蒼い空と時計ヅラ   作:月時計

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アホ忙しい上に8章来ちゃって2か月くらい空きました。めっちゃストーリー良かったけど敵強すぎません?


アウギュステに襲い掛かる悲劇

「着いたぜ!」

 

『ここが……アウギュステ?』

 

 私達が訪れたのはアウギュステというバカンスの島。

 

 グランは依頼の為に訪れたみたいだけど……

 

「折角だから、お前らもここで遊ぶと良いんじゃねえか?」

 

 と言われ、私達はコルワから貰った水着に着替えていた。

 

「すげぇな、あのクソでけぇ湖と違って泳ぎ放題じゃねぇか!」

 

 ヒースクリフは初めての海に飛び込んでいった。

 

「うぅ……当人は遠慮するのである……」

 

「うむ……」

 

「それならこっちでお城を作りましょう!」

 

 以前のドンキホーテだったら迷いなく飛び込んでいただろうけど、今はイサンとルリアと共に砂の城を作っている。

 

「私も遠慮したいですね」

 

 ファウストも着替えているけど海に入る気は無いのかビーチチェアに座っている。

 

『私はどうしようかな……』

 

 正直、こんな形の休暇なんて取ったことがない事と、平和な海なんてものが初めてだから何をすればいいのかわからない。

 

 いや、というか私は飛び込んでも大丈夫なんだろうか? 雨程度なら大丈夫だったけど……

 

「おーい! 楽しんでるか!?」

 

 結局私もイサン達と砂の城を作っていたら、ビィが私達の下へ訪れ、呆れていた。

 

「おいおい……皆海が苦手なのか?」

 

「そういう訳では無いのであるが……」

 

『まあ、皆色々あるんだよね』

 

「あぁ、そうだ。ダンテさん、少し話があるんだけどいいかな?」

 

『? わかった』

 

 私とファウストはグランとビィに連れられ海から離れた場所へ移動した。

 

「実は、ここに来たのは依頼と休暇の為でもあるんだけど、もう一つ気になる情報があったからなんだ」

 

『気になる情報?』

 

「シェロカルテさんから聞いた話によると、アウギュステでは今多くのお店で食材が盗まれているみたいなんだ」

 

「アウギュステはバカンスにぴったりな島で、今までこんな事は起こらなかったんだけどよぉ……」

 

「それで複数の店舗が閉まっているのですね」

 

「はい、そしてどのお店も共通して盗まれた後は少量のルピがばら撒かれているみたいなんだ」

 

『それは……犯人は食材を買ったつもりなのかな』

 

「その可能性はあるかもしれないけど……値段は一つも足りないみたい」

 

『ファウスト、これって……』

 

「情報が少ない為ねじれとは断定できませんね、客観的に見てこの窃盗の犯人がねじれであるう可能性よりはただの窃盗犯の可能性が高いです」

 

 やっぱりそうだろうなと思うが、これを見逃すには私達はこの世界の優しさに染まって来たのかもしれない。

 

『わかった、私達も犯人捜しを手伝──────』

 

「管理人殿!! 来てくだされ!」

 

 突然ドンキホーテが声を荒げながらこちらへ駆け寄って来る。

 

 私達は慌てて海に向かうと巨大な蛇のような生き物が海で暴れ回っていた。

 

「リヴァイアサン!! 私の声を聞いて!! ──────きゃぁっ!?」

 

 ルリアが力を使ってあの蛇(リヴァイアサンというらしい)を鎮めようとしていたがリヴァイアサンは岩礁をルリア目掛けて投げつけて来た。

 

「ルリア!」

 

 グランが咄嗟に庇ったお陰でルリアは無事だったが、周囲が吹き飛びこのままではビーチが悲惨な事になるだろう。

 

「ダンテ! あれを!」

 

 イサンが何かに気づいたのか、リヴァイアサンの方向を指し示す。

 

 私がそちらを見ると、リヴァイアサンの側に何やら人影が見えた。

 

 その見た目を一言で表すなら商人だろうか、下半身は馬車の車輪の様になっており、上半身は身なりの良い服を纏っていた。

 

 そして……顔は……惑星だろうか? 無造作に塗られた緑と青の球体だった。

 

『あれは……ねじれだ』

 

「どうやらこちらに気が付いた様ですね」

 

 ねじれは何やら私達に気が付くと水面を車輪で走りながらこちらへ近づいてきた。

 

「あー、どうも……貴方達が母様が気にしてた人達ですか……」

 

「なんだ? うじうじして暗そうな奴だな」

 

「あー……すいません、昔からこんな性格なので……」

 

「おいお前! リヴァイアサンをどうする気なんだよ!」

 

 ビィがねじれに問いかけると相手はうだうだと話し始めた。

 

「えー……どうしたいかって言われると別に僕はどうでもいいんですけど母様の為に仕方なく連れて行こうとして……でもご飯をあげようとしても全然反応ないし無理矢理連れて行こうとしたらずっと抵抗するから周りがボロボロになっちゃうし……なんかそろそろめんどくさくなってきました……」

 

「だらだらと話しやがって……要はあのヘビを拉致ろうとしてミスりましたって話だろ!」

 

 ヒースクリフはねじれにバットを振ると言動からは想像もつかない速さでヒースクリフの攻撃を避けた。

 

「危ないな……何するんですか……とにかく貴方達も来ちゃったしやる事も失敗しましたし僕はもう帰るんで、後片付けはお願いしますね……それと僕は「お前」じゃなくて「巡る商人」です……」

 

「ま、待つのである!!」

 

「巡る商人」と名乗ったねじれはそう言うと空を飛んでこの場から離れてしまった。空を飛ばれたうえ、音が遅れて聞こえる程の速度で飛ばれてしまい私達は呆然と見送るしか無かった。

 

「うおっ!?」

 

 ヒースクリフが怒りに任せて何か叫ぼうとしたけどそれは私達の方へ飛んできた岩礁が遮った。

 

「みんな! 一度リヴァイアサンを落ち着かせよう!」

 

「し、しかし当人達ではあの海の向こうには行けぬ!」

 

 グランの声にドンキホーテが怯えたように首を振る、リヴァイアサンが暴れているのは陸から遠く離れた海の上。

 

 船で向かうにもあの暴れるリヴァイアサンの攻撃をかいくぐって辿り着くのは至難に思える。

 

「────────────」

 

『ん? ……あれって』

 

 私が何も解決策を出せずにいるとリヴァイアサンの下へ一隻の船が向かっているのが見えた。

 

「あっ! お前ら見ろよ!」

 

 ビィも気が付いたのか船を指して声を張る。

 

「一隻の漁船に思しき、船上に人影が見えゆ」

 

 グランが目を凝らすと驚いた表情を見せた。

 

「あれは……シグさん! という事はあの船はドゥルガ漁団だ!」

 

 流石と言うべきかあの船もグランの知り合いの様だ、ドゥルガ漁団と呼ばれた船はリヴァイアサンに接敵すると激しい戦闘が開始された。

 

『でもあまり優勢には見えないね?』

 

「はい、彼らに対しリヴァイアサンは漁船ごと沈めるつもりでしょう。現在紙一重で岩礁を避けていますがあまり長く持つようには見えませんね」

 

「でもリヴァイアサンのヤツ、あっちに気を取られてるぞ! 今ならこっそり近づけねぇか?」

 

「船はどうすんだよ?」

 

 ヒースクリフが呆れたようにビィに聞くと私達の後ろからシェロカルテが手を振りながら近づいてきた。

 

「みなさ~ん!!」

 

「シェロカルテさん!」

 

「状況は把握してます~! これを使ってください~!」

 

 そう言いながら案内されたのは丁度私達が乗れそうな大きさの小舟だった、後ろにはエンジンらしきものもついている。

 

「ドゥルガ漁団のみなさんがひきつけている内に、これでリヴァイアサンに近づいてください~!」

 

「ありがとうございます、シェロカルテさん! ダンテさん、皆、準備はいい?」

 

「うむ、子細なし」

 

「アウギュステの平和の為リンバスカンパニーが出撃しようではないか! ……海には落とさないで貰いたいのである」

 

「さっさとぶっ飛ばして、あのデカい蛇を黙らせるぞ」

 

『私も大丈夫』

 

「ファウストも問題ありません」

 

「それじゃあ行くぜ!」

 

「ご武運を~!」

 

 私達はシェロカルテに見送られてリヴァイアサンへ向かうのだった。

次は誰を探そう……

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