鬼畜死に戻リプレーヤー   作:覚め

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成人(刀が振れるくらいの年齢)です。
通してあげてください。


成人

「…あんま痛くないね」

 

「訓練された兵士でも歩くのに三日はかかるのに…」

 

そう言われたまま刀を握る。うん、振れる。俺の思った通りに振れるようになるには多分鍛えなきゃいけないだろうけど…それも多分なんとかなるだろう。さて、依姫ボコしに行くか。八意、あの生意気な依姫はどこだ。俺の体の鈍り具合を調べるためにぶっ叩きます。え、駄目なの?安静?立てるし走れるよ?念の為?そっかぁ。なら仕方ない。

 

「八意」

 

「何?」

 

「安静なら姫さんに会いに行こう。顔見せ」

 

「残念だけど姫様は今街を歩き回っているはずよ。どこにいるのかもわからないわ」

 

「…じゃあ、少しぶりの二人きりか」

 

「そうね。久しぶりに話し合いをしましょう」

 

話題は好みのタイプについて。俺は体温が少し高めの人なのだが、それだけを伝えると、八意が変な顔をした。何か言ったか、俺。どうやら八意からすればもう少しあるだろうと言うことらしいが、残念何回も繰り返した死に戻りのせいでまずは人肌になった。その次?考えたこともない…死に戻った後に恋人なんてできてないしな。だめだ、人肌しか出てこない

 

「本当なの?変ねぇ」

 

「八意は?」

 

「いや私はそう言うのないから…好きな人がいればその人がタイプよ」

 

「ロマンチストが」

 

「何言ってるのよ。はい、ご飯よ」

 

八意があーんをして来る。人によっては羨ましい光景なのだろうか。俺はここ数生の原始時代の暮らしによって文明的な食事を忘れかけていたので、あーんなんてものはかなりの違和感を覚える。前、誰かがしてくれただろうか。八意の差し出した飯を食って、安静だからと座らされた椅子に深く腰掛ける。正直言ってそんな些細なことよりも視界の変化に慣れたいが。

 

「八意〜」

 

「何?」

 

「めっちゃ暇」

 

「でしょうね。そうねぇ…何も思いつかないわね」

 

「あるだろ、こう、暇つぶしが」

 

「私は考えるだけで暇つぶしができるもの。そんなのいらないわよ」

 

「賢い奴め」

 

恨みを言って顔を背ける。八意は変なことを言うやつではあるが、考え事だけで時間を潰すのは俺もやった。死ぬまでやったこともある。虚無だったがな。途中でなんだかもう良いやと思えたら最後、何を考えても空虚になった。悲しいなあ、悲しいなあ。うっうっ…さてそんなことはどうでもよくてな。八意が俺の隣に座り、何をするわけでもなくぼーっとしている。

 

「どうした?」

 

「…今から恥ずかしいことを言うから、聞き逃さないようにしてほしいんだけど」

 

「ほう?」

 

「貴方の近くにいたら、結構暇が紛れるのよね」

 

「気持ち悪いなお前」

 

そう言った途端八意が首元掴もうとしてきた。身体を起こす勢いで椅子から転げ落ちる。あっぶな、後少しで殺されてたりするの?まあ…今回の生から死に戻ったら多分ガチで空虚な死に戻りが続くだろうな。それこそ、地球誕生よりも前に生まれたのなら恐らくは窒息で死に戻り続けるだろう。そうなれば最後、文字通り神頼りになる。

 

「八意…」

 

「全く。人が心を開けているのに…」

 

「流石に首はないだろ??」

 

「暇つぶしに射抜くから、避けなさい」

 

「俺は一応安静なんだよね??」

 

そこから四日ほど。動けるようになり、拗ねていた八意の態度も戻り。じゃあ依姫ボコしに行くわと依姫宅へ。出会う。依姫が勘違いを起こす。まずい。具体的には、今の俺と八意の子が成長前の俺と勘違いしたらしいのだ。八意の説明がなければ俺はおそらく立場がやばかった。どうしてこんな目に遭うのか?知らん。俺が知りたい。まあでも、八意がいれば問題はないだろう。

 

「では…いざ!」

 

「喉元」

 

依姫が木刀を上げた瞬間、一歩踏み込んで俺の木刀を依姫の喉元へ。ほらみたか!俺は強いんだぞ畜生が!!マージで誰も信じないの酷いと思うよ。八意もすんごい驚きの顔で見てるし、なんだこれは。本当にみんな信じてなかったってことか。泣いちゃおっかな?まあそもそも死に戻りの時点で信じ難いから良いとして。しかしなんかあっさりだな?

 

「も、もう一本!」

 

「…八意」

 

「いやぁ…私の教え子の中でも腕前は一番なのよ。本当に」

 

と言うわけで。また始まった。そちらが動けと言わんばかりに木刀を構えたままの依姫に対し、なんか良い落とし所がないかとも考える。ジリジリと間合いを詰めて行き、もう木刀が触れ合っている状況でも依姫は動かない。大声を出して腹を蹴り体勢を崩させ、背中に木刀を置いて勝ち。卑怯?普通に考えろ。まず持って戦場でこんな近付くことねえんだぞ。

 

「痛いです」

 

「こいつバカすぎだろ」

 

「いや流石に今のはナシよ」

 

「…もう一回」

 

「嘘だろ…?」

 

今度は依姫から間合いを詰めてきた。八意から『木刀以外で攻撃するな』と釘を刺されたので仕方なく鍔迫り合い。いやでも力負けるわ。ので、少し離れる。深呼吸してから猛スピードで依姫の木刀を叩きまくる。結局これが一番良い。相手が防御に意識を完全に向けた時、横から打つ。一本である。

 

「っ…」

 

「今度は文句ないだろ」

 

「もう一回、はなしね。それで、この後はどうするの?」

 

「姫さんに顔見せようかなって。」

 

「も、もう一本!」

 

「なんでもアリで良ければ」

 

承知したので、石を投げる。依姫が避けるのを見てそこに全力で振り下ろす。これを木刀で防がれるが蹴る。これも片膝で防がれる。ならばとそのまま足に体重をかけ続けて倒す。寝転がった依姫の隣に木刀を突き立てて終わり。よし姫様に会いに行こう。八意について行く。月の都の景色は全然覚えられる気がしないので、八意についていかない限りどこにも行けないのが事実なのだ。というかなんか所々見る度に全然違うものになっていることがある気がする。

 

「…今度は薙刀でも渡してみようかしら」

 

「そうなりゃ木刀投げるぞ」




依姫は原作時点より弱いから!!今あれだから。近所の子供にマウント取ってるようなもんだから!!
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