…な?被害者だもんな、俺たち。
「お嬢様」
「あら…貴方だったの?」
「なんの話?」
「とりあえず、フランドールって子は?」
「だからなんの話?輝夜?」
「蒲柳、貴方がこれから戦う相手よ」
「…いやそうじゃねえよ?」
俺が永遠亭でかち割ったこの少女はレミリアと言うらしく、そのフランドールの姉らしい。レミリアとしてもメンツ丸潰れな状態なので妹にメンツ持ち直させようとしてるのかな、と思ったのだが…どうにもそう言う雰囲気じゃない。どうやら俺は面倒な相手に足を突っ込んだらしい。突っ込まされた、の方が正しいが。レミリアに連れられ進んで行くと何やら赤い少女が。いやでも博麗の巫女よりは赤くない。
「…お姉様、この人?」
「ええ。それじゃあ私はこれで」
「あら、いいの?」
「ええ。フランドールの戦いなんて怖過ぎるもの」
らしい。妖夢というやつ以来のまともな対人戦。両者位置について始まったこの戦いだが、フランドールが思ったよりも早くぶっ飛ばされた。途中で勢いを殺したが、そのままよくわからんレーバティン?とか言うやつを振るわれる。刀でこれは受け止めるが…鬼になれば楽に終わるだろうが、そんな時間をくれるとも思えない相手だ。こちらの初手としては腹を斬り、そのまま蹴り飛ばす。
「意外とやるじゃない」
「っふぅー…お前、どこ斬られたら死ぬ?」
「首」
「首かよ普通だな!」
刀を振り回し、斬撃を撒き散らしながら追加でカマイタチも発生させる。永琳達は結界で身を守ってもらおうか。そのカマイタチやら斬撃やらを避けた後でレーバティンを振るわれる。見た目以上の炎を纏ってこちらを切ろうとしてきたので、まあ炎を断つ。
「はぁ!?」
「次、こっち」
見せない斬撃で体の至る所に切り傷を着ける。その上で背中を蹴り、居合の構えを取る。カマイタチも斬撃も止んだのを確認したフランドールは動きを止めたが、そのまま一番嫌な手を取ってきた。先ほどと同じように、レーバティンに炎を纏わせでかい剣として振るってきやがった。ので、俺の足場からフランドールまでを居合で斬り飛ばす。
「っはぁ…っ!死ぬかと思ったわ、ね!」
「っぎ」
「全く…」
結論として言えば、フランドールはどうやら避けていたらしい。俺は何やら破裂して終わり。な訳がなく。復活。後ろから切りまくる。身体の方を。この野郎マジで…と息を抜きながらの勝利宣言。永琳のそばに戻り、疲れたーと報告。すると背中から見覚えのあるレーバティンが。どうやらフランドールも再生が早いらしい。
「まだよ」
「…やってやんよ」
どんな生物にも見えない速度で斬り続ける。フランドールはそれをレーバティンで必死に防いでいるようだ。妖夢の奴は斬撃と斬撃の隙間を微かに感じる程度だったのに、フランドールはどうやら完全に感じ取ったらしい。その顔は段々と鬱憤が溜まっていくような顔をしていた。どうにもわかりやすい。しかし跳ね返さずにいる様子。
「このっ…」
「もう少し早くするぞ」
「ぇ?」
鬼になってスピードアップ。力も強くなるし体重諸々少し変わるが、早くしてるのは技術なので本当に速度に関係しない。しかしこれでフランドールでさえ感じ取れなくなったらしく、次第に鬱憤が溜まっていた顔が絶望したような顔になって行った。笑える。レーバティンがここまで耐えられるとは思わなかったが、まあそれはいい。所詮俺の勝ちだし。
「このっ━!?」
「防御外したら全部斬られるだろ。何やってんの?」
「ぅぐ…」
「ほれ、立て。」
「侮辱よ、こんなの…いたいけな子にこんなこと…!」
「すまんが責任とかは永琳に求めてくれ。俺は永琳の夫なんだわ」
「はぁ…?」
頭を撫でつつ永琳を呼ぶ。弓矢を構えるな。お前怖いぞ。レミリアがフランドールに掛け寄り、俺の手元から奪って行った。安否の確認をしているようだ。建造物の破壊に関しては知らない。カマイタチ以外は綺麗に整えてやったからさ、ほんとなんも言わないでほしいわ。あ、門番やってた奴が修理するの?あの突然襲ってきた奴!?…ちょっくら今から門とか壊してくるわ。
「永琳。お前本当に弁えろよ」
「久しぶりに必死な蒲柳が見れて楽しかったわ」
「輝夜も。止めろよお前。」
「はいはい」
「…あとなんで俺がお前らを背負わなきゃならんのだ?」
「私は姫だし」
「私も、たまには甘えたいのよ」
それを言われるとなんとも。輝夜はそのついでだが。家に帰って放流。疲れた。鈴仙に労いの飲み物を貰う。あれ、お前薬売りは?波長の調子が悪いから今日は休み?ほーん?それってどんな波長?高音と低音が入り混じった音?それただの耳鳴りじゃね?あ、違うんだ。そう。鈴仙の頭を撫で、フランドールの頭を撫でられなかった心を捨て去る。鈴仙よ、お前の頭は触りやすくていいぞ。
「…もう、やめてくださいよ」
「お前は子供みたいなものだからな。」
「じゃあ鈴仙は私と蒲柳の…!?」
「やばいのに聞かれましたよ」
「すまん」
星はその…武器持つなら虎の姿で暴れた方が強そうではあるから…