詩集 ――花・欲望・愛情・祈・人・願・蟲・肉・禁・神――   作:雅2

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天血

 

「散るが運命(さだめ)の桜故――――」

咲き散りて 汚泥に塗れる 桜の花びら

悲しいのは その美しさが

二度と戻らないから

 

 

 

 

 

「魔神」

私の心を貫き壊す

貴方の瞳は

神の槍

 

 

 

 

 

「豚」

お前は豚だ

只俺を満たすためだけに存在する 極上の豚の肉

 

 

 

「肉」

屠殺された この豚を

哀れに思って 下さるならば

せめて感謝と 敬意を胸に

どうか骨まで 喰らい 尽くして――――

 

―――――――――――「いただきます」

 

 

 

 

 

「性奴隷」

刻み込まれた快楽に

抗う術など何も無く

この身は奴隷と堕ちてゆく

無様に踊る 操り人形

奈落に堕ちて 粉々に

 

 

 

「性欲奴隷人形」

只々唯々性欲を 満たすためだけ 生きている

誰も愛さぬ 壊れた人形

マリオネットは 俺自身

奈落の底 腐敗の中で 星を見る

 

 

 

 

 

「百合花」

手折られて 踏みにじられる 百合の華

それでも私は 貴女が好き

 

 

 

 

 

「正義」

弱さは悪ではない

同様に、強さも正義ではない

だが、正義を振りかざすためには強く在らねばならない

例えそれが偽りの正義であったとしても

 

 

 

「悪」

悪を肯定する者は

殺してしまわなければならない

徹底的に一人残らず

その血で大地が沈んでも

 

 

 

 

 

「創作物」

只、踏みにじられる為だけに存在する恋

唯、崇め奉られる為だけに存在する愛

 

 

 

 

 

「鈴」

響き渡る 鈴の音は

救いの福音 破滅の跫音

 

 

 

 

 

 

「天獄」

甘い香りに捉えられ

抜け出す術なき

天の獄

あなたと二人 永遠に

 

 

 

 

 

「女神」

女神の吐息のように 甘く

少女の祈りのように 尊く

初恋のように 切なく

霞草のように 愛らしく

禁じられた果実のように 美しく

想い出せない夢のように 儚く

凍てつく吹雪のように 白く

恋人への想いのように 狂おしく

二度と逢えない人を想う心のように 悲痛に

愛する人の抱擁のように 強く

罪を断つ天使の羽根のように 清廉に

仄かな月の光のように 優しく

 

私の(こころ)照らし(えぐり)出す

 

 

 

 

「禁忌」

禁忌を犯してはならない

禁忌が禁忌でなくなってしまうからだ

 

 

 

 

「終焉」

取り戻せない物――――――――――

―――――――命、時間、あなたの心

 

 

 

 

 

「蟲」

あなたの愛は夜空に真円を描く 月に似ている

俺の愛は地を這いずり回る 蟲に似ている

 

 

 

 

 

「獅子」

私は貴方を蹂躙する

只々唯々繰り返し

獅子が兎を狩るが如く

 

私は貴方を蹂躙したい

只々唯々繰り返し

兎が獅子に向かうが如く

震える私に気付く迄

 

 

 

 

「狼」

一匹狼が好きだった

全てを拒絶する孤高が誇らしげに思えた

だけど本当は

一人になるのは弱いから

 

 

 

 

「白」

清純清楚清廉清心清浄無垢

誰も彼女に触れてはならない

 

 

 

 

「優」

神様神様お願いです

どうか世界を優しさで

満たしてあげて下さいな

優しい優しい世界の真ん中で

私はナイフを振り回す

 

私がナイフを振り回すのは自分の弱さの所為

私が世界を優しさで満たしたいと願うのは

全てあなたのため

 

 

 

 

「騎士」

守りたい物――貴女

壊したい物――貴女を取り巻く全て

 

 

 

 

 

「糸」

あなたと私を繋いでいた糸が ぷつりと切れた

血を流す 遠い日の思い出

 

 

 

 

「風花」

あの日の風花 空に舞う

儚い光に 溶けてゆく

白い溜息 目を閉じる

凍り咲いた 冷たい華

まるで私のこころみたい

 

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