世界はヒーロー《英雄》を求めている   作:文文

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だいぶ更新が遅くなりました。申し訳ない



No.5 始まりに向けて、第一歩

 

 

「そ、それでオールマイトはどんな活躍をしていたんですか!?」

 

『活躍、ト言ッテモ様々サ、戦闘、救助、 バラエティ番組ヘノ出演等、人々ノ助ケニナル物ハ非常ニ多イ』

 

「ば、ばらえてぃ番組?」

 

「バラエティは喜劇みたいなものだよ。言い換えればみんなに親しみを持ってもらう為の活動かな?」

 

興奮の収まる所を知らないベル。そんな宝石の様に目を光らせる少年を解きほぐす緩やかな口調で喋るのは、超先進技術のプロジェクターでオールマイトの姿を投影させたAI――オメガだ。

 

 

『口デ語ッテモ具体性ガ薄イダロウ。私モマタエンターテイナー、トイウコトデ、コチラノVTRヲドウゾ!』

 

芝居らしく一挙手一投足をキビキビとさせながらオメガは保存されているある映像を投影させた。

 

机上で次々と起こる変化にベルは息を呑みつつ、繰り広げられるそれに目を打ち付ける。

 

「あ、これって」

 

その映像にベルのすぐ背後にいた出久もソファに半身を乗り出し、気分を高揚させた。

 

映像は、火の手が舞い上がる壮絶な大災害の場面。人々の不安慄く声が映像を陰惨ものへと印象付ける、一縷の希望すらないような空気感。

 

だが、そこに、その英雄(ヒーロー)は現れる。

 

『見えるか?もう百人は救い出してる!やべぇって、まだ十分も経ってねぇって、ヤべぇって!』

 

ガシッガシッと力強く瓦礫の山を踏み越えて、背と脇に十もの人々を抱えて。その英雄は尚も笑う。

 

『ハーッハッハッハ!もう大丈夫、なぜって?私が来た!』

 

決め台詞と共に映像がドアップされ、オールマイトの笑みが画面を覆い尽くす。

 

燃え盛る火炎を背景にしても尚、笑顔で安心感を与えるオールマイト。その姿は圧巻の一言だった。

 

「か、カッコよ過ぎる⋯⋯!オールマイト。しかも活躍をほぼ直で見られるなんて、凄すぎませんか」

 

「アハハ、まあ、かなり進歩しているからね僕の世界。それにしてもやっぱりカッコイイな〜オールマイト」

 

「イズク君、かなりいい歳して未だ憧れてるんだもんね。スキルにもその影響が出てくるってよっぽどだぞ?」

 

「そ、それは、オールマイトはその、ずっと憧れなんで、はい」

 

悪戯っぽく口角を上げて口撃してくるヘスティアに出久は頬を赤面させて顔を逸らす。照れる大人の反応が面白いのかヘスティアはクスクスと笑う。

 

「それよりイズク君とベル君は、明日はどうするつもりなんだい?」

 

「僕はダンジョンに冒険者登録をしに行くつもりですけど、ベル君は?」

 

「あっ、はい、僕もそのつもりです」

 

映像の閲覧を中断し、ベルは二人と目を合わせて意思を表明する。明日の方向性が確りと固まり、ヘスティアは「そっか」と満足気に頷くと、

 

「ボクは明日バイトの面接に行くよ。とりあえず、求人の掲示板でも見に行こうかな?」

 

「か、神様がバイト!?畏れ多いですよ、それは⋯⋯」

 

「なに言ってるんだいイズク君。【ファミリア】は現在火の車だし、頑張る君たちの横でぐーたらしていたらボクのメンツも立たないじゃないか。頑張るよ、ボクも」

 

グッと胸元で手を握りながら片目を瞑るヘスティア。自身の築いたファミリアという事もあり、彼女の気合いはニート時代とは違うのだ。

 

「神様が社会貢献だなんて、世も末だ⋯⋯」

 

だが、ヘスティアの過去を知らない出久はそんな事情など知る由もなく、ただただ熱意に圧倒される。こちら側であるベルすら苦笑いでフォローを入れる余地すらない決意だ。

 

「さてさて、明日は忙しくなりそうだし、早めに寝るとしようか!ボクはソファで寝るから、二人は奥のベットでぐっすり眠ってくれ」

 

指し示されたのは部屋の左側に位置する扉、その奥には寝室があり、ダブルサイズのベットが置かれている。ファミリア在籍人数は現在一柱と二人、それも神は男神ではなく女神であるため、当然の部屋割りといえる。

 

「いやすごく有難いですけど!ここまで色々してもらっているのにまだ甘えたら、神様に面目が立ちません!」

 

「ベル君の言う通りです、神様。それに神様は敬うものですし、その方が僕の気持ちも楽です」

 

ヘスティアの案が最も合理的とは言うものの、表面上の問題と気持ちは全く別物。どうか、どうかと崇敬の眼差しを向けてくる眷属二人にヘスティアは折れた。

 

おやすみなさい、そう最後に言葉を交わしてヘスティアは別部屋のベッドへダイブする。枕に押し当てるその童顔はにんまりと笑顔を浮かべていた。

 

「明日からはもっと神様らしいところを魅せてやらなきゃ!」

 

 

 

 

「うぅ」

 

朝日が顔を出し始め、少し経たった早朝。北西区画のメインストーリーを寝不足気味な少年、そして普段通りな青年が横並びに歩く。

 

通りは屋台の準備をする商人や器材を運ぶ職人、そしてポツポツと冒険者が歩いている程度で、都市全体はまだ起きておらず静謐としていた。

 

「今朝から寝不足気味だね?」

 

早朝の少しひんやりとした空気に肌を立たせながら出久は隣りを歩くベルに話し掛ける。今朝から覇気がないと思っていたのだ。

 

「その、色々興奮して眠れなくなっちゃって⋯。昨日は怒涛の連続だったので」

 

げんなりとした顔で経緯を話すベルに出久はケースを置きっぱなしだった己の失態を恥じつつ、彼に注意をしなかったオメガを叱責しようと内心で決意した。

 

「ハハ、僕は逆だったかな。色々あり過ぎてちょっと疲れちゃった。まさか別の世界に来るなんて想像できないよ」

 

「そ、それはそうですね。僕が同じ立場なら絶対こんな風に上手くは行ってないですね」

 

「いやいや!絶対大丈夫、そういう子はヒーローが取り残さないから!きっとそうだなあ⋯⋯一番にはインゲニウムが駆け付けてくれる」

 

最速の足で迷子の手を引くことをモットーするヒーロー。兄の名を継いで現在も活動している友人の話題を交えながら、二人は街路を歩く。

 

出久とベルはそうして進んでいると、二人の視界に、綺麗な白色の石材で造られた巨大な建物が現れる。大神殿を彷彿とさせる、ギルド本部だ。

 

冒険者登録をするならまずはココに行け、とヘスティアから出発前に言われ、二人は訪れたという訳である。

 

前庭を通り抜け広いロビーに足を踏み入れると、中はちょろちょろと冒険者が訪れていて、同業者で言葉を交わしたり、カウンターにいる受付嬢に一方的に話し掛けたりなど、様々で、印象の話でいえば少々柄が悪い。

 

 

「受付は、これ、どこだ?」

 

「窓口がたくさん⋯⋯一体どこに行けば」

 

スーツ姿で忙しく業務をこなす若い従業員達がギルド内を交差する中、二人は中央で足を止めた。

 

ダンジョンの全てを一括に管理するギルドは当然その情報量も多い。

 

本部ともなればそれは顕著で、数々の窓口がまるで祭りの露店のように立ち並んでいた。

 

「あのー、何かお困りですか?」

 

職員に声を掛けようと思った矢先、滑舌の良い女性の声が耳に入る。訊ねられた方向に反射的に素人二人は顔を向けた。

 

「私ギルド職員の者です。ご用件がありましたら仰って下さい」

 

真隣にいたその人物に、出久とベルは同時に目を見張らせた。セミロングの茶色髪に透き通るような翠玉色の瞳、そして長く尖った耳。

 

十全十美、その一言を体現した存在である――エルフを間近で見て感銘を受ける出久。ただこれは美しさに見惚れるというよりは神秘性に心打たれたという感覚に近い。

 

尚、ベルはゴリゴリの前者で完全に魅入ってしまっていた。

 

顔の紅潮を隠さず、ぼんやりとした様子の白兎。それを横目に用件を話す。

 

「えと、冒険者登録をしに来たんですが、窓口が何処か分からなくて」

 

「かしこまりました。ついてきて下さい、あちらの窓口で承ります」

 

職員に案内され目的の窓口へと辿り着く。片やそわそわとする少年と自然体な青年の両者を確認すると職員は口を開いた。

 

「申し遅れました、私ギルドの受付を務めております。エイナ・チュールです。どうぞお見知り置きを」

 

「よ、宜しくお願いします⋯!」

 

「お願いします」

 

対応の初々は違えどしっかりと言葉を返す二人にちょっぴり好感を抱きながらエルフ職員――エイナは業務に戻る。

 

「確認致しますが、お二人は新規の冒険者登録の方々でお間違いありませんね?」

 

内容に間違いがないかと訊かれ二人は「はい」と承認すると、次は必要書類のサインを促される。

 

「⋯⋯よし」

 

少々手惑いながらも出久は自身の名前を書き記した。この世界の共通言語である共通語(コイネー)を書けたことに安堵して小さく息をつく。

 

此処に来た当初から読み聞きは出来ていたが、字は初めてであった。言語の壁を無事に突破でき、内心一安心である。

 

「では、お預かりします。先にご記入された方のお名前から順に読み上げてさせて頂きます。お名前はベル・クラネル、そしてイズク・ミドリヤ。種族は両名ヒューマン。同じく、所属はヘスティアファミリア」

 

 

「――それでは只今を持ちまして、あなた方を冒険者として認めます。改めまして迷宮都市オラリオへようこそ、ベル・クラネル氏、そしてイズク・ミドリヤ氏。私たちはあなた方を歓迎します」

 

エイナからギルドを代表して贈られた言葉。各々感じるものは違うものの、前進への第一歩を踏み出せたのは確かであり、決して悪い気はしなかった。

 

「⋯⋯ッ!ありがとうございますッ!」

 

歓迎の言葉を受けてベルは身を震わせて感情のままに首を下げる。夢が叶い、感極まったと言った様子の少年に男女の年長者はニコリと笑う。

 

「フフッ、失礼しました。それでは引き続き、冒険者として活動する上での契約内容、諸注意に移らせていただきます」

 

「冒険者のルールってことですか?」

 

噛み砕いたベルの要約を聞いたエイナは「ええ」と短く答え、本題へ移す。

 

「まず、ダンジョンでの被害、損失に関してギルドは一切の責任を負いません。伴って御自身のお命も保証しかねます。やり直し等は存在しない事を、呉々もご自覚下さい」

 

――えっ?

 

職員の口からスラスラと語られていく概説を聞き出久の中に存在していた幻想(軽い気持ち)が、打ち砕かれた。

 

ベルは少々戸惑いながらもあまり考えていない様子で返事をしていたが、大問題だと、出久は胸中で訴えながら危機感を募らせる。

 

自分の様な大人はまだしも、弱冠十四歳――ベルの年齢――のまだ是非の判断もままならない少年を死地へ送り出すのはどうなのか。

 

だが、ここでそれを訴えても何も変わらないため、出久は喉にまで上っていた言葉を飲み込み、説明に耳を傾ける。

 

その他の説明に関しては主に違反行為に際した厳罰(ペナルティ)の概要についてのことで、これから行うであろう()()()()()()に引っ掛かる要素は見当たらなかった。

 

「これで規則に関してのご説明は以上です。何か質問はございますか?」

 

「ええっと、多分大丈夫だと思います」

 

「僕も大丈夫です」

 

「ありがとうございます。最後になりますが、迷宮探索アドバイザーはお付けになられますか?」

 

「アドバイザー⋯!?絶対にいる!これは必須も必須だよベル君!付けない理由が無い」

 

「えと、そう⋯なんですか?あ、あどばいざー?」

 

出久の確信を持った強い語気に押された。表情を疑問で塗り固めたベルの視線を受け、エイナはその意思を汲み取ると、一度ズレた眼鏡を掛け直し口を開く。

 

「アドバイザーはダンジョンを探索する上での全面バックアップを務める専用担当官のことです。担当官はギルドの方から冒険者の方々に提供しています。こちらはご任意です」

 

なるほどとベルが納得の頷きをしたところで出久は疑問を投げかける。

 

「⋯⋯そうだ、お金の方は掛かりますか?」

 

「ご安心を。アドバイザーに費用は掛かりません」

 

「よかった。それじゃあお願いします。ベル君もそれでいいよね?」

 

「はい。これは絶対に必要ですね」

 

「では、提供させていただきます。今回の登録はご両名共に新規の登録のため、両名の担当官は併せて一人となります。ご了承ください」

 

アドバイザーの着任も決まり、終わりかなと出久達が思った刹那、蟲惑的な質問が彼女から滑り出た。

 

「それでは、アドバイザーの性別、及び種族はどうされますか?」

 

「「――え!?」」

 

質問が飛び出た瞬間、二人は顔を見合わせる。机上に広げられた――種族の特徴を描いた――用紙群を流し見て、二人は一点の種族に目が止まったが、本心がバレないよう視線を逸らす。

 

なにせ目の前には美人のエルフ。これ程本音をさらけ出しづらい相手がいるだろうか。

 

「こ、ここはやっぱり慣れ親しんだ男性の人間、ああいやヒューマンがいいんじゃないかな?」

 

「ちょ、ちょっとイズクさん?!それ本気で言ってます!?長いこと世話になるかもしれない人なんですよ?それならもっとこう、普段なら知り合える機会が少ない種族とか、その女性とか⋯⋯」

 

どこかの教師のように合理的な判断を下した出久に、ベルはここぞとばかりに感情をさらけ出して抗議。

 

ただ、肝心な部分は声に出さないため場は進展せず停滞するが、その光景見ていたエルフはクスリと笑うと宝石のような目で二人を見据えた。

 

「これは私見ですが、お二人は女性のエルフが希望ではないでしょうか?」

 

「あぁっ⋯⋯⋯はい」

 

「⋯⋯そう、ですね」

 

最も言い当てられたくない対象に微笑みながら看破され、二人は頬を紅潮させる。見事にシンクロする出久とベルを見てエイナはフフっと軽くもう一度笑い声を上げると、一つ注意点を上げた。

 

「人気のある種族はご希望が通らないことがありますので、ご理解のほどをよろしくお願い致します――」

 

 

 

 

「はぁ〜、職員さんがあんな細いところまで訊いてくるなんて驚いたよ。⋯⋯すごく綺麗な人だったし」

 

「エイナ・チュールさんに⋯⋯僕とイズクさんの好みバレちゃいましたね」

 

早朝から幾ばくか経ち、太陽が真上でギラつく中ベルと出久は一度ホームへ戻ろうと帰路についていた。二人が歩いている通り、北西のメインストリートは昼間ということもあり街は活気づき、屋台や店等も商売に熱を出している。

 

「担当のアドバイザーがあの職員さんになったら、ちょっと恥ずかしいな」

 

「でもなったらなったで嬉しいじゃないですか。ダンジョン攻略もきっと精が出ると思いますよ!」

 

「日々のモチベーションかぁ、まあ確かに大事だよね」

 

上機嫌に語るベルの横で出久は顎に手を当てながら方目を瞑り言葉を吟味する。やはり心持ちは男性のほうが楽だが、モチベでいえば女性のほうに軍配が上がるのは確かだろう。

 

担当者は一体誰になるのだろうと各々思いを馳せつつ、人混みを躱しながら二人は歩を進めていく。

 

「もう今日の予定は終わっちゃいましたし、イズクさんはこれからどうします?」

 

人溜まりを抜け足取りが安定した後、ベルがそう言葉を投げる。んー、と口元を曲げて暫し出久は黙考すると口を開いた。

 

「ホームで一度解散して、夜まで自由行動とかどう?僕も色々知りたいことがあるし」

 

あの質問の後エイナから今日中にダンジョンに向かうかの是非を問われたが、二人はNOと答えた為予定がない。ただ優先して()()()()()が出久にはあった。

 

「わかりました!じゃあ一度ホームに戻りましょう」

 

ベルの了承を受け、出久達はヘスティアファミリアのホームへ帰還した。

 

 

 

「それじゃあ、僕は夕方頃にはホームに戻るから神様に伝えて」

 

北西区画、その貧民街のはずれにある廃教会の地下室に戻った二人は今後の予定を各々伝えた。出久は散策と曖昧な予定を話したが、ベルは神様の様子を見に行くという。

 

「はい!伝えておきますね。それじゃイズクさん、また後で!!」

 

「ハハッ、また後でね」

 

早速駆け出してホームを飛び出していくベル。天真爛漫なその姿に出久は口元を綻ばせて手を振って見送る。しかし、だだっ広い都市に子供を一人にさせるという不安は少々ある。

 

ただ彼は元々一人でオラリオに訪れる覚悟だっただけに、これは野暮というものだろう。

 

「⋯⋯⋯」

 

静寂に包まれたホームで出久は一度深呼吸を行う。まるで何かを切り替えるように、その呼吸は深く丁寧だった。

 

「オメガ、起動できますか?」

 

問われた機械は静かな起動音を立てて、親しみのあるヒーローの声を上げる。

 

「勿論、起動デキルトモ。今回ハ何ドウシタンダイ緑谷少年」

 

「記憶回路とAIプログラム、センサー機能をインカムに移行してください。本体にもオメガ(AI)が残るよう、自立したものの複製を一つお願いします」

 

「OKOK!ナラ五分程時間ヲ食ウカラ、緑谷少年ハ休息シテ待ッテイテクレ」

 

はい、という短な応答の後オメガは直ちに作業へと移る。その間に出久は学生時代の経験を想起し、反復させる。8年というブランクを少しでも埋めるために。

 

「待タセタネ。サア、サイズガピッタリカドウカ耳ニ当テテミテクレ」

 

オメガからの報告に意識を戻し、筐体の上に置かれた完成したインカムを手に取り、耳に嵌める。

 

「⋯⋯ピッタリです!」

 

「ヨカッタ。ソレト、ソノインカムハ激シイ動キニモ耐エラレルヨウ、調整シテアルカラ心配ハ無用ダヨ」

 

「ありがとうございます!」

 

インカムの具合を感触や手で確かめながら、出久はどこか気合いの入った目つきで礼を言う。その様子にオメガは同調したように豪快に笑うと、問い掛けた。

 

「モシカシナクテモ行クツモリダロウ、君ハ。全ク、ココニ来テマダ二日目ダゾ?」

 

「誰かが助けを待っているなら、時間や場所なんて関係ないですよ。オールマイトは時間も場所も超えて、いつでも何処にでも参上した――」

 

「ヒーローはそう在るべきなんだと思います、きっと」

 

この世界には皆を導く英雄はいても一人一人に手を差し伸べるヒーローは()()いないのだろう。だからこそ救いを求める手は数多だ。

 

「神様に目立った行動はできるだけ控えろと言われたばかりなんだけどなあ。絶対バレるだろうし帰ってきたら、謝ろう」

 

心の中の神様に出久は目一杯頭を下げて謝罪するが、幻想でも神様の怒りは消えず、堪えきれない憤怒を表すようにウニョウニョと二本の髪の束が宙に浮いていた。

 

そんな光景を簡単に想像できる事に頭を悩めつつも、出久は廃教会を出て決意を言葉にした。

 

「ヒーロー活動、開始!」

 

 





活動報告にこれからの方針について述べておりますので、目を通していただけると幸いです。

作品を挫折するような悪い知らせでは決してないのでご安心ください
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