ホグワーツ教師 ロード・エルメロイII世   作:木材

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不死鳥の騎士団の佳境に入ってきます。


拙者、設定作るの大好き侍。
後書きにエルメロイ教室メインキャラの杖をまとめてます。
ぜひ最後までご覧ください。


File.6

 冬休み前、中間試験を終えたハリーを筆頭としたダンブルドア軍団は必要の部屋に集まっていた。

 今日の課題は『武装解除』。本来なら防衛術の授業で習う魔法だが、現在の授業は無駄な時間を浪費するだけ。ならばここで学ぶしかないということもあり、メンバーは非常にやる気を出しながら練習に励んでいた。

 そしてグレイは、相変わらずハリーの補佐に回っている。守護霊以外のほぼ全ての防衛術系統の魔法を習得しているため、守護霊以外の時はほぼ必ず補佐だった。

 

「いいかい。武装解除は相手の武器に意識を集中するんだ。杖の動きは最小限にしつつ、魔力を相手の武器にぶつける。でも基礎呪文とは違って、『弾く』特性を持たせないとうまく弾き飛ばせられない。ここに注意しながら魔法を放つんだ」

 

 ハリーの解説を元にメンバーは訓練用人形に武装解除の魔法を使っていくが、上手くいくメンバーは一部だった。現時点で武装解除が上手くできているのはロン、ハーマイオニー、フレッドとジョージ、ジニー、ルーナ、チョウくらいだった。

 グレイは相変わらず練習するメンバー達の中を歩き、時折コツや手本を頼まれて対応することを繰り返している。そんな時、一人の生徒がグレイに声をかけてきた。

 

「あの、グレイ」

「はい」

 

 声をかけてきたのは、ネビル・ロングボトム。ハリーと同じグリフィンドールの生徒だった。

 

「あの…僕にも、武装解除のお手本を見せてくれないかな?いいところまでは来てると思うんだけど、あと一歩何か足りなくて…」

「わかりました。じゃあ…あの訓練用人形で…」

「いや、僕に武装解除を使ってくれない?そうすれば、何かこう…感覚が掴めるかもって思ってるんだ」

「ネビルさんにですか?構いませんよ」

 

 武装解除の魔法は攻撃系の魔法だが、やり方次第では杖や武器を弾き飛ばすだけで相手を傷つけることなく攻撃することができる。そのため、直接お互い魔法をかけ合うこともできるため、盾の呪文がある程度できる生徒は並行して盾の呪文も練習している生徒が多い。それ以外の生徒はほとんど訓練用人形に魔法をかけていた。ただ、グレイは既に武装解除をマスターしているため、ネビルも自分に使われても怪我をすることも無いと判断した。

 グレイは杖を抜くと、ネビルと向かい合う。ネビルも杖を構えると、頷いた。

 

「いきますよ」

「うん、お願い」

「エクスペリアームス」

 

 グレイの杖から赤い閃光が迸り、ネビルの杖を弾き飛ばした。からんと軽い音を響かせながら杖は転がるが、ネビルは何かを確かめるように手を握り開くを繰り返している。

 

「うん…そうか、こんな感じか…」

「ネビルさん?」

「グレイ、ちょっと見ててくれない?なんかこう…コツを掴みかけてる気がするんだ」

 

 そう言ってネビルは訓練用人形に向かい合い、呪文を唱える。人形の持つ擬似杖はピクリと震えるものの、弾き飛ばすには至らない。

 

「こうじゃなくて…そうだ、ハリーが杖を振りすぎって言ってた。杖を振るのは最小限で…」

 

 今まで教わったことを思い返しながら、その後何度か呪文を唱える。唱えるたびに少しずつ良くなっていくのがわかり、時折グレイが手本を見せた。着実に成功に近づいており、ネビルもその実感から練習を続ける。

 そしてついに、その瞬間は訪れた。

 

「…エクスペリアームス!」

 

 杖から放たれた赤い閃光が、人形の杖を弾き飛ばし、すぐに取りにいけないくらいの距離まで転がっていった。それを見た周囲のメンバー達がネビルに駆け寄ってくる。

 

「ネビルすごい!完璧じゃないか!」

「ありがとうハリー。グレイも、ありがとう。二人が教えてくれたおかげだよ」

「拙はお手本を見せただけです」

「ネビルが頑張ったからだよ」

「ねえネビル!あたしにコツ教えてよ。まだできないの」

「う、うん!僕も、まだ完璧とは言えないけど…頑張って教えるね」

 

 わいわいと騒ぎ始めたメンバー達を見ながらグレイは優しく微笑む。そんなグレイの隣でハリーは懐中時計を見ると、寮に戻らなければいけない時間が近づいていた。

 

「みんな!注目!」

 

 ハリーの掛け声でメンバーは声を落とし、ハリーに注目する。

 

「みんなのやる気がもっと出てきたところだけど、消灯時間も近づいてる。今日の練習はここまでだ。次の練習は冬休みが明けてから。冬休みに入るからしばらくは集まれない」

 

 中間試験を終え、明日から冬休み。冬休みの間はほとんどの者が家に戻るため、集まりたくとも集まれない。その事実にメンバーはがっかりしたようにため息を吐く。冬休み自体は楽しみだが、軌道に乗ってきた練習までの期間が空いてしまうのは本人達的にも残念なのだろう。

 

「だからできるだけ、自分で練習を続けてみて!みんな上手になったよ、本当に頑張った!僕も人に教えるのは初めてだから至らないところもあったと思うけど、みんながここまでできるようになって本当に嬉しい!冬休み後も練習はやるつもりだから、また冬休み明けに会おう!」

 

 ハリーの締めの言葉にメンバー達は大きな拍手を送る。

 メンバーの満足そうな顔を見て、自分がやったことが無駄ではなかったと実感したハリーは嬉しそうに顔を綻ばせた。

 

「よくやったぜ」

「ありがとう。二人が提案してくれたからだよ」

「ハリーの実力よ」

 

 ロンとハーマイオニーの言葉に頷くと、メンバー達は帰り支度を始めた。その中で一人の少女が物憂げな表情をしながら必要の部屋の奥へと歩いていくのが見える。

 

「…じゃあハリー、談話室で」

 

 何かを察したハーマイオニーはロンを連れてメンバーと共に必要の部屋から出ていこうと荷物を手に取る。その時、歩いていくハリーに声をかけようとしている一人の少女が目に入った。

 

「グレイ」

「あ、ハーマイオニーさん」

「どうしたの?ハリーに何か用事?」

「…はい。少し、ご相談がありまして」

「ハリーに?」

 

 グレイはハリーと共にメンバーに防衛術を教えている。数少ない防衛術をほぼ完璧にマスターしている一人であるためハリーとしてもとても助かっていると話をしていたためそれ関連だろうか、とハーマイオニーは頭を巡らせた。

 

「この集まりに関すること?」

「…はい」

「ハリーはその…ちょっとこれから用事があるの。私達で良ければ話を聞くけど、どう?」

「大丈夫です。聞いていただけますか?」

「わかったわ。じゃあ…場所を変えましょう。ロン、行きましょう」

「うん?」

 

 ロンは話を聞いてなかったのか状況をわかっていないようだが、ハーマイオニーは気にすることなくロンを半ば引き摺るようにしながらグレイと共に空き教室に入った。

 

「じゃあグレイ、どんな話なのか聞かせてくれる?」

「えっと…」

 

 周囲を警戒するように視線を巡らせるグレイの様子に気づいたハーマイオニーは杖を取り出す。

 

「ちょっと待ってね…プロテゴ・トタラム」

 

 ハーマイオニーが杖を振ると、教室の扉に保護呪文がかけられる。

 

「これでよし。本当は保護呪文なんだけど、外から声が聞こえることはないわ。少なくとも、何を話しているかはわからなくなる」

「すげえや。いつの間に覚えたんだ?」

「後で教えてあげるわ。それでグレイ、話って何?」

 

 本題に入ろうと言わんばかりに、ハーマイオニーはグレイに目を向ける。グレイは頷くと、真剣な表情で口を開いた。

 

「師匠からハリーさん達に伝言があるんです」

「師匠…エルメロイ先生のこと?」

「はい。ダンブルドア軍団に関することです」

「…どういう内容?」

「アンブリッジさんが、ダンブルドア軍団のことに気づいていると」

 

 グレイの言葉に、ハーマイオニーとロンは目を見開いた。

 

「…確かなの?」

「はい」

「…いつかは勘付かれると思ってたけど、想定よりもずっと早いわ」

 

 ハーマイオニーとしても、ずっと隠し通せるとは思っていなかった。集団である以上、どこかしらで集まっていることには気づかれるだろうと思っていた。ハーマイオニーの想定ではもう少しはバレないと考えていたが、想定していた以上にアンブリッジの勘が鋭かった。人としてはともかく、多数の経験を積んできた役人である以上、それなりに勘もいい。危機意識の薄い誰かが尾行でもされたのかもしれないとハーマイオニーは考えた。

 

「まずいよ!もし捕まったりしたら、僕ら退学になっちまう!」

「場所を変えるにしても、必要の部屋以外で練習はできないし…何か対策を練らないといけないわ。ところでグレイ」

「はい」

「その情報をくれたってことは、エルメロイ先生は私達の味方…でいいのよね」

「はい。師匠はみなさんの活動に肯定的です。それに、伝言はもう一つあります」

「あ、まだあったの?遮っちゃったわね。どんな内容?」

「『しばらく時間は稼ぐ。少なくとも一月いっぱいはもたせるから、それまでは今まで通り練習を続けろ。ただし、集まる際はより一層警戒しながら集まることだ』と」

 

 エルメロイII世の言葉をハーマイオニーは素直に『その通りだ』と思った。必要の部屋がある廊下は人通りが比較的少ない。そのため見つかる確率は比較的低いものの、逆に言うとそんな場所に行く生徒が何人もいれば怪しまれもするだろう。どこで見られたのか、誰が見つけたのかはわからないが、これから集まる場合はより一層警戒を強めなければならない。

 

「…先生の言う通りだわ。これからは、集まり方にも気をつけないと」

「でも、どうやって気をつけるんだよ。尾行されてたのなら、どうやってもバレるぞ」

「…ハリーの透明マントを使えれば良かったのだけど、あの人数はさすがに入らないわね。回数を分けて入ると、その分扉が現れるリスクも増える。なら、壁自体にも『目眩し』の魔法をかければあるいは…」

「これについては、僕たちだけで話していても仕方ないぜハーマイオニー。ハリーも交えて相談しよう。冬休みは『本部』に来るんだろう?」

「…そうね。今は、この情報があればいいわ。明日から冬休みだし、帰る準備もしないと。グレイ、ありがとう。このことについては、また相談させてもらっていい?」

「はい。拙にお声がけください」

「ありがと。じゃあロン、談話室に戻りましょう」

「うん。じゃあグレイ、またね」

「おやすみなさい、ハーマイオニーさん、ロンさん」

 

 二人が目眩しの魔法を自分にかけながら教室を出ていくのを見届けたグレイは、小さく息を吐く。とりあえずハーマイオニーに伝えるべきことは伝えられたため、彼らはより警戒心を持って集まるようになるだろう。

 自分も教室を出てエルメロイII世のもとへ戻ろうと考え、最近覚えたばかりの目眩しの魔法を自分にかける。そのまま教室を出て誰もいないところで目眩しの魔法を解除した。

 一息つきながら寮に戻ると、レイブンクローの生徒達が談話室でわいわいと騒いでいる。明日から家に戻る者がほとんどであるため、しばらく会えない時間を埋めるように親交しているのだろう。そんな生徒達を微笑みながら眺めつつ、グレイは部屋に戻る。部屋にはすでにルーナが戻ってきており、荷物を纏め始めていた。

 

「あ、グレイ。おかえり。ハーマイオニーとお話し?」

「はい。少し、伝言を」

「伝言?ふーん…先生から?」

「すみません、今はお伝えできないんです。落ち着いたら、お話ししますので」

 

 今回の伝言内容は、作戦に大いに関わる。故に、主要メンバーであるハリー、ロン、ハーマイオニーの三人以外に伝えてはならないとエルメロイII世に言われていた。そのため、たとえ友人であるルーナが相手だとしても教えることはできなかった。

 

「そう?グレイがそう言うなら、それでいいよ。グレイも明日、ロンドンに帰るんだよね?」

「はい。師匠と、時計塔に戻ります」

「そっか。じゃあ休みの間、手紙出すよ。グレイも書いてくれる?」

「ええ、もちろんです」

 

 ホグワーツは今、非常に制限の多い環境下にある。そのため普段のホグワーツと比べたら、楽しめる部分は少ないだろう。だがそれでも、時計塔とは違う学校(環境)でこうして新たな友人と過ごせることが、グレイは素直に嬉しかった。

 その後、グレイとルーナは珍しく夜遅くまで雑談に花を咲かせていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ホグワーツ特急に乗ってエルメロイII世とグレイはロンドンへと戻ってくる。あまり長時間乗っていたわけではないが、それでもホグワーツ周辺と比べて明らかに風景が異なる事実がグレイには異国に行っていたみたいだと考える。

 道中で昼食をとった後、二人はスラーへと戻ってきた。あまり長い期間留守にしていたわけではないが、グレイは少しだけ懐かしく感じていた。

 エルメロイII世がデスクに目を向けると、デスクにはいくつか書類がまとめられている。恐らくライネスが置いていったものだろう。

 

「帰って早々、デスクワークか。まあ、仕方ないだろう。一つずつ片付けていくとしよう」

「何か、拙にお手伝いできることはありますか?」

「では軽く掃除をお願いしてもいいかね。ライネスが掃除をするとも思えん。部分的に埃が溜まっているやもしれない」

「わかりました」

 

 エルメロイII世は書類仕事に、グレイは掃除道具を持って掃除を始める。暫し、互いにやるべき作業に没頭していたが、少ししてエルメロイII世は息を吐きながら立ち上がった。

 

「今日はこのくらいにしておこう」

「師匠、今日はもう終わりですか?」

「ああ。ホグワーツでもロードとしての仕事はしていたからな。あまり溜まっていなかったし、しばらくホグワーツは休みだ。これだけ片付けておけば十分だろう」

「そうでしたか。では、今日はもうお帰りに?」

「そうしたいところだが…」

 

 そう言ってエルメロイII世はドアに目を向けると、その瞬間にドアが開いた。そこには長い金髪を携え、勝ち気な瞳の少女がいた。

 

「やあ兄上。ご機嫌麗しゅう」

「……ライネス」

 

 一気に表情が険しくなるエルメロイII世だが、目の間の少女…ライネス・エルメロイ・アーチゾルテは愉快そうに笑う。

 

「久しい、と言うほどでもないな。元気そうで安心したぞ?兄上」

「……何の用だ」

「用がなければ来てはいけないのかな?愛する兄が久方ぶりに帰ってきたというから、可憐な義妹が様子を見にきたというのに」

「もちろん、用がなければ来てほしくない」

「これは酷い。傷ついて枕を濡らしてしまいそうだ。心の賠償金を請求しよう」

「茶番はこのくらいでいいだろう。さっさと本題に入れ」

「まったく、無駄を楽しむ余裕もないとは。まあいい、本題に入ろう。トリム」

『はい』

 

 ライネスの背後にいた銀色のメイド…ライネスの魔術礼装である月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)のトリムマウが持っていた資料をエルメロイII世に手渡す。渡されたものは封筒であり、封蝋には法政科のマークが記されていた。

 

「ご苦労」

「我が兄ながら人が悪い。わざわざこんなものを用意させるとは」

「あくまで保険だがな。だが、十中八九必要となる」

「そうか。まあ、君がどうするかは好きにしたまえ。それより、今日君が帰ってくるということでフラットをはじめとした生徒達が何やら準備をしているぞ?」

「………はぁ、わかった」

 

 疲れたように息を吐きながら、エルメロイII世は部屋を出ていく。

 残されたライネスはグレイに視線を向けた。

 

「ではグレイ、私たちは久々のティータイムといかないか?」

「はい、是非」

 

 グレイはライネスに連れられて、よく行くカフェへと赴いた。ライネスが一通り注文を済ませると、ライネスはグレイに視線を戻した。

 

「ホグワーツはどうだい?」

「あ、とても楽しく過ごせてます。不思議な場所で驚いてばかりですし、魔法の勉強は難しいですけど…」

「マグルの基礎学問はともかく、魔法族として生きる環境でもない限りは魔法を学ぶ機会などないだろうしね。そこはもう割り切るしかない」

「ライネスさんは、魔法の勉強はどこで?」

 

 ライネスは戦闘力はともかく、魔法の基礎知識はちゃんと持っている。文通した際はグレイの勉強関連の話は大抵理解していたため、どこかで学んだのだろうとグレイは考えていた。

 

「主に兄上だよ。兄上が来るまでは執事が教えていたが、私が兄にロードの代行を押し付けてからは基本的に全部兄に教わった。私自身、そんなに理解力が悪くないとは考えていたが、やはり教え方が良いのだろう。ホグワーツで習うようなことは既に一通り学び終えているさ。尤も、防衛術に関しては実技メインになるから兄上でも大したことは教えられないみたいだがね」

「そうなんですね」

「私としても興味はあるがね。古くから伝わる神秘の砦だ。行くだけならまあ大したことないだろうが、あそこで生活するというのはなかなか刺激がありそうだ。ああ、兄上に頼んで留学でもさせてもらおうかな?」

 

 楽しそうに話すライネスだが、口調がおどけているのを見るに冗談なのだろうとグレイは判断した。

 そのタイミングで注文したケーキやタルトなどのスイーツが運ばれてくる。ライネスの勧めもあり、二人はスイーツに手をつけ始めた。

 

「む、これはいい。チーズにレモンの酸味を加えているのか」

「あ、これ美味しいです。ブラウニーの甘さとラズベリーソースの酸味が良くあってます」

「ふふ、気に入ってくれたみたいだね。ホグワーツではどうだい?こういったスイーツはあるのかい?」

「スイーツ自体はありますけど、こういったものはあまり」

「なるほど、魔法族のお菓子か。マグルのものと比べると、やや特徴的なものが多いが…あれはあれでなかなかいける。良ければ、今度戻ってくる時はお土産にいくつか見繕ってきてくれないか?」

「ロンドンでは買えないんですか?」

「普通のお菓子程度ならダイアゴン横丁で買えるとも。だが、ホグワーツで作られるものはあまり見られないからね。特殊というわけではないが、ホグワーツの料理は美味しいと有名だから」

 

 ホグワーツの料理は基本的に屋敷しもべ妖精が作る。それらはどれも絶品であり、どれを食べても美味しいものだというのは比較的有名な話だった。ホグワーツに赴くことがないライネスからしたら、そこまで言われるスイーツは是非とも体感してみたいという思いがあった。

 

「わかりました。では、次戻ってきた時にいくつか貰っておきます」

「ありがとう。屋敷しもべ妖精に言えば、保護魔法をかけてくれるだろう」

「はい」

「それで?我が兄の案件はどうだい?」

 

 エルメロイII世がホグワーツにいる理由。表向きには魔法省からの要請でダンブルドアとハリーの監視になっているが、本当の理由はホグワーツの生徒を魔法省から守ること。この守ることというのは、物理的に守ることではなく、ダンブルドアがいなくなってからも生徒達の力になり、指導することである。そして、最終的には魔法省(というよりアンブリッジの理不尽な支配)から抜け出し、いつものホグワーツになるために力を貸すこと。ライネスもこの案件については把握しているが、状況についてまでは知らない。

 

「…魔法省からの干渉が大きくて、みなさん思うように過ごせないことがストレスになってるみたいです。師匠も表向きの立場が魔法省からの使いなので、準備は入念にしてます」

「だろうね。だが初めからダンブルドアの使いとしてホグワーツにいたらあっという間にクビにされていただろう」

「魔法省の権力ってそんなに強いんですか?」

「魔法界の政府だからね。権力としては一応トップになる。ホグワーツも一応、魔法省の管轄下だ。普段は人事のことまで干渉しないだろうが、今は権力を持つのを良いことに好き放題やってるみたいだね」

「…時計塔は、違うんですよね」

「ああ。時計塔…というか、魔術協会と魔法省は基本的に対等かつ不可侵だ。たとえ魔法省であったとしても、魔術協会には基本的に手出しできない。というか、魔術協会は基本的に閉鎖的だし一般魔法界に関わる事は多くないから、手出しするようなことはあまりないのだよ。一番俗世との関係が深い時計塔ですらあまり一般魔法界には関わらないからね。尤も、魑魅魍魎が蠢き一般人からしたら厄ネタの宝庫みたいな場所に関わろうとするのは、余程のことがないと無いだろうが。例えば、最悪の闇の魔法使いが大暴れしているとかね」

 

 ライネスの言うように、ホグワーツでも時計塔のことを知っている生徒はあまりいない。ハーマイオニーのように勉強に対して非常に積極的な生徒が概要を知っている程度で、その他はせいぜい小耳に挟んだ程度だ。それこそダンブルドア軍団の生徒で知っていたのはハーマイオニーとルーナだけだった(ルーナは父親に聞いたらしい)。

 楽しそうにケーキを口に運びながらそう言うライネスを見ながら、グレイもマカロンを口にする。

 

「例のあの人が猛威を奮った時って、時計塔はどうしていたんですか?」

「私も話で聞いただけだが、時計塔はほとんど関わらなかったそうだ。魔術協会の一番の目的は神秘の秘匿。魔法界だけで大暴れしたとしても、神秘の漏洩にはつながらない。例のあの人が時計塔を直接侵攻してきたりマグル界隈で大々的に破壊活動をしていたら、話は別だっただろうがね。まあ本当に何もしなかったわけではなく、多少の援助はしたみたいだがあくまで援助。直接的な手段、例えば武力の援助は一切しなかったそうだ」

 

 魔術協会…時計塔が最も重視するのは神秘の秘匿。それが破られない限り、時計塔としてはわざわざ干渉する理由がない。魔術師はあくまで研究者であり、闇祓いのような戦闘に特化した者ではない以上、時計塔を襲ってこなかったヴォルデモートを排除する理由はほとんどなかった。

 

「そもそも、戦闘力として研究機関である時計塔に助けを求めるのが間違いだ。あくまで我々は研究者であり、戦闘に特化した者ではないのだからね。まあ、時計塔の中でも上位の方なら例のあの人と戦える者はいるだろうが、時計塔のトップに立つほどの者がマグルの殲滅と過激な選民思考に囚われた者に興味を持つとはとても思えないね」

「…例のあの人って、そんなに凄いんですか?」

 

 グレイは魔術師ではないが、時計塔にいる以上トップの者達がどれほど凄まじいかは知っている。そんなトップレベルの者でないと戦えないと言われるほどすごいのかとライネスに問いかけた。

 

「さてね。私も実物を見たわけでは無い。だが、魔法界で戦闘力という意味では上位に食い込んでくる闇祓い達が束になっても敵わないのだから、相当だろう。兄上も『魔術師となったら、色位(ブランド)くらいにはなれた。もしかしたら先代(ケイネス)すらも凌駕するほどの才能の持ち主だったかも』とは言っていたよ。何より、ロードと同等の実力を持つアルバス・ダンブルドアが正面から戦っても捕縛することができないのだ。相当だろう」

 

 現代最強と言われるアルバス・ダンブルドア。そのダンブルドアに正面から戦う事ができるだけで凄まじい才能を持っているというのに、そのダンブルドア本人が『どんな魔法をかけようとも、ヴォルデモートは必ずそれを破る』と断言するほどだ。単純な戦闘能力は同格だろうが、それ故に捕縛することもできない。それほどまでの才能を持つということは、魔術世界に来たとしても確実に大きな功績を残せるだろうとエルメロイII世は予想していた。それこそ、先代であるケイネスすらも凌駕しかねないほどの才能を持っていてもおかしくない。

 

「あの人の存在が時計塔に及ぼす影響はあまり大きくは無いが、ここ最近は魔法界の方の治安は悪くなってきている。魔法省は随分必死に否定しているが、死喰い人の目撃例が多くなってきている。近いうちに、アズカバンに囚われている死喰い人も解放されるかもしれないな」

「アズカバンって確か…監獄ですよね」

「そう、魔法界最大の監獄。吸魂鬼が看守を務めているが…闇の魔法使いにとってはあまり障害にならないだろう。まあ、ここまでの状況証拠程度でもあの人が復活したのはほぼ間違いない。私たちは時計塔の庇護があるが…最低限身を守れるようにはしておいた方がいいかもね。グレイ、君にも世話をかける。何せ兄の魔法の腕は大したことない。死喰い人相手でもまともにやり合えばやられかねないから」

「はい。拙が、師匠を守ります」

「なんとも健気なことだ。兄も少しはこの清廉な精神を学ぶべきだろうに」

 

 苦笑しながらも楽しそうにしているライネスを見ながら、グレイはタルトを口にする。クリームの甘さとフルーツの味が良く合っており、思わず顔を綻ばせた。ホグワーツで過ごす日々も日常になり始めていたが、やはりグレイにとっての日常がこちらなのだと再確認できる瞬間でもあった。

 

(相変わらず良い顔で食べてくれる。涙が出ている方が好みではあるが…やはりグレイにはこういう顔の方が似合うね)

 

 サディスト趣味を自覚しているライネスだが、友人であるグレイにはこういう顔をしていて欲しいと胸中で願っていた。唯一とも言える友への友情に普段の自分との乖離を感じて苦笑するものの、これはこれで悪くないと思いつつライネスもケーキを口にするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 冬休みはあっという間に終わってしまった。

 ハリーとしては最近良いことが多かったのと同時に、考えるべきことも増えていてあまり休んだ感覚がない。良いことは、チョウとの交際が始まったこと、冬休みの間は父の親友であるシリウス・ブラックとウィーズリー一家、そしてハーマイオニーと過ごせたこと。彼らがいたこともあり、冬休みの間は孤独を感じることもなく、楽しく過ごせていた。加えて、新学期開始当初はハリーを目立ちたがりのイカれた人間だと考えていた生徒が、ハリーに謝罪してダンブルドア軍団に新たに加わった事実もある。

 

 逆に考えるべきことも多くなった。まず、ハーマイオニーから聞かされたグレイからの伝言。アンブリッジがダンブルドア軍団のことに気づいているということ。これについてはかなり差し迫った内容だと言える。あのアンブリッジのことだ。違法の手段を使ってでも自分達のことを捕縛しにかかるだろう。そうなれば、自分達だけでなくダンブルドアに大きな迷惑がかかる。それだけは避けたかった。

 そして冬休みが明けてすぐに報道されたアズカバンからの集団脱獄。多くの闇の魔法使いが世間に放たれたこともあり、防衛術の習得はさらに急務となった。また、アズカバンが部分的とはいえ陥落したことで、吸魂鬼もヴォルデモートに掌握された可能性がある。もし吸魂鬼に襲われた場合、身を守る手段は一つしかない上に難易度が極めて高い。防衛術ではハリーと同等以上の実力を持つグレイですら、守護霊の魔法は使えないのだ。これをダンブルドア軍団に教えるとなると、ハリー一人で全て教えることになる。できるとは思うが、なかなか骨が折れることになるのは当たり前だろう。ハリー自身、盾の形の守護霊を作り出すのでもルーピンに根気よく付き合ってもらわなければならなかった。武装解除などの魔法と比較しても、恐らく習得までにかかる時間は多いだろう。

 

 そんな中、ハリーはロン、ハーマイオニーと共にひと足先に必要の部屋へ足を運び、会議をしていた。

 

「どうするハリー…気づかれてるなら、下手なことはできないぜ」

「…そうだね。でも、辞めるわけにもいかない。エルメロイ先生の言うように、やり方を考えるしかない。ハーマイオニーのアイデアは結構いいと思うんだ。目眩しの魔法を壁にかけておいて、扉が現れる瞬間を遠くから見られないようにするっていうやつ。本当に部分的にかけるだけなら、結界があるってバレにくいし、偶然通った生徒が見つける可能性も低い」

「私も賛成。とりあえず、みんなにこのことは周知するべきだと思うわ」

「うん。あとは…エルメロイ先生がどれだけ情報をくれるかだけど…」

「表立って行動できない以上、グレイ伝に情報をもらうしかないわ」

「先生については、期待しすぎないようにしよう。少なくとも、グレイが情報をくれてる時点で僕らに敵対心はない。何かあればグレイからまたアクションをしてくれるよ」

「だな。考えすぎても仕方ないし、とりあえず今日の練習のことを考えようぜ」

 

 ロンがそう締め括った瞬間、必要の部屋の扉が開く。

 集合時間より早いなと思いつつ、ハリー達はそちらに目を向ける。入ってきたのはネビルとグレイだった。

 

「あ、よかった。三人はもういたんだね」

「ネビル、どうしたの?まだ早いけど…自主練?」

「うん。それもあるけど…ここにいるみんなには…知っておいてほしいんだ」

「拙も、ですか?」

「うん。グレイにも…聞いてほしい」

 

 そう言ってネビルは不死鳥の騎士団創設時の写真に目を向ける。

 写真の中にはハリーの両親だけでなく、シリウスやロンの両親、ダンブルドアやマッドアイ・ムーディなどもいた。そしてその中には、ネビルの両親もいた。

 

「…僕の両親は、不死鳥の騎士団にいたんだ。今は……もう、僕のこともわからないけど…」

「……ネビル」

「昔…死喰い人のベラトリックス・レストレンジが、僕の両親に磔の呪いをかけて情報を聞き出そうとした。それで、二人は……」

 

 ネビルの両親は、今は完全な廃人になっている。磔の呪いを受け続け、拷問に耐え切った代償に、精神が完全に崩壊してしまった。結果、ネビルのことすらもわからない状態になっていた。

 

「でも、僕は…誇りに思う。仲間を売らなかったことを。まだ…みんなに知らせる勇気はないけど…」

「伝えてくれてありがとう、ネビル。君の両親のためにも…頑張ろう」

「うん、聞いてくれてありがとうみんな。それで、今日の練習は何をやるの?」

「今日は守護霊の呪文をやる。これは確か、グレイもできないよね」

「はい…拙もまだ守護霊の呪文はできません」

「これはとても難しい魔法だ。できない魔法使いの方が多い。でも…これからは吸魂鬼と遭遇する可能性もある。だから、最低限身を守れるようにならないと」

 

 吸魂鬼は守護霊以外で撃退することはできない。これからは吸魂鬼に襲われることもあるだろうし、最低限盾の形くらいはできるようになってもらわないといけない。

 

「詳しいコツはみんなが集まってから伝えるよ。人も少し増えるし、しばらくは守護霊の呪文の練習になると思うから。今回はグレイも生徒側だね」

「はい。よろしくお願いします」

「グレイでもできない魔法か…僕に、できるかな」

「できるよ!こう考えてみてネビル。偉大な魔法使いも、はじまりは僕らと同じ学生だったんだ!彼らと同じようにできるかはわからないけど、彼らにできたのなら僕らにもできない理由はないだろう?」

 

 ハリーの言葉にロンは吹き出したように笑う。そんなロンを不思議そうにハリーは見るが、ロンは楽しそうに口を開いた。

 

「いやごめん。バカにしたんじゃないよ。たださ、君が今まで散々酷い目にあってきても生き残れている理由が今の言葉に全部詰まってるなって思っただけだよ」

「だって、そりゃそうだろう?何もせず殺されてやる理由なんてないじゃないか」

「その通りだけど、本当にそれをちゃんと体現できるのはすごいよ」

 

 ハリーはロンの言葉がよくわからず首を傾げるが、ハーマイオニーとネビル、そしてグレイまでもが楽しそうに笑っているのを見て、まあいいかと納得した。

 その後、ダンブルドア軍団の参加者が続々と集まり、守護霊の魔法を練習するが、今日一日でできた生徒は誰もいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜、練習を終えてグレイはある部屋に向かっていた。

 

「師匠、グレイです」

「入りたまえ」

 

 グレイが部屋に入ると、エルメロイII世はペンを置いてグレイに視線を向ける。

 

「今日の練習は終わりかね」

「はい。今日も守護霊の呪文の練習でした」

「守護霊か。あれは相当難しい魔法だが…コツさえ掴めばいつでも呼び出せるようになる」

「師匠は守護霊の呪文を使えるんですか?」

「…ああ。数少ない、得意な魔法とも言える。エクスペクト・パトローナム」

 

 エルメロイII世が杖を振ると、白い霧を纏った光が杖先から現れる。白い光は力強い馬の形になると、部屋を一周して消えた。

 

「今のが…」

「ああ、守護霊の呪文で呼び出した守護霊だ。大抵の場合、守護霊は動物や魔法動物の形になる。私の場合は馬だった」

 

 どこか懐かしそうに呟くエルメロイII世の姿は、見覚えがあった。

 イゼルマの後始末が終わった頃、彼の私室で見た。傍目にはただの布切れにしか見えないものを、エルメロイII世はとても大事そうに撫でていた。その時と同じ表情をしている。

 だがその表情はすぐにいつものやや不機嫌そうな表情に戻った。

 

「守護霊の形は、自分では決められない。呼び出して初めて知ることになる。そして、どんな形であろうが、守護霊の強さは形では決まらない。例えばドラゴンの形と雀の形でも、使う魔法使いの技量が同じであれば強さは変わらない。ただ、この魔法は数少ない架空属性の魔法だ。盾の形で呼び出すことすらも難しい。レディ、君はできたかね?」

「えっと……全然できなくて…」

 

 グレイにしては珍しく、守護霊の呪文は全くうまくいっていなかった。他の者は煙のようなものが出るくらいはできていたが、グレイは煙すらも呼び出せないでいる。

 

「ふむ…では一つずつ進めよう。守護霊を呼び出すための要素は二つ。心から幸せだと思える記憶と、その記憶で自分自身を満たすこと。その状態で呪文を唱えることで、守護霊を呼び出せる。ここまではいいかな?」

「はい」

「まず最初、幸せな記憶。どんな記憶でも構わない。君自身が『幸せ』だと思える記憶を思い浮かべるのだ。一つでなくてもいい。記憶とは鎖のように連なるもの。連鎖的に、幸せな記憶を思い出していくんだ」

 

 何故か急に指導に切り替わったが、グレイは目を閉じて言われた通りにする。

 グレイにとっての幸せな記憶。それは、エルメロイII世に連れられて時計塔に来てから始まっている。

 

 磨かれて綺麗になる靴。

 より清潔になった仕事部屋。

 教室で生徒たちが師匠と語らい、過ごす穏やかな時間。

 葉巻の匂い。

 

 なんてことのない、本当に普通で穏やかな時間。だが、故郷の村で訳もわからず崇拝されていたグレイからしたら、こんな穏やかで普通の時間が愛おしく、大切でたまらないものだった。

 

「思い出した記憶…それだけを思い浮かべるんだ。そして、その記憶の中に自分自身が入り込むように、自分の心全てが幸せな記憶の海に浸るように…思い浮かべるんだ」

 

 記憶の海に浸る。抽象的な言葉に感じられるが、グレイはなんとなく言葉の趣旨を理解し、そして言われるように幸せな記憶に身を委ねる。自分の意識が、この記憶の海に沈んでいくように。

 

「記憶に集中しながら唱えるんだ。エクスペクト・パトローナム」

「…エクスペクト・パトローナム」

 

 グレイは呪文を唱えるが、杖の先から煙が出てくるだけだった。

 

「……ふむ、なるほど」

「何が、足りないんでしょうか…」

「この呪文の難しいところの一つだ。記憶にのみ集中してしまい、呪文を唱えることで集中が切れてしまう。だが、記憶に集中しないとそもそも呼び出せない。これが難しい。記憶のみに集中するというより、自分という器を記憶で満たすイメージだ。煙が出てきたということは、記憶の強さとしては十分だろう。あとは、記憶で自らを満たし、集中するという工程を並行しながら行うコツを掴むことだ。こればかりは、教えるだけでどうにかなるものではないが、イメージを伝えることはできる。レディ、君は…閉心術を知っているな」

「は、はい」

「言うなれば、閉心術の逆だ。閉心術は他愛のない記憶や何も思い浮かべない状況で自らを満たす。その逆の状態で呪文を唱えるのだ」

 

 エルメロイII世の言葉に納得したグレイは、再び目を閉じる。

 自らを幸せな記憶で満たしていきながらも、意識自体はいつも通り。その状態を維持しながらグレイは杖を構えた。

 

「幸せな記憶…この記憶と自身の魔力を繋ぎ合わせろ。幸せな記憶の波を魔力に乗せ、全身を巡らせる。そしてこの魔力を全身に流れさせていき、その波を杖にまで及ばせるのだ」

 

 エルメロイII世の言葉の通り、自身の記憶と魔力を繋ぎ、水が流れていくように魔力と記憶で全身を満たしていくイメージを取る。何か、空気が変わったような感覚をグレイは感じ取った。

 

「自らの魔力と記憶で全身を満たす。全身全霊…文字通り、全てを満たしたと実感したところで唱えるのだ。エクスペクト・パトローナム」

「…エクスペクト・パトローナム!」

 

 グレイが唱えると、杖の先から白い煙が噴き出す。噴き出した煙は鴉の形となってグレイの周囲を飛び回り、一際強い光を放って消えた。

 守護霊が消えたと同時に、グレイはぺたりと地面にへたり込んだ。慣れない魔力運用をしたことで疲労が出たのだろうと判断したエルメロイII世は、グレイに笑いかけながら手を取り、立ち上がらせるとソファに座るよう促した。グレイが腰掛けると、エルメロイII世はチョコレートを差し出してくる。

 

「よくやったグレイ」

「は、はい…なんとか、できました」

「こうも短時間でものにするとは、流石としか言いようがないな。食べるといい、チョコレートだ」

「ありがとうございます、師匠」

「君の守護霊は、鴉のようだな」

 

 てっきり、アーサー王の繋がりでドラゴンが出てくるかもしれないと思っていたが、グレイの守護霊は鴉だった。グレイの出身の村は鴉を神聖視していた。恐らく、そのあたりが守護霊の形として作用したのだろうとエルメロイII世は考える。

 

「そうみたいです。拙の村に関係しているのかもしれません」

「そうかもしれんな。それはともかく、まずは食べたまえ。体力回復を促進してくれる」

 

 言われるように、グレイはチョコレートを口にする。味からしてマグルの世界で売られている普通のチョコレートだろう。どの程度回復に効いてくれるかはわからないが、確かに気分は良くなった。

 

「相当難しい魔法だが、この短時間で成功させるとはな」

「師匠の教え方が良かったからです」

「私が使う時の感覚を言語化したにすぎんよ。成功させたのは、君の理解力故だ。自信を持っていい。君は闇祓いですらできるとは限らない魔法を成功させたのだから」

「ありがとうございます」

 

 グレイが微笑むと、エルメロイII世は頷いて煙草に火をつける。煙を吐き出すと、真剣な表情でグレイを見つめた。

 

「さてグレイ、先日君に伝えた()()について…覚えているかな?」

 

 計画。その言葉を聞いてグレイはすぐに何のことを言っているか理解して頷く。

 

「この計画は、近いうちに動くことになる。先日、アンブリッジが生徒に尋問をしているのを確認した」

「!」

「生徒からダンブルドア軍団のことを聞き出そうという魂胆だろう。今のところ、知らない者にしか聞いていないため効果は薄いようだが…近いうちに、生徒から情報が漏れるだろう。例えば、親が魔法省に勤めている者を脅すなどしてな」

 

 アンブリッジはあんなではあるが、魔法省での立場は相当高い。権力を濫用して生徒の親をクビにすると脅し、情報を抜き出そうとする可能性は大いにあるだろう。エルメロイII世に一任しているとはいえ、アンブリッジ自身が何もしないとは言っていない以上、何かしらの形で尻尾を掴むために動いていてもおかしくない。

 

「アンブリッジは生徒の交友関係に疎い。そもそも興味ないのだろうからな。故に、ダンブルドア軍団に参加している者に近いかつ、親が魔法省に勤めている者を特定するには少し時間がいる。とはいえ、調べること自体はそこまで難しいことではない。あと二週間…長くても三週間もたないだろう」

「そうなると…二月頭くらいですか?」

「そうだ。だから、こちらも動くとしよう。グレイ、君がポッター達にあらかじめ話をしてくれていたことがここで生きる」

「どうするんですか?」

 

 エルメロイII世は煙草の灰を落とすと、にやりと口角を上げた。

 

「彼らと、話がしたい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いいかい。思い出が力になる!一番幸せな記憶で自分を満たすんだ!」

 

 ダンブルドア軍団の練習の最中、ハリーは参加者の中でそう声を上げる。ハリーの言葉の通り、幸せな記憶で自分を満たしながら呪文を唱えるが、煙が出てくる程度の者しかいない。この魔法は極めて難しいため、すぐにできるようになるとはハリーも思っていない。ルーピンが自分にどう教えてくれたか、自分がどういう感覚で使っているかを教えていくが、なかなかうまくできる者はいない。

 

「どうだい、ロン」

「すっげー難しいよハリー…全然進歩してる気がしないや」

「本来なら、今の僕らが学ぶレベルの魔法じゃないからね。すぐにはできないと思っているけど、練習しない理由にはならないから」

「だな。ところでさ、今日グレイは?」

 

 参加者であるグレイの姿がないことをロンは疑問に思っていた。友人であるルーナがいる以上、授業や課題ではないはず。

 

「…エルメロイ先生の補習かな?」

「エルメロイ先生の?」

「うん。グレイはエルメロイ先生の補習を受けてるんだ。勉強で追いつけていない部分があるんだって」

「え、そうなの?グレイ、魔法はめっちゃ達者だから勉強できると思ってた」

「実際のところはどうかわからないけどね。ただ、いないってことは用事があるんだと思う。アンブリッジに捕まったりしてないといいけど」

 

 グレイは過去の活動では必ず参加していた。そして、積極的にハリーの手伝いをしてくれた。そのため、わざわざアンブリッジに告げ口したりはしないだろうが、捕まえて情報を吐かせようとはしかねない。

 

「…何もないといいけど」

「大丈夫だろ。グレイは強いし、あのエルメロイ先生の内弟子だぜ」

「…そうだね」

 

 あのグレイなら大丈夫だと思いたいが、アンブリッジは狡猾な手段を使わないとも限らない。武力だけでどうにかなるとは思えない以上、ハリーとしては心配だった。

 

 突如、必要の部屋の扉が開く。全員がそちらに目を向けると、扉からはグレイが入ってきた。グレイが入ってきたのを見て、ルーナとジニーが駆け寄ってくる。

 

「グレイ!」

「みなさん、お疲れ様です」

「珍しく遅かったね。どうしたの?」

「…ハリーさんはいますか?」

「うん、いるよ。ねえハリー」

 

 ルーナがハリーを呼び寄せると、ハリーとロン、ハーマイオニーが歩み寄ってくる。それを見た参加者が、グレイ達に目を向けた。

 

「グレイ、どうしたの?」

「みなさんに、お伝えしたいことがあるんです」

「…もしかして、アンブリッジ関連?」

「はい」

 

 グレイが頷くと、ハリー達の表情が固くなった。だがリーダーとして、グレイの言葉を聞かなければならないと決意したハリーはグレイの言葉に頷く。

 

「…教えてくれ、グレイ」

「わかりました。師匠」

 

 グレイが振り向くと、グレイの背後の空間が歪む。目眩しの魔法がかけられていたことをハリーは察した。

 目眩しの魔法が解けると、不機嫌そうな表情をした男性…ロード・エルメロイII世がそこにいた。

 

「エルメロイ先生!」

「II世だ。私をエルメロイと呼ぶなら、II世をつけてくれポッター」

「な、なんで先生がここに⁈」

「まさか、僕らを捕まえにきたのか⁈」

 

 ロンの言葉に参加者はざわつく。エルメロイII世の立場は一応魔法省側。捕まえにきた、というのもあり得ない話ではない。

 

「捕まえにきた、か。なるほど、ある意味、その通りかもしれん」

「ほ、ほらやっぱりだ!」

「待ってロン!ある意味って言っていた。それに、先生が僕らを捕まえるつもりなら、初めからやってるよ。それに、本当に捕まえにきたのなら、アンブリッジも連れてきてるはずだ」

「…そう、だな。ごめんハリー」

「……さて、諸君。聞く準備はできたかね」

 

 エルメロイII世の言葉が必要の部屋に響く。エルメロイII世の言葉に対して否定の言葉がないことを確認したエルメロイII世は、部屋を見渡すと口を開いた。

 

「ふむ、聞く準備は良いようだ。早速本題に入ろう。今日ここにきたのは、諸君らに提案があるからだ」

「提案?」

「なんとなく察してる者もいるかもしれないが、アンブリッジはこの集まりに勘づいている」

「…グレイから聞いています。僕らなりに対策は取りましたけど…」

「心意気は買うが、相手が悪い。諸君のように純真な者には想像もつかないような手段を思いつくタイプだ。君らがどれだけうまく隠そうとも、奴はそれを上回るだろう」

 

 悪意の塊のようなアンブリッジを相手にするには、ハリー達はあまりにも未熟だった。経験の乏しい学生の身では、どれだけ知恵を絞っても完全に逃れることはできない。

 それをここまで時間を稼ぐことができたのは、ひとえにエルメロイII世の尽力だった。適当な情報でアンブリッジを撹乱しつつ、自分が見つけ出すと言い張ることで時間を稼いできた。このことを恩着せがましく言う気はないため、エルメロイII世は本題に移るべく咳払いを一つ挟んで言葉を続ける。

 

「ここまで見つかっていないことに奴が焦れ始めている。このままでは、どんな手を使っても奴は君らを炙り出そうとするだろう」

「どんな手を使っても…?」

「そうだ。真実薬、開心術程度なら可愛いものだが…奴ならば、磔の呪いくらい使ってきてもおかしくない」

「磔⁈違法ですよ⁈」

「でも、奴ならやりかねないな」

 

 魔法省の役人だというのに、アンブリッジならやりかねないということは誰もが納得した。それほどまで邪悪な本性を持っているというのは、早々にバレていたのだろう。

 

「そんな!確かにやってもおかしくないとはいえ、魔法省が完全に違法として設定しているのよ⁈バレたら…」

「『ファッジが知らなければ問題にはならない』。そんなことを言わないと君は言い切れるか?ミス・グレンジャー」

「っ…」

「奴に見つかり、諸君が捕縛されるのも時間の問題だろう。他の生徒も君らの集まりについてはなんとなく気づいている者もいる」

 

 ハリーもそのことには気づいていた。ただ、アンブリッジにわざわざ報告しようと思う者がいないというだけだ。しかし、卑劣な行為で情報を抜き取ろうとしてくる可能性は大いにある。

 だからこそ、エルメロイII世がどういう提案をされるのか。そこを聞くべきだとハリーは考えた。

 

「それで先生、提案とは?」

「そうだな。ここまでの前提条件を聞いた上で、一つ私からの提案がある。君らに必要なものは時間だ。だが、今の状況では君らが練習できるような時間はない。そこで、私からの提案なんだが…」

 

 

 

 

「一度、私に捕縛されてくれないだろうか」

 

 

 

 

 エルメロイII世の言葉に生徒達は騒つく。捕まってしまった場合、アンブリッジからの残酷な罰則を受けた上、最悪の場合退学にさせられてしまう可能性すらある。だというのに、捕まれというのは罰則を受けろというのと同義ではないかとざわついて、一部の生徒はエルメロイII世に食ってかかろうとしてきたが、ハリーがその生徒達を手で制した。きっと、この先生には何か考えがあると察したハリーは、エルメロイII世に目を向ける。

 

「何か、考えがあるんですよね」

「ああ。これから、私の考えを伝えよう」

 

 

 

 

「アンブリッジを無力化しにかかるための計画だ」

 

 

 

 

 エルメロイII世の悪そうな笑みを見て若干引いてはいたが、この先生なら信用できる。そう実感しながら、ハリー達はエルメロイII世の言葉に耳を傾けるのだった。

 

 

 




Q.時計塔ってお辞儀様のことどう考えてるの?
A.特に何も。なんか大暴れしてるけど、神秘の秘匿だけは守れよ。守らなかったら全力で殺しに行くからな、くらいです。

Q.橙子さんのような冠位魔術師のことは魔法族にも知られるの?
A.研究分野に興味がない人はあまり詳しく知りません。例えばハーマイオニーは知っていますが、ハリーやロンは知らないといった感じです。
なお、橙子さんのスワンプマン式復活方法についてはほとんど知られていません。ロードはなんとなく知ってるし、ダンブルドアもぼんやり知ってる。当然お辞儀様も小耳に挟んでいるが、求めている不死ではなかったと知って放置してます。

Q.お辞儀様って知識量は原作トップレベルなのに型月魔法のこと知らないのおかしくない?
A.型月魔法についてはそもそも知ってる人が少ないです。どれだけの資金、時間、技術を用いても実現できないのが型月魔法であり、魔術協会でも詳細は一部にしか知られていないとなっています。ただ、型月原作では案外触れられることも多く、Fateでは第三魔法と第二魔法についても限定的に実現されることもあったせいで割と馴染み深い気もしますが、本来は極秘案件です。メタ的に言ってしまうと、我々は読者だから知っていますが、彼らはそうではないということです。
中でもお辞儀様が一番興味を持ちそうな第三魔法は協会でも禁忌扱いなので、ダンブルドアを含めた大半のウィザーディングワールド世界の人物が知ることはないと判断しました。ただ、ダンブルドアやお辞儀様レベルの知識になると、型月魔法というものがあるということだけは知ってます。

Q.エルメロイII世の守護霊がブケファラスなのはなんで?
A.第四次聖杯戦争の際、ウェイバーはブケファラスに直接触れながらイスカンダルに忠誠を誓ったことで、霊体であったブケファラスがウェイバーの魂に作用して守護霊として彼を守ることを選びました。ウェイバーの元々の守護霊も馬であったこともあり、波長が合ったのも要因の一つです。ウェイバーの元々の守護霊はブケファラスと同化しており、使い手の実力以上に強力な守護霊となっています。ウェイバー自身の魔法の腕を考えたらちょっとできすぎなくらい守護霊の呪文が上手いのもこれが理由です。


Q.エルメロイ教室所属者の杖はどんなもの?
A.以下に作者の独断と偏見を記載します。
 ロード・エルメロイII世(ウェイバー・ベルベット)
 木材:アシ
 芯材:ユニコーンの鬣
 アシの木は学問と知識を象徴した木材。言葉が巧みで、揺るぎない信念を持っており、極めて柔軟性が高い性質を持つ人物を好む。教師としての素質とイスカンダルの臣下として揺るぎない信念を持つエルメロイII世に極めて相性の良い杖だった。繰り出される魔法の規模は小さいが、非常に器用で細かい制御ができる。既に3回修理してるが、致命的な破損は一度もしたことがない。

 グレイ
 木材:トネリコ
 芯材:ドラゴンの心臓の琴線
 トネリコの木は固い意思と目的を持ち、精神力が高く自惚れない持ち主に惹かれる。トネリコの木は本来、ユニコーンの鬣と相性の良い木材ではあるが、グレイ自身が持つアルトリアとの繋がりにより木材の性質が変質。ドラゴンの心臓の琴線と相性が良くなるような性質に変化した結果、トネリコの木とユニコーンの鬣の組み合わせよりもはるかに強い杖へと変質している。魔法のキレも良く、柔軟に魔法を繰り出せる。また、グレイの『守りたい』という思いに呼応して防御系統の魔法は無類の強さを発揮する。
余談だが、モルガンの杖もトネリコの木が使われていたとされている。

 ライネス・エルメロイ・アーチゾルテ
 木材:黒檀
 芯材:ユニコーンの鬣
 黒檀の杖と最も相性がいいのは、外部からどんな圧力がかかろうとみずからの信念を貫き、たやすく決意をくつがえさない者。弱小派閥と成り果てたエルメロイ派から逃げることなく、どんな佳境に陥ろうとも自らの敵がいるのであれば戦わない理由はないと言ったライネスの信念を認めて杖が選んだ。魔法のキレや細かい調整は得意だが、ライネスが研究用の魔法をメインで学んでいるため威力はまだ弱い。

 フラット・エスカルドス
 木材:シカモア
 芯材:不死鳥の尾羽
 シカモアの木材は好奇心旺盛で冒険好きな人物が最適であるため、色々と緩く『試しにやってみよう』精神を持つフラットと相性が良い。不死鳥の尾羽を芯材とした杖は本来、魔法を使いこなせるようになるまで時間がかかり、稀に自立して動くことがあるが、フラットはそれすらもねじ伏せて杖を使いこなすため、杖の性質が変化している。フラットの杖は他人が使うと魔法が暴発したりそもそも魔法が発動しない癖が強すぎる杖になっており、オリバンダーの顔が宇宙猫みたいになった。

 スヴィン・グラシュエート
 木材:ヨーロッパナラ
 芯材:ユニコーンの鬣
 ヨーロッパナラは強さと勇気と忠誠心を持つ魔法使いを選ぶ。また、この杖の持ち主は直感が鋭く、自然界の魔力と結びつきを持つことも多い。エルメロイII世への強い忠誠心と自らの強さを自負しつつも鍛錬を欠かさないスヴィンとの相性が非常に良い。獣性魔術を使うスヴィンは自然界の魔力との相性がいいが、同時に獣性魔術の魔力にあてられて若干性質が変化しており、変身術系統の魔法と相性が良くなっている。本人の性質的にクマシデの木材を使った杖も相性が良いく、前の杖はクマシデの木だったとか。

 イヴェット・L・レーマン
 木材:マツ
 芯材:ドラゴンの心臓の琴線
 マツの杖は独創的な使いかたを好み、新しい手法や呪文に抵抗なく適応できため、魔眼を付け替えて様々な魔法を扱うイヴェットとの相性が良い。また、魔眼と自身の魔法を合わせて使うスタイルがマツの杖と非常に合っており、威力とキレはかなりいい。

 カウレス・フォルウェッジ
 木材:カラマツ
 芯材:不死鳥の尾羽
 カラマツの杖に選ばれる者は、この杖と組むまではみずからの有り余る能力を十分に発揮できていないことが多い。エルメロイ教室に来るまでは別の杖を使っていたが、姉が出奔したことで命を狙われた際に前の杖を犠牲に生き延びる。エルメロイ教室に入る際に杖を買い替えたが、その時にカラマツの杖に選ばれ、電気系統の魔術の才能を見出されてからは杖の扱いも含めて実力を伸ばしている。
ちなみに、彼の姉は魔術師を辞めただけであり、魔法界からはいなくなっていないため足は不自由なまま。現在は足を治すための手がかりを探して世界各地を巡っている。魔法の腕は一級品。姉の杖はヤナギの木に不死鳥の尾羽を組み合わせたもの。

 ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト
 木材:ニレ
 芯材:ドラゴンの心臓の琴線
 ニレの杖が好む持ち主は、魔術を器用に操る能力を持ち、存在感と生まれつきの品性を備えた者。生まれながらの貴族にして優美なハンターであるルヴィアの品性に惹かれて杖がルヴィアを選んだ。ルヴィア自身が持つ魔術の才能と良く合うだけでなく、ドラゴンの心臓の琴線の芯材によりルヴィア好みの派手な魔法が繰り出せることから、洗練された極めて優美な魔法を操ることができる。現時点では正式な生徒ではないものの、エルメロイII世をチューターとして魔術を学んでいる。

 遠坂凛
 木材:アカシア
 芯材:ユニコーンの鬣
 アカシアの杖は有能な魔法使いでないと、その力を最大限に活かすことができないが、選んだ魔法使いとはとても相性がよく、最大限の力を発揮することが出来る。五大元素の属性を持つ凛を選んだこともあり、凛のポテンシャルを最大限引き出すことができるほど相性が良い。どんな魔法であっても大体すぐに使いこなせるようになるのは、凛の才覚とこの杖のおかげ。なお、現時点では教室の生徒では無い。



ロード・エルメロイII世
基本的に魔法の規模は小さいが、守護霊の呪文だけはやたら上手い。
アンブリッジを追い出すための算段が整いつつあることに内心ほくそ笑んでいたりする。得意な魔法は守護霊と閉心術と解毒。

グレイ
魔法全般上手いが、守護霊の呪文だけは使えなかった。ただ、エルメロイII世のスーパー指導によって使えるようになった。アドラで追加された防衛瞑想の課題をこなしていたおかげで閉心術はそれなりに得意。

ライネス
エルメロイII世のおつかいをしていた。このおつかいが今後重要な役目を果たすことをライネスも把握している。
ホグワーツには通っておらず、魔法に関する知識はほぼ全てエルメロイII世に教わった。守護霊の呪文は使えないが、閉心術は得意。ただそれ以上に開心術が得意だったりする。

ハリー・ポッター
先生役。チョウと交際が始まったし、遠くない未来に別れることになるけど本作では恐らく一切描写されない。

ネビル・ロングボトム
両親は既に廃人なのでパワフル祖母と暮らしている。ダンブルドア軍団に参加してからの伸び幅は恐らく参加者の中で一番。決闘の腕は既にそれなりに高くなっている。


今回が遅くなった八割の理由が杖の設定考えていたからです。
後悔はない。



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