機動戦士ガンダムSEED 虹の向こうから来てしまった男 作:サンバガラス
アルテミスから脱出したアークエンジェル。その格納庫にてゴロウとコジロー達整備班が話し合っていた。
「いけるかおっちゃん」
「いけない事は無いが・・・よくブリッツから両足を奪って来たな。このまま移植するのか?結構バラバラな感じになるぞ」
現在アストレイの横には切断したデュエルの右腕とブリッツの右太腿と左足が置かれている。しばらくは戦闘が無いとの事でここでアストレイの改造をしようとしている。
「デュエルの腕とブリッツの右太腿はそのまま移植して、左足は右太腿と同じ長さで合わせてくれ。コレでアストレイも左腕以外の限定的だが、格闘術が使えるようになるのはでかい」
「面倒くさい作業があるな・・・わかった。その代わりお前も手伝えよ」
「わかってるって、俺の機体だぞ。楽しみだ」
ワクワクしていると突如アナウンスがなる。
『ゴロウ・アスカ。ゴロウ・アスカ。至急艦長室に向かってください』
「・・・なんかやらかしたのか?」
「いや?なんもして無い筈なんだが?」
ゴロウは格納庫を出て艦長室に向かう。艦長室にはマリュー、ナタル、ムウの3人がそこにいた。
「失礼します・・・それで何んですか?」
「よく来てくれたわねゴロウ君。突然で悪いのだけど聞きたい事があって」
マリューがそう言うとナタルがゴロウに向かって言う。
「改めてたが、ゴロウ・アスカ。お前は、オーブのスパイなのか?」
「・・・いきなり何言ってるんですか?」
ど直球にゴロウに聞くナタル。このド直球にゴロウは内心少し驚く。前世で、初めてモビルスーツに乗ってザクを倒した際にスパイだと疑われ無かったので、ここでスパイだと思われたのは初めてである。またこの少し落ち着いたタイミングだから事情を聞きたいと考える。
「隠し事は無しだぞゴロウ」
ムウから忠告される。
「まずこちらから質問させてもらうわ。いいわね」
「・・・分かった。それで何が聞きたいのか?」
ここからマリューの質問が始まった。
「まず、あのモビルスーツ“アストレイ”はどこで見つけたの?」
「あれは工場区の中にあった。必死で脱出しようとしていた時に爆発によって見つけた隠し通路の先にあった。恐らくモルゲンレーテが秘密裏に造り出した試作型だろうな」
「・・・何故それを言い切れるのだ?」
かなり詳しい事を言ったゴロウにナタルは突っ込む。
「元々モルゲンレーテも自国防衛用のモビルスーツを造りたかったからな」
「何だと!?何故中立国が防衛用モビルスーツを造りたがる!?」
ゴロウの発言にナタルは激昂するが、
「こんな時代だぞ、いつ他の国がオーブに攻めてくるかわからないんだから自国を守る武器を用意してないといけないんだぞ。それにモビルスーツを持つ事で他の国々の抑止力にもなるからな・・・だってさ、連合は核を使うわ、ザフトはニュートロンジャマーを使うわ・・・もうおかしいだろ?」
「「「・・・・」」」
ゴロウの言葉に3人は黙ってしまう。
「・・・分かりました。では次にどこで操縦技術を身につけたの?」
「モルゲンレーテの研究室設にあるシュミレーターだな。この際だから言うが、ザフトがモビルスーツを使い始めた頃からモビルスーツの開発が始まっていたぞ」
「そんな前から?」
「ああ、・・・スパイじゃない事はこれで証明したか?これだけ情報を言ってるんだし・・・そもそもスパイがこんな情報を話しちゃ駄目だろ」
「「「・・・・」」」
3人は納得しかける。そして質問が終わりそうになった時だった。
「・・・俺から最後にいいか?」
ムウがゴロウを追い詰める様な声で言った。
「・・・・ゴロウお前はなんだ?」
「・・・どう言う意味で?」
ムウは鋭い目付きになり威圧を出す。
「お前のモビルスーツ戦闘を見ていたが、戦い慣れ過ぎている。それこそまるで10年以上も操縦していたかのように・・・それに人を殺す事に躊躇いが無かった・・・見た目は10代の少年なのに、歴戦の兵士の雰囲気を感じる・・・」
ムウの言葉にゴロウは難しい顔をしている。本当の事を言った方がいいのか?と考えているのと言っても信じないだろうなーと考えている。
「言えないの?」
「い、いや、言えない事では無いんだけどさ」
「なら言えるのでは無いか?」
マリューとナタルに詰め寄られる言い方をされ、少し困る。溜め息を吐き、ゴロウは答えようとする。
「・・・なら言うけど、これは嘘偽りの無いからな」
ゴロウは少し空気を吸って答えた。
「俺には前世の記憶があって、そこでモビルスーツを操縦していたからだ」
「「「・・・・・・ん?」」」
場の空気が凍る。何かの聞き間違えかとマリューはもう一度聞き直す。
「えっーーと・・・もう一度言ってくれるかしら」
「俺には前世の記憶があって、そこでモビルスーツを操縦していたからだ」
「「「・・・・・・」」」
聞き間違えでは無かった。
「ふざけているのか?」
「マジですよ」
「・・・・」
「おかしいとか思ってるだろ?本当の事なんだ・・・ほらこんな空気になるから言いたくなかったんだよ!!」
怒りなのかヤケクソなのか、わからない感情を出す。
「ちょっと待てねゴロウくん」
マリューは立ち上がってムウ、ナタルを呼び集める。
「どうしよう?話が付いていけないのだけど」
「それ以前に前世とか言い出した時点で異常なのですが?」
「・・・坊主に頼ってたからそのストレスでおかしくなったとか?」
「「ハッ!?」」
ムウの言葉にハッとする2人。それを見るゴロウ。
(この3人から憐れむ感情を感じるぞ!?やっぱ前世と言うのが間違ってたな!?しくじったぞ!!)
ゴロウは内心後悔していた。3人は振り向き、生暖かい目でゴロウを見つめる。
「その・・・何か悩みがあればいつでも言っていいから」
「お、俺たちは仲間だ。人生の先輩である俺に何でも言っていいからな」
「・・・無理はするな。出来る限り悩み事なら聞いてやるからな」
「や、やめろよ!!そんな俺を可哀想な奴を見る様な目で見るなよ!!マジで!!!!」
ゴロウの叫びがアークエンジェル内に響き渡った。
次回予告
結局マリューさん達の誤解は解かれず可哀想な目で見られてしまった!!こうなりそうだったから言いたくなかったんだよ!!
次回 ピンクのハロ?
神話の始まりだアストレイ!!