アオのハコ ~鶴は鹿の元に舞い戻る~   作:お面ライダーよっしー

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BBQは原作通り、大喜の家でやります。


EP9 BBQへの誘い

 

「今度の土曜日由紀子の家に行くわよ、2人とも」

 

と、いきなり母さんに告げられて頭に?マークを浮かべる俺とナツ姉。

 

「ほら、去年の暮れに千夏ちゃんを預かる話し合いをウチでしたじゃない?

それで今度は千夏ちゃんの残留おめでとうと、あんたと向こうの息子さんの入学祝いを兼ねて由紀子の家でBBQしようって話になってね」

 

ほーん、親睦を深めるには良いかもな。

 

それに大喜を見てたらナツ姉に好意持ってるのが見え見えだし、どんな反応するか楽しみでもあるし(ニヤリ)

 

「どうしたの、雪くん?」

 

「いや、何も無いけど何で?」

 

「んー、何か悪い事企んでる顔に見えたから?」

 

む、中々に勘が鋭くなってるな、気を付けねば。

 

「母さん、大喜は俺も行く事は知ってんの?」

 

「あ、逃げた」

 

「いいえ、千夏ちゃんがお世話になってる家の子って事しか知らないと思うわ。由紀子が話してなければね」

 

成る程、知られてるなら仕方ないが事実を知って驚く顔を見たいから黙っていて貰おう。

 

「なら当日驚かせたいから、由紀子さんには内緒でってお願いしといて。もう話してあるなら仕方ないけど」

 

「本当にあんたはもう。分かった、連絡しておくけど伝えてあったら諦めなさいよ」

 

「うん、ありがとう」

 

「雪くんって基本的に意地悪だよね、猪俣くんがかわいそうでしょ」

 

「サプライズは大事」

 

「サプライズ嫌いな人も結構居るよ?」

 

「そりゃあプロポーズや結婚式みたいな人生掛かってる時に相手が嫌なのを知っててやるのは論外だけどさ、今回はそんな大事じゃないんだし大丈夫だろ。特に大喜はそれ処じゃないだろうし」

 

「え、何で?」

 

「それは秘密です」

 

あー、二重の意味で楽しみだなぁ。

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「今度の土曜日、お母さんの親友とそこの子と千夏ちゃん呼んでBBQやるから」

 

いきなり母さんにそう言われて、俺はパニックになった。

 

「え、え、何で母さんの親友と千夏先輩が一緒に来るの?」

 

「千夏ちゃんを預かってるからよ。去年の暮れに私が話し合いに行ったのがその親友のお宅だったから、今度はあんたたちの入学祝いも兼ねてウチでBBQやろうって話になったの」

 

成る程、そう言う事か。

 

「千夏先輩がウチに来るのか」

 

そう思うと自然と顔がニヤけてくる。

 

「一応夕方から始めるつもりだけど準備もあるし、お昼過ぎには来て準備を手伝ってくれるって言ってたから、あんたも少しは手伝いなさいよ」

 

「分かったよ、買い出しは?」

 

「前の日に一通り揃えておくから大丈夫。もし何か足りなかったら買いに行って貰うかも知れない程度よ」

 

「じゃあ基本的には家で待ってれば良いのか」

 

「まぁ、早めに起きて最低限の準備は手伝ってくれたら有難いけどね」

 

「うん、それくらいなら」

 

何てラッキーなんだ、千夏先輩がウチに来るなんて。

今から想像しただけでドキドキが止まらない。

 

「早く土曜日にならないかな」

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ピンポーン

 

っ!き、来た。

 

「こんにちはー。由紀子、来たわよー」

 

「ハ~イ、いらっしゃい優花、千夏ちゃん」

 

「お久し振りです由紀子さん、今日はお招き有難うございます」

 

「千夏ちゃんも久し振り、優花の家には慣れたかしら?」

 

「はい、皆さんとても良くしてくれますから」

 

「そう、本当にこっちに残れて良かったわね。それでアンタはいつまでそこから覗き見してる気なの?こっちに来て挨拶くらいしなさい」

 

隠れて千夏先輩を見ていた俺に、母さんが呆れ顔で声を掛けてくる。

 

「わ、分かってるよ。ち、千夏先輩、ようこそ猪俣家へ。今日は沢山食べて下さい。

あ、それと優花さん?もいらっしゃいませ」

 

「こんにちは、猪股くん。今日はよろしくね。」

 

「あらあらご丁寧にどうも、由紀子から聞いてたけど大喜くんね?ウチの子も今年栄明に入った同級生だから、仲良くしてあげてね」

 

「ハイ、分かりました!ってその人も今日来るって聞いてたんですけど?」

 

そう言って玄関から家の前を見渡しても誰の姿も無い。

 

「何か用事があって来れなかったとか、遅れて来るとかですかね?」

 

「あ~、それがねぇ」

 

「ごめんね、猪股くん」

 

と、優花さんと千夏先輩が言葉を濁して謝罪してくる。

 

「どうして千夏先輩が謝ってるんですか?」

 

「それはn「俺が頼んだからだよ、大喜ィーーー!」

 

「うわぁあああーー!」

 

突然背後から大声を出されて滅茶苦茶ビックリした俺が振り返った先には、「してやったり」と言わんばかりに満面の笑みを浮かべた同級生、鶴羽 雪の姿があった。

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「え、じゃあ千夏先輩が居候してるのってやっぱり雪の家だったのか」

 

「何だ、知ってたのか?」

 

「いや、雪と千夏先輩が言ってた約束とかアメリカ帰りって話が余りにも一致してたから、もしかしてとは思ってた。でも余り人に知られない方が良いと思って、誰も居ない時に雪に聞こうとは思ってた」

 

「・・・お前も中々の名探偵だったのか、やるな」

 

「雪くんふざけないの。ごめんね猪股くん、それとありがとう、そこまで気を遣ってくれて。一応校長先生とか主要な先生方には話が通ってるけど、生徒にバレたら変な勘繰りされるかも知れないから、余り知られたくないのも本当だから」

 

「俺は絶対誰にも言いません!千夏先輩は1人でここに残って大変だし、雪だってまだ知り合って短いけど友達だと思ってるから!!」

 

「大喜、お前マジで良い奴だな。俺は感動の余り涙が出そうで出ないぞ」

 

「本当にウチのドラ息子と違って何て良い子なのかしら、流石由紀子の息子さんね」

 

「それを言うなら雪くんだってそうでしょ?去年の話し合いの時に冬樹さんに切った啖呵なんて、私が千夏ちゃんの立場ならコロッといっちゃうわよ」

 

「何言ってんの、ウチの子なんて“適当が服着て歩いてる”みたいなもんよ。どうせ自分の発言なんて言ったそばから忘れてるわよ」

 

ねぇ、この人本当に俺の実の母親なの?マジで泣いて良い?

 

「え、何それ聞きたい」

 

「オイ馬鹿止めろ、俺の古傷を抉りに行くな」

 

「良いわよー。んんっ、“俺は何があっても嬉し涙以外でナツ姉を泣かせたりしない”、“俺の魂と心に誓って絶対にだ!」

 

ドンっと胸を叩く仕草まで完コピしてやがるよ、このオバハン。

 

「す、凄いな雪。話聞く限り千夏先輩のお父さんって口下手で厳しそうな人ってイメージなんだけど、その人に対してそこまで言えるなんて」

 

「あれはもう、場の雰囲気にあてられて中二病全開だったんだよ・・・話し合い終わった瞬間に余りの恥ずかしさに膝から崩れ落ちたわ、ちくしょうめ」

 

「まぁ、そのお陰で私もここに残って全国制覇目指せるし、こうやって猪股くんとも仲良くなれたんだから良い事ずくめだよ」

 

「へっ、それは1ON1で俺から10本中3本取れる様になってから言えよな」

 

「む~っ、そうやって直ぐ煽るんだから」

 

何か千夏先輩って、思ったより子供っぽい所があるんだな。

 

いや、もしかして雪が側に居る時だけなのか?もしそうなら千夏先輩は雪の事が・・・

 

「さぁ、話したい事は沢山あるだろうけど、先ずは準備準備」

 

と言う母さんの一声で、そのモヤモヤは一先ず胸の奥にしまい込んだ。

 

 

 

「あー、美味い!バラもシロもハツも最っ高!大喜ちゃんと食ってるかぁ?」

 

「食べてるよ、雪こそ凄く肉ばっか食べてる様に見えるけど、野菜も食べろよ?」

 

「ったりめーよ!好き嫌いしてる子は大きくなりませんからね、た・い・き・く・ん?」

 

「チクショー!自分がデカいからってー!」

 

「今186、かな。大喜くんは如何程?」

 

「170弱だよ、悪かったな」

 

「高1の春で170弱ならまだまだ伸びんだろ、悲観する程じゃないと思うけどな」

 

「雪くん、それは今背が高いキミが言っても嫌味にしか聞こえないからね、私だって162センチなんだし」

 

「まぁ平均よりは高いけどな。それに余り伸び過ぎても、ナツ姉のプレイスタイルに合わなくなるだろ。

 

それよりバド部はやっぱり現状だとハリーさんに次いで西やん、その次の3番手辺りに大喜が来るのか?」

 

「うーん、どうだろ?3年も居るから安易には言えないけど、それくらいで居たいとは思ってる」

 

「良いねぇ。でもインハイが目標なら、西やんには勝てる!くらい言えるレベルにならなきゃな」

 

「簡単に言うけどさ~。西田先輩だって針生先輩とダブルス組んでるくらいの人だから、実力は確かなんだよ~」

 

「ま、今はそれでも良いさ。でもな大喜、俺は少くとも“負けるかも知れない”って気持ちで試合に臨んだ事は無い。どんな時でも“絶対勝つ!!”って気持ちだけは忘れんなよ。何だかんだ言っても技術が同じくらいなら最終的には根性、気持ちの強さが大事になってくるからな」

 

何だろう、この感じ。

 

初めて教室で話した時もそうだったけど、真面目な時の雪の言葉って不思議とその通りだと、胸に響いて来るんだよな。

 

「大喜ー、お父さんにそろそろ焼きそばの麺用意しといてって言っといてー」

 

「分かったー」

 

キッチンに居る父さんに伝えると

 

「あれ?ナイ・・・買ったと思ったのになぁ」

 

「ちょっ、母さんにバレたら1ヶ月玄米にされるだろ、どうすんだよ」

 

2人で頭を抱えてる様子を見ていた千夏先輩が

 

「私買ってきましょうか?」

 

と言ってくれた。

 

「じゃあ申し訳無いけどお願いしようかな。大喜、暗くなって来たから一緒に行ってあげなさい」

 

とお金を渡される。

 

「じゃ、じゃあ雪も一緒に行こうぜ」

 

「あん?メンドクセーから俺パ~ス。2人で買い物デート楽しんできな」

 

「はぁっ!?デートっておま、ちょっ先輩にも失礼だろ!ねぇ千夏先輩?」

 

「・・・雪くんは行きたくないみたいだし、良いよ、行こうか猪股くん」

 

「え、千夏先輩?」

 

「行ってら~」

 

暢気な声で送り出す雪。何なんだよアイツ。

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「「雪(くん)、2人で行かせて良かったの!?」」

 

おおぅ、大喜にチャンスやるつもりで2人で買い物行かせた後、ママーズがハモリながら問い詰めてきた。

 

「へ?何が?

大喜がナツ姉に好意持ってんのは学校での態度で丸分かりだったし、プライベートで会える事なんてまだ少いから、俺が居たら2人で話す機会が減ると思ってチャンスやったんだけど?」

 

「分かってた、我が子がこう言う子だって分かってたけど、流石にあの言い草は千夏ちゃんにとってあんまりだわ」

 

「本当にそうね。雪くんはもっと女心を理解しなきゃいつか刺されるわよ!」

 

あれ?由紀子さんまで辛辣になってきてない?寧ろ息子の恋のアシストした俺を褒めても良くね?

 

「ま、良っか。おじさーん、ハラミありますー?」

 

「あるよー、沢山食べてねー雪くん」

 

「ありがとうございまーす。とってもおいしいでーす!」

 

「「駄目だわ、この子!!」」

 

  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「買い忘れない?」

 

ガサガサ「大丈夫だと思います」

 

やっと折り返しか。行きは何だかんだ当たり障りの無い会話で遣り過ごしたけど、帰りはどうしようか。

 

「う~ん、今アイス食べるのは駄目だよね」

 

その言葉にクスッと笑いが漏れる。

 

「ウチはBBQの時、好きなものを好きな時に食べるのがルールなんで」

 

「素晴らしいルール」

 

「母さんの方針なんで」

 

「大喜くんってお母さん似だよね」

 

「え"」

 

「フフッ、そんな嫌そうな顔しなくても。明るくて真っ直ぐでパワフルな所とか、そっくりだと思うけどな」

 

ー雪くんもお母さんの優花さんにそっくりなんだけどねー

 

と、少し寂しそうに笑う千夏先輩。

やっぱり雪とも一緒に来たかったんじゃないだろうか。

 

結局その後は大した会話もなく家に着いた・・・んだが、何故か雪が正座で母親2人に説教されていた。

 

俺の顔を見るなり、

 

「遅せーよ、いつまで掛かってんだよ、お前らが帰ってくるまで正座とか言われてこのザマだよ!俺が何したってんだよ、こんちくしょう!」

 

「「寧ろ何もしなかったからでしょ!!」」

 

・・・一体あれから何があったんだろうか?

 

まぁ、いつも通り雪が何かやらかして(断言)母さんたちに叱られたんだろうから、考えるだけ無駄だし関わったら駄目だな。

 

「焼きそばの麺買ってきたから、そろそろ焼きそばにしない?」

 

「じゃあ父さんがやるから、大喜と千夏ちゃんは休んでなさい」

 

「ありがとうございます、お言葉に甘えさせていただきます」

 

「千夏先輩、マシュマロ焼いて食べてみます?」

 

「食べたい!」

 

「じゃあ用意しますからちょっと待ってて下さい」

 

マシュマロを千夏先輩から離れた所で探していると、

 

「あー酷い目に遭った、足痛てぇ」

 

と、雪が愚痴りながらやった来た。

 

「何で正座させられてたんだ?」

 

「あー、お前ら2人だけで行かせた事で怒られた。大喜だって見た目よりしっかりしてるから大丈夫だと思ったからなんだけどなぁ」

 

「雪にそう思って貰えるのは嬉しいけど、千夏先輩は寂しそうだったぞ?」

 

「それより大喜、お前ナツ姉が好きなんだろ?何かアプローチしたのか?」

 

「え、は!?何でそれを?」

 

「いや、お前の態度見てりゃバレバレだっての」

 

「そ、そうなのか。いや、何かそう言う雰囲気じゃなくなったから、特に何も」

 

「しゃーない、また次の機会だな。で、何してんの?」

 

「焼きマシュマロやろうと思って探してるんだ」

 

「何それ美味そう」

 

「千夏先輩も食べたいって言ってたから、一緒に食べよう」

 

「おう、その前に焼きそばな。ナツ姉ー!ナツ姉も焼きそば食べるだろー?食いしん坊のちなつーw!」

 

「雪くん?」

 

「アッハイ」

 

「悪ノリし過ぎちゃ駄目っていつも言ってるよね、聞いてないの?」

 

「ごめんなさい_(._.)_」 

 

す、すげぇ。あの雪に土下座させたぞ千夏先輩。

 

それからしばらくお説教は続いたが、流石にかわいそうになってきた。

 

「せ、先輩?母さん達にも叱られてたし、雪も反省してるみたいですから、そろそろBBQの続きやりませんか?マシュマロも準備出来ましたから」

 

「・・・ハァ、雪くん、良い友達に免じて許してあげるけど、今後悪ふざけは控える事。分かった?」

 

「ハイ、ワカリマシタ」と棒読みで返す雪を見て俺は、「アレは反省してないし、絶対またやるだろ」と思った。

 

案の定、マシュマロを真っ黒に焦がして「マシュ・・・マシュ・・・」とヘコんでる千夏先輩を見て、

「何でそんな炭化するまで焼いてんだよw普通そうなる前に分かるだろ、火から離せよwww」って爆笑してからかっていた。

 

けどその後「ったく仕方ねーなー、ホラこれやるよ」と、ちゃんと良い感じに焼けたマシュマロを渡していたから、何だかんだ言って優しいんだよな。

 

それに

 

「なぁナツ姉、これから何かあった時の為に大喜と連絡先交換しといても良いんじゃねーか?まぁ何も無くても友達としてやり取りしても良いだろ」

 

「そうだね、信じられる人が味方に居てくれたら心強いもんね」

 

「大喜も良いだろ?(*ゝω・*)ウインク」

 

と言って連絡先交換のアシストしてくれたし、ありがとう雪!

 




雪と千夏はお互いに好感度は振り切ってます。

現状それが恋愛感情に全く転換されてないのが雪で、逆に千夏はそれなりに転換されてるので、雪がデリカシーの無い言動を取る度に怒りゲージが溜まって行ってます。

爆発する前に気付けよ、雪ェ・・・
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