機動戦士ガンダムSEED 虹の向こうから来てしまった男   作:サンバガラス

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PAHSE:17 てりめだ。ダチを見捨てねえよ

 

ロッカー室の前でゴロウ、サイ、ミリアリアが待機している。

 

「まさか本当にゴロウが言った通りになるとは・・・」

 

「アカデミーの時から何か感が鋭かったからね」

 

「まあな」

 

そうしているとロッカー室からパイロットスーツを着たキラと船外作業服を着たラクスが出て来る。サイはラクスの船外作業服の膨れた腹部を見て呟いてしまう。

 

「・・・いきなり何ヶ月って痛ァ!?」

 

「やめんか」

 

ゴロウはサイの頭を叩く。5人は格納庫に移動し、キラとラクスはストライクのコックピットにゴロウはアストレイのコックピットに収まり、サイ、ミリアリアはほっとした顔になった。そしてキラとゴロウがOSを立ち上げているとサイが、硬い顔になる。

 

「キラ、ゴロウ」

 

「ん?」

 

「何だ?」

 

「・・・お前達は帰って来るよな?」

 

その言葉にキラはハッとなり、ゴロウはキョトンとした。その時見回りに来ていたマードックのがなり声が響いく。

 

「おい!!お前達何をしている!?」

 

「お前達はちゃんと帰って来るよな!?俺達の所へ!!」

 

サイの言葉にキラ、ゴロウは返す。

 

「うん。ちゃんと戻って来るよ」

 

「てりめだ。ダチを見捨てねえよ」

 

異変に気づいた作業員が集まって来る。ストライク、アストレイはカタパルトに向かい、ストライクはエールストライカー、アストレイはランチャーストライカーを装着する。その2機の後ろ姿にサイは呼び続けた。

 

「約束だかんな!!!俺はお前達を信じているぞ!!」

 

一方で艦橋で少し落ち着いていたマリュー達だったが、突如警報が鳴り始め、驚く。格納庫のモニターを見ていたナタルが声を上げる。

 

「ストライク、アストレイ!?何をしている!?キラ・ヤマト!!ゴロウ・アスカ!!」

 

そこへムウからの通信が入った。

 

『坊主達が嬢ちゃんを連れ出したんだよ!!駄目だ、もうエアロックが開けられちまった!!』

 

既にストライクはヴェサリウスへと向かい、アストレイはアークエンジェルの近くに待機し、アグニを構えていつでも撃てるように準備する。キラは全周波放送で呼びかける。

 

『こちら地球連合軍アークエンジェル所属のモビルスーツ、ストライク!!ラクス・クラインを同行、引き渡す!!ただしナスカ級は艦を停止。イージスのパイロットが単機で来る事が条件です!!この条件が破られた場合、彼女の命は保証しない!!』

 

キラは事前に考えていた通りに言う。それはアークエンジェル、ヴェサリウス両方に混乱をもたらす。一方でヴェサリウスの艦橋ではアデスが眉を顰める。

 

「どう言うつもりだ!!足つきめ!?」

 

『隊長!!行かせて下さい!!』

 

モビルスーツデッキにいたアスランから通信が入る。

 

「敵の真意がまだわからん!!本当にラクス様が乗っているかどうかも」

 

「・・・許可する。行きたまえアスラン」

 

アデスが止めようとするがラウ・ル・クルーゼがふっと微笑み出撃を許可するのだ。

 

「よろしいのですか?」

 

「チャンスである事も確かさ。向こうのパイロットもまだ幼いようだな・・・念の為だ艦を止め、私のシグーを用意しろ」

 

同じ頃アークエンジェルの艦橋内にて

 

「艦長!!あれが勝手に言っている事です!!攻撃を!!」

 

ナタルがそう言うが、モニター越しにムウが返す。

 

『んな事したら、今度はストライクがこっちを撃って来るぜたぶんな。それにゴロウが警戒している。何かあっても対処が出来る。一応念の為俺もメビウスで出撃準備をしておく』

 

その頃ヴェサリウスから出撃したイージスはストライクの手前で停止する。緊張で掠れた声でキラが尋ねる。

 

「アスラン・ザラですか?」

 

『・・・そうだ』

 

アスランは硬い声で答える。

 

「・・・コックピットを開いて下さい」

 

アスランは素直にコックピットを開く。キラは開いたのを確認してからストライクのコックピットを開いた。

 

「ほら話して」

 

「え?」

 

キラの言葉にラクスはキョトンとして聞き返す。

 

「顔が見えないでしょ?本当に貴方だって事分からせないと」

 

「ああ、そう言う事ですの」

 

キラの膝の上にいるラクスがアスランの方を向き手を振った。

 

「こんにちはアスラン。お久しぶりですわ」

 

その声を聞き、アスランは一先ずホッとする。

 

『確認した』

 

「なら、彼女を連れて行って下さい」

 

アスランはハッチの上に来て、ストライクのコックピットから飛び出したラクスを受け止める。ラクスはキラの方を向き感謝を伝えた。

 

「色々とありがとうキラ様。アスラン貴方も」

 

『無事でよかった』

 

そのやり取りをキラは微笑ましく見守る。するとアスランが声を上げる。

 

『キラ!!お前も一緒に来い!!』

 

「!?」

 

アスランはキラを説得する。

 

『お前が地球軍にいる理由が何処にある!?来いキラ!!』

 

その言葉にキラは付いて行きそうなるが、断った。

 

「僕だって君と戦いたくは無い・・・でも、あの艦には守りたい人達が・・・友達がいるの!!・・・好きな人もいるけど・・・」

 

アスランはキラの辛そうな声を聞く。アスランは覚悟を決めキラに言い放つ。

 

『ならば仕方ない・・・次に戦う時は、俺がお前を撃つ!!』

 

「・・・僕もだよ・・・」

 

キラは震えた声で答えた。去ろうとした時ラクスが再び声を掛ける。

 

「キラ様!!本当にありがとう。それとゴロウ様にもありがとうと伝えてください」

 

「・・・う、うん」

 

ラクスのゴロウ様にもありがとうと言う言葉に少しモヤっとしたがキラはストライクのコックピットを閉じ、ゆっくりと遠ざかって行く。それを見ていたヴェサリウスの艦橋ではラウ・ル・クルーゼの乗るシグーが発進した。すかさずアークエンジェルがその動きを捕捉する。

 

「敵艦隊よりモビルスーツ発進っ!!それに伴いナスカ級、エンジン始動!!」

 

その瞬間アストレイのアグニからビームが放たれる。遠距離もあってか、ビームはシグーの右脚を破壊する。

 

「チッ!!やっぱり距離がある分外したか・・・」

 

シグーに乗るラウ・ル・クルーゼも同じく舌打ちをしていた。

 

「クッ!?脚をやられたか・・・やはり、いたな灰色のモビルスーツ」

 

その直後、イージスからの通信が入り、聞こえたのはラクスの声だった。

 

『ラウ・ル・クルーゼ隊長。やめて下さい。追悼慰霊団代表の私のいる場所を戦場にするおつもりですか?そんな事は許しません。直ちに戦闘行動を中止して下さい!!』

 

その言葉に内心イラつきながらも命令に従う。

 

「(チッ、困ったお嬢様だ・・・)・・・了解しました。ラクス・クライン(・・・この屈辱必ず返す!!)」

 

シグーは反転し、帰投して行く。その様子を見ていたキラ、ゴロウもアークエンジェルに帰投する。取り敢えずの危機を脱した事だけは確かった。ゴロウはキラに通信で話す。

 

「お疲れキラ。大変だったな」

 

「うん・・・それとラクスがゴロウにありがとうって」

 

「おお、そうか・・・どうした?」

 

キラは少し不機嫌になる。

 

「・・・別に」

 

「・・・(俺なんかやらかしたかな?)」

 

 

 

 





次回 お前が噂に聞く変態仮面か!?

神話の始まりだアストレイ!!
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