ホグワーツ教師 ロード・エルメロイII世   作:木材

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なんか……評価とお気に入りとUAがすごいことに…。
やはり型月とハリー・ポッターシリーズの人気はすごいですね。
拙い文章ではありますが、頑張って書きますのでよろしくお願いします。
感想、誤字報告してくださった方々、誠にありがとうございます。


サブタイトルの表記を『File.X』に変更しました。
ロード・エルメロイII世の事件簿基準にしてます。


File.2

「授業を始める。前回の授業では五年生が学ぶ魔法理論の内容の大枠を説明したまでだったので、今回から本格的に授業をしていく。では、教科書の48ページを開きたまえ」

 

 最初の授業から一週間が経過し、二回目の魔法理論授業が始まる。

 魔法理論の科目は実技もなくOWL試験にもない。そのため軽く受けている生徒が多いのだが、この科目の内容を基礎とすることであらゆる科目に応用可能であるという事実が一部勤勉な生徒に人気を集めている。

 以前の講師は印象には残りにくいものの、決して悪い講師ではなかった。少なくとも魔法史のようにハーマイオニー以外のほぼ全員の生徒が眠ってしまうようなものではなかった。

 どんな授業なのだろうと期待半分警戒半分でハリー達は授業を受け始める。

 

「今回の内容は、魔法使いの持つ『属性』についてだ。さて…この『属性』についてわかる者はいるかね」

 

 エルメロイII世の言葉に、ハーマイオニーが手を挙げた。

 

「ではミス・グレンジャー、答えてみたまえ」

「はい。属性は魔法使い全員が持つ、その魔法使いがどのような特性を持つか、どんな魔法が向いているか、どのような特性を持ちやすいかを示すものです。属性は四大元素と空の五大元素と架空元素二つを合わせた七つ存在します。魔法使いの持つ属性は基本的に一人一つですが、二重属性やそれ以上の複数の属性、五大元素(アベレージ・ワン)の魔法使いも存在するという記録があります」

「正解だ。グリフィンドールに3点」

 

 エルメロイII世は属性について図解された図を黒板に描く。

 

「ミス・グレンジャーの言うように、魔法使いの持つ属性というのは合計七つ。大体はこの中の一つの属性だが、時折複数の属性を持つ者もいる。そしてこの属性というのは、おおまかに『自分に向いている』魔法を示すだけであり、他の属性の魔法が使えないわけではない。単純に、習熟速度に多少差異が出る程度だと思ってくれていい」

 

 魔法の属性は四大元素の『火』、『水』、『地』、『風』があり、ここに『空』も加わることで五大元素と呼ばれている。そして架空元素と呼ばれる『虚』と『無』の二つを合わせて、合計七つの属性が存在している。

 大体の魔法使いは四大元素のどれかの属性を持つが、二重属性やそれ以上の複数属性を持つ者もいる。また、架空元素の適性を持つ者はさらに少ないとされていた。

 

「諸君の中にも魔法の向き不向きがあるのはわかるだろう。戦闘向きの魔法が得意な者もいれば、変身術などの魔法が得意な者。そういったような形で魔法の向き不向きを決めるものだと判断してくれればいい。さて、ここまでで何か質問はあるかね」

「はい、先生」

「ミスター・ロングボトム。質問は何かね」

「どの属性ならどの魔法を習得しやすいとか…そういうのって、わかるんですか?」

「全ての魔法に当てはまる、とまでは言えないが、大体はわかる。例えば『火』属性。これは最も多い属性とされており、生命と死の象徴とされている。この属性は破壊的な魔法…つまり、攻撃系の魔法と相性が良い。例えるなら、武装解除や失神、粉砕や爆破の魔法がこれに該当する。珍しいところでいえば、『虚』属性の魔法。これに該当するのは『検知不可能拡大呪文』。バッグやトランクのような、特定の空間をさらに拡大するものだ。本来存在しない空間…あり得ないが存在するようなことを行使できるのが、『虚』属性。こういった具合で属性ごとの適性は判別可能だ」

 

 最も一般的な属性である『火』に属する魔法は武装解除(エクスペリアームス)失神魔法(ステューピファイ)のような攻撃系の魔法。それ故にできる者も多く、一般的な魔法としてよく知られている。対して『虚』に属する検知不可能拡大呪文は適性を持つ者が少なく、非常に修得が困難。

 ただこれもあくまで修得難易度が高いというだけであり、修得そのものは可能ではある。

 

「自身の属性は生まれ持ったものであり、変えることは基本できない。死ぬまでその属性と付き合っていくことになる。尤も、あまり属性そのものを気に病むような者はいないがね」

「基本ってことは、変わることもあるのか?」

「良い質問だミスター・ウィーズリー。今私は基本変えることはできないと言ったが、稀に変わることもある。ただ、属性を変えるということはその人間の適性を変えることになる。当然、簡単に変わるわけはない。特定の聖遺物や魔法道具を使うならばある程度労力は減らせるが、そもそもそのようなものを手に入れる労力は途方もない。外部から魔法の干渉を受けることで変えることも可能だが、変わる過程でどれほどの苦痛と労力が伴うかは、想像に難くないだろう」

 

 エルメロイII世は黒板に各属性の特徴を書いていく。

 五大元素と架空元素の合計七つの属性の特徴がそれぞれ非常にわかりやすく黒板に記された。

 

「この五大元素という概念は世界で共通の概念ではあるものの、地域や流派によって多少変化する。例えば東洋の方では五行説が有名だ。この五行説は『火』、『水』、『土』、『木』、『金』の五つを五大元素としている。このように、地域や流派で魔法の捉え方というのは違うものだと覚えておくといい。さて、ここまでが属性の基礎たる部分。実際の魔法でどのように活かされているのかを講義していく。教科書の51ページを開きたまえ」

 

 エルメロイII世の言葉に従い教科書のページを開く。

 

「魔法にも色々ある。炎を強めるのは『火』属性、水の勢いを強めたり流れを操るのは『水』属性のように、強化の魔法の中でも属性というのは確かに存在している。使う魔法が高度になる程、属性は傍目にわかりにくくなるが、根底には確かに属性があるのだ。しかし、属性が傍目にはわかりにくくなるということは、魔法そのものの特性も存在する。

例えば、発火魔法(インセンディオ)。五大元素たる『火』を直接操る魔法そのもの故に、これは五大元素魔法と呼ばれている。では次に爆破魔法(コンフリンゴ)。これも炎を操る魔法に近いが、ここに『爆破』という特性が加わることで、魔法として成立する。魔法は属性と特性が絡み合うことで成立するものだと覚えておくといい。さて、ここまでで何か質問はあるかね?」

「はい、先生」

「ミス・グレンジャー。質問を述べたまえ」

「少し話が戻るんですが…自分の持つ属性以外の魔法を習得する時、少し苦労するとのお話がありました。それは理解できますが、架空元素の『虚』と『無』属性の魔法は特に習得が困難とされています。この理由はどういった理由なのですか?」

「ふむ、またもやいい質問だ。君たちはなかなか視点が良いようだ」

 

 エルメロイII世は一度言葉を切ると、架空元素について解説を始めた。

 

「この架空元素というものは、非常に特異的な属性だ。何しろ、この世のほとんどの物質は五大元素のどれかに属するもの。しかしそれらに属することはないものの、存在が認知されている。故に、『架空』と呼称されている。まず『虚』属性についてだが、これは魔法的にありえるが存在しないものだ。先ほど例えた『検知不可能拡大呪文』。これは物理的空間に捉われることなく、特定の『扉』を起点に空間を拡張していく魔法だ。君らが知っているかはわからんが、魔法生物学者として有名なニュート・スキャマンダーはトランクにこの魔法をかけることで、魔法生物に適した空間を作りながらもその空間そのものを持ち歩けるようにするということを実現した。他にも、うまく術式を作り上げれば何もない空間にポケットを形成し、そこに何か物を隠すなんて芸当もできたりする。この作り出した空間というのは、魔法的には確かにありえる。しかし、物理的空間と繋がってはいてもその空間そのものは『物理的にあり得ない空間』だ。こういったものを作り出す魔法が『虚』属性になる」

 

 エルメロイII世は黒板に絵を描きながら解説していく。簡易的に描かれた絵は、トランクを起点として風船のように広がった空間だった。しかしこの空間は物理的には存在しない、いわば『虚』の空間。こういった物理的にあり得ないが確かに存在しているものを『虚』属性と分類する。

 

「ついでに『無』属性についても解説しておこう。この属性は『虚』とは反対に、魔法的にあり得ないが物質化するものだ。諸君らは吸魂鬼(ディメンター)を知っているか?奴らはそもそも『生命』として生まれていないこともあり、『死が存在しない』。如何なる魔法であったとしても、終わりがない存在を作り出すことは不可能だ。つまり、魔法的にはあり得ないが物質として存在する。それが『無』属性。実際に『無』属性の魔法というのも存在しており、守護霊(パトローナス)の魔法がまさにそれだ。守護霊は本来、我々には干渉しないし、干渉できない。魂そのものと共存する存在、それが守護霊。魂そのものは本来不滅の存在であり、そして魂と共存する守護霊もまた然り。そして守護霊も吸魂鬼同様に『死』が存在しない魔法的にあり得ない存在だ。しかし、守護霊を魔法で呼び出し使役することはでき、霧の塊のような形だが確かに物質として存在し、ある程度の物理的干渉も可能だ。こういった特性を持つことから、守護霊呪文(パトローナス)も『無』属性に分類される」

 

 架空元素は架空というだけあり、存在そのものがかなり複雑で曖昧。それ故にハーマイオニーも存在そのものは把握していたが、理解には程遠かった。だが今ここでエルメロイII世の解説を受けることで、自分なりに噛み砕いて理解することができた。

 これほどまでわかりやすい解説を受けたことで、属性そのものをあまり理解できていなかった生徒ですら理解できた。これだけで教えることが上手いことがわかる。

 

「さて、長くなったが…架空元素に属する魔法の習得が難しい要因だったな。魔法とは己のイメージに強く結びつくものだ。架空元素の簡易的な解説と教科書に載っているような説明だけで、先程解説した複雑な魔法を成立させられると思うかね?」

「…無理だと思う。できたとしても、相当時間かかる」

「その通りだミスター・トーマス。結局、魔法を扱うのは自分自身である以上、魔法そのもののイメージがハッキリしないと上手く扱うことなどできはしない。仮にイメージだけはできたとしても、架空元素の魔法はそれだけでは成立しない。検知不可能拡大呪文ならば術式の組み立てと高度な空間認識能力、守護霊呪文(パトローナス)ならば自身の守護霊を『思い出(幸福感)』を通じて呼び出すという非常に高度な技術が求められる。つまるところ、架空元素魔法は得てして()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を求められるのだよ。これがこの属性の魔法の難易度を飛躍的に高くする要因となるのだ。質問の答えはこれで不足ないかね?ミス・グレンジャー」

「は、はい!すごくわかりやすい解説…ありがとうございます!」

「納得してもらえたのなら何よりだ。他に質問がなければ次へ進む。教科書の53ページを開きたまえ」

 

 ここまでの授業だけでグリフィンドール生は確信する。

 この先生はアンブリッジとは違う。本当に身になる素晴らしい授業をしてくれるのだと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しばらく授業を続けているうちに、授業終了の時刻となる。それに気づいたエルメロイII世は教科書を閉じると、生徒達に羊皮紙を配った。

 

「今日の授業はここまでとする。来週までに『魔法の流派の違いによる元素の捉え方の違い』についてレポートをまとめてくるように。形式は今配った羊皮紙の形式でまとめること。互いに相談し合うことは大いに結構であり、それによって多少内容が被ることは大目に見るが、誰かが書いたレポートをそのまま写す行為は厳禁だ。最低でも己の言葉に直した上で提出するように。発覚した場合は減点に加え、次回以降の宿題を三倍にする。レポートや授業内容について何か質問があれば、私に声をかけること。以上だ」

 

 それだけ言ってエルメロイII世は荷物をまとめ始める。

 それを見て生徒達も荷物をまとめ始めるが、ハリーの隣にいるロンが驚いたような顔をしていた。

 

「ロン、どうしたの?」

「すげえよハリー…僕、一回の座学の授業でこんなに理解できたの初めてだ!」

「うん、わかるよ。僕もだ。なんていうか、すごくわかりやすい」

「本当よね!私、架空元素については何回も図書館で調べてたのによくわからなかったのに、一回の授業でほとんど理解できちゃったわ!」

「ハーマイオニーでも理解できなかったことをたったこれだけの時間で僕にまで理解させたんだぜ?教え方ならもうホグワーツ1じゃないか?」

 

 そう絶賛せざるを得ないほどエルメロイII世の授業はわかりやすかった。座学の授業をあまり好まないロンですら『この授業はわかりやすい』と断言し、授業の内容ほぼ全てを理解できた。ハーマイオニーも自分だけではあまり理解できなかった架空元素のことを一度で理解できたことに感動している。

 ハリーとしてもとてもわかりやすい授業にはとても心を動かされていたが、エルメロイII世は魔法省から派遣された。それ故に、エルメロイII世のこと自体は認めているし偏見もないが、どことなく警戒心は解けないでいた。

 

「ミスター・ポッター」

 

 そう考えていた時、エルメロイII世に呼ばれてハリーは驚きながらも視線を向けた。

 

「は、はい!」

「今日の授業はあといくつある」

「えっと、今日はこれで終わりです」

「そうか。ではこれから少し時間をもらえないだろうか。15分ほどで終わるのだが、どうかね」

「あ、大丈夫です」

「では、私の部屋に来てくれ。少し話そう」

 

 エルメロイII世は荷物を持って教室奥にある扉に向けて歩き始める。ハリーはロンとハーマイオニーに目を向けると、頷いた。

 

「呼ばれたから行ってくる」

「…一応気をつけろよハリー。授業がどんなに良くても、一応あいつは魔法省からの監視だからな」

「わかってる。じゃあ後で」

 

 ハリーは教科書などの荷物をバッグに詰め込むと、エルメロイII世が戻っていった部屋に入る。エルメロイII世は自身のデスクに深く腰掛けて相変わらず不機嫌そうな視線を向けてきた。

 

「失礼します」

「時間を割いてもらって感謝する。とりあえず、座りたまえ」

「はい」

 

 ハリーは近くにあったソファに腰掛け、バッグを隣に置く。

 ハリーが座ったことを確認したエルメロイII世は口を開いた。

 

「まず、時間を割いてくれたことを感謝する。本題に入ろう…と、言いたいところだが、あまり本題らしい本題もないのだよ」

「えっ、と…それはどういう意味ですか?」

「知っての通り、私は魔法省の要請を受けた時計塔から来た身だ。本来時計塔は魔法省から干渉を受けることはないのだが、魔法省大臣(あの臆病者)が強権を振り翳してきてね。時計塔から適任者を出せと言ってきて、私に白羽の矢が立ったのさ。さすがに政府のトップである以上、無視することはできない」

 

 不機嫌そうに葉巻に火をつけたエルメロイII世は苛立ちを落ち着かせるように煙を吐き出した。

 

「一応、この場での私は魔法省からの監視ということになる。君やアルバス・ダンブルドアが魔法省に反旗を翻して魔法省を乗っ取ろうとする動きがないかを見張るのが役目だ。まったく、とんだクソ案件(F◯ck'n grand order)だよ」

「僕、そんなことするつもりは…」

「わかっている。魔法省大臣は例のあの人が復活した事実を認められないだけだ。何せ、下手に認めてしまったら『例のあの人の復活を防げなかった無能な大臣』という非常に不名誉なレッテルを貼られてしまうからね」

「…どうして」

「怖いのだよ。それほどにまで例のあの人は強力だからね。さて、話が逸れたな。私が君をここに呼んだ理由は、君の話を聞くためだ。アンブリッジ(権力の亡者)から君のことを更生させるよう言われたのでね。自らが嘘をついて目立とうとしていることを認めさせろ、と」

「そんな!僕は…」

「だがそこまでしてやる義理はない。魔法省大臣その人が直接言ってきたのならともかく、奴の言う通りにしてやるつもりなどないさ」

 

 エルメロイII世の言葉にハリーは大きく目を見開いた。

 

「魔法省大臣は本気でダンブルドア教授が生徒達を私設兵士として軍隊のようなものを作り上げ、魔法省を転覆させると思い込んでいるのだろう。だがアンブリッジは違う。奴はただ支配することができる実感さえ得られればいいだけだ。そんな奴の言うことを聞くなど御免被る。だが、私にも立場がある。少なくともポーズだけでも取っておかねばならない。今日君を呼んだのはそのためだ」

 

 エルメロイII世は言葉を一度切ると、手に持った羽ペンで何かを紙に書いていく。そして杖を振ってハリーに紙を渡した。渡された紙にはいくつか質問が書かれていた。

 

「この質問に答えてくれ。私の方で適当に書いてアンブリッジに出すのでもいいが、私は君の人となりを知らない。だからすまないが君が自分で答えてみてほしい」

「…この質問、もしかしてアンブリッジが考えたんですか?」

「『例のあの人が復活したのを本当に見たのか』、『セドリック・ディゴリーの事故がどのようなものだったのか』、『嘘をついて目立とうとしたのは何故か』…こんなふざけた内容、奴が考えたに決まってるだろう。遺体の状態を見れば呪いであることくらいわかるだろうに。何が事故だ」

「でもこの質問…僕の答えたいように答えていいんですか?」

「構わない。奴に提出するときは、内容の本質は変えずに文章は変えさせてもらうがね」

 

 内容の本質を変えない、ということはハリーの言葉を否定する気がないということ。本当にポーズだけ取るつもりなのだと安心すると同時に、それでいいのかともハリーは思う。

 とりあえず内容の本質を変える気がないという言葉を信じて、ハリーは質問内容について書いていく。しかし書いていく途中、左手に刻まれた傷が僅かに痛み、顔を顰めた。

 

「………」

 

 ハリーの様子が少し変わったのをエルメロイII世は見逃さなかった。

 暫し羽ペンが紙を走る音のみが響いていたが、全て書き終わったハリーが紙を提出しにくる。

 

「先生、どうぞ」

「確認させてもらう」

 

 エルメロイII世は一通り目を通して、紙をデスクに置く。

 

「結構だ。アンブリッジに出す前、一応君に内容を確認してもらうが、問題ないかね?」

「はい」

「一応忠告しておくが、目をつけられることは避けた方がいい。アンブリッジは魔法省大臣の権力を使って色々やらかしてくるだろう。正面切って逆らうことはお勧めしない」

「そんな!じゃあ僕は黙って言いなりになれってことですか⁈あいつは復活したんだ!備えないと何もできずやられちゃうよ!」

 

 せっかく話がわかる人だと思っていたのに否定されてしまい、思わずハリーは感情的になる。ヴォルデモートの力は強大。少なくとも現在のハリーよりもはるかに強い力を持っている。備えなければ奴を倒すことなどできはしないと、実際に対峙したハリーは身を持って体感していた。

 だがこれだけ感情的になったハリーに対して、エルメロイII世は動じることなく答える。

 

「落ち着け。私は()()()()()()()と言ったのだ」

「え?」

「例のあの人が復活したかどうかは、私の立場がある以上肯定も否定もしない。だが、どちらにせよ試験もある。魔法の練習をしないわけにはいかない。最低限、練習する場は必要になってくる。どうにか練習できる場を確保し、その中にうまいこと()()()()()()()()()を混ぜ込むといい」

「えっ…」

「試験のため、とアンブリッジにはしつこく念を押された。ならば、試験のためだと割り切り、試験勉強の中で君自身が学ぶべきと思っていることを混ぜていけばいい。そもそも、魔法を学ぶ上で実際に魔法に触れないことには上達などするはずがないのだから。無論、やり方は考えるべきだが」

 

 自分が想定していた答えとはかなり異なる答えに、ハリーは目を丸くする。魔法省からの監視である以上、何かしら制限を課してくると思っていた手前、こんな答えが来るとは思わず逆に困惑してしまった。

 だがそんなハリーを他所に、エルメロイII世は鋭い視線を向けてくる。

 

「それよりもミスター・ポッター。左手を出してくれ」

「っ⁈」

「正確に言えば、左手の甲だ。見せたまえ」

 

 鋭い視線を受けたハリーはゆっくりと左手を差し出す。そこには先日アンブリッジにつけられた『僕は嘘をついてはいけない』という言葉が文字通り刻まれていた。

 

「ふん、悪趣味だな。これはどうした」

「……闇の魔術に対する防衛術の授業で、僕がアンブリッジ先生に反論したんです。その罰則で…」

「なるほど、らしいと言えばらしいな」

 

 エルメロイII世は杖を取り出すと、ハリーの傷に杖を当てる。

 

「……なるほど、随分と悪趣味な魔法道具を使ったようだ。使用者の血を吸い、インクとすることで書けるようになる魔法道具だな。加えて、書いた文字を使用者がペンを握っている反対の手に刻ませることで、痛みによって文字が書けないようになることを防いでいる。さらにはできた傷が()()()()()()()ように対策もしているな。まさか魔法省の人間がこんなグレーゾーン…いや、ほぼ黒の魔法道具を学生に使うとは」

「先生、わかるんですか?」

「君の手の傷に残った魔力の残滓を解析した。ほう?しかも、僅かだが痛みやすくなるような魔法も使っているな。魔法での治療もできるが故に違法となっていないが、かなり闇寄りの魔法道具だ。政府の人間が使わせるものには到底思えない」

 

 忌々しそうに吐き捨てたエルメロイII世にハリーはさらに驚いたように目を見開く。使った自分ですらどういうものなのかぼんやりとしかわからなかったのに、まさか傷に杖を当てただけで解析されるとは思いもしなかった。

 

「……ふむ、羽そのものに魔法はかかっていないようだ。実物がない以上予測になるが、恐らく羽に装着した部分に闇の魔法がかけられているな。これを作った者は、闇の魔法に詳しい者なのだろう。完全な闇の魔法でない以上、ある程度魔法の制御にも長けている。誰が作製したかはさすがにわからんな」

「先生…どうしてわかるんですか?」

「解析したにすぎん。魔力の残滓から、この程度はわかる」

「解析…?」

「……そうか、ホグワーツで解析は習わないか。時計塔では基礎魔法だが、実用性という意味では確かにあまりない以上ここでは習わないだろう」

「…?」

「時計塔とホグワーツは根本的に異なる場所だ。学ぶものも異なることが多い」

「え…どっちも魔法を学ぶ場所じゃないんですか?」

 

 エルメロイII世は葉巻の灰を灰皿に落とすと、腕を組んでハリーを見据えた。そして一つ講義をしよう、と付け加えて杖を振るうと、本棚から一冊の本が飛んでくる。本の表紙は『魔術入門』と記されていた。

 

「君は、魔術と魔法の違いは理解しているかね?」

「…同じじゃないんですか?」

「魔法は我々が使う概念そのもの。一方、魔術とは()()()()()()()を示す言葉なのだよ。言うなれば数字そのものと数学、という括りだ。数字は魔法そのもの、数学は学問分野だ」

「そんな違いが…」

「ホグワーツも時計塔も魔法を学ぶという意味では同じだ。実際、ホグワーツの正式名称はホグワーツ魔法()()学校だからな。だがホグワーツは魔法を学ぶ場所であっても、魔法を研究する場所ではない」

 

 エルメロイII世の言葉にハリーは首を傾げる。

 

「君くらいの年齢では研究というものをいまいち理解できていないだろう。ホグワーツで学ぶ魔法は言うなれば正解が存在するもの。試験には正解があるだろう?それと同じだ。一方、時計塔で学ぶ魔術は()()()()()。魔法の可能性を追い求め、その先にある真理を解き明かす。そんな者が集まったのが時計塔だ。そして時計塔で魔法を研究する者は自らを『魔術師』と名乗る」

「じゃあ先生は魔術師なんですね」

「そうなるな。ついでに言っておくが、魔法と魔術に上下関係はない。魔法あっての魔術であり、魔術あってこそ魔法の発展なのだ。あくまで学問としているのが魔術とだけ覚えておけば十分だ」

 

 魔法は自然および人が持つ魔力が起こす神秘の総称。そしてその神秘を研究し、全ての始まりである『根源』へと至ることを目的としている学問が魔術と呼ばれている。魔法を以て根源に至る術を見つける者…そんな者が集まったのが、時計塔という機関だった。

 

「えっと…すみません、普通の魔法使いとの違いがよくわからないです。僕らがやってることは研究…ではないのはわかりますけど…」

「そうだな…ではこう例えよう。花屋と植物学者、両者が違うことはわかるな?両者共植物に関わることを生業としているが、どちらも求められる知識や経験は大きく異なる。魔法使いは花屋であり、魔術師は植物学者となる。どちらが優れているとかではなく、何を求めているかの違いということだ」

「あ…なるほど。それならわかります」

「理解してもらえて何よりだ。尤も、この呼称に拘るのは実際に魔術分野を学ぶ者だけだがね」

 

 エルメロイII世は話し終えると、ハリーの左手に杖を当てた。

 

「エピスキー」

 

 ハリーの左手に燻るように残っていた痛みが和らぐ。

 

「私程度の治癒魔法では痛みを和らげる程度にしかならないだろうが、話に付き合わせたせめてもの礼だ。あまり痛みが長引くようならば、マダム・ポンフリーの下へ行くことを推奨しよう」

「……はい」

「私からの用事は以上だ。君の方から私に用がなければ行くといい」

「はい、失礼します」

 

 ハリーはそれだけ言ってエルメロイII世の部屋を出る。

 するとちょうどそのタイミングでフードを目深に被った少女が教室に入ってきた。

 

「あ…ハリーさん」

「やあ。確か、グレイだったね」

「はい。残られていたようですが、何か師匠にご用でしたか?」

 

 師匠という言葉に馴染みがなく一瞬考えるが、そういえばグレイがエルメロイII世の内弟子だったということを思い出した。

 

「うん、まあ…ちょっとね。グレイもエルメロイ先生に用事?」

「はい。拙は皆と違って途中からの授業になるので…補習を師匠につけてもらっているんです」

「補習?」

「はい。拙は、その…あまり、魔法の勉強に触れて来なかったので…」

 

 魔法に触れて来なかったのに内弟子というよくわからない関係性にハリーは首を傾げるが、下手に突くのも面倒なことになりかねないかと考えて特に追求はしなかった。

 ふとグレイの腕に抱えられた教科書が目に入る。グレイの持つ教科書は『魔法薬学』と書かれていた。

 

「補習は魔法薬学?」

「あ、はい。難しくて…」

「わかるよ。僕も魔法薬学は苦手。全然上手くできないんだ」

 

 ハリーは魔法薬学が苦手だ。基本どの科目もそれなりにいい成績を取るハリーだが、魔法薬学だけは同学年の中でも最下層レベルの成績だった。尤も、ハリー自身と魔法薬学の相性以上に魔法薬学の教師が合わないことも要因だろうが。

 

「グレイは大丈夫?スネイプに何か嫌なことされたりしてない?」

「え?あ、はい。優しくはないですけど…」

「あいつ、グリフィンドール生には特に厳しいから。でもグレイはレイブンクローだし、大丈夫ならよかった」

「はい。ありがとうございます」

「じゃあ僕行くよ。補習頑張って」

「はい。また」

 

 それだけ言ってハリーは去っていった。

 グレイはその背中を見送ると、エルメロイII世の部屋へ入る。エルメロイII世は変わらず眉間に皺を寄せた表情で紙を眺めていた。

 

「師匠、お疲れ様です」

「グレイか。授業はどうかね」

「えっと…ついていけていない科目がいくつか…」

『イッヒヒヒヒ!そりゃあこいつの頭じゃあついていけねぇだろうよ!頭悪いんだからさ!』

 

 突如響いた声に、エルメロイII世は目を細める。

 

「……グレイ、アッドを出してやれ」

『ちょ、グレイ!俺を売る気か⁈ま、待て!普段は大人しくしてんだから今回くらいは匿ってくれてもいいだろ⁈』

 

 グレイがローブの内側から取り出したのは、鳥籠のような籠に入った直方体の匣が入っていた。ただ、先程から響いていた声はこの匣から聞こえてくる。

 エルメロイII世は特に気にすることなく籠を手に取った。匣…アッドは焦ったように飛び跳ねる。

 

『やめて!私に乱暴する気でしょ⁈後生だから、後生だから堪忍してぇえええぁぎゃあぎゃぎゃあぁあぎゃああ!!!』

「私の弟子である以上、身内であろうが目の前で侮辱するのは許さないと言ったのはこれで二度目だ。次違えたらこんなものでは済まさないことを覚えておくことだな」

 

 エルメロイII世は籠を置くと、応接用のソファに腰掛ける。グレイもエルメロイII世の対面に腰を下ろし、教科書をデスクに置いた。

 

「さて…今日は魔法薬学だったな」

「はい、お願いします」

「今四年生では…ウィゲンウェルド薬の調合を行っているようだな。この薬がどのような効力を発揮するか、わかるかね」

「えっと……多少の傷の回復と、自己治癒力の向上です」

「正解だ。この薬にはハナハッカのエキスとホークランプの体液を使う。調合自体はそれほど難しいわけではないが、魔法薬学は全ての科目の中で最も繊細な科目と言っても過言ではない。それは何故か」

「えっ、と……」

「魔法薬は手順を違えた手法で調合すると、薬が一転して劇薬になりかねないからだ。ほんの些細な手違いで治療薬が僅か一滴で人を殺せる猛毒にもなり得る。だからこそ、ちゃんとした手順と分量で調合することが大切なのだ」

 

 エルメロイII世が杖を振ると、調合器具一式が運ばれてくる。

 

「とはいえ、ただ知識だけを増やすだけで正しい調合は学べない。正しい調合を私が教えていく。グレイ、君は私の教え通りに調合をやってみなさい」

「はい、師匠」

 

 

 

 

 

 

 

「…よし、今回はちゃんと調合できたな」

 

 何度かの失敗の後、グレイは無事にウィゲンウェルド薬の調合を成し遂げた。グレイはエルメロイII世の言葉を聞いて安心したように大きく息を吐いた。

 

「あ、ありがとうございました…」

「調合は極めて繊細な作業だ。慣れないうちはそんなものだろう。大鍋を溶かすようなものを作らなくて何よりだ」

(…大鍋を溶かす……?)

「さて、各工程での注意点は後でノートに纏めておくように。もし思い出せない部分があれば纏めておいてくれ。後で私が教える」

「ありがとうございます、師匠」

「次は占い学…と言いたいところだが、少し休憩にしよう。安物だが、紅茶の準備をしてくる。少し待っていたまえ」

「あ、師匠。お茶でしたら拙が…」

「なら、お茶菓子の準備を頼む。ダンブルドア教授からの貰い物だが、そこの棚にいくつか茶菓子がある。好きなものを選んで準備してくれ」

「はい、師匠」

 

 数分後、淹れた紅茶と並べられたクッキーを口にしながら二人は一息つく。リラックスした様子のグレイにエルメロイII世は問いかけた。

 

「どうかね。ホグワーツでの生活にはもう慣れたかな?」

「まだ慣れない部分はありますけど、少しずつ。毎日驚いてばかりです」

「この城は古代魔法…言うなれば、神代の魔法が多くかけられている。固定された設備が大半だが、流動的に部屋ができたりなくなったりするような神秘の砦だ。名だたる魔法使いや魔術師もこのホグワーツで学んだ歴史があるほどだからな。話が逸れたが、この前君とレイブンクローの生徒が共にいるのを見た。友人ができたようだな?」

「はい。ルーナ・ラブグッドさんです。同学年のレイブンクロー生で、拙に良くしてくれてます。あと昨日、グリフィンドールのジニー・ウィーズリーさんともお話ししました」

「ウィーズリー…なるほど、ウィーズリー家の末子だな。七年生には双子のウィーズリーもいるが、全員グリフィンドール生か。まさしく血筋といったところだな。ポッターの友人も確かウィーズリーだったはずだ」

「ポッター…ハリーさんのことですか?」

 

 二人、正確にはエルメロイII世がホグワーツに来る要因となった存在であるハリー・ポッター。グレイはまだ少ししか彼との関わりはないが、嘘をついて目立とうとするタイプの少年には見えなかった。

 

「ああ。私達がここに来た理由…それは彼だ。彼のことはまだあまり詳しくはないが、嘘をついて目立とうとするタイプには見えん。やはりヴォルデモートは復活したと見ていいだろう」

「師匠は、どうするんですか?」

「私の立場は魔法省から派遣された教師兼監視だ。だが、そうなる以前にダンブルドア教授からホグワーツの生徒達の力になるという依頼を受けている。所謂二重スパイに近いが、私本来の立場はロードの代行。私がロードとして動き、魔法省と対立するのは()()()()()()()()()()()()()()()()()でなければならない」

「どうしてですか?」

「ダンブルドア教授がいる間は、私は魔法省の小間使い程度の扱いになる。その程度であれば問題はないが、アンブリッジの様子を見るにダンブルドアがいなくなれば自分を校長として据え置き、そして()()()()()()()()()()()()()()()()()。魔法省との契約はダンブルドア教授とハリー・ポッターの監視というもの。だが、それ以上のことを向こうが求めてきた時点で契約違反。向こうから契約違反をしてきたのであれば、こちらも監視としての任を放棄し、表立って対立が可能となる。この対立はホグワーツ生徒達を守るよりも、ロードとして侮蔑されたことに対する報復、という色が強くなる。そしてこの報復をうまく使うことで、()()()は魔法省との関係性で優位に立とうと考えているのだろうな」

 

 エルメロイII世は忌々しそうに紅茶を飲み干してカップを置くと、煙草に火をつけた。

 

「私がここに来たのはダンブルドア教授からの依頼だが、そうなるように実際手を回したのは法政科。法政科そのものはホグワーツがどうなろうと知ったことではないのだろうが、魔法省が関わってくるとなれば話は別だ。ここで魔法省に対して大きな()()を作っておくことが、今後プラスに働くと考えたのだろうな。しかも実際に動くのが私となれば尚更だ。全く…あの女狐(化野菱理)と関わるとロクなことがない」

「師匠がホグワーツに来るように手配したのは、化野さんなんですか?」

「ああ。お飾りとはいえロードを派遣するとなると、時計塔運営を目的とする法政科が動かないわけにはいかない。そして窓口となるのは、恐らくミス・化野だろう。ダンブルドア教授が根回ししたのもあるだろうが、仮に無かったとしても奴なら嬉々として私をここに派遣しただろうな」

 

 煙を吐き出したエルメロイII世は灰皿に灰を落とす。

 そんなエルメロイII世にグレイは問いかけた。

 

「あの、師匠」

「ん?」

「師匠は、どうしてホグワーツに来ることを決心されたんですか?」

 

 ホグワーツに来ること自体に直接的なメリットはない。確かにダンブルドア教授は恩師だが、そこまでする必要がある恩かと聞かれるとエルメロイII世自身も回答に困る。それでもなお、決心に至った理由をグレイは知りたがった。

 

「……そうだな、着いてきてもらった以上君には聞いてもらおう。借金方面やら恩師への恩返しやら色々と言い分はあるが……私はただ、我慢ならなかったにすぎん。私がかつて学んだこの場所が、政府や闇の魔法使いに荒らされることがな」

 

 エルメロイII世になる前…ウェイバー・ベルベットとしてこの学舎にいた時、ウェイバーはそんなに優秀な生徒とは言えなかった。友人はいたし不自由があったというほどのことは特に無かった。しかし、ウェイバー本人が求めていた栄光を得られたかどうかと聞かれると、否だろう。求めても求めても、得られないものがあると最初に思い知らされたのはここなのだから。

 

「良い思い出が多くなくとも、私がここで得たものは、私の進んできた道に繋がっている。そんな場所が荒らされることが、私には我慢できなかった。かつての居場所を見捨てるようなことをしていては、私は私が()()()()()()()()()に追いつくなど、できるはずがない。いつの日か()の隣に立つためにも、ここを見捨てるという選択肢を私は取れなかったのだよ」

「追いかけている、背中…」

「子供じみたそんな単純な思考だよ。だが、私の中で最も重要なことでもある。それだけの話だ」

 

 苦笑しながらエルメロイII世は自らのデスクに視線を向ける。デスクの引き出しの中には、とある英霊の聖遺物がある。また会えるかどうかはわからない。しかし、自らが仕える王の繋がりを置いて来ることなどできなかった。

 

「…すまない、こんな私情に巻き込んでしまって」

「私情だとしても、拙は感謝してます。拙の知らない世界を見せてもらって、師匠の思い入れのある場所に連れてきてもらったんです。そんな風に思わないでください」

「…感謝する、グレイ」

 

 エルメロイII世は煙草を消し、グレイはクッキーを口に含む。

 穏やかな時間が暫し続くが、エルメロイII世が大きく息を吐くと杖を振って占い学の教科書を呼び寄せた。

 

「さて、休憩はこのくらいにしよう。グレイ、補習の続きを始めよう」

「お願いします、師匠」

 

 グレイは羽ペンを手に取り、ノートに向かい合う。

 そんな二人の様子をアッドはまだぐるぐるする感覚を覚えながらも眺めていた。

 

 

 

 




Q.この世界では魔法=魔術?
A.魔法=魔術です。ただほんの少し意味合いが異なり、『魔法』を学問分野として扱うものが『魔術』になります。学問か否かの違いです。ベースとなる世界観はハリー・ポッターシリーズであるため、こうなりました。

Q.型月の『魔法』は存在するの?
A.存在します。ただ呼び方については考え中。根源魔法とか真魔法とか候補はいくつかあります。

Q.魔術師と魔法使いに区別はある?
A.エルメロイII世達を魔術師(魔法の研究者)として、ハリー達を魔法使いと呼ぶようにしようかと考えてます。つまり、魔術師は研究者で魔法使いは魔法を使える者とするかなと。本文でエルメロイII世が言ったように『花屋』と『植物学者』みたいな括りだと思ってください。

Q.魔術師は魔法使いのことを蔑視してるの?
A.型月世界ほど蔑視してません。型月世界は一般社会に魔術師が潜むという形で生きていますが、本作では魔法族社会の中にいる学者という立ち位置だからです。せいぜい『こんな素晴らしい学問をなぜ学ぼうとしないのか』と思う程度です。

Q.エルメロイII世は戦えるの?
A.戦えますが弱い。正面切って戦う場合は現時点のハリーにも劣る。ただサポートや不意打ちは結構できる。敵にいたら弱いけどウザいタイプ。

Q.架空元素の解説、あれは型月の公式設定?
A.極力調べた上で書いていますが、あまり詳細に出ていないため私の想像で埋めてる部分があります。特に『無』属性に関しては無理矢理当てはめた感じです。間違ってたらすみません。

Q.エルメロイII世とグレイの関係性はどのくらいの時間軸?
A.イゼルマ終了直後くらいだと思っていただければ。可能なら、魔眼蒐集列車(レール・ツェッペリン)やりたいですが、どうなるかは未定。



ロード・エルメロイII世
講師として部屋を与えられており、彼の部屋のデスクにはとある英霊の聖遺物がある。当然寝泊まりはこの部屋だが、毎朝早くに内弟子のグレイが起こしに来るらしい。Fate原作同様、知識はそれなり程度だが卓越した鑑識眼は健在。魔法の腕前は大したことなく、使える魔法の数自体は相当幅広いことを活かしてなんとか立ち回るくらいしかできない。お辞儀様と魔法で撃ち合ったら五秒後には死んでる。
正直、この小説は彼に『グリフィンドールに3点』と言って欲しかったというところから始まってる。
学生時代はレイブンクロー。


グレイ
レイブンクロー寮で過ごしており、レイブンクロー生とはそれなりに打ち解けた。部屋はルーナと同室。どこでもローブのフードを目深に被っていることを不思議に思われており、不思議ちゃんのルーナとよく話していることもあり、一部の生徒に目をつけられ始めている……かも。
魔法の腕は結構良いが、使える魔法はあまり多くない。武装解除、失神、盾などの基礎的か戦闘用魔法をいくつか使える程度で、魔法薬学や薬草学などの知識は少ないため授業終了後にエルメロイII世の補習を受けている。
もしホグワーツに正式に入学していたら、多分ハッフルパフ。


アッド
とある英霊のとある礼装が封じられた『匣』。普段の生活でもグレイのローブの内側にいるが、自分の声が聞こえると面倒だからエルメロイII世とグレイ以外がいるところでは喋るなと固く言われており、普段はほぼ眠っている。


魔法理論
魔法という学問・技術の基礎学ぶ授業であり、OWLを受ける五年生までが必修となる科目。魔法というもののあらゆる方面の基礎を教える科目であり、呪文・変身術・魔法薬学・薬草学・天文学・古代ルーン文字学・闇の魔術に対する防衛術のように実技はなく、OWL試験にも科目はないため軽視されがちだが、この科目をうまく利用することで他科目への理解度が大きく変わる。時計塔での全体基礎科(ミスティール)と同じ括り。
本編では存在しないがゲームには存在するため、本作ではロード・エルメロイII世の担当科目として採用。


息抜きで書いた本作にここまでの反響があって嬉しい限りです。ただクロスオーバーである以上、両方の設定を完璧に両立させることは難しいと思いますので、一部の設定は改変する可能性は大いにあります。ご了承いただけると幸いです。
ペースとしては遅いですが、これからも続けていきます。

よろしくお願いします。
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