アオのハコ ~鶴は鹿の元に舞い戻る~   作:お面ライダーよっしー

59 / 85
長野から帰ってきた雪。

家に帰る途中、思わぬ事で足止めを食ってしまう。

そしてそれが原因で、学校全体を巻き込む大騒ぎに発展する。


EP47 バイトと大騒動

1月5日昼

 

「あ~、冬休みももう直ぐ終わるなぁ。これだけ長い間部活休みってのは初めてだな。まぁ自主練はやってたから鈍る程じゃないけど、早くバスケやりてーなぁ」

 

そう独り言ちながら駅前のビル群を通り抜ける。

 

ふと騒がしさに目をやると、人だかりが出来ていた。

 

んー、なんかデジャブを感じる。

 

近付かない方が良いと、俺のサイドエフェクトとガンダムがそう言ってる。

 

なのでそそくさとその場を去「あ、鶴羽くん!」れなかったよ、ちくしょうめ。

 

人だかりの隙間から見えたのか、花恋さんが俺を見付けて声を掛けてきた。

 

「はぁ~、やっぱり悪い予感は当たるもんだな。今日も撮影してんの?」

 

「悪い予感とは失礼な!今暇なら手伝って欲しいなぁ」

 

「やだよ、面倒臭い。俺ぁ今長野から帰ってきたばかりだから、さっさと家に帰って休みてぇんだよ」

 

「長野って事は、ちーのおじいちゃんの家?そこまで進んでるの?」

 

「何か誤解してそうだから言っとくが、ワカサギ釣りして天ぷら食べてきただけだからな」

 

「ホントにそれだけぇ~?」

 

「じゃ、他当たってくれや、またな」

 

「あぁ~!ゴメンゴメン、ちょっと待ってー!」

 

「で、何だよ今日は?また人が来られなくなってどうしようかって?」

 

「ちょっと違うかな」

 

「あ、マネージャーさんお久し振りです。どういう事?」

 

「今日はMV撮影してるのよ。その曲がバスケ漫画のアニメ化タイアップに使われる事になってね。あそこ見れば分かると思うけど、誰でも使えるストバスのコートが最近出来てそれを使う事にしたんだけど、経験者が居なくて普通の絵しか撮れなくてどうしようかと思ってたの」

 

「成る程ねぇ。それで俺を見つけたから声を掛けたって訳ね」

 

「ちょっとレクチャーしてくれたり、夏冬連覇のバスケ部エースのプレーを見せてくれたら良いんだけど、どうかな?」

 

「バスケに関する事なら良いよ。撮影の間は困らないだけのフォーム教えるくらいなら、どうにでもなるし」

 

「本当に!ありがとう、鶴羽くん!」

 

「そもそも花恋さんはどれくらい出来んの?運動神経自体は悪くないってハリーさんは言ってたけど」

 

「うーん、体育でやる事は出来る、って所かな」

 

「他の人は?」

 

「大体は普通に出来る位だと思う」

 

「ま、一通り見てからだな。俺は適当にダンクでもすりゃあ良いのかね?」

 

「その辺はその場に応じて指示が出ると思うから、難しく考えなくても良いよ」

 

「ん、OK」

 

そしてMVに出る人たちの動きを見るが、全員特に問題は無く、俺が口出す必要も無いと感じたので

 

「別にこのままで良くね?俺がわざわざ何かする必要も無いから、適当にドリブルやパスしてシュート撃って決まっても外れても、後は演者のパフォーマンスと監督の構成や編集次第だと思うけど?」

 

「そうかなぁ?何か足りない感じがするんだよねぇ」

 

「取り敢えずバスケのシーンだけ通しでやってみれば?動きがおかしかったら俺から言うし」

 

そして始まるMV撮影。

 

バスケのシーンを撮るが、特におかしくはないが盛り上がりにも欠けるのも確かだ。

 

「確かに言ってた通り、悪くはないけど可もなく不可もなくって所だな。

花恋さん、ちょっとゴールに向かってシュートしてくんね?」

 

「え?うん、分かった」

 

「あ、一応カメラ回しといてねー」

 

鶴羽くんの考えは分からないけど、取り敢えず言われた通りシュートしてみる。 

 

すると

 

「あらよっと」

 

ドキャッ!と、リングに届く前にキャッチして、そのままダンクを叩き込んだ。

 

これには私も他の人もギャラリーも、驚いた後に大盛り上がりだ。

 

「凄い凄い!あんなの生で初めて見た!」

 

「これが本物のバスケット選手のプレーなんだ、迫力が違う!」

 

「あれ?あの人って、ウチ(栄明)の高等部のバスケ部のエースの人じゃない?」

 

「そうそう、前も守屋花恋とのツーショットが表紙になってた人だよね!本物ってこんなにカッコ良かったんだ~!」

 

色んな声が聞こえてくるけど、ちーが知ったら大騒ぎになるな、これは(苦笑)

 

「どうよ?こういう絵が欲しかったんじゃねーの?」

 

「その通り!流石ね鶴羽くん。もっと色々やってみてくれないかしら?」

 

「そりゃ構わんけど、撮影どうすんの?」

 

「さっき撮ったのも含めて編集で何とかしよう。だから好きにやってみてくれ」

 

「あ、監督」

 

どうやら監督さんは俺のプレーがご所望らしい。

 

「んじゃ、ご期待に添える様に頑張りますかね」

 

それからはいつも通り、スタンダードからストリートまで、俺に出来るあらゆるプレーをやってみせた。

 

・・・何か口開けて呆然としてるけど、ちゃんと撮れてんだろうな?

 

撮れてなかったからもう一回とか、面倒臭いからやんねーぞ?

 

「監督ー、ボケッとしてるけどちゃんと撮ってんの?」

 

「ハッ あぁ大丈夫!ちゃんと撮れてるから続けてくれ!」

 

撮影参加者もボケッとしてるしお前らの仕事だろうがよ、と思ったから巻き込んでやろう。

 

「おい、そこのイケメン!ほらよ」

 

と言ってパスを出す。

 

「え?あ、はい」

 

「ボケッとしてないでゴールに向かえ!」

 

「はい!」

 

そう言ってドリブルを始め、ゴール近くでジャンプシュートを決める。

 

ふーん、普通に出来てんじゃん。

 

「次!脇で見てる小柄な嬢ちゃんにパス!少し緩めにな!」

 

「了解、それっ!」

 

「わっ、ととっ、よし、取った」

 

「おっ、上手い上手い、ゴール方向にドリブルで進んでシュート!」

 

「ほーい!」

 

で、レイアップを無難に決めている。

うん、この子も普通に出来てる、花恋さんの言った通りだな。

 

「よし、こっちにボール戻してくれー!」

 

「よいしょーっ」

 

「おーし、ナイスパス!なら次はそっちのイケメン2号だな、ほらよ!」

 

「おっと、どうすれば?」

 

「ゴールに向かってドリブルして、シュート撃つと見せ掛けて花恋さんにパス!

で、花恋さんは並走してパス受け取ったらシュートなー」

 

「承知した!」

 

「分かったよ!」

 

おぉ、このイケメン2号も上手いもんじゃねーか。

 

「はい、花恋さん!」

 

「ナイスパス!じゃあゴール下まで行って・・・シュート!」

 

バックボードに当ててのレイアップを見事に決める花恋さん。

 

皆が花恋さんの元に集まって盛り上がっている。

 

ん?皆がこっち見て手招きしてるな。

よし、折角のお誘いだし乗ってやるか!

 

「へーい、皆ナイスプレー!」

 

そう言ってハイタッチする。

 

「鶴羽くんの指示のお陰だよ!」

 

「鶴羽くんって言うのか、宜しく!」

 

「俺も思ったより動けて良かった!」

 

「私も運動余りやらないけど、ちゃんと出来た!」

 

「しっかしやっぱ芸能人だな。皆イケメン美少女じゃねーか」

 

「いや、君も人の事言えないからね?鶴羽くん」

 

「そうそう、何なら芸能界に居てもおかしくないレベルだし」

 

「そりゃあ言い過ぎってもんだろ(苦笑)」

 

 

 

芸能人って言っても同世代だし、話も合いそうで雰囲気が良い。

 

 

「多分、こういうので良かったんだろ?監督にマネージャーさん」

 

「あぁ、彼ら彼女らだけじゃあ、こうは行かなかった」

 

「鶴羽くんのお陰よ。流石に全国大会、夏冬連覇のバスケ部エースは違うわね」

 

「まぁ皆が普通に出来てたからこそ、だけどな。

で、撮影はどうだったんよ?」

 

「さっきのハイタッチまでバッチリ撮れてるよ。そこでなんだけど、ストバスの絵はこれで行けるとして屋内のバスケのシーンを君の学校で撮らせて貰えないかな?」

 

「は?」

 

「そうね、原作は高校バスケが舞台だし、全国制覇している鶴羽くんの学校なら文句無しだわ!」

 

「いや、流石にそこまで話が大きくなると、俺が勝手に決めて良い話じゃないでしょ。

正式にオファー出して学校がどう判断するか、って話だと思うぞ?」

 

「それもそうだな。分かった、正式にオファーは出すから、OK出たら協力頼むよ」

 

「あぁ、分かった」

 

出演者の皆も「他所の学校行くのって楽しみだよねー」等と口々に言っている。

 

「じゃあ今日はこの辺でお暇するわ」

 

「あ、今日の分のバイト代はまた振り込んどくね」

 

「バイト代貰う程の事はしてないと思うんだがなぁ」

 

「こういう事はキッチリしとかなきゃ駄目なの!」

 

「はいはい、分かりましたよ。じゃあ皆またな!」

 

そう言って帰宅の途に着いた。

 

 

 

  ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

鶴羽くんが帰った後、監督は早速栄明学園にアポを取っていた。

 

流石に新年5日目と言う事もあり留守電だった様で、用件を残す時に鶴羽くんの名前を使っていたのには苦笑してしまった。

 

 

そして新学期が始まると栄明学園から「一度直接お話を伺ってから決めたい」と連絡があったらしく、私たちにもその旨が伝えられた。

 

「花恋ちゃん、栄明学園から直接話して決めたいって連絡があったわ」

 

「そうなんですか!?それを話すって事は、出ている私たちも同席する方向で?」

 

「そうね、あの日居た3人にも同席して貰う様に連絡しておいたわ」

 

「健吾やちーの学校で会えるんだ、何か変な感じだなぁ」

 

「幾ら彼氏と言っても、あんまりベタつかないでよ?仕事にも影響出るかも知れないんだから」

 

「分かってます!その辺は弁えてますから」

 

 

そして話し合いの日が来る。

 

 

 

「栄明学園理事長の桐原です、今日は宜しくお願いします」

 

「今回監督を務めている藤巻です、急なお願いで申し訳ありませんが、是非ともご協力いただきたく存じます」

 

「初めまして桐原理事長、今回のMV出演者のマネージャーをしている萩野と申します。こちらのバスケ部の鶴羽くんには何度も助けられているので、感謝すると共に勝手ながらご縁を感じております」

 

「鶴羽くんですか、あの子は本当に掴み所がないと言うか・・・あぁ勿論悪い意味ではなく、学園内でも中等部高等部問わず、色んな所で困ってる人や事があれば手を貸して回ってる様な子ですからね」

 

「あ~、何となく想像つきますね。見た目もあぁですから、特に女子からは人気出そう(苦笑)」

 

「ゴホン、そろそろ本題に入って宜しいですか?

桐原理事長、単刀直入にお願いします!ここのバスケ部をMV撮影に使わせていただきたい!」

 

暫くの沈黙・・・そして理事長が出した答えは

 

「はい、私は構いませんよ。ですが当事者であるバスケ部の顧問に確認してからです。入って下さい」

 

2人の顧問と思しき人たちが入室してくる。

 

「お2人はどう思いますか?」

 

「私たちも特に反対する事はありません」

 

「同じく。直近で大事な試合もありませんし、いやらしい話ではありますが、来年度以降の入学希望者も増えるかも知れませんしね」

 

「成る程、分かりました。では藤巻監督、この話お受けいたします。バスケ部のみならず学校としても全面的にご協力致します」

 

「ありがとうございます!協賛/協力とさせていただきますので、学校に迷惑を掛ける事はしないとお約束します!」

 

大筋で話が纏まった所でコンコンコンと、応接室をノックする音がする。

 

「どうぞ」

 

「失礼します!鶴羽雪、要請に応じて馳せ参じました!」

 

と、いつもの調子で鶴羽くんが入ってくる。

 

「あ、鶴羽くん呼ばれてたの?」

 

「おう花恋さん、こないだ振り。いやな、昨日萩野さんから連絡あって今日話し合いだってんで、一因でもある俺も顔出しとこうと思ってな」

 

「鶴羽くん、貴方は本当に色んな所に伝手がありますね。今回は流石に驚きましたよ」

 

「いやいや、今回も本当に偶然なんですって理事長。

冬休み中にたまたま駅前で捕まって助けてくれって言われて協力したら、あれよあれよと言う間にこんな事になっただけですから」

 

「いやー、本当にありがとう、鶴羽くん。お陰様で学校の全面バックアップを約束していただけたよ」

 

「え、マジで!?流石理事長、俺たちでは出来ないその素早く正確な判断力、そこにシビれる憧れるぅ~!」

 

「おい鶴羽、お前ちゃんと出演者の皆さんをエスコートして差し上げろよ?」

 

「は?」

 

「そりゃそうだろ、お前が原因で学校が協力する事になったんだからな。部員には俺たちから説明するし、生徒には掲示板やプリントで周知するから、撮影時はバスケ部中心で生徒が乱入しない様に監督しろ」

 

「あ~、まぁ仕方ないか。承りました、この鶴羽雪、全身全霊を以て皆様をエスコートさせていただきます!」

 

「また執事?クスッ」

 

「あ、あーっ!鶴羽くんって、あの執事の人!?」

 

「そういやちゃんとした自己紹介してなかったな。

改めまして栄明高校1年、バスケ部の鶴羽雪だ、コンゴトモヨロシク」

 

「どこの悪魔だよw

あー、城東国際大付属2年、目白凛(めじろりん)だ、宜しく」

 

「俺は都立駒羽高校2年、矢部翔平(やべしょうへい)」

 

「私は美浜小波(みはまこなみ)、堀込高校3年です。ヨロシクね、鶴羽くん!」

 

「え、美浜さんって1番年上だったん?こないだ小柄な嬢ちゃんって言っちゃったよ、オイ俺ェ・・・」

 

「あぁ!別に怒ってないし、知らない人から年下に見られる事が多いって自覚はあるから気にしないで、ね?」

 

「そう言って貰えると助かるわ。

さておき、今日は取り敢えず体育館の案内くらいしとけばOK?一応複数の部活で使ってるから自由には出来ないけど、雰囲気感じるだけでも違うだろ」

 

「そうだね、お願いしようかな。理事長、宜しいですか?」

 

「はい、大丈夫ですよ。では鶴羽くんと先生方、皆さんを案内して差し上げて下さい」

 

「「はい、分かりました」」

 

「んじゃ皆体育館行くから、はぐれずに着いて来いよー」

 

「子供の引率かよw」

 

 

  ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そんなこんなで体育館に来た一行。

 

中では各部活が練習に励んでいる。

 

「いやー、緊張するなー」

 

「他校の体育館だしね」

 

「怖い人、居なきゃ良いなぁ」

 

「栄明の魔王と呼ばれてる鶴羽くんが居るから大丈夫でしょ(笑)」

 

「オイ待て花恋さん、それハリーさんから聞いたんだろ?止めてくれ、人聞きの悪い」

 

「え、魔王?」

 

「深掘りすんな、ホラ行くぞ」

 

何の躊躇もなく引戸を開けて中に入る鶴羽くん。

 

「おーす、皆やってるなー、結構結構!」

 

私たちも慌てて後に続くが、やはり視線が突き刺さる。

 

「「え、花恋?」」

 

「うそっ!あれって目白凛!?」

 

「その隣は矢部翔平じゃない!何でここに居るの?」

 

「あの小柄だけど凄く可愛いのは、美浜小波ちゃんじゃないか!何だこの豪華なメンツは?」

 

「鶴羽くんの後を着いて来てるって事は、また何かやらかしたのかな?」

 

「ハイそこー、言い方がおかしい。何で俺がやらかした前提なんだよ!」

 

「そりゃあ雪ちゃん、日頃の行いってもんだろw」

 

「そうそう、雪は良くも悪くも影響力が大きいんだよ」

 

「雪くんはそれを自覚した方が良い、と言うかしてくれ」

 

「カズ、ソーゴ、テツ・・・お前らホント遠慮なくなったよな、俺ぁ嬉しいよチクショウ!」

 

と、バスケ部の仲間とコント染みたやりとりをしているのを見ていると、ちーが来て

 

「どうしたの、花恋?何でウチ(栄明)に来てるの?」

 

「それを今から説明すると思うわ」

 

 

 

パンパンと先生が手を叩く。

 

「全員集合ー!」

 

皆が練習を止めて集まってくる。

 

「えー、皆突然有名人が来た事で驚いていると思うが、この度我がバスケ部が漫画原作のアニメ化のMV撮影に協力する事になった。その一環として、先ず今日は体育館の雰囲気を感じて貰おうと言う事で、原因である鶴羽に案内を任せたと言う訳だ」

 

「キャー!」とか「ヒュー!」とか黄色い声や口笛が響く。

 

「いや、だから言い方・・・」

 

「何だ、やっぱり雪ちゃんが原因じゃねーか」

 

「否定するのが烏滸がましいまであるね」

 

「最初から認めれば良いのに」

 

ホント、遠慮がなくなった処か辛辣ですらあるな。

 

「ま、そーゆーこった。中には知り合いも居るだろうがオフィシャルの場って事で、プライベートの関係は控えめにな・・・特にハリーさん?」

 

「オイ馬鹿止めろ、ピンポイントで名指しすんな!」

 

ふふふ、慌ててやがる、俺の溜飲を下げる役目を与えてやろう。

 

くいくいと裾を引っ張られる、

 

「ねぇ雪、いつそんな話になったの?」

 

「ん?長野から帰った日に駅前で花恋さんに捕まってな。いつも通りヘルプしてただけなのに、何故かこんな話になってた」

 

イヤー、フシギダナー

 

何故か片言で疑問を呈している風を装ってるけど、絶対に何かやらかした結果だと思う。

 

そう考えている所に

 

「ちー、宜しくね。小波ちゃんもこっちおいでー」

 

「なになに、花恋ちゃん。わっ、この子友達?すっごく可愛いねー」

 

「でしょー、私の幼馴染みで親友の鹿野千夏。ここの女バスの新部長なの!ドヤァ」

 

「何で花恋がドヤ顔してるの(笑)

初めまして、鹿野千夏です。撮影に全力で協力するので、何かあったら私か雪に何でも言って下さいね」

 

「はい、宜しくお願いします鹿野さん」

 

「そういや美浜さんって高3なんだよな?受験は?」

 

「あ、私推薦決まってるから大丈夫!」

 

「ほーん、優秀な様で何より。じゃあそろそろ見学しながら説明しますかね。千夏も頼むわ」

 

「うん!」

 

あれ?

鶴羽くんの方が1コ下なのに“千夏”って呼び捨てにしてる?

それに鹿野さんも嬉しそうだし、これはもしかして・・・

 

「コソッ ねぇ花恋ちゃん、鹿野さんと鶴羽くんってもしかして・・・?」

 

「あ、やっぱり分かる?うん、付き合ってるの」

 

「へぇ~、何かお似合いだよね」

 

そう話しながら各部活見学と説明を聞いて、その日はお暇した。

 

 

  ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「監督としては、どんな映像撮るつもりなん?」

 

「うーん、まぁありきたりではあるけど、凛くんと翔平くんがバスケ部で花恋ちゃんと小波ちゃんが女子マネで、それぞれ好きだけど打ち明けてなくて、次の試合に勝ったら告白する、ってイメージで考えてるんだけどね」

 

「成程ねぇ。なら、ウチのバスケ部の1stユニフォームと2ndユニフォームで試合やってるシーンとかどうよ?

2人は体型近い奴らのユニ借りりゃあ良いし、校名ロゴは編集で差し替え出来るでしょ?

後、どっちかをマネージャーじゃなくて女バスにしても良いかもな」

 

「!それ良いね!」

 

「2人は身長どんくらいよ?」

 

「俺は184(凛)」

 

「俺は178(翔平)」

 

「背丈と体格から考えたら、凛は俺かソーゴかまっつん、翔平はカズか黒崎さん辺りだな。

監督としては2人が同じチームと敵チーム、どっちが良いとかあるの?」

 

「それはまだ決めかねてる」

 

「ま、そこはお任せするしかないしな。じゃあさっきのメンツ呼んで誰のが合いそうか確認するか」

 

俺を除いた4人を呼んで体型を比べてみる。

 

「んー、凛は俺で翔平はカズかな。まぁ念の為に他の3人も用意だけはしといてくれ」

 

「OK」

 

「分かった」

 

「うん」

 

 

後はチーム分けだが、どうするかねぇ。

 

まぁ監督が2人を同じにするか分けるかで変わってくるけど、両方のパターンで考えた方が良いな。

 

「まぁ大まかな事はこれくらいで、後は監督次第だな」

 

「あぁ、早速帰って構成考えるとしよう。ではまた日程が決まり次第連絡するので、協力お願いするね」  

 

「じゃあ私たちもこれで失礼するわ、皆、帰るわよ」

 

「はい、じゃあまたね鶴羽くん」

 

「撮影時は宜しく頼むぜ、雪」

 

「俺も楽しみにしてる」

 

「本当にありがとう、雪くん。ちーに健吾もまたね!」

 

 

そう言いながら花恋さん達は帰って行った。

 

 

「は~、何でこう面倒な事になったかねぇ」

 

「「「「「お前のせいだろ、いい加減に自覚持て、この無自覚トラブルメーカー!!」」」」」

 

 




初めは撮影してる花恋さんとのやり取りを見た人に勘違いされて、2人の仲が怪しいって噂が流れる展開を考えてたんだけどなぁ。

ふとMV撮影って事を思い付いたら、ぜぇーんぜん違う展開になって1話で収まり伐らずに分ける羽目になると言う(白目)

後、凛と翔平は雪に対して呼び捨てで良いと言ってるので、雪は名前呼び捨てにしてます。
小波ちゃんの事は“こなちゃん”と呼んでます。

さて、次話はどうしようか・・・
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。