機動戦士ガンダムSEED 虹の向こうから来てしまった男   作:サンバガラス

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PAHSE:13 ピンクのハロ?

 

アークエンジェル内のブリッジにてはぁーと溜め息を吐くマリューの姿があった。

 

「結局アルテミスではまともな補給が受けられず何にも解決してないわ」

 

「実際どうなんだ?やばいのか?」

 

ムウが尋ねる。

 

「食糧は非常糧食があるのでしばらく持つのですが・・・問題は弾薬と水ですね」

 

「水か・・・」

 

「ともかく方策を考えましょう。水は出来る限り節約して・・・避難民の皆んなにも協力してもらいます」

 

すると航行予定コースのシミュレーションがモニター上に表示された。

 

「これで精一杯か?もっとマシな航路は取れないのか」

 

「無茶言わないでください。これ以上地球側に寄せたらデブリ帯に入ってしまいますよ」

 

ナタルの言葉にノイマンがそう返す。デブリ帯とは地球を取り巻く宇宙ゴミのたどりつく宙域で、廃棄された人工衛星や宇宙開発で発生してしまう廃棄物などが漂っている。いわば、ゴミの墓場である。そんな中モニターを見ていたムウがハッと閃く。

 

「待てよ、デブリか・・・・不可能を可能にする男かな俺は」

 

数分後ゴロウ達はブリッジに集められる。補給についての話があった。

 

「補給受けられるんですか!?・・・でもどこで?」

 

その言葉にムウが言葉を濁す様に答える。

 

「受けられるって言うか・・・そのセルフって言うか・・・」

 

そしてマリューが意を決したかのように口を開く。

 

「私達は今、デブリベルトに向かっています」

 

「デブリベルト・・・もしかして?・・・えっ、マジで?」

 

マリューの言葉にゴロウはハッとした。マリューは続けて言う。

 

「デブリベルトには、宇宙空間に漂う様々な物が集まっています。そこにはもちろん戦闘などで破壊された戦艦もあるわけで・・・」

 

マリューの言葉を聞き補給の意味を悟ったキラ達は顔を引きつらせる。無論ゴロウも少し引いていた。

 

「・・・そこから取るって・・・罰当たりだぞ」

 

「しょうがないだろ・・・そうでもしなきゃ、こっちが持たないんだから」

 

ゴロウの言葉にムウは開き直ったかの様な表情で返す。

 

「貴方達にはポッドで船外活動を手伝ってほしいの・・・死者の眠りを妨げようとするつもりは無いわ。ただあの中からほんの少し私達に必要な物を分けてもらうだけ・・・生きる為に」

 

ゴロウ達はマリューの言葉に理解はしているが、詭弁の様に響くのを感じてしまう。その後、アークエンジェルはデブリベルトに着き、宇宙服に着替えたゴロウ達はポッドに乗り込み発進する。そして異質な光景を目にする。

 

「こ、これは!?」

 

「・・・大地なのか、これは?」

 

ゴロウ達は驚く。目の前には凍りついた大地が広がっているのだ。かつてはのどかな農村風景に似たものだったのだろう。枯れて凍りついた麦が漂い、農業の機械や農園らしき建物が真空中にほぼ完全な保存状態で残っている。その大地の周辺を取り巻くのは減圧で沸騰した形のまま凍りつき、まるでこのプラントの運命に憤っているかの様な海だ。

 

「・・・(・・・宇宙世紀でもこんな光景は見かけなかったぞ・・・まるでこの場所だけが時が止まってるみたいだ・・・)」

 

ゴロウ達は真空に晒さられた大地に降り立ち調査を始める。辺りを歩いていると小さな納屋を発見し、扉を開けると

 

「キャァァァ!!!」

 

「これは!?」

 

中を見たミリアリアが悲鳴を上げ、キラは凍りついた表情になる。納屋の中にはここに駆け込んできたであろう。子供を庇う様に胸に抱き、背中を丸めた母親の無惨な亡骸がそこにあった。傍には子供の物であろうクマのぬいぐるみが漂っている。

 

「・・・これがユニウス・セブン・・・血のバレンタイン・・・」

 

ゴロウは小さく呟く。改めてこの事件の悲惨さを目の当たりにする。調査を終えたゴロウ達はアークエンジェルのブリッジに戻る。

 

「あそこの水を取るって・・・本気なんですか!?あのプラントには何十万人もの人が亡くなった場所なんですよ!!」

 

キラは驚愕していた。マリュー達はユニウス・セブンの残骸から水を運ぶ事を決定しており、キラは抗議している。だが状況が状況なのだ。

 

「だけど水はあれしか見つかっていないの」

 

マリューの言葉にキラはハッと言葉を飲む。そこにムウが畳み掛ける様に言う。

 

「誰も大喜びしてる訳じゃ無い。誰だって出来ればあそこに踏み込みたく無いさ、けどしょうがねえだろ!!俺達は生きているんだ!!って事は、生きなきゃなんねえ、って事なんだよ!!」

 

「・・・分かった。だが取るならちゃんと葬いはさせてもらうぞ。しなきゃ多分亡霊に呪われるからな」

 

ゴロウ達は食堂に集まり、色とりどりの色紙で紙の花束を作った。ミリアリアが代表して花束を投げ、アークエンジェルのクール達は黙祷を捧げる。そして氷や、弾薬を運ぶ作業を始める。キラはポッドの護衛、ゴロウはアストレイの接続の調節やら色々と作業をしていた。

 

「・・・あともうちょいだな・・・おっ、帰って来たな」

 

アストレイの調節をしていたゴロウはストライクが帰って来たのを確認するのだが、その手には救命ボートを抱えていた。それから数分後、マリュー達がボートに集まる。

 

「つくづく君は、落とし物を拾うのが好きな様だな」

 

「・・・」

 

ナタルが皮肉混じりにキラにそう言う。キラは憮然として答えない。ムウとマリューは目と目を交わして小さくため息をつく。

 

「ロック解除できた・・・開けますぜ」

 

コジローがロックを操作してハッチを開け、周囲に待機している兵士達が銃を構える。そこに

 

〈ハロ!!ハロ!!ハロ!!〉

 

「・・・ピンクのハロ?」

 

間抜けな声と共に出て来たのはゴロウの作ったハロにそっくりな小さなピンク色のハロだ。

 

「おい、あれって坊主のハロじゃね?」

 

「おっちゃん。あんなハロ、俺は知らんぞってハロ?」

 

コジローがゴロウに尋ねるがすぐに否定する。するとゴロウのハロがピンクのハロに近づく。

 

『ハロ!!ハロ!!ハロ!!』

 

〈ハロ!?ハロ!?オマエダレダ!!〉

 

『オレハハロダ!!オマエモハロダロ!!』

 

なんか会話をしている。

 

『〈ハロ!!ハロ!!ハロ!!〉』

 

「うるせえ!!」

 

ハロハロ言い始め、キレるゴロウである。この状況に身構えていたクルー達は毒気が抜ける。

 

「ありがとう。ご苦労さまです」

 

その声と共にハッチから柔らかなピンクの髪と優しく愛らしい顔が印象に残る少女が出て来た。

 

「あら?あらあら」

 

ゴロウは漂いそうになる少女の手を掴んで引き寄せて止める。

 

「ありがとう」

 

「いえいえ」

 

と軽く笑って返すのと同時に

 

(!?キ、キラから殺気を感じるぞ!?)

 

突然、キラのおそらく嫉妬による殺気を感じ、少し恐怖を覚えるゴロウ。すると少女は周りを見わたし、ゴロウの軍服と徽章を見ておっとりした表情で驚く。

 

「あら?・・・ここはザフトの船ではありませんのね?」

 

「そうだけど?」

 

軽く返事を返す。厄介事が再び訪れたのである。

 





次回予告

まさか出て来たのが女の子とハロだったとは・・・あとキラからの殺気にはビビったな。嫉妬?いやいやそんな訳ないだろ・・・深く考えない様にするか・・・

次回 ホいつの間に!?

神話の始まりだアストレイ!!
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