闇を抱えた神父の少年の話   作:主人無き猟犬

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神と少年

キヴォトスのどこか、日の当たらない地下施設。

そこでは、禁忌の研究が行われていた。

 

神との融合実験。

 

それは、神の力を宿すことで人の域を超える兵士を生み出すという狂気の試みだった。

 

その被験者の一人として選ばれたのが、相楽ケイナ。この話の主人公。

 

まだ幼い頃、彼は孤児だった。

行き場のない子供を集め、“救済”と称して実験台にする。そんな非道な研究だった。

 

「……相楽ケイナ、適性あり。融合を開始する」

 

研究員たちは無機質な声でそう告げ、彼の身体に”神”を流し込んだ。

目に見えない闇が、ケイナの中に入り込む。

 

その瞬間――

 

「――――ぁ、ぐ……っ!!」

 

頭の中に直接流れ込む膨大な情報。

体が焼けるような痛み。

そして、魂が引き裂かれるような感覚。

 

『……はは、やっと目が覚めたか』

 

脳内に響く、もう一つの声。

冷たく、けれど優しい声。

 

“深淵の神ノイン”

 

それが、ケイナの中に宿った神だった。

 

「……これが、神の力」

切られた腕が元に戻る。

 

実験は”成功”だった。

ケイナの体は異常な回復能力を得た。

四肢を切り落とされても、すぐに再生する。

心臓を貫かれても、数秒後には鼓動を取り戻す。

 

研究者たちは歓喜し、さらなる実験を繰り返した。

ケイナの限界を探るために。

 

しかし、ある日、異変が起こる。

 

『……俺と子供達を利用とは胸糞が悪い。消えろ』

 

その声とともに、ケイナの意識が途切れた。

気がつくと、研究施設は血に染まっていた。

 

ノインの人格が暴走したのだ。

 

血に塗れた白衣。

崩れ落ちる研究者たち。

ケイナはただ呆然と、それを見つめていた。

 

「……僕が、やったのか?」

 

『違うな、“俺たち”がやったんだ…』

 

脳内でノインが呟く。

 

「……ッ!」

 

ケイナはその場から逃げた。

燃え落ちる施設を背に、ただ必死に走った。

 

 

どれほど走ったか分からない。

気がつくと、彼はブラックマーケットの外れに辿り着いていた。

 

血まみれの姿に、誰もが目を背ける。

だが、廃墟同然の小さな教会だけは、彼を拒まなかった。

 

「……ここに、住もう」

 

それから数年。

彼はその教会を修復し、そこで静かに暮らすことを決めた。

 

「僕のような被害者を、もう増やしたくない」

 

そう思い、孤児院を作ることを決意する。

 

「……ノイン、僕の人生に付き合ってくれますか?」

 

『ああ、いいぜ。だから好きに生きろよ、ケイナ』

 

“神”との奇妙な共存を続けながら、

ケイナは今日も教会で子供たちを迎えている。

 

 

ある日の教会

 

ケイナは自分と融合している神に静かにキレていた。

「ノイン…また夜中にゲームをしましたね?」

 

『いいや』

脳内で話しているノインの声は僅かに震えている。

 

「じゃあ何故ベッドで寝てたはずの僕が起きたらリビングの床で寝てるんです?」

 

『知らん間に移動したんだろう』

嘘が下手だなと思いながらケイナは決定的証拠を叩きつける。

 

「じゃあ何故僕が倒せなかったボスが倒されてるんですか?」

 

『申し訳ありません・・・』

分かればよろしい。

やはり体を勝手に使われるのは気味が悪い。

 

「罰として喋ることと僕が呼んだ時以外に出てくることをしばらく禁止にします!」

 

『しょぼ〜ん』

落ち込んでいる…神なのに・・・

この神意外と可愛いな・・・そう思ったケイナであった。

 

 




おかしいとこがあったら、暖かい目で見てください。
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