機動戦士ガンダムSEED 虹の向こうから来てしまった男   作:サンバガラス

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PAHSE:23 歯ァ食いしばれぇ!!

 

現在、ゴロウは医務室でうなされていた。地球に降りたアークエンジェルはすぐにストライクを回収し、コクピットを開けるとそこには気絶していたゴロウがおり、すぐに医務室に運び込まれいる。それから数時間後、未だ目を覚さない。ゴロウの周りにはキラ達が集まっていた。

 

「ゴロウ・・・」

 

キラは心配な目をしながらゴロウの顔に浮かぶ汗を拭き取っている。その隣の診察スペースでは軍医がトールとサイに説明している。

 

「とにかく、感染症の熱じゃ無いし、内臓にも異常無し。今は水分を摂らせて、体を冷やす事で大丈夫だ。心配はいらんよ」

 

「「そ、そうですか」」

 

軍医の言葉に2人は安堵の息を吐く。

 

「にしてもこの坊主も無茶な事をする。まあ、結果的に助かったが、1歩間違えば死んじまうのに」

 

「・・・そうなんですか?」

 

トールは軍医に尋ねる。

 

「ああ、坊主は融除剤ジェル、フェイズシフト装甲、冷却シフト、排熱システムを使って大気圏突入を成功させた。もしこれらが使えなかったら俺達ナチュラルが助からない温度になる。それこそコーディネイターじゃなきゃ助からないぜ」

 

「・・・」

 

軍医の声が聞こえ、キラは少し後悔する。やはりあの時に僕が乗ればと思ってしまう。一方で艦長室ではムウ達が地図を見ながら話していた。

 

「ここがアラスカで・・・ずうっと下って、ここが、現在地」

 

ムウはアフリカ大陸の北端に指を指し、溜め息を吐く。

 

「まいったな、見事に敵の勢力圏だ。やな所に降りちまったねえ」

 

その言葉にマリューは少し暗い表情となる。

 

「仕方ありません。あのままストライクと離れる訳にはいかなかったのですから・・・ともかく、本艦の目的、及び目的地に変更はありません」

 

「大丈夫か?」

 

ムウが気をつかう。

 

「ええ」

 

「副長さんとも?」

 

「・・・大丈夫よ」

 

マリューは大気圏突入の際のナタルとのやり取りを思い出す。確かにあの時の判断は間違っていなかった。だが、自身の気持ちとは別である。

 

「・・・なら、いい。じゃあ、俺は坊主の様子を聞いてから、寝るよ。アンタももう寝な。艦長がそんなクタクタのボロボロじゃあ、どうにもならないぜ」

 

ムウはマリューを茶化しながら艦長室から出ていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ここは何処だ?俺はアークエンジェルの甲板に降りた筈だが?」

 

ゴロウはいつのまにか暗闇に包まれた場所にいた。誰か周りにいないか辺りを見回していると

 

「君はもう少し賢い人間だと思っていたのだがな」

 

その声はゴロウにとって聞き覚えのある声であり、最も嫌悪する声であった。

 

「・・・へぇ、何で貴様がここにいるんだ。ええ、シャア・アズナブル!!」

 

そこにいたのは金髪のオールバックの男、シャア・アズナブルである。

 

「何しに来やがった!!この最悪のテロリストが!!」

 

「君を笑いに来た。そう言えば満足か?」

 

「OK。よっぽど死にたいって事だな」

 

ゴロウはこめかみに青筋を浮かべながら怒りが込み上がる。

 

「・・・アムロにも言ったが、私は地球の人類に地球連邦軍に呆れてしまったのだよ。アイツらは地球を蝕む害虫のような存在だ。だからアクシズ落としを決行したのだ」

 

その身勝手な言い草にゴロウは怒りが募る。

 

「へぇそうかい。流石、自分の復讐の為に友を殺した男だ。やる事が違うね」

 

ゴロウはシャアに嫌味を放つ。

 

「俺には貴様の怒りを地球に向けてるだけにしか思えないけどな!!よく俺の前に出て来れたな。何様のつもりだ!!シャア・アズナブルか!?キャスバル・レム・ダイクンか!?まさかクワトロ・バジーナと言うつもりじゃあねぇだろうなぁ!!」

 

「今の私はシャア・アズナブルでもキャスバル・レム・ダイクンでもクワトロ・バジーナ、その誰でも無い。私は私として君に会っている」

 

答えになっていないその言葉にゴロウの怒りが頂点に達した。

 

「歯ァ食いしばれぇ!!カミーユの変わりに俺が修正してやる!!」

 

 

 

 

 

 

「ハァ!?」

 

ゴロウは目を覚ます。そして自分がアークエンジェルの医務室にいる事に気付く。

 

「・・・夢か・・・クソ、何でおれの夢ん中にあの馬鹿が来るんだよ。どうせなら相棒が来てくれたら良かったのに」

 

寝起きで夢の中でシャアにあった事でストレスが溜まり、苛つくゴロウだが、すぐに気持ちを落ち着かせる。

 

「・・・無事に降りられたのか・・・ちょっと無茶し過ぎたな」

 

すると医療室の扉が開き、キラが入って来る。

 

「ゴロウ!?」

 

「うお、キラ!?」

 

起き上がったゴロウが目に入り、キラは思わず抱きしめてしまう。

 

「・・・良かった・・・良かった・・・」

 

「ご、ごめん。心配かけちまった・・・離れてくれないか?」

 

「・・・ヤダ」

 

キラはゴロウを抱きしめる。しばらくして離れてから事情を聞く。

 

「やっぱここ地球か」

 

「うん。昨日の夜に降りたの」

 

「丸1日寝てたのか・・・因みに降りた場所は?」

 

ゴロウは恐る恐るキラに尋ねる。

 

「・・・砂漠。ザフトの勢力圏内」

 

「マジか・・・」

 

ゴロウは少し頭が痛くなる。

 





次回 あのキラ?キラ?キラさん!?
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