アンデッド・アンダー・ダ・ネーション 〜死滅回游永続√after〜   作:砂漠谷

7 / 21
一人称に戻ります。なお、振動文字があります、ご注意ください。


オッパッピーだよ馬鹿や……あれ、誰もいない?

 仙台結界(コロニー)内に進入してから二日と少し後。

 カラスの眼を借りて安全地帯を探し、結果として見つけたこの廃校。

 窓は砕け、草は覆われ、かつての泳者たちの激戦の痕がグラウンドや校舎内に刻まれている。

 周囲は僕が式神を駆使して作り上げたバリケード。気休め程度の効果だろうが、ないよりはマシだ。

 

 その中庭で、僕は瞑想し、生得領域内部に意識を集中していた。

 生得領域内部で行うのは、四機の式神の整備だ。

 最初の式神。青い自動二輪であり、最も拡張性に長けるが元々の術式効果を持たない、シンプルなバイク。"青弐才(Pale Practice)"。

 二つ目の式神。赤い消防車であり、最も頑丈で最も多人数を収容できる。水を噴き出すポンプや、高い所に昇れるはしご。武器にも転用できる各種工具を内蔵する多機能車両。"赤提灯(Red Rescue)"。

 三つ目の式神。白い救急車であり、呪力を反転させて正のエネルギーに変換し、それを音波に乗せて放つ広域治癒能力を持つ特殊車両。"白無垢(White Ward)"。

 四つ目の式神。黒い霊柩車であり、呪霊や術師を封印して幸せな夢に浸らせることができる。封印した対象の術式を無制限に借用できるという最も特異な車両。"黒夢見(Black Burial)"。

 

 この四機の式神を駆使して、この結界を生き残っていかなくてはならない。

 

 あと数時間で、結界(コロニー)内の人間が持つ不死の術式が一斉に剥奪され、死滅回游が始まる。コガネが撮影した内部の映像(音声抜き)はリアルタイムで結界外部に送られ、全国で生中継される。

 その情報が結界(コロニー)内部に漏れた前例はないが。

 

 集中する。状態は万全だ。そんな折、上空から女の悲鳴が。

 

「ぎゃあああああああ!」

 

 眼を開いて上を見上げると、茶髪で、学生服の女が落下していた。

 助けようか。まだ不死のはずだ、放置しても特に益にも害にもならない――と思ったが。

 

「そこのぉおーー! 助けろぉーー!」

 

 ――それを聞いて、体は動いていた。反射的に落下地点まで歩き、手を広げる。

 呪力で強化した体は、人一人が落下する衝撃にも十分に耐え抜いた。

 

「と、おぉ……、あ、ありがとう」

 

 女をよく見ると、左目に眼帯をしている。呪力の流れは滑らかだ、中堅以上の術師であることが伺える。

 彼女を地面に降ろし、刀を抜く。

 

「えっちょ、何? 何なの、助けておいてやる気?」

 

 女は金槌を構え、釘を懐から取り出して距離を取る。中距離タイプか?

 

「やる気じゃない訳ないだろう。死滅回游だぞ」

 

 戦闘態勢を取りつつも、混乱している様子の女は、本来有り得ない疑問を口にする。

「あの、なんか起きたら変な呪霊に憑かれてシメツカイユーがどうのこうの言われて、術式剥奪するぞって脅されて参加に同意したら上空に転移させられて、ちょっと混乱してるんだけど。死滅回游ってナニ?」

 

「……は? 死滅回游は、この国の象徴となる儀式だぞ。知らない訳ないだろう。お前、海外からのスパイ――なら知ってるか。密入国者か?」

 

「え、何々。スパイを疑われるの? というか、ここ本当に日本?」

 

「日本だぞ。共和帝国日本。三十年前に呪術儀式によって建国された、伏黒陛下が統べる不死の国だ」

 

「伏黒へい、……え?」

 

 女の体が本格的に硬直したので、距離を詰めて軽く鳩尾に蹴りを入れる。

「あ、っげっほ」

 えずくところに顎に衝撃を与えて、素早く気絶させた。

 赤提灯(Red Rescue)の一部であるロープのみを顕現させ、縛ってから体をゆすり、起きないようなので平手打ちで覚醒させる。

 

「……はっ! ひどい悪夢を見ていたような。日本が帝国とか、伏黒が陛下呼びされてるとか」

「夢じゃないぞ。日本は共和帝国だし、伏黒恵はこの国に君臨する神君だ」

「えっ……本当に意味が解らないんだけど。あ痛ツ」

 

 ロープで強く縛りすぎたようだが、まだ緩めるわけにはいかない。

 

「――まず、お前の正体が分からないと、状況をどう説明すればいいのかも分からない」

「うーん、ええと。私の正体をどう説明すればいいのかも状況が分からないから分からないんだけど。とりあえず一から説明するわね。釘崎野薔薇。東京都立呪術高専一年。三級術師。2002年8月7日生まれの十六歳」

「待て。2002年生まれなら四十六歳だろう? いくらなんでもサバを読み過ぎだ」

「は? この美貌でアラフィフと間違えられる経験は初めてなんですけど?」

「はあ、金をつぎ込めばいくらでも若返りなんてできるだろう、この現代」

「び、美容医療の進歩ぉ! ……というか、私タイムスリップしたってこと?」

「おそらくそうらしいな。タイムスリップかコールドスリープかは分からないが。ここまでのやり取りを事実とするならそうだ」

 

 そこから、2017年の渋谷事変から2048年までの国体の変遷や政治情勢、技術革新などをかいつまんで説明していく。

 ゆっくりと説明すると、混乱しながらも女――釘崎は状況を呑み込み始めた。

 

「ええと? 伏黒がその、死滅回游? で優勝して、全人類を不死身にして? 中国から核攻撃があって? それを伏黒が防いで? 不死を継続させるために第二回以降の死滅回遊が開催されて? 核攻撃の報復戦争で中国が滅んで? 寿命を物質に変換する技術が生まれて通貨として採用されて? 本当に意味が解らないんだけど…… 伏黒、デスゲーム主催や戦争主導、するとは思えないけどなぁ……」

 

「死滅回游の主催はコガネだ。伏黒恵――恵公は死者の弔霊のみを行っている。止めることもできるだろうが――その場合、国民の不死は剥奪され、一億の人間が死ぬとされている。報復戦争は第四回の勝者が主導した」

 

「――そう。伏黒も大変なのね。……で、この死滅回游なんだけど。殺し合いのデスゲームなのよね?」

「ああ、そうだ。一万人に一人が選ばれ、殺し合う。生き残る方法は二つ。コロニー内で最後の一人になって本戦に進んで、そこで勝つか。百点を勝ち取り、脱出権(エスケイプ)を購入するかだ。後者を勧める。術師を二十人殺せばいいからな」

 

「二十人って、かなり厳しいわよ……」

「術師の大半は、術式が宿ってから一年も経っていない。そこまで強い敵じゃない。重要なのは、如何に強力な術師を避けるかだ」

 

 と、ここまで話して、なぜか生き残りのアドバイスをしている自分に疑問を覚えた。

 

「そうだな。お前を殺せば十九人になる。死滅回游が始まるまであと一時間もない。辞世の句でも考えておくんだな」

「はぁ!? 助けておいてそれはないでしょ、アンタ」

 ずいぶん図太い女だ。心臓に毛でも生えているのだろうか。

「ッチ。なら、自分が使えることを証明してみせろ。道具として使えるなら、生かしておいてやる」

 我ながら随分悪どいセリフだ。だが、父と生きて再会するために、私情は捨てる。そう決めたんだ。

 

「道具ね……。()()()()()()に使うなら舌切って死ぬわよ。点なんてやるもんか」

「いや、それはない。男が趣味だ」

 断言すると、申し訳なさそうな顔で釘崎は謝る。

「そ、そう。すまなかったわね。使えるかどうかだけど。えーっと、術式を開示しておくわよ。私の術式、芻霊呪法は主に二つの術式を使う。釘を飛ばして、その釘を媒介に呪力を遠隔で叩き込む"簪"。それと、相手の肉体の一部に、人形(ヒトガタ)を通じて釘を直接打ち込むことで対象に呪詛を流し込む"共鳴り"」

 

「――他には?」

 

「え? いやないけど。あっ、一応黒閃経験ありまーす」

「そうか。他には?」

「だから無いです。弱いっていうの?」

「いや、微妙だな、と……」

「ブチ殺すわよ!?」

 

 縄を解けぶん殴ってやるとぎゃーすか吠えたてる釘崎。僕はそれを少し眺め、考える。

 

「まあいいか。"縛り"を結ぼう。お前が僕を害さない限り、僕もお前を害さない」

「害すの定義は」

「肉体的損傷を与えようとしない、および戦闘を意図して妨害しない」

「良し、"結ぶわ"。――結んだあとにいうのもアレなんだけど、私に有利すぎない? もし戦闘になった時、私が必ず先手を取れるじゃない」

 ――あ。『僕がお前を害さない限り』の文言を入れ忘れていた。

「は、ハンデだ。先手くらい譲ってやる」

「アンタさっきから私を舐めすぎよねぇ!? 呪力量は確かに多いけど、勝敗はそれだけじゃ決まんないわよ、模擬線やるか?」

「いや、余計な消耗をしたくない――そろそろだぞ」

 

 上空から、鐘の音が流れる。結界上部に現れるのは、コガネをサイズアップさせた巨大な式神、オオガネ。僕に憑いている小さなコガネも現れ、それに共鳴する。釘崎のコガネも現れて、同じように鳴く。

 

『――まもなく、第三十回死滅回游が始まります。結界内部の人間は、不死剥奪に備えてください。繰り返します。結界内部の人間は、不死剥奪に備えてください』

 

「えっ、何? あっ、不死身のままじゃ殺し合いできないからってこと!?」

 

 釘崎が勝手に納得している。

 警告が十回ほど繰り返された後。

 

『不死剥奪を行います。十、九、八、七、六、五』

 

 式神の一つ、"白無垢(ホワイトワード)"を喚び出し、極小量でサイレンを鳴らす。不死剥奪によるダメージからの再生に備え、うずくまる。

 釘崎も見よう見まねで同様の姿勢を取り。

 

『四、三、二、一、零』

 

 ミチミチミチ。魂から、脳髄から、術式情報が奪われ、オオガネに吸収される感覚。痛みもあるが、それよりも黒板を引っかく音が耳から流し込まれたかのような不快感が大きい。術式の剥奪が終わっても、不快感の残滓は残る。だが、それは"白無垢"によって最小限に収まった。

 フラフラとなりながら立ち上がる。消耗の大きい"白無垢"は送還し、"黒夢見(ブラックベリアル)"を喚ぶ。周囲に潜ませていたカラスの操作権を取り戻し、指示を出す。

 

「カラスども! 術式剥奪の衝撃が残ってる奴がいればそのまま"ばぁどすとらいく"だ! 見つけ次第殺るぞ!!」

 

 カラスたちは鳴きながら一斉に飛び立つ。

 

「よし、ここから逃げるぞ釘崎!」

「は、はぁ? 何いきなり」

 

 同じくフラフラになりながら釘崎は立ち上がる。その手を引き、無理やり"黒夢見"の助手席に乗せる。

 

「カラスが飛び立ったから、ここに術師がいることはバレた! 強者共が突っ込んでくるぞ!早く逃れないと――」

 

「ふーん、車の式神ネ。良い術式持ってるネ」

 

 ゾクリ。耳元で囁かれたような声。咄嗟に裏拳を声の主に向けて叩き込むが、手ごたえは軽かった。

 蠅頭は消し飛び、それが持っていたであろう小型無線機が地面に転がる。

 

「通話機――」

 

 空を見ると、無線機やらガラケー、そして拡声器などを持った蠅頭が百匹近く空に飛んでいた。

 拡声器を持った蠅頭たちが、一斉に音声を響かせる。

 

「「「ボクは釣瓶麻耶。まー顔を見ることはないだろうけど、一応伝えておく。じゃー行くネ。信じて、信じて、信じて」」」

 

 不死の剥奪によって衰弱した脳に、即効性の麻薬のように術式効果が染みわたる。その声量と共に、その声を信じたくなる。

 

「「「崇めろ、崇めろ、崇めろ」」」

 

 父の声に思えてくる。心地がいい。その声色に従うと、どんなに心地いだろうか。

 

「ねえ、アンタ! クッソ、名前聞いてなかった! ぼんやりしてんじゃねぇ、呪力で中耳から脳を覆え、呪言だ! ……っぁあもう、聞いてねぇ!」

 

 釘崎が何か喚いている。愚かな女だ。この声色に浸っていれば幸せなのに。

 

「えぇと、無線機無線機――良し、壊れかけだけど通信中! よいしょっと、"共鳴り"ィ!」

 

「「「従え、従え、従ッぎゃあああああ!!!!!! ほ、ほくのしたぁああああ!」」」

 

 声色に乗せられた呪力が乱れ、意識が我に返る。はっ、僕は何を?

 

「良し、あっち方面で呪力が爆ぜた! 行くぞアッシー君!」

 と、先ほどのお返しとばかりに彼女にビンタされる。お陰で目が覚めた。

「死語だろ!」

「やっぱ三十年後でもそうなんだ!」

 霊柩車は置いておき、"青弐才(ペイルプラクティス)"を喚び出す。

 釘崎をケツに乗せてエンジンを吹かし、目的地に直行する。

「アンタ、名前は?」

「西東南路! 西東詠児の息子だ!」

「そう! 術式については後で聞くわ! まずはあいつ!」

 

 目的地はそう遠くはなかった。500m先の廃ビルに到着。

 

「方向からして、多分最上階、か屋上!」

 釘崎が叫ぶ。ビルは十階ほどはありそうだ。

「了解。組んでる相手がいたら不味い。ハシゴ車で行く!」

 "青弐才(ペイルプラクティス)"を送還。"赤提灯(レッドレスキュー)"を完全顕現させ、その上に飛び乗る。

 

 そして、僕を乗せたハシゴが()()された。加速度Gに耐えながら、数十メートル先の位置Pを目指す。

 ハシゴがガチャンと止まり、慣性に従って僕は上空に投げ出される。だが十分だ。最上階、蔦に覆われたガラス窓の内側に、のたうち回っている小柄な少年と、それを囲ってうろうろとする十数人の男が見えた。男どもは同盟相手か、洗脳した味方か、それとも結界外から持ち込んだ生贄(てんすう)か。

 生得領域内部で"青弐才(ペイルプラクティス)"の発動機を別パーツに接続。プロペラとそのシャフトを背中に具現化させる。

 地球の重力、ハシゴの慣性、プロペラの推力。三つのベクトルを足し合わせて僕は最上階に突っ込む。

 

 ダイナミックエントリー。ガラスを蹴破り、僕は最上階に進入した。

 

 最上階の壁と天井、床はべったりと呪符で覆われていた。ガラス部分も、外を見えるように一部のみ貼られず、他の部分はびっしりと。

 

「はひっ、はひっ、舌、舌がぁ」

 

「麻耶様! 大丈夫ですか、麻耶様!」

「おっお前ら、ひゃやくなおせぇ」

「し、しかし我らの中に反転術式使いは……」

 

 ぱっと見、術式持ちはいなさそうだが……念には念を入れて。

 

「コガネ! 僕の視界内から五点の泳者(プレイヤー)を検索!」

 

「検索チュウ……完了しました。対象の泳者は三人、釣瓶麻耶、西東南路、鬼壁匠悟です」

 

 一人、いたようだ。鬼壁匠悟という名前に反応して、男たちの中でも一際筋肉質な、刈り上げ短髪のタンクトップ男が振り向く。

 

「まずはお前から」

 

 プロペラを右前腕に移動し、小型丸鋸に換装。

 

「"鉄腕融核"ゥ、グゥオオオ!」

 

 左腕に黒い金属光沢を宿し、それを防ぐ鬼壁。火花が撒き散らされる。

 

「ちょうどいい。火が欲しかったんでな。着火ァ!」

 

 ファイア。丸鋸に纏わせた呪力に可燃性を与えた途端。火花が丸鋸に火を点ける。

 鉄となった腕を溶かすほど火力は高くない。だが、腕を熱し、それが繋がっている生身の肩を焦がすだけの出力はあった。

「うぐぅ、まだああああ!」

 だが、その熱に耐えているようだ。そのままでは肩が炭化し左腕が欠損するだろうに。

 周囲の男たちは、釣瓶を庇うようにしてこちらを見ていた。

 

「なんだ、参戦しないのか。都合がいいな」

「うぉおおおお!」

 鬼壁は、右腕も鉄へと変成させ、それを一見がら空きの胴体に叩き込もうとする。

 まあ、それも問題ない。

「簡易領域『落葉』、ひとつ。言い忘れてたけど」

 回数を制限したコレは、鉄をも切断する。脇腹から現れた呪力の刃は、鉄腕を縦に両断した。

 眼を見開き自分の右腕を見つめる。絶対の自身があったのか。

 戦闘時に視線を敵から逸らす。致命的な隙だった。右手の丸鋸で相手にプレッシャーを与えつつ、気付かれないように左腕で腰の刀を抜く。左の腰に差していた鞘から抜くため、逆手持ちになってしまうが。

「抜刀、っと」

 相手を股下から鳩尾まで両断。脳天まで両断すると姿勢に無理ができて残心できないため、そのまま腹から刀を引き抜く。

 

「五点が追加されました」

 

 コガネの声を無視し、刀を振るって血を飛ばす。

 再度"抜刀"が使えるように一度納刀し、周囲を見渡す。

 

 一歩。男たちが守る釣瓶に迫る。だが、彼らは引かない。

 一歩。彼らは、まだ引かない。

 もう一歩。彼らは――そのうち一人が逃げた。

 

「ひぃっ、麻耶様お許しを!」

 逃げた先、非常階段には、先客がいた。それを見た男は突き飛ばそうと手を前に出す。

 

「どけぇ女!」

「おぉっと」

 

 反射的に飛ばした釘が、意図したか偶然から分からないが、脳天にクリーンヒット。そのまま転倒して動かなくなる。

 

「ありゃ、殺しちゃったか。西東、今どんな状況?」

「ボーナスタイム」

「理解した。しゃあないな、終わったら墓参りするかぁ……掛かってこい」

 

 僕より釘崎の方が怖くないと見たのか、釘崎に殺到する男たち。

 一人だけ、麻耶の側から離れない男がいた――男?

 服装もスーツ姿だし、背丈も女にしては大きい。髪は僕よりも短いが、骨格と顔つきから女と判断。

 スーツの女の首筋に刀を突き付け、問う。

 

「なんでそこまでして、そのガキを守る?」

 スーツの女はこちらを睨んで、言い放つ。

「麻耶様は、釣瓶家の次代となり、この国の未来を担うお方。こんな儀式など下々の者どもに任せて、生かすべきだ」

「ふーん、案外いいとこの坊ちゃんなんだ。で、本音は? その理由で命賭けられるならバカかイカレだよ」

「――、それは、その――」

「好き、とかか」

「っ、悪いか!」

「いんや、悪くない。でもまあ――操られてたとかじゃないなら、生かす理由にならないね」

 一刀を振るった。血しぶきが飛び、スーツの女の首から下から、力が抜けていった。

 

「一点が追加されました」

 

 そして、立てないにしても這いずって僕から逃げようとしている少年に歩いて近づき、その顔を見下ろす。

 

「ひっ、はひっ、たひゅけて、たひゅけてっ」

「ごめんね」

 

 釣瓶麻耶の額を、刀で貫いた。

 

「五点が、追加されました」




Q.なんでバッドエンドルートに?
A.副要因:ベストタイミングオッパッピー失敗
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。