鬼畜死に戻リプレーヤー   作:覚め

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めおと


夫婦

「…どうしてあんなやつを招いたんだ」

 

「いや…鈴仙が押し切られただけよ」

 

鈴仙がシワシワな耳を振り回して逃げ回り、俺に抱きついてそのまま俺の後ろに隠れた。永琳と純孤の視線が痛い。鈴仙を撫でて鎮まらせ、そのまま鈴仙の寝室へ。鈴仙を寝かせて純孤に説教。耳見ろや。耳。シワシワのヨレヨレだったろ。死にかけのTシャツみてーな具合だったろ。あ、Tシャツってわかる?ヘカーティアが着てるあの薄っぺらい服な?あれが死にかけだとヨレヨレになるんだよ。あ、一回だけあるのか。

 

「管理がなってないな」

 

「服くらいねぇ」

 

「それにしても…貴方達夫婦なんでしょ?子供は?」

 

その場に沈黙が走る。俺と永琳は現在夫婦で、夫婦生活といえばみたいなことは一切してない。子供はもちろんいない。俺たちを夫婦だとするものは…そうだな、月で出したはずの婚姻届。それしかないわけだ。月で出した…はずだよな?あれ…あーそうだ。そもそも婚姻届出してねえわ。え、じゃあ俺たちが夫婦って認めるものって…

 

「え!?そもそも夫婦じゃない!?」

 

「よくもそれで寝取られとか言えたなお前」

 

「旦那を取られた私の前で言うのね、それ」

 

「あぁすんません」

 

「いやそれよりも!私たちって婚姻関係になかったの!?」

 

「…まあ、そうなるな。口上の結婚だったしな」

 

「ゔぅ…」

 

「わ、私は帰るわね。鈴仙ちゃんによろしく伝えて!」

 

「おう」

 

さてさて…永琳が時の移り変わりそして人里という組織への不満を垂れ始めていた。永琳を宥め…あれこれ鈴仙にもやったな?永琳も一緒に寝かしてやろうか。いや待て、なんか鈴仙来たぞ。寝るなここで。おい待て場が混乱してきたぞ。輝夜ぁ!てゐ!助けてくれ!!結婚ってどうやったらできるんだ!?そう言う意味ではてゐに来てほしいぞ!てゐ!鈴仙は寝たぞ!?

 

「…里に行って婚姻届、ゴーウサ」

 

「まず取ってこなきゃか…」

 

「そもそも住所とか年齢とかでしょ。夫婦の証として子作りした方が早いんじゃない?」

 

「輝夜…」

 

「子供!?いやでも私たち蓬莱人に子供って出来るの?」

 

「永琳が知らねえんだぞ、俺たちが知るわけねえだろ」

 

「死なない人間がどうして子供を作れるのかしらね」

 

「輪廻に反してるウサ」

 

「そうね…」

 

しかし年齢住所…いや待てよ。この世の裁判所みたいなところ、あったな。閻魔に口聞いてもらえれば、閻魔が証人の夫婦ができるんじゃないか!?…もしくは、それこそ神社あたりで挙式すれば公認にはなるだろうし…あーだめだ、こう言うの全然わかんねー。とりあえず閻魔から当たるか。閻魔…ヘカーティアが地獄の…王だっけ?神?だし口聞いてくれるだろ。空間を裂く。ヘカーティアが…来ねえ。鈴仙に純孤を呼ばせる。純孤が来る。純孤にヘカーティアを呼ばせる。

 

「つーわけ!お願い!」

 

「あのねぇ…私だってそんなに暇じゃないのよ?というか閻魔にそんな役割ないし」

 

「そこをどうにか」

 

「…まあ、頼んでみるわよ。断られたらそこまで。諦めなさい」

 

閻魔が来る。事情を話し、結婚をどうにかして形ある方法で認めてもらいたいと願う。子供はわからんし、人里は年齢的に多分無理だし。そうなったら閻魔を頼るしかないんだわ!お願い!…良いらしい。断られるか条件付きかは来るだろうと身構えてたのに、損した気分。さっさと閻魔に頼めばよかったよ。永琳はもう寝たしな。この世の全てに失望して。輝夜とてゐは寝ている永琳に着いてる。そんな心配することか?

 

「…まあ、貴方も一つの命です。私の名を持って認めましょう」

 

「婚姻届みたいなのって地獄にあるの?」

 

「…ありました?」

 

「あるわよ?最近デザイン変えたでしょ?持ってくるわねん」

 

渡された婚姻届のデザインは中々に奇抜…というか、ヘカーティアの変なTシャツを見ればわかるのだが、こいつ自身がかなり変なセンスの持ち主。それを考えれば当然ではあるか。とにかく永琳の指を少し切って血を出させて指を押し付ける。俺も同様のことをして、婚姻届完成。婚姻届は元々地獄でもあの世でも一緒にいたいと願う地位のある夫婦のためのものらしい。じゃあ俺たちが使って良かったの?まじで?

 

「はい、これで貴方達は夫婦です。死後も地獄で同じように暮らせますよ」

 

「おめでと〜」

 

「…これで永琳が起きてたらな。あーあ、つまらんのなんの」

 

「まあ、人里のシステムが変わっても地獄は変わらないから。安心して」

 

「するよ。永琳〜!」

 

「っ!な、何?」

 

「俺たちの結婚を閻魔と地獄の神が認めたから、正式に夫婦だ」

 

「…!本当!?」

 

「本当だ。俺を疑うのか?」

 

「そんな!」

 

永琳が抱きついてくる。鈴仙が俺に抱きついて純孤に対抗する。タイミング悪いな、お前。そうして俺たちは正式に夫婦となり、安心して同居できることに。永琳が大喜びで、じゃあ鈴仙は俺たちの子になったんだなと言うと永琳からの怪訝な顔をされた。今の流れなら認められると思ったんだが、違ったか。ちっ…まあそれも良い。少なくとも鈴仙は純孤の子供ではないのだ。いい加減に離せ。あ、くそ全然離れない。

 

「挙式するのね」

 

「永琳がせがむからな。輝夜はダメだ。主役が目立たないからな」

 

「私も挙式見たかったわ」

 

「輝夜はなぁ…じゃ、式の後で輝夜と俺と永琳で式やるか」

 

「寂しいわねぇ」

 

「因幡にサクラさせとけ」




終わり!最終回!!
…結婚、してなかったんだなぁ。
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