機動戦士ガンダムSEED 虹の向こうから来てしまった男   作:サンバガラス

24 / 31
PAHSE:22 相棒も出来たんだ俺も出来る

 

メネラオスから全艦へ向けて、通信回線が開かれる。

 

『メネラオスより各艦コントロール。ハルバートンだ!!本艦隊はこれより、大気圏突入限界点までのアークエンジェルの掩護防衛線に移行する!!厳しい戦闘であると思うが、かの艦は明日の戦局の為に、決して失ってはならぬ艦である。陣形を立て直せ!!我らの後ろに敵を倒すな!!地球軍の底力をザフトに見せつけてやれ!!』

 

その言葉は、第8艦隊の兵士達全員を奮い立たせる。その最中、アークエンジェルは降下シークエンスが進んでいく。

 

「軌道、降角修正」

 

「降下開始、機関40%、微速前進、4秒後に姿勢制御」

 

「降下シークエンス、フェイズワン。大気圏突入限界点まで7分」

 

降下シークエンスが順調に進むが、チャンドラの驚愕の声が響く。

 

「デュエル、バスター、先陣隊列を突破!!メネラオスが交戦中!!」

 

と状況を伝える。その直後ムウから連絡が入る。

 

『艦長!!俺達をギリギリまで出せ!!後何分ある!?』

 

「何を馬鹿な・・・俺達?」

 

続いてゴロウの割り込みが入る。

 

『カタログ・スペックだとストライクは単体でも降下可能だ』

 

「ご、ゴロウ君!?ど、どうして」

 

マリューはゴロウがいる事に呆然となってしまう。

 

『そんな事は後にしてくれ。ミリアリア、プロトエールストライカーと盾とバズーカを頼む!!』

 

マリューが戸惑っているとナタルが代わりに声を上げる。

 

「分かった。ただしフェイズスリーまでに戻れ。スペック上では大丈夫でも、やった人間は居ないんだ。中がどうなるかは知らないぞ!!常に高度とタイムは注意しろ!!」

 

『了解!!』

 

返事をし、ゴロウは通信を切る。

 

「バジルール少尉!!」

 

マリューは憤怒の声を上げ、ナタルを睨みつけるが

 

「ここで本艦が落ちたら、第8艦隊の全ての犠牲が無駄になります!!」

 

ナタルも引く事なく真正面から受け止める。2人はしばし睨み合う。アークエンジェルのカタパルトハッチが開き、青い地球が視界に写る。

 

「・・・こんな状況で出るなんて、俺だって初めてだぜ!?」

 

ゼロからいつもより硬いムウの声が聞こえてくる。

 

「(案外慣れたら何とかなるぞ)ゴロウ・アスカ、ストライク出る!!」

 

カタパルトから出撃し、方向転換するが、ペダルが重くなる。

 

「おお、重力に引かれるな・・・ホワイトベース時代を思い出す」

 

ゴロウは思いっきりペダルを踏み、バーニアを噴かし戦場に向かう。その直後、敵の気配を捉える。

 

「・・・この感覚、来るか・・・デュエル?武装が増えている」

 

『ようやく出て来たかストライク!!!』

 

イザークは憎悪に顔を歪ませながら、デュエルに追加装備アサルトシュラウドを装着している。左肩からミサイルを発射するが、ストライクのバルカンによって爆発される。

 

『チィィィ!!小癪な真似を何!?』

 

爆風と共にビームサーベルに持ち替えてデュエルに斬り掛かる。デュエルは盾を使い防御するが、コックピット部分を蹴られ吹き飛ばされる。

 

『グワァァァ!!こ、このぉ!!』

 

反撃で右肩のレールガンを放つも軽々と避けられてしまう。その瞬間イザークは気付く。

 

『この動き、奴じゃ無い・・・貴様か、灰色ォォォォ!!』

 

デュエルとストライク、ゼロとバスターが戦っている最中、ザフトのローラシア級艦ガモフがメネラオスに向かい直行していた。メネラオスはガモフの接近に気付き、砲撃を放ち、着弾するもガモフは勢いは止まらない。

 

「あの艦、刺し違えるつもりか!?」

 

ホフマンが立ち上がる。

 

「すぐに避難民のシャトルを脱出させろ」

 

ハルバートンの言葉を聞く。その意味を理解し、ホフマンは恐怖で震え始めた。

 

「ここまで来て、あれに落とされてたまるか!!」

 

ハルバートンは覚悟を決める。ガモフとメネラオスは大気との摩擦で灼かれながらも、お互い撃ち合うのやめない。先にガモフが艦内の連鎖的な誘爆が起こり、爆発し、木っ端微塵になる。メネラオスは形こそ残っているが、最早そこから救う手立ては無く、無慈悲に爆発していった。

 

「・・・ハルバートン提督・・・」

 

マリューは爆発していくメネラオスに静かに敬礼をする。

 

「艦長!!フェイズスリー、突入限界点まて残り2分を切ります!!融除剤ジェル、展開用意!!」

 

「ストライクとゼロを呼び戻せ!!」

 

ノイマンとナタルの声が響く。その後ゼロがアークエンジェルの後部甲板にアンカーを打ち込み、艦内に滑り込む。だが、まだストライクは戻って来れない。艦橋では降下シークエンスが最終過程を迎える。

 

「フェイズスリー、融除剤ジェル展開!!大気圏突入!!」

 

アークエンジェルの底部全体に銀色の液体が広がる。一方でデュエルと戦うストライク。

 

「もう時間切れだ。あばよ!!」

 

ストライクはデュエルを蹴り飛ばし、その場から離れようとする。デュエルはストライクをロックオンするが、その間を避難シャトルが入り込んでしまう。ロックオンが外れてしまい、イザークは舌打ちをし、ストライクにビームライフルを放つが当たらず、避難シャトルにビームライフルを向ける。

 

(マジかアイツ!!間に合わねぇ、こうなったらしかたねぇ!!)

 

ニュータイプの力を使いイザークの脳に言葉を伝えた。

 

『よくも邪魔を!!この逃げ出した腰抜け兵がァァ!!』

 

デュエルがトリガーを引こうとした瞬間。

 

ーそれには避難民が乗ってんだぞ!!ー

 

『何!?』

 

突如頭に響いた声と内容にイザークは握っていたレバーを緩めるその瞬間デュエルのビームライフルに投げ飛ばされたバズーカが当たり、銃口が大きくずれる。

 

『な、何だ!?』

 

飛ばされた方を見るとストライクが投げ飛ばした姿が目に入る。デュエルはそのまま地球に落下する。

 

「よし・・・全然良くは無いけどな!!まあ、モビルスーツでの大気圏突入は初めてだが、相棒も出来たんだ、俺も出来る。やってやんぜ!!」

 

ゴロウは冷静に行動する。

 

「こんな事もあろうかと融除剤ジェルを持って来て正解だった」

 

ゴロウはストライクを操作し、盾に融除剤ジェルを纏わせ、盾を構える。

 

「ハロ!!胴部のフェイズシフト装甲の電圧を上げろ!!」

 

『リョウカイ!!』

 

「更に冷却シフトに排熱システム、全回路接続!!・・・めっちゃキツ!!」

 

何とか持っている状態だが、死ぬ一歩手前である。するとアークエンジェルがストライクに近づいていく。

 

「アークエンジェル!?よし!!これなら何とかなる!!」

 

ストライクのスラスターを噴かしアークエンジェルの後部甲板に降りる。

 

「・・・何とかなった」

 

だが、アークエンジェルは本来の軌道を大きくずらし、ザフトの勢力圏に降りてしまう事になる。

 

 

 





次回 歯ァ食いしばれぇ!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。