機動戦士ガンダムSEED 虹の向こうから来てしまった男 作:サンバガラス
0距離でアグニを放ちバクゥを倒し、息を整えるキラ。
「ふぅ・・・ようやく1機。次が来る。アークエンジェルもゴロウも誰も失わせない!!」
気合いを入れるキラの目は戦士の目になる。アークエンジェルに向かってくるミサイルをアグニで薙ぎ払いっていく。
「まだ来る・・・ん?」
ヘリがストライクを狙っていたが、地上からミサイルが放たれ、撃墜した。ミサイルが放たれた方を向くとそこには砂丘を乗り越えて、走り出している数台のバギーであった。そのうちの1台のバギーはストライクの近くに止まり、乗っていた金髪の少女はストライクにワイヤーを発射し、通信する。
『そこのモビルスーツパイロット!!死にたく無ければこちらの指示に従え!!』
「な、何?」
いきなりの介入に驚いているとモニターに付近の地図とその地図に付けられている座標が送られた。
『そのポイントにトラップがある!!そこまでバクゥをおびき寄せるんだ!!』
一方的に言い放って、バギーは去っていく。敵か味方かどうか分からないが、少なくともザフトと敵対関係だという事は理解した。キラはバクゥ4機に向かってバルカンを放ち、こちらに意識させ、キラは目的地に誘導し始める。
「あそこ?」
キラはストライク地図上のポイントに降り立ち、背後を見る。バクゥ達が追いかけて来ているのが見え、タイミングを測る。
「まだ・・・今!!」
バクゥ達が襲い掛かったのと同時にストライクは瞬時に避ける。バクゥ達がストライクのいた場所に着地した瞬間、爆発音を鳴り響き、地面が陥没した。そこはこの地にいくつもある廃坑の上だったらしく。バクゥ達はなすべもなく穴に落ちていく。バクゥ達が落ちたのを確認すると
『今だ!!』
金髪の少女は手に持っていたスイッチを押し、廃坑に仕掛けていた爆弾が起爆し、バクゥ達は爆発していく。残っていたヘリは撤退していき。ひとまずこの戦いは終わる。それと同時に砂漠に太陽の光が照らし出した。
数時間後、アークエンジェルは戦闘地域から近い地点に着底した。マリューはバギーから降りていた人達をモニターから見る。彼らはレジスタンスだった。するとナタルが尋ねる。
「味方と判断されますか?」
「・・・銃口は向けられてないわね。兎も角話してみましょう。その気はある様だから。上手く行けば色々と助かる」
そう言ってシートから立ち、エレベーターに乗り、ハッチまで行く。既にライフルを手にした数人のクルーがハッチの脇に潜み、ムウと合流したマリューは拳銃のカートリッジを確認し、装填する。
「やれやれ、こっちのお客様も一癖ありそうだな。俺こう言うのあんまり得意じゃ無いんだけどな」
「ふふ、貴方にも苦手な事があったんですね」
マリューは少し笑うが、直ぐに真面目な顔になり、ムウ共にハッチから出て、レジスタンスの所まで歩いた。マリューとムウが近づくとレジスタンスのリーダー格の男が前に出る。
「助けていただいたと・・・お礼を言うべきなのでしょうか・・・地球連合軍第8艦隊所属マリュー・ラミアスです」
マリューの名乗りに、まだ幼さが残る少年が嘲る様に笑う。
「あれ?第8艦隊て、全滅したんじゃなかったっけ?」
その言葉にマリューは少年を睨むが、直ぐにリーダー格の男が少年を制する。
「やめろアフメド・・・俺達は明けの砂漠だ。俺はサイーブ・アシマ・・・礼なんざいらんさ。分かってんだろ?別にアンタらを助けた訳じゃ無い。こっちもこっちの敵を討ったまででね」
マリューの隣にいたムウが少し呆れた様に尋ねた。
「砂漠の虎相手にずっとこんな事を?」
「・・・アンタの顔はどっかでみた事あるな」
サイーブはジロジロとムウの顔を見る。
「ムウ・ラ・フラガだ・・・この辺に俺の知り合いは居ないはずだが?」
素っ気無くムウが言ったが、サイーブは少し笑う。
「へぇ、エンデュミオンの鷹と、こんな所で会えるとはよ」
マリューはこちら側の情報を知っているサイーブに驚く。
「・・・情報も色々とお持ちのようね。では、私達の事も?」
「まぁな。あれが地球軍の新型特装艦アークエンジェルだろ?クルーゼ隊に追われて地球へ逃げて来た。そんであれが」
サイーブはストライクとアストレイに目を向けてると、サイーブの声を遮る様にやや高めの声が上がる。
「X105・・・ストライクと呼ばれる地球軍の新型機動兵器のプロトタイプと・・・・アストレイだ」
そう言ったのは金髪の少女だった。ストライクにキツイ目を向けていたが、アストレイの時には嫌悪感を露わにしていた。マリューはまたもや驚く。地球軍のモビルスーツや、知らずに作られていたアストレイについての情報を持っていたのかを。マリューが少女をじっと見つめると、その視線を遮る様にサイーブが前に出る。
「さてとお互い何者だか分かってめでたしと・・・いきたい所だがな、こっちとしちゃ、とんだ災いの種に降ってこられてびっくりしてんだ。まぁ、こんな所に降りちまった事が事故なんだろうが・・・アンタ達は、これからどうするつもりなのか?そいつを聞きたい」
サイーブはマリューから何かを引き出そうとしている事を理解する。
「・・・力になって頂けるのかしら?」
その言葉にサイーブは鼻で笑う。
「ハッ!!話そうってんならまずは銃口を下ろしてもらおうか。それとアレらに乗っているパイロットも降りてもらう」
サイーブは念の為に伏せていた兵士の存在も気付いていたらしい。マリューは少し息を吐き、キラとゴロウに通信し、降りてもらう事にする。
「分かりました。ヤマト少尉、アスカ少尉、降りて来て」
キラとゴロウはそれぞれのハッチを開けて、降りていく。2人はヘルメット外し会話しながら歩き出す。
「キラ見ろよ。ラ○ボーだ!!ラ○ボーがいる!!実在してたのか!?」
ゴロウは少女の近くにいた男に指を差し興奮していた。
「ラ○ボー?だ、誰それ?」
「俺が知る兵士の中で中々の強者だ!!後でサイン貰えるかな?」
何か変にテンションが高くなっているゴロウに少し戸惑うキラである。そんな2人の素顔を見てレジスタンスがざわついていると先程の金髪の少女がキラ達の前に飛び出した。
「お前・・・お前が何故、あんな物に乗っている!?」
少女は喧嘩腰に叫び、キラに手を上げよとするが、その直前にゴロウによって手首を掴まれ止められる。
「は、離せ!!」
「離すわけねえだろ。キラに何しやがる。あん時の金髪」
その言葉にキラは思い出す。今目の前にいるのが、ヘリオポリスの工場区画で出会った金髪の少女だと言う事を。すると今度はゴロウの方を睨む。
「お前もだ!!何故アストレイに乗っている!?サハク家の者か!!」
その言葉にゴロウは溜め息を吐く。
「サハク家ね・・・やっぱりお前、オーブの、それも結構上の人間か・・・こんな所にいるなら少しぐらいは隠せよ。金髪の男女」
「誰が、金髪の男女だ!!私は・・・・カガリだ!!」
ゴロウとカガリはお互い睨み合っていた。
次回 サイが俺に敵うはず無いだろ!!