機動戦士ガンダムSEED 虹の向こうから来てしまった男   作:サンバガラス

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PAHSE:21 とうの昔に覚悟は決まってんだ

 

数十分後、アークエンジェル内に警報が鳴り、ゴロウがロッカー室に向かうとそこにはフレイがゴロウのロッカーを開いていた。

 

「フレイ・・・お前何やってんだ」

 

「ゴロウ・・・」

 

フレイはゴロウの胸に飛び込んでくるが、ヒョイと避ける。

 

「マジでお前何してんの?」

 

フレイは避けられた事に一瞬信じられない目をするが、ゴロウの方涙で潤んだ目で見た。

 

「・・・貴方は行っちゃったと思ってたから・・・私、皆残って戦っているのに、最初に言い出した私だけが・・・何も・・・だから」

 

「そうか。素人がモビルスーツに乗るのは無謀だからやめとけ」

 

適当にあしらいながらゴロウはパイロットスーツを着る。

 

「で、でも」

 

フレイは必死に訴えかけようとするが、ゴロウに遮られる。

 

「言っとくけど、俺はキラやトール達、ダチの為に戦うだけだからな・・・そこんとこ勘違いすんなよ」

 

「!?」

 

そう言うゴロウの目は冷たかった。その目にフレイは恐怖を感じる。ゴロウが去った後、ロッカー室に1人そこにいたフレイは手を握り締め、その目は憎悪に満ちていた。

 

「・・・・消えればいいのに・・・」

 

現在、ザフトは地球に降りるアークエンジェルを阻止する為、第8艦隊に襲撃して来たのだ。第8艦隊はモビルアーマーと戦艦で応戦するも蹂躙されてしまう。アークエンジェル内で、ムウからの連絡が来る。

 

『おい、何で俺は発進待機なんだよ!!第8艦隊ったって、あれ4機相手じゃヤバイぞ!!』

 

ムウの焦った声が伝わる。

 

「フラガ大尉・・・」

 

『ってまぁ、俺1機出た所で、大して変わんねえだろうがさあ!!』

 

「・・・本艦への出撃指示はまだありません。引き続き待機してください!!」

 

そう言い、マリューは一方的に通信を切る。ムウは味方の劣勢を指を咥えて見守るばかりの状況に少し苛立った。

 

「・・・たく、坊主に急がされて整備したってのに出撃出来ねえなんてな・・・」

 

「坊主の言った通りにこのタイミングで襲撃して来るとは思いもしませんでたからな」

 

一方でマリューはこの状況を変える為、しばしば悩み、覚悟を決め、ハルバートンに連絡する。その頃ハルバートンの乗るメネラオスではオペレーター達の焦りの声が飛び交っていた。

 

「Xナンバー接近中です!!」

 

「ビームを使うんだ!!落とせ!!」

 

ハルバートンが苦虫を噛み潰したよう顔して時だった。アークエンジェルから連絡が入る。

 

「アークエンジェルよりリアルタイム回線!!」

 

「・・・繋げ・・・何だ」

 

モニターに映ったマリューはハルバートンに伝える。

 

『本艦は艦隊を離脱し、直ちに降下シークエンスに入りたいと思います!!許可を!!』

 

「何だと!?」

 

その言葉を聞き、ハルバートンは驚愕する。横からホフマンが割り込む。

 

「自分達だけ逃げようと言うのか!?」

 

マリューははっきりと答える。

 

『敵の狙いは本艦です!!本艦が離れなければこのまま艦隊は全滅です・・・アラスカは無理ですが、この位置なら地球軍制空圏内に降りられます!!突入限界点まで持ち堪えればジンとザフト艦は振り切れます!!閣下!!』

 

ハルバートンは少し悩むもフッと笑う。

 

「相変わらず無茶な奴だな。マリュー・ラミアス」

 

『部下は上官に習うものですから』

 

「いいだろう!!アークエンジェルは直ちに降下準備に入れ。限界点まできっちり送ってやる。送り狼は1匹も通さんぞ!!」

 

『はい』

 

マリューの熱意がハルバートンに届いた瞬間だった。アークエンジェルは地球への降下を開始する。

 

「降りる!?この状況でか!?」

 

「俺に怒鳴ったってしゃあねえでしょ?まぁ、このまんまズルズルよりはいいんじゃねえんすか?」

 

「いや、けどさぁ」

 

ムウが悩んでいると

 

「ザフトとジンは振り切れても、あの4機が問題だろうな」

 

ゴロウがフラッとやって来ながら言っていた。

 

「坊主!?お前、除隊したんじゃ無いのか!?」

 

ムウ達はいつもの様にパイロットスーツを着てやって来たゴロウに唖然とする。

 

「俺だけじゃ無くて皆も残ってるぞ。諸悪の根源のせいでね・・・まぁ、ダチを見捨てられねえからな」

 

そう言ってゴロウはアストレイでは無くストライクに乗り込もうとする直前でパイロットスーツを着たキラがやって来る。

 

「ゴロウ!!」

 

「キラどうした?」

 

やって来たキラに驚くゴロウ。キラはストライクに自分が乗ると言って来たのだが、それをゴロウが断る。

 

「駄目だ。お前には、危なすぎるし、死ぬ確率が高いから俺がやるの。キラは今回は出撃禁止」

 

「それならゴロウも危険だよ!!僕は君が死ぬのなんか見たく無い!!」

 

キラは不安な表情になるが、ゴロウは呑気に返しながら、真剣な眼差しになる。

 

「心配しなさんな。俺は必ず帰って来るから・・・約束だ」

 

「・・・分かった。約束だよ・・・ゴロウが死んだら、僕も後を追うから」

 

「・・・怖い事言わないでくれ」

 

そう言ってキラは離れていく。こうなる事は想定済みだったので、既にストライクのOSをゴロウ専用に書き換えていた。

 

「まだ、第1戦闘配備だろ?とりま、ストライクで待機する」

 

改めてストライクに乗り込む。その姿にムウは呟く。

 

「あんま若い頃から、戦場とか戦争なんかに浮かされちまうと、後の人生キツイぜ・・・」

 

その声はいつもの飄然とした調子では無く、何処か寂しげな響きであった。その呟きはゴロウの耳に入る。

 

(・・・キツイか・・・そんな事はもう感じなくなっちまったな・・・とうの昔に覚悟は決まってんだ)

 





次回 相棒も出来たんだ俺も出来る

神話の始まりだアストレイ!!
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