ある冬の日に解れる関係

1 / 1
第1話

解れる、とは基本的に──や──が解─る。という意味である。よく日常生活で使うだろう。

 

─が解れる、だとか─が解れた、等等日常で良く聞く物が多い。あまり使わないかも知れないが関係が解れる、とも言うだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─朝、起きたくなくて布団に顔を埋める。春眠暁を覚えず、とはこう言う事だろうか。とにかく出たくない。

 

別に寒いと言う訳ではない、儚い夢を見ていた訳でも無い。だが、何故か起きたくない。

 

それが春眠、と言う物なのだろうか。

 

ただ、何時までもこうしている訳にも行かない。目覚ましが結構鬱陶しいため仕方無く起きる。

 

目覚ましを半目で殴り止める。コイツには毎日苛つかされている。この為に頑丈な物を買ったのだ。大丈夫だろう。

 

半目を擦り洗面所に向かう。

 

カラカラと滑りの良さそうな音と共に敷居を跨ぐ。薄い木の色が良い味を出している。金属の取っ手も良い。

 

もう一度カラカラという音を聞き自分の姿を見る。

 

多少寝癖が付き、眠そうな顔をしている。ヨレヨレの寝間着に身を包んだ自分の姿が硝子を通り、銀に映る。

 

と言うが、今の鏡は銀を使ってなかった様な気がする。この家はそこそこ新しいため使ってないかも知れない。、高価だからなのかねぇ…

 

今の銀の価格は幾らだったか…1g/4000円とかだったか…?これは金だった様な気がするが……

 

そんなの悩んでも時間の無駄だ、スマホを取り出してパッと検索する。1g/174円、…、安いな。

 

金は1万を超えている。やっぱ金だな。

 

別に必要無い事を知ったな、と多少の後悔と共に顔を洗う。パシャパシャと少々の滑りを落としタオルで拭く。

 

タオルから顔を離し、もう一度鏡を見てから洗面台を離れドアを開ける。

 

キッチンに向かう廊下からダイニングの壁に掛かったアナログ時計を見る。

 

現在時刻は7時20分、まだ少しお腹が張っているが普通に12時間食べてないのだ。腹減った。

 

キッチンに入り冷蔵庫を確認する。無、以上である、、異常である。

 

文字通り何も無い。最近は食パン等冷蔵庫に入れない物で腹を満たして来たため買い忘れていたのかも知れない。

 

今日こそは、と気合を入れていたのだがどうやら無駄だった様だ。

 

まあ、買っていなかったのは自分の責任だ。仕方無い、今日もパンとコーンスープで済ませるとしよう。

 

気分でコーンスープにパンを浸し食べつつスープを啜る。ラーメンは兎も角スープを啜るのは行儀が悪いが今は誰も見ていないため気にせず啜る。

 

食べ終わり、インスタント特有の皿を流しに持っていきスポンジでサッと拭いて水で流す。

 

プラ製の皿な為落とした位では絶対割れない。上の食器棚に裏向けで乗せ、タオルで手を拭いて戻る。

 

窓は少ないがとても大きい、俺の身長如き容易く超えている。壁全面が窓張りのこの部屋、冷え込む地域なら冬は地獄だろう。

 

だが、この地域はそこまで冷えない。冷えないと言っても一桁台まで冷えるが。

 

まあ少なくとも氷点下は見たことが無い。冬は暖房付ければ大丈夫だろう。それで何とかなったのだから。

 

窓の前で黄昏れながらそんな事を考える。

 

やる事も無い為小一時間こうしても良いが…流石に止めておくか。結構虚しい。

 

と言っても別にするべき事も無い、いっそこのまま寝てしまうのもアリだ。しかし顔を洗った為多分眠れないだろう。

 

腕を組みながら目を閉じ、耳を澄ませてみると鳥のさえずりが聞こえる。とても幽かな声だ、普通に過ごしていれば絶対気付かない。

 

これでも近くにいる方だろう。生憎、鳥には詳しく無い。鳥の種類を聞かれても雀、鴉位しか思い浮かばない。そもそも雀の鳴き声など聞いた事無いが。

 

その時、ベランダに置いた観葉植物が目に入る。朝露だろうか?いや、ベランダ全体が濡れている。

 

気付かなかったが昨夜雨が降ったようだ。構造上雨は入りにくい筈だが…こちら側が風下だったのか?

 

かなり激しめの風だった様だ。植木鉢が倒れている。ガラガラっとベランダのドアを開けて…、いや、そういえば濡れているんだった。思い直し玄関から靴を取ってきて履く。

 

ピチャピチャと音がする中迷わず倒れた植木鉢を直しベランダを出る。靴が濡れたため少し気を遣って玄関に戻す。

 

さて、これからどうしようか…

 

そういえば植木鉢を直す時、近くの公園が目に入ったな…、やる事も無いし近所に咲く花でも見に行こう。

 

そう心で決めて玄関に向かい濡れた靴を履き外に出る。例の公園は玄関を出、今見ている方向にある。

 

今も少し高い木が見え、緑々しい葉っぱがちょっと見えている。

 

まあアレは後でたっぷりと見れる、そう思い道路に目を向けた。

 

殆どの家に少し大きめ、と言っても7メートル程ある木が植えられている。大体は蜜柑か柿だった筈だ。

 

季節の時にはオレンジが掛り趣がある。だが、今のメインはやはり桜だろう。確か公園に行く道の家に生えていた筈だ。

 

正面の家を囲んでいる道路を進み公園に向かう。その途中で例の桜が植わっている家がある。

 

やはり、桜、この時期には桜だ。小さめだが桜は桜、見ているだけで心が落ち着くようだ。

 

いつか、とても大きい桜の木の下で花見をしてみたい物だ。どうせなら2月に行きたいが…余裕で季節ではない。から枝なんて見てもあまり楽しく無い。

 

ただ一つ気になるのは桜の花が沢山落ちている事だ。昨日の風は相当強かった様だ。ここまで落ちるとは、9割方落ちている。

 

まあ、枝に付いた数個の花でも絵になる。そう信じ公園へと歩を進めた。

 

─公園に付き植物を見渡す。

 

玄関から見えた大きな木に加え、広葉樹らしい丸っぽい緑の木、そして殆どの花が落ちた桜の木が偏在していた。

 

垣根の植物は昨夜の雨によって輝いている。少なくとも趣がある、とは言ったが正直無いと淋しい物がある。

 

そう淋しさを覚え、足取りを重くして家に帰る。

 

─家に帰り、靴を脱ぎ、ダイニングの窓に向かう。ここからでも見える木を淋しく見つめ窓から視線を外した。

 

その時、テレビ台に置いた一つの写真が目に入る。

 

これは俺と彼女のツーショットの写真だ、付き合い始めて1ヶ月経っていない。

 

関係はまだ浅いと言って良いだろう。これから関係を深めていければな、と思っている。

 

もっと自分の気持ちでも伝えてみようか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春眠暁を覚えず、春の眠りは心地が良くつい寝過ごしてしまう、という意味である。

 

きっと誰もが共感してくれる筈だ。

 

きっと誰もが思った事があるだろう。

 

さてさて、この2人の関係は、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解れていくのだろうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それとも解れていくのだろうか

 

その答えは今の所誰も知らない。

 

いや…その未来は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たった今アスファルトを踏みしめている人に依存している。

                   

全ては花の基に、

                   〜完〜




そろそろストックが少なくなってきた

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。