ホグワーツ教師 ロード・エルメロイII世   作:木材

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神秘部でございます。




File.8

 その日全ての授業を終え、生徒達が寮に戻り夜も更けてきた頃。

 ロード・エルメロイII世の目の前にはピンクの服を着たガマガエルのような女性が立っていた。

 

「……何かしらの手段で脱出してくるとは思ったが、思いの外早かったな。アンブリッジ女史」

「あなたとは違い、私は有能なのですよ先生」

 

 女性、アンブリッジはビキビキと青筋を立てながらやややつれた顔を向けた。手には杖。だが、没収した杖ではない。

 

(……ふむ、生徒から奪ったか、ホグワーツの方で保管している予備の杖か何かか?)

 

 アンブリッジを私室に軟禁した時に杖は没収しており、その杖は今もエルメロイII世のデスク引き出しに保管してある。そのためアンブリッジは自分の杖を確保する術を持っていない。

 

(非正規の杖を使うことで、自分の杖ではないからどんな魔法を使ったとしても言い逃れできる、といったところだろう。明日には魔法省が奴を回収しにくる。そして夜中に襲撃することでグレイが私を護衛している状況を避けつつ、目撃者を無くす算段か。こういった小細工には頭が回るというのに、時計塔と魔法省の関係性についてはいまだに頭が回っていない。まったく…権力の亡者だと思ってはいたが、ここまでとはな。大方、自分の選択が最善かつ最高であることに固執しているのだろうな)

 

 アンブリッジは権力に勝るものはないと考えており、その事実が覆されたことと格下だと思っていた相手に積み上げてきた全てを崩されたことでその考えが暴走。既に契約や時計塔と魔法省の関係のことも頭から抜けており、エルメロイII世を貶めることしか考えられていなかった。

 

「魔法でも物理的にも施錠していたが、ここまで早く出てくるとはな」

「私は有能ですのよ先生。あなたのように知識があるだけの無能とは違うの」

「…アーガス・フィルチを使ったか」

 

 エルメロイII世の言葉にアンブリッジは少し驚いたように目を見開く。

 

「他に選択肢がない。現在のホグワーツで貴女に手を貸すような人物は、彼の他にいない。スクイブである彼でも、扉自体を破壊することはできる」

「…へえ。最低限の頭はあるようですね先生」

「この程度、推理ですらない。それで?どういったご用ですかな?もう貴女の相手をするのもうんざりしているのだが」

 

 エルメロイII世は表情を変えずに言っているが、正直本当に心底辟易していた。権力の亡者であるアンブリッジは時計塔の魑魅魍魎と比べれば扱いやすいことこの上ないが、やり取りは面倒かつ聞くに耐えないようなことばかり。時計塔の曲者達を相手にするのとは別の意味で疲れる。また、邪悪な本性を持つこともあり、アンブリッジは決して馬鹿ではない。扱いやすくはあっても侮れる相手ではなかった。だからこそ、エルメロイII世は己が打てる手を打ち、万全を喫してアンブリッジを無力化した。尤も、用意した保険の半分以上が無駄になったのだが。

 

「ここであなたを、服従させます」

「ほう」

「あなたを服従させ、私の失態を全てあなたが行ったことにするのです!そうすれば私は、魔法省での地位を取り戻すことができる!」

「…時計塔との関係悪化。これはもう取り返しがつかない。貴女が引き起こしたことである以上、魔法省としても貴女の扱いには慎重にならざるを得ないかと」

「お黙りなさい!」

「むしろ何故、そこまでして()()()()()()()()()のでしょうか」

 

 エルメロイII世の視点から見て、アンブリッジは権力の亡者そのもの。だが、だからこそ馬鹿ではない。自分よりも権力が下の者を致命的に侮るという大きすぎる欠点はあるものの、最低限の警戒はしなければ足元を掬われる可能性は大いにあるとエルメロイII世は評価していた。しかし、今のアンブリッジには最低限の警戒をするまでもないほど激情に駆られている。エルメロイII世にしてやられたことに対する屈辱で冷静さを失ってしまったとも捉えられるが、どうにもそれだけには思えなかった。

 

「あなたには関係ありません!あなたは私の思う通りになればいいの!」

「不可能です」

「お黙りなさい!まずはその無駄に回る口を閉じなさい!ステューピファイ!」

 

 失神の呪文がエルメロイII世に向けて放たれるが、呪文は()()()()に弾かれて霧散する。

 エルメロイII世の魔法の腕前が大したことないのは確認済み。アンブリッジも優れているほどではないかつ自分の杖ではないため普段の実力は出せないが、腐っても魔法省に入れる程度の腕はある。エルメロイII世程度の腕前の魔法使いが杖なし無言呪文を使えるとは思えず、使えたとしても碌に機能しないことくらい理解できる。だが、エルメロイII世は杖を使うこともなく呪文を唱えることもなくアンブリッジの魔法を防いだ。

 

「ふむ、さすがに悪くない腕前だな」

「わ、私の魔法を…杖なし無言呪文で防いだ…?」

「そんなわけないだろう。杖があってもギリギリだ。答えはコレだ」

 

 そう言ってエルメロイII世はネクタイピンを指差す。

 

「このネクタイピンは、装着者に対して自動的に盾の魔法を発動する優れ物でね。私自身が盾の魔法を使うよりも遥かに強力な盾を展開してくれる。例え闇祓いの攻撃魔法であっても、容易には砕けん。しかも、魔力を充填すればネクタイピン自体が破壊されない限り何度でも使える。全く…あの馬鹿者共め、さすがとしか言えんな」

 

 このネクタイピンは双子のウィーズリーが作製した道具だった。様々なアドバイスをしてくれて、なんだかんだ言いながらも試験対策もやってくれているエルメロイII世への恩返しとして、二人が現時点でできる最高峰の盾の魔法を発動してくれるネクタイピンを贈ったのだ。

 

『このネクタイピンはつけるだけで勝手に盾の魔法を出してくれるぜ。先生、実技苦手なんだろ?』

『今の俺たちにできる最高の道具だ!盾の強度も俺たち二人分の最大防御(プロテゴ・マキシマ)レベルの強度がある。グレイの盾の魔法と比べたら見劣りする強度かもしれねぇけど…それでも、自動で防いでくれるだけで有用性はあるだろ?』

 

 そんなことを言いながらエルメロイII世にネクタイピンを渡してくる双子を思い出しながら、エルメロイII世はほんの僅かに口角を上げる。

 だがアンブリッジにはそんなこと関係ない。

 

「そんな魔法道具は魔法省で認可していません!違法の魔法道具です!」

「これが魔法省の許可なく販売されていたのならともかく、個人で作成してただ贈呈した程度なら違法にはならん。そもそも、効果としても全く違法ではない。私の生徒へ言い掛かりはやめてもらおうか」

「あなた…魔法省との契約がありながら、生徒に肩を持つの⁈」

「魔法省との契約はもうない。貴女が違反し、破棄された。私がホグワーツにいるのは、ホグワーツの講師という立場を請け負ったからだ。始まりは契約だったとしても一度講師としての立場になった以上、この立場の責任を果たすだけだ」

「この…裏切り者!魔法省からの要請を無碍にしたことを後悔させてあげます!」

「前にそれは不可能だと言ったはずだ。時間の無駄なので、さっさと終わらせよう」

 

 エルメロイII世は杖を抜いて立ち上がる。アンブリッジは慌てたように杖を振るが、ネクタイピンの盾の魔法に全て弾かれてしまった。

 

「くっ…ステューピファイ!」

 

 失神の呪文を放つが、再び盾の魔法に防がれて跳ね返った。跳ね返った失神の呪文はアンブリッジに当たり、アンブリッジは力が抜けたように倒れる。完全な失神はしていないのか、呻き声を上げている。

 そんなアンブリッジを見下ろしながらエルメロイII世は杖を向けた。

 

「さて…少し、情報を見せてもらおうか」

「あ…な…」

「レジリメンス」

 

 開心術でアンブリッジの情報を覗き見る。エルメロイII世の開心術程度では本来なら深く探ることはできないが、運良く失神の呪文が当たったことで閉心術がゼロになり、結果としてエルメロイII世でもある程度の情報を抜き出すことができた。アンブリッジの記憶から意識が戻ってくると、エルメロイII世は大きく息を吐く。アンブリッジは開心術をされた衝撃で完全に意識を飛ばしていた。

 

(…魔法省大臣就任5周年パーティー。これがアンブリッジから出てきた情報の中で一番大きい。これは恐らく、このパーティーの中で昇進に関わる何かがあるということ。恐らく…大きな成果を出した者を表彰したりするといったことだろう。アンブリッジはこのパーティーまでにホグワーツでの成果を出したかったのだろうな。いや、あそこまで必死になっていたことを考えると、本来はアンブリッジが表彰されることが決まっていたのやもしれん。だが時計塔との関係悪化を引き起こしてしまったことで取り消しになった、といったところか)

 

 エルメロイII世の推測は当たっていた。この記念パーティーではファッジ自ら今年の功労者を表彰するという式典もセットにしていた。そしてこの式典で表彰される一人にアンブリッジがいるはずだったのだが、先日の時計塔との契約違反によって表彰は取り消しになった。それどころか、異動先は魔法省の中では低い役職の部署であり、プライドの高いアンブリッジはそんな部署に飛ばされる要因となったエルメロイII世が許せなかった。これが脱走とエルメロイII世への報復の原動力となったようだった。

 ちなみにライネスの話によると、アンブリッジのせいで起こってしまった時計塔との関係悪化の危機は、魔法省側が契約以上の賠償を法政科と現代魔術科に支払うことで形式上は元の関係に戻ったらしい。だが契約違反をしてしまった以上、時計塔側からの魔法省への信頼度は大きく落ちている。時計塔から魔法省への協力要請をすることなどほぼないため、魔法省としてはこの関係悪化は非常に不利益なものであることは言うまでもない。

 倒れたアンブリッジを魔法で縛り、杖を没収すると、エルメロイII世は疲れたように葉巻に火をつけて煙を吸い込んだ。そして吐き出した煙を眺めながら思考を巡らせる。

 

(しかし、記念パーティーとは。ヴォルデモートは復活しておらず、そして叛逆を企てていたダンブルドアも失踪。自分の政権がより盤石であると示す意図もあるのだろう。事実を知っている者からすれば道化同然なのだがな。一瞬見えた日程は、OWL試験の最終日。なるほど、そこまでに手柄を取り戻すことを考えれば、時間は無いな)

 

 OWL試験は来週の頭から始まる。そう考えると、アンブリッジが急いで行動に移したのも時間がないから。これに尽きるのだろうと考えられる。

 学期末ということもあり、この時期は試験ばかりだ。NEWT試験を始めとし、OWL試験に通常の期末試験と続いている。そのためこの時期は学校全体で試験対策が行われていた。NEWT試験の対策はエルメロイII世も携わっていた。試験のあらゆる科目を的確かつ最高にわかりやすい形で講義していたため、参加人数は七年生ほぼ全員となってしまっていた。結果、直前は質問箇所の対応に追われて睡眠時間が減っていた。NEWT試験は終わったものの、次はOWL試験がある。NEWT試験が終わるまでは遠慮していた五年生達が連日エルメロイII世へ質問に来ることもあり、睡眠時間は依然として少ない。そんな時にこんなふざけた対応をさせられれば、疲れもする。

 

(…さて、このまま何事もなく試験が終わってくれればいいが…)

 

 なんとなくだが、まだ何かがある気がする。アンブリッジの回収は近日中に魔法省が来るためさすがにこれ以上はないだろうが、任期が終わるまでの間にまだ何かある。そんな気がしてならない。

 

「……とりあえず、移動させるか」

 

 地面に縛られたまま転がるアンブリッジを見て気が重くなるのを感じつつ、エルメロイII世はスネイプ教授に運ぶ手伝いを頼むために守護霊を飛ばすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 OWL試験はつつがなく進行した。校長が不在という環境だが、アンブリッジがいなくなったことが大きいのか、生徒達はストレスが少ない状況で試験対策ができたらしい。OWL試験に魔法理論はないが、様々な科目の質問を受けていたエルメロイII世は通常の試験問題を作ることと並行することに少し苦労していた。やや疲労はあるが、生徒達へ可能な限り対応ができたと言えるだろう。これでダンブルドアからの依頼も果たしたと言って差し支えない。

 大広間で羽ペンを動かす生徒達を見つめながらエルメロイII世は時計を確認する。最後の科目の試験時間が終わろうとしていた。

 

「試験終了10秒前………3、2、1、試験終了だ。ペンを置きたまえ。これ以上の回答は不正行為と見做す」

 

 エルメロイII世の言葉と同時に全員がペンを置く。全員の動きが止まったことを確認すると、エルメロイII世は杖を振って全員の解答用紙を回収した。人数分の解答用紙があることを確認したエルメロイII世は解答用紙を封筒にいれると、生徒達へ視線を向ける。

 

「これにてOWL試験の全日程を終了とする。数日に及ぶ試験、ご苦労だった。悔いが残る者、出し切れた者、どちらもいるだろう。どちらにしても、今回の試験の結果を真摯に受け止めて、今後に活かすように。ひとまずはここまでだ。羽を伸ばすのは結構だが、これから試験がある学年もある。彼らのためにも、あまり羽目を外しすぎないように。以上だ」

 

 エルメロイII世がそう言うと同時に、生徒達が立ち上がる。生徒達は試験が終わった解放感から楽しそうに話す者もいれば、あまり実力が出せずに落ち込む者など様々だった。どう考えても全科目パスしているであろうハーマイオニーが頭を抱え、それを苦笑しながら見ているハリーとロンの姿もある。

 自分もさっさと部屋に戻って通常の期末試験の準備を進めようと、解答用紙の入った封筒を持った瞬間、一人の悲鳴が大広間に響く。振り返ると、先程まで雑談をしていたはずのハリーが真っ青な顔でへたり込んでいた。

 

「おいハリー!どうしたんだ⁈」

「あ、ああ…シ、シリウス…」

「どうしたポッター」

 

 エルメロイII世が駆け寄ると、ハリーは明らかに狼狽えた顔をしながらエルメロイII世に視線を向けた。

 

「せ、先生…」

「………ここでは良くない。ミスター・ウィーズリー、ミス・グレンジャー。すまないが手伝ってくれ」

 

 ハリーはロンに肩を貸されながら立ち上がり、ハーマイオニーはハリーの荷物を持ってエルメロイII世についていく。最初は医務室に連れて行こうとしたが、ハリーは首を振ったため仕方なく大広間から比較的近い校長室へと連れていった。

 

「それで、どうしたのかねポッター」

「…先生、シリウスが……シリウスが、ヴォルデモートに捕まった」

「シリウス?シリウス・ブラックのことか?」

 

 シリウス・ブラックは数年前にアズカバンから脱走が報じられていた。マグルの殺人容疑で捕まっていたが、ダンブルドアから冤罪だったことを聞かされていたためエルメロイII世は動じることはなかった。

 

「シリウスは…不死鳥の騎士団のメンバーで、僕の…家族です。そのシリウスが、ヴォルデモートに捕まったんだ!場所は…魔法省の神秘部だ!先生、魔法省にはどうやって行けばいいですか⁈」

「落ち着け。不死鳥の騎士団は、ダンブルドア教授が設立した反ヴォルデモートの私設兵団だな?そのメンバーであるブラックが、例のあの人に捕まった?」

「僕は、あいつの心が見えることがあるんです!それで見たんだ!シリウスが、あいつに拷問されていたんだ!早く、早く行かないとシリウスが殺されちゃう!」

 

 どう考えても気が動転しているハリーを前に、エルメロイII世はハーマイオニーに目を向ける。ハーマイオニーの話によると、ハリーは時折ヴォルデモートに関する夢を見ていたらしい。前はロンの父親であるアーサー・ウィーズリーが魔法省でヴォルデモートの蛇であるナギニに襲われた夢を見た。結果としてその夢のおかげでアーサーは一命を取り留めたが、ハリーはそれから時折ヴォルデモートのことを夢に見るようになったとのことだった。

 

「先生!僕、魔法省に行かないと!」

「…ポッター、君がヴォルデモートの夢を見る時はいつも眠っている時だったか?」

「何の関係があるんですか⁈そんなことはどうでもいい!早く魔法省に…」

「いいから答えたまえ」

 

 不機嫌な表情の鋭い視線がさらに鋭くなり、あまりの眼光にハリーは目を見開いて頷く。それを見たエルメロイII世は顎に手を当てて口を開いた。

 

「…ふむ、なるほど。今までと今回ではどうやら()()()()()()()()

「…どういうこと、ですか?」

「今までは眠っている時に見えていたが、今回は違う。意識がある時に見えた。これが大きなポイントだ」

「そんなことどうでもいいんです!僕は早く魔法省に行かないといけないんだ!どうすれば…」

 

 明らかに気が動転していてエルメロイII世の言葉も聞こうとしないハリーを見かねたロンとハーマイオニーがハリーに声をかける。

 

「ハリー、ちょっと落ち着けよ」

「これが落ち着いていられる⁈シリウスは僕にとってたった一人の家族なんだ!」

「でもハリー!今回はあまりにもありえないわ!どうして騎士団本部にいるシリウスがヴォルデモートに捕まるの?それにどうしてわざわざ魔法省なの?」

「捕まった理由なんて僕にはわからない!今重要なのは、僕らがどうやって魔法省に行くかだ!理由なんて今はいい!ロンのパパのことはどうなんだ⁈」

「……そうだな。僕のパパは、ハリーのおかげで助かった」

「でも…先生、どうすれば…」

 

 ハーマイオニー視点でも前例があるとはいえ、今回の事はあまりにも違和感が大きいらしい。ただ前例がある故に否定しきれないこともあり、ハーマイオニーはエルメロイII世に視線を向けた。エルメロイII世は毅然とした態度でハリーに目を向ける。

 

「ポッター、ブラックと連絡を取る手段はないのか」

「フクロウ便しか…即座に連絡を取る手段はないんです!だからすぐに行かないと!」

「なら罠の可能性が高い以上、行くべきではない」

「そんなこと言ってる場合じゃないです!重要なのはシリウスが捕まったから僕らがどうやってそこに行くかです!」

「駄目だ。教師としてそれは許可できない」

「っ…じゃあいいです!」

「待てポッター!行ってはならん!……ああ、もう…やはりこうなるか」

 

 ハリーはそう言って校長室を飛び出してしまう。その背中に声を上げるが、ハリーは気にすることなく校長室を出ていってしまった。止めるために杖を抜こうと思ったが、あれだけの剣幕をしているハリーを無理に止められるとはとても思えなかった。

 行ってしまったハリーにため息を吐きながら椅子に腰掛けたエルメロイII世は、重々しく視線を上げる。

 

「ミスター・ウィーズリー、ミス・グレンジャー。すまないがポッターを一人にしないようにしてくれ。あの様子だと、一人で魔法省に殴り込みに行きかねない。君らでも止められない可能性はあるが…彼が一人で魔法省に行ってしまうよりもマシだ」

「はい、先生」

「でも先生、いいのか?ハリー、このままだと行っちまうよ。僕たちだってハリーを止められるかわからないよ?」

「今の彼を止める術が私には無い。猪突猛進なところは、まさにグリフィンドール生といったところだな。君らが止められないのなら、誰も止められん」

 

 あの様子のハリーはどうやっても止まらない。魔法の腕は低いエルメロイII世では力づくで止めることができない以上、彼を説得するしかないが、説得できるほどの材料は持ち得ない。ロンとハーマイオニーならばまだ聞く耳を持つかもしれないが、あの様子ではロン達の言葉ですら届かず魔法省に行きかねない。彼らで止められないなら、教師陣でも止められないだろう。

 

「彼を一人にしないこと。まずはこれを第一にすることだ」

「…わかりました。じゃあハーマイオニー、行こうぜ」

「ああウィーズリー、待ってくれ。頼みがある。ミス・グレンジャー、すまないが先にポッターを追ってくれないか?」

「それはいいですけど…どうして僕?」

「ウィーズリー、君の父も不死鳥の騎士団だったな」

 

 エルメロイII世の問いかけの意味がよくわからず、ロンは曖昧に頷く。頷いたのを確認したエルメロイII世は、地図を取り出すと杖を抜いた。

 

「君の父親がいる住所を教えてくれないか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…それで、ハリーさん達は行ってしまったんですか?」

 

 それから少しして、グレイが魔法理論教室を訪ねてきた。

 グレイは図書室で一人で試験勉強をしていた。ルーナと勉強をする予定だったのだが、珍しくなかなか来なかったルーナを探しに行こうと思い席を立った。そこでエルメロイII世に呼び出され、そしてここまでの話を聞かされ、ハリー達は箒やセストラルに乗って魔法省まで行ってしまったと知った。

 

「……ああ」

「そんな危険な場所に…大丈夫なんですか?」

「大丈夫ではないだろう。ヴォルデモートが誘ってきている場所にわざわざ行かせるようなことは危険極まりない。ポッターはともかく、彼の友人達は無事では済まない可能性がある」

 

 魔法省にはおそらく、ヴォルデモートの配下が待ち構えている。いくら訓練したとはいえ、明らかに経験不足であるダンブルドア軍団では彼らには勝てない。ハリーだけならともかく、他の生徒達はかなり厳しい戦いを強いられるだろう。

 

「止める術が私にはなかった。力づくで止めることは私にはできん。他の教師を呼ぶにしても時間が足りない。幸いなことは、友人が共に行ったことだろう」

「で、でも…そんな危険な人達がいる場所に…」

「ああ。だから保険はかけた」

「保険?」

「不死鳥の騎士団員である、ウィーズリーの父親に彼らが魔法省へ向かったことを伝えた。本来ならマクゴナガル教授に伝えるのが早いのだが、教授は今ダンブルドア教授の代わりに校長としての業務と期末試験関連業務に追われている。そもそも今日は午後から別件でホグワーツを離れている。対応できるとは思えん。あの場で取れる選択肢はロン・ウィーズリーの父親しかなかった。ロン・ウィーズリーの声で事情を説明したから恐らく信用はされる。とはいえ…辿り着くまで少し時間がかかるだろう」

 

 不死鳥の騎士団員には闇祓いも含まれ、基本的に一塊にはなっていない。仮にアーサー・ウィーズリーに伝わったとしても、そこから他の団員に伝わるまで時間が必要となる。最速で伝わっていったとしても、その頃にはハリー達は魔法省に辿り着いているだろう。

 

「魔法省付近までは姿くらましで行けるだろうし、何人かはロンドン付近にいるだろう。()()()も調査を終えて戻ってきている。この半年、訓練してきた彼らなら完全に一方的にやられることはあるまい。それに、ヴォルデモートの目的を考えれば簡単にポッター達を殺すことなどしない」

「目的、ですか?」

「ああ。もしポッターを殺すことだけが目的なら、わざわざ魔法省にする必要はない。もっとわかりやすく、誘き出しやすい場所を選ぶ。例えばホグズミード郊外や禁じられた森でも良い。ヴォルデモートは非常に卓越した魔法使いだが、わざわざ敵である闇祓い局のある魔法省に足を運ぶ理由はない。だというのに、魔法省の神秘部を選んだ。つまり何かしら、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()とみていいだろう」

 

 ヴォルデモートの強さは闇祓いを大きく凌駕する。仮に闇祓いが束になったとしても、ヴォルデモートは大した苦もなく一蹴できるだろう。だが闇祓いも戦闘能力でいえば一般魔法界では上位。全く意に介さないということは不可能であり、犠牲覚悟の特攻があればヴォルデモートといえど不覚を取りかねない。そんな敵がいるような場所を指定してきたのは、何かしらヴォルデモートにとっての目的が魔法省の神秘部にあるからだとエルメロイII世は見ていた。

 

「あの、師匠。神秘部って…?」

「時計塔の魔術師は根源へ至る道を探すのに対して、神秘部は魔法を通して()()()()を解き明かそうとしている、と言われている場所だ。だが、これもあくまで言われているだけだ。時計塔はもちろん、魔法省にいる人間ですら神秘部が何をしているのかほとんど知られていない」

「魔法省って政府で、神秘部は魔法省管轄の部署…なんですよね?」

「ああ。神秘部は魔法省そのものよりも昔からある。一応魔法省の部署だが…正直、魔法省にあるだけという表現をする方がいい気もするな」

 

 神秘部が何をしているのか。それを正しく説明できる者はいないだろう。時計塔の一部ロードは神秘部の無言者とやり取りをすることもあると聞いたが、そのロードでも神秘部のことを正しく説明できない。世界の理を解き明かすことを目的としている、とのことだが、曖昧すぎてよくわからない。

 

「過去、未来、人体、星、死、愛…これらから世界の理を解き明かすとのことだが…うぅむ、私も神秘部についてはこの程度しか知らない」

「で、でも…どうしてそんなところにハリーさんを?」

「さてな。私にもわからない。だが、放置するわけにもいかない」

 

 そう言ってエルメロイII世は立ち上がる。

 

「グレイ、これから私と共に魔法省へと行ってくれないか?」

「えっ」

「立場的に私が止めなければならなかったが、その術を持たなかったが故にこのような事態を招いてしまった。本来なら自分の失態は自分で取り戻すものだが、私では力不足。レディ、すまないが私に力を貸してはくれないだろうか。前途ある有望な若者を守るために。君がいないと死ぬ」

 

 グレイの返事は決まっていた。

 

「もちろんです師匠。拙が師匠を、みなさんを守ります」

「ありがとう。では、早速向かうとしよう」

「でも、どうやって?」

 

 今からホグワーツ特急でロンドンに戻るのは時間がかかりすぎるかつ、そもそも汽車がいない。箒やセストラルという手もあるが、ハリー達がセストラルを連れて行ってしまったためいない。箒はエルメロイII世の飛行の腕が低すぎて時間がかかりすぎる。グレイに乗せてもらうという手もあるが、グレイは自分の箒を持っていない。ホグワーツで保有している箒でもいいだろうが、ホグワーツ保有の箒はあまり性能が良く無い。二人乗せたらあまり速度が出ないだろう。

 

「煙突飛行ネットワークだ」

「えっ…でも、ネットワークは…」

 

 煙突飛行ネットワークはアンブリッジが赴任してきた際に全て魔法省の監視下に置かれ、アンブリッジの許可なく使用することができなくなっていた。

 

「アンブリッジの許可なく使用ができない、だろう?奴が解任された時にこのあたりの仕様も変化した。教師の許可があれば使えるという仕様に変えた。尤も、教師である私は無制限で使えるがな」

 

 アンブリッジは既に魔法省からの監視という立場を解任されている。そのため、残されたアンブリッジ管轄のものはエルメロイII世管轄に移管された。

 

「向かうだけならすぐに行ける。とはいえ、準備は必要だろう。準備ができたら、すぐに向かうとしよう」

「はい!」

 

 そうしてエルメロイII世とグレイは教室を出ていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 緑色の炎からエルメロイII世とグレイが現れる。

 二人が出てきたのは緑色の石畳が敷き詰められた魔法省のエントランス。本来ならば多くの人が往来している場所だが、今は一人もいない。

 

「…誰もいませんね」

「魔法省は政府だ。どんなに遅い時間であったとしても、人がいないということはあるまい。今日は魔法省大臣就任5周年記念パーティーがあるため人がほとんどいないのはわかるが、守衛くらいは残るはずだ。やはり、ヴォルデモートの手が及んでいるのは間違いないだろう」

「えっ」

「パーティーによる大半の人払い。そして残された守衛は…恐らく服従の呪文か始末されたかの二択だろう」

 

 人払いはパーティーによってできるが残された守衛はどうすることもできない。そこは恐らく死喰い人による服従の呪文で無力化したか、始末されたかだろうと考えた。

 

「煙突飛行ネットワークが魔法省側から停止されていなかったのは、アンブリッジ失脚によってネットワークを使ってくる可能性を考慮したからだろう。ポッター達がどうやって来るのかがわからなかった故、といったところだな」

「どうしてそんな…」

「理由は、結局ポッターをここに誘き出すことに起因している。人がここにいたらポッター達が神秘部(目的の場所)にいくことができないからな。そしてこれを企てたのは、魔法省に対して大きな繋がりがあり、多大な財力を持つ者になるだろう。さて、そろそろ向かおう。神秘部は神秘部で、それなりに広い。見つけるまでに時間がかかる可能性が高い」

 

 エルメロイII世の言葉に頷いたグレイはエルメロイII世と共にエレベーターへ乗り込み、神秘部へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『神秘部でございます』

 

 電子音声と共にエレベーターが開く。

 薄暗い廊下の先には扉がある。静かで薄暗く、そしてどこか重苦しい空気だった。

 

「…ここが、神秘部」

「ほう、初めて来たが…これは随分と濃密な神秘の気配。神秘部とは名前の通りだな。グレイ、杖を抜け。灯りを」

「はい、師匠。ルーモス」

 

 エレベーターから降りて二人は杖を抜き、灯りを灯した。光を灯してもなお薄暗いことに変わりはないが、ある程度視界は晴れた。扉には取手がないただの板のように見える。

 扉を開けて進むと、その先は円形の部屋だった。複数の扉が円形に並んでいる。そしてそのうちの一つの扉には印が付けられているように見えた。

 

「…ふむ、痕跡を見る限りポッター達は既に神秘部に入ったようだ。この印からはミス・グレンジャーの魔力を感じる。どこから入ったかわかるようにしたといったところか?」

「なら、この印の扉の先にみなさんが?」

「……いや、そうとも限らないようだ」

 

 エルメロイII世はを見渡す。扉につけられた印は一つではない。いくつかの扉にハーマイオニーがつけた印がある。複数の扉につけられている以上、その扉に入ったという確証にはならない。

 

「…どこにいるかはわからん。仕方ない、印がある部屋に入ってみよう」

「はい、師匠」

 

 エルメロイII世の言葉に頷いたグレイは印のある扉を開いてエルメロイII世と共に入る。薄暗い部屋をグレイが照らすと、そこは脳みそが入った水槽が立ち並ぶ不気味な部屋だった。

 

「な…んですか、ここ」

「脳髄が入った水槽か。ふむ、ここは恐らく『人体』を通して真理を解き明かすための部屋だな。脳とは人体における最重要器官だ。脳の何かを通して世界の理に干渉しようということだろう」

「…………」

 

 グレイは訳がわからないというように顔を顰める。

 

「どういった手段で真理を解き明かそうとしているのかはわからんが、似たような手法で根源へと至ろうとした者がいると記録を見たな。確かその者は、死した者の脳髄を保存してその者と全く同じ人形を作り出した。そしてその人形達に人形の元となった人物と()()()()()()()()()()()()()()()()()()らしい」

「同じ死に方を再現?どうしてそんな…」

「この人物は人の死は64通りあると定義した。そして人形達一人一人はその死の種類を背負った者であり、世界の縮図だとしたらしい。彼らの死を蒐集することで、術者は被験者の苦しみを体験し、苦しみを内包。そうすることで『死』という『終わり』の全てを自らの内側に取り込み、64通りの終わりの形を八卦へと分類、さらに四象へと単純化させ、最終的に両儀という螺旋へと至ることを目的としていたようだ」

「???」

「これについては、後で講義するとしよう。ここに彼らの気配はない」

 

 そう言ってエルメロイII世とグレイは『脳の間』から出て、円形の部屋に戻る。次の部屋の扉に手をかけた。

 

「……ここは?」

 

 グレイが開いた部屋は、大きな天体模型のようなものが浮いている部屋だった。まるで宇宙そのものかのような神秘的な部屋であり、グレイは思わず目を奪われて足を踏み入れた。その瞬間、グレイの体が浮かび上がる。

 

「わっ、し、師匠!」

「落ち着きたまえレディ。この部屋は、どうやら宇宙のように重力が働かないようになっているらしい。アクシオ」

 

 エルメロイII世がグレイのローブに呼び寄せの呪文を唱えると、ローブに引っ張られるようにゆっくりとエルメロイII世の方に引き寄せられる。グレイの手を取ると抱き寄せ、エルメロイII世は扉を閉じた。

 

「先程の部屋は…」

「ふむ、星の間…とでも言うべき部屋だろう。なるほど、天体科(アニムスフィア)と近しい手法で理を解き明かそうというのかもしれん。だがあの部屋にポッター達はいないようだし、長居は不要だ。次の部屋へ行こう」

 

 グレイを放したエルメロイII世は次の扉に手をかけるが、扉は開かない。

 

「む…」

「鍵がかかっているんですか?」

「そのようだ。グレイ、頼めるか」

「はい。アロホモラ」

 

 グレイが鍵開けの魔法を扉に使うが、扉は一切反応しない。グレイの魔法でも開かないとなると、開くことはできない。

 

「…開きませんね」

「相当強固な魔法がかけられているようだ。興味深くはあるが、今はこの部屋に構っている余裕はない。次に行こう」

 

 グレイは頷くと、次の扉を開く。扉の先は見るも無惨な姿になっており、倒れたであろう棚とガラス製の何かが散らばっていた。どうやらこの部屋には無数のガラス玉が保管されていたらしく、砕けていない一つのガラス玉をエルメロイII世は手に取った。

 

「それは?」

「…さてな。これが何かはわからんが、ポッター達はここにいたのだろう。争った形跡がある。どうやらポッター達は既に死喰い人と衝突したらしい」

「!」

「恐らくまだ誰も殺されていないが、あまり時間はない。急ぐぞグレイ」

「はい!」

 

 二人は荒れ果てた予言の間に足を踏み入れていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここまで…お前達が愚かだとは思わなかった」

 

 アーチが鎮座している部屋の中央で声が響く。

 ルシウス・マルフォイの言葉に歯噛みしながらハリーは手に収まるガラス玉…予言を見つめる。ハリーが手に入れたこの予言をヴォルデモートが欲しがっていた。ただ予言は予言に関係する人物しか取り出すことはできないという性質がある。故に、ヴォルデモートはシリウスの幻覚をハリーに見せることでここにおびき寄せたのだと、ルシウスに種明かしをされてハリーはまんまとヴォルデモートの策に嵌ったことを自覚した。

 

「まさか、子供だけで我々に勝てるとでも?」

「………」

 

 ハリーは周辺に視線を巡らせる。共に来た友人達は全員死喰い人に囚われており、杖を突きつけられた状態で拘束されていた。

 

「もうお前に選択肢はないぞポッター。今すぐ、予言を渡せ。それとも…友達が死ぬところを見たいか?安心しろ、予言を渡せば高貴なる魔法族は無傷で返してやる」

「…………」

 

 ルシウスの言葉にハリーは躊躇う。今ハリーの取れる選択肢は、予言を渡す以外ない。予言を渡せば無傷で返すというのも嘘ではないだろう。だが、それはあくまで『魔法族のみ』。マグル生まれであるハーマイオニーは恐らく死喰い人の言う言葉に含まれていない。渡せば即座にハーマイオニーは殺されてしまうだろう。仮にそうでなかったとしても、ルシウスではなくベラトリックスが彼らを殺すことになる。

 だが渡さなければハリー以外全員死ぬ。どうすれば全員を助けられるか全力で頭を回すが、答えはない。自分の浅はかな行動が友達全員を危険に晒したことを悔いながらハリーは予言を持つ手をゆっくり持ち上げていく。

 

「………」

「ポッター」

「渡しちゃだめだ!」

「お黙り!」

 

 ネビルが拘束されながらも叫ぶが、首に杖を突きつけられて咳き込む。

 それを見てハリーは意を決したように視線をルシウスに向けると、手に持ったガラス玉を差し出した。

 

「賢明な判断だ」

 

 ルシウスはハリーが差し出してきたガラス玉に手を伸ばす。

 その瞬間、破裂音が響いた。何事かと全員が視線を音の方に向けると、同時に刺激臭と煙が立ちこめる。死喰い人が周囲の煙を吹き飛ばそうとした瞬間、ルシウスとベラトリックス以外の死喰い人の杖が弾き飛ばされた。

 

「エクスペリアームス!」

「アクシオ!」

「何っ⁈」

 

 驚愕したルシウスを他所に、ハリーの手にあった予言が一つの扉に向けて吸い込まれていき、長髪の男性の手に収まった。男性の前にはフードを被った少女の姿もある。

 

「貴様は…」

「先生!」

「全く…その正義感は買うが、君はもう少しその無軌道さを減らせないのかポッター。グリフィンドール、3点減点だ」

 

 エルメロイII世は顔を顰めながら言う。その言葉にルシウスとベラトリックスは杖を握り直し、エルメロイII世に杖を向けた。

 

「…何者だ」

「私はホグワーツにて魔法理論を教える講師だ」

「…そうか、お前が時計塔から来たロード・エルメロイか」

「できればII世をつけていただけますかなルシウス・マルフォイ。私がそのまま背負うには、重すぎる名だ」

「どうでも良いことだ!その予言を渡せ!さもなければ生徒達の命がないぞ!」

 

 そう叫ぶベラトリックスにエルメロイII世は鋭い視線を向けた。

 

「まずは、己の身を案じることだ」

「何…っ!」

 

 突如、この部屋に続く扉の一つが開いて閃光が放たれる。放たれた閃光は杖を弾き飛ばされた死喰い人達の何人かを貫いた。

 

「ロン、ハリー、ハーマイオニー!無事か⁈」

 

 扉から現れたのは、アーサー・ウィーズリーとシリウス・ブラックを含めた不死鳥の騎士団の面々だった。騎士団員達は周囲にいる死喰い人達に杖を向け、次々に魔法を放つ。最初の奇襲で杖を弾かれていた死喰い人達は拘束していた生徒を解放し杖を拾って抗戦を始めるが、初動を取られたことで死喰い人達の形勢は悪い。徐々に押されていく者が大半だったが、ルシウスとベラトリックスはやはり死喰い人の中でも腕効きということもあり、シリウスとアーサーの二人でも押されていた。

 

「ブラック!邪魔をするな!インカーセラス!」

「インセンディオ!それは無理な相談だなマルフォイ!私の息子に手を出そうとした報いを受けろ!」

「ブラック家の恥晒しが!フリペンド!」

「むっ!」

 

 ベラトリックスの魔法がシリウスを穿つと見せかけてアーサーを穿つ。押し飛ばされたアーサーはすぐに立ち上がるが、別の死喰い人がアーサーに攻撃を仕掛けそちらと抗戦を始めた。

 事実上二対一になったことでシリウスの戦況が悪くなる。ハリーを守りながら戦うのは厳しいと考えたシリウスはハリーに声をかけた。

 

「ハリー、皆を連れてここから逃げなさい」

「え…嫌だ!一緒にいる!」

「君は十分よくやった。あとは私たちに任せろ」

「余所見とは余裕だねシリウス!クルーシオ!」

「させない!エクスペリアームス!」

 

 ハリーとベラトリックスの魔法がぶつかり合い、弾け飛ぶ。

 アーチがある部屋の中で魔法が飛び交い戦闘が行われる中、エルメロイII世とグレイは解放された生徒達を部屋の隅に集めて身を守っていた。

 

「いいか、皆はここを動くな。彼らの戦いに首を突っ込めば、足手纏いになりかねん」

「……でもよ先生、俺たちは…」

「駄目だ。いくら訓練をしたとはいえ、お前達では足を引っ張ることになるのは理解しているだろう」

 

 エルメロイII世の言葉にフレッドは押し黙る。訓練を積んだからこそわかる、騎士団や死喰い人との差。故にエルメロイII世の言葉通りにするしかなかった。

 しかし、一ヶ所に集まったとしても生徒達は戦闘において庇護対象。敵からすれば、狙わないわけにはいかない。

 

「インセンディオ!」

「プロテゴ」

 

 死喰い人の一人、ゴイルが生徒に向けて魔法を放つが、グレイが魔法を防ぐ。

 

「邪魔立てするか、時計塔の魔術師風情が!」

「…グレイ、頼めるか」

「はい、師匠。拙が皆さんを守ります」

 

 そう言ってグレイは杖をゴイルに向ける。張り詰めた空気が二人の間を漂い、その空気の重厚さにゴイルは思わず冷や汗をかいた。まさか自身の倅と同年代であろう少女がここまで強者としての空気を持つとは思わなかったからだ。

 睨み合っていたのはほんの一瞬。しかしこの空気に耐えられなくなったゴイルは、グレイに向けて魔法を放った。

 

「エクソパルソ!」

「プロテゴ」

「レダクト!フリペンド!グレイシアス!」

 

 連続してゴイルは魔法を放つが、グレイは盾の魔法をしたまま動かない。ゴイルがどれだけ強い魔法を放とうとも、グレイの盾は砕ける様子もなく全てを弾いていた。

 

「あなたには、投降をお勧めします。あなたでは拙には勝てません」

「小娘が!アバダ・ケダ…」

「ルーモス」

 

 突如、エルメロイII世の杖が光る。眩いほどの光ではないものの、この光がゴイルの視線を奪い、集中力を削いだことで『死の呪い』は不発に終わる。

 この隙をグレイは見逃さない。

 

「エクスペリアームス!」

 

 グレイの魔法がゴイルの杖を弾き飛ばす。そして間髪いれずにグレイは失神の呪文を放ち、ゴイルを完全に失神させた。失神したゴイルを縄の魔法で縛ると、グレイはエルメロイII世のもとに駆け寄ってくる。

 

「師匠、皆さん。ご無事ですか?」

「見事だ、グレイ」

「グレイ…すごい」

 

 ルーナの言葉に少しだけ照れくさそうに頷いたグレイは、エルメロイII世に視線を向けた。

 

「師匠。助力、ありがとうございます」

「君には不要だっただろうが、念のためな」

「いえ、そんなことありません。助かりました」

 

 微笑むグレイに頷きながらエルメロイII世は生徒たちに向き直る。

 

「騎士団が優勢とはいえ、こうして狙われることもある。せめて背後から不意打ちをされないように、諸君はここから動かない方がいい。怪我をしている者もいる以上、戦うのではなく身を守ることに重点を置くのだ」

 

 エルメロイII世は杖を取り出し、集めた生徒達全員に杖を振った。

 

「簡易的だが、気配を薄くする結界を貼る。戦いが終わるまでここから動かないことだ」

 

 エルメロイII世が杖を振って結界を張っている中、グレイは戦いに巻き込まれないように周囲に視線を向ける。現場にいた死喰い人の半数は倒れており、騎士団員は死喰い人を拘束していた。しかし騎士団員も無傷ではなく、怪我をしている者もいる。

 戦いはまだ終わっていない。今もなお激しく戦闘を続けているのは、ハリーとシリウスが相対するルシウスとベラトリックスだった。

 

「コンフリンゴ!」

「プロテゴ!」

「やるなハリー!ステューピファイ!」

「ちぃ!鬱陶しい!血を裏切る愚か者めが!クルー…」

「させるか!エクスペリアームス!」

 

 ハリーの放った武装解除がベラトリックスの杖を弾き飛ばす。

 

「いいぞジェームズ!」

「ぐっ…レダクト!」

「甘い!エクスペリアームス!」

 

 ルシウスの魔法を回避したシリウスがカウンターで武装解除の魔法を放ち、ルシウスの杖を弾き飛ばす。二人が丸腰になったことでシリウスは勝ちを確信した。

 その一瞬の気の緩みが、シリウスの次の行動を遅らせた。ベラトリックスはルシウスから弾き飛ばされた杖を杖なし魔法で呼び寄せ、自らの手に収めた。

 

「アバダ・ケダブラ!」

 

 突如、全てがスローモーションに見える。

 ベラトリックスの杖から緑色の閃光が放たれ、シリウスに向かって真っ直ぐ飛んでいく。事態を把握しきれていないハリーはそのシーンをまるで他人事のように見ていた。

 

「ステューピファイ!」

 

 グレイが咄嗟に杖を振る。高速で放たれた魔法は、ベラトリックスの呪詛とぶつかり合い弾け飛んだ。弾けた衝撃でシリウスは弾き飛ばされ、ハリーを巻き込みながら倒れた。

 

「殺す!血を裏切る愚か者が!小僧諸共死ね!エクソパルソ!」

「ハリー!」

「エクスペリアームス!」

 

 爆破の呪詛からハリーを庇うためにシリウスはハリーを突き飛ばし、その身に呪詛を浴びてしまう。グレイが再び魔法を放つが、今度は間に合わない。ベラトリックスの杖は弾き飛ばされるが、呪詛を防ぐことはできなかった。

 呪詛を浴びたシリウスは床に倒れ伏す。ハリーを庇った影響で右腕が吹き飛ばされており、大量の血が流れていた。意識はなく完全に気を失っており、生死の判断すらわからないほど傷ついていた。

 

「シリウス!シリウス!」

「くくく…はっはっは!死ーんだ死んだ!シリウス・ブラックが死んだ!あはははは!」

 

 ハリーが必死にシリウスを呼びかけている声を遮るように、邪悪な笑い声が響き渡る。そして一頻り笑うと飛ばされていた自分の杖を呼び寄せ、エルメロイII世にぎょろりと視線を向けた。

 

「さて、そこの長髪。予言を渡しな。今渡せば…苦しまず殺してやるよ」

「…断る」

「では死ね!」

「師匠!」

 

 グレイが咄嗟にエルメロイII世を庇うように盾の魔法を展開し、ベラトリックスの呪詛を弾く。

 エルメロイII世はちらりと背後の生徒達に目を向ける。グレイならばベラトリックスにも負けることはないだろうが、このまま戦うことで生徒達が巻き込まれることを危惧した。また、致命傷を負っているシリウスとシリウスに寄り添うハリーもいる。場所が悪いと判断したエルメロイII世は、懐に入っていた小石のようなものを取り出した。

 

「グレイ!」

「!」

 

 グレイが即座にエルメロイII世の意図を理解すると、グレイはエルメロイII世の体に腕を回す。その瞬間、エルメロイII世は小石を地面に叩きつけた。叩きつけられた小石は藍色の煙を部屋中に展開し、視界を塞ぐ。

 

「なんだこれは⁈」

 

 驚愕するベラトリックスを前に、エルメロイII世は小さくグレイに耳打ちする。その内容を理解したグレイはエルメロイII世の体を抱えて、アーチのある部屋の出口である扉に飛んだ。そして扉に手をかけると同時にベラトリックスに向けて魔法を放つ。

 

「ステューピファイ!」

 

 魔法に気づいたベラトリックスはギリギリでグレイの魔法を防ぐと、エルメロイII世とグレイを鋭い視線で睨みつける。そんなベラトリックスに冷ややかな視線を向けながら、エルメロイII世は煽るように口角を上げた。

 

「…この程度の煙幕で我々を見失うとは。例のあの人の部下というのも、案外大したことないな」

「貴様ぁ!」

 

 怒り狂ってベラトリックスが煙をかき分けながら迫ってくるのを確認した二人は扉を開いて走り出す。背後からベラトリックスが罵詈雑言を言いながら魔法を放ち二人を攻撃してくるが、グレイの盾の魔法とエルメロイII世がつけているネクタイピンの効果で全ての魔法が防がれてしまう。痺れを切らしたベラトリックスが死の呪いを放ってきても、グレイが武装解除の魔法で相殺した。

 そうしてしばらく逃げ続けると、魔法省エントランスまで辿り着いた。魔法を使いながら逃げていたがまだ余裕のありそうなグレイと、ひたすら逃げ続けていたのに息絶え絶えで今にも座り込みそうなエルメロイII世という実に対照的な二人ではあるが、エントランスで足を止めてベラトリックスを迎え撃つように向き合った。

 

「とうとう観念したのかい?魔術師などという無価値なことばかり続ける愚者が!さっさと予言を渡しな!でなければ…まずはそのお嬢ちゃんから殺す!」

「…はぁ……予言とは、これのことかな」

 

 エルメロイII世は懐からガラス玉を取り出す。見た目は何の変哲もないガラス玉だが、このガラス玉には関わる者にしか聞けない予言が込められている。ハリーが取り出したということは、ヴォルデモートもその予言に関係している可能性が高い。だからこそヴォルデモートが欲しがったのだろうとエルメロイII世は考えた。

 

「そうそれだ。苦しんで死にたくはないだろう。今なら、あのお方を侮辱した罪を負いながらも苦しまずに死ぬ権利を得られる最高の栄誉を得られるぞ」

「ふむ、それはいい。だが、私はまだ死ぬわけにはいかない。加えて、私にとってこれは全く価値のないものだ。故に、こうしよう」

 

 エルメロイII世は手に持っていたガラス玉を地面に叩きつけ、粉々に砕いた。それを見てベラトリックスは目を見開いて絶叫した。

 

「なぁ!な、なに、なにを!貴様!何をしている!」

「見てわからんか。予言を砕いた。以上」

「お前は!お前は何をしたかわかっているのか!」

「む…何をしたも何も、予言を砕いた以外に表現の仕様がないと思うのだが。それとも他に何か形容できることがあるのかね」

「お、お前はぁ!あのお方が求めるものを台無しにしたのだぞ!万死に値する!」

 

 怒り狂うベラトリックスに何を言っているのかまるで理解できないとでもいうような態度のエルメロイII世。対極的すぎる二人を前に、さすがのグレイも小さく頭を抱えた。

 

「クルーシオ!」

「ステューピファイ」

 

 ベラトリックスが磔の呪いを放ってくるが、騎士団の戦闘に加えて死の呪いで大量の魔力を消費したベラトリックスの呪いに勢いはない。グレイは簡単に呪いを消し去ると、ベラトリックスも旗色が悪いことを察知して憎らしげに歯噛みしている。

 そんな時、突如声が響いた。

 

「ベラトリックスー!」

 

 憎しみのこもった声。普段とは違いすぎて一瞬誰の声かわからなかったが、グレイはこの声がハリーのものだと察するが、グレイの顔のすぐ横を赤い閃光が通り過ぎた。

 

「クルーシオ!」

 

 呪いがベラトリックスの胸に直撃し、ベラトリックスは弾かれて倒れる。そのままグレイの隣を走り抜け、倒れているベラトリックスに杖を向けた。明らかに冷静さを失っており、今にも次の呪いを放ちそうになっていた。

 

「ハリーさん、今のは…」

「磔の呪い…許されざる呪文だ」

「ハリーさん!」

 

 グレイが呼びかけるも、ハリーは変わらず憎しみのこもった瞳でベラトリックスに杖を向けている。このままでは死の呪いまで使いかねないほどの剣幕だったが、力強く杖を握り締めたまま杖を動かそうとしない。まだ理性が残っており、理性が最後の一線を越えることを拒んでいるようだった。

 

『本気でやらねば効かぬぞハリー』

 

 突如、声が響く。この場にいる誰のものでもなく、邪悪さを孕んだ声色にグレイは思わず身震いした。

 

『やるがいい。シリウスを殺した女だ』

「師匠、この声は…」

「……ああ、おそらくその通りだ」

 

 ハリーは額の傷を抑えながら呻く。焼けるような痛みを感じながらも、ベラトリックスから杖を下そうとしない。

 

『呪文は知っているだろう』

 

 その言葉と同時に、黒緑色のローブを羽織った男が煙が形になるように少しずつ姿を現す。

 男は蛇のような瞳孔と鼻、そして病的に白い肌という人間離れした風貌をしていた。この男が姿を見せるのと同時に、ベラトリックスが勝ちを確信したかのように薄ら笑いし始める。

 

「元凶のお出ましのようだ」

「招かれざる客がいたようだなベラ」

 

 男の言葉にベラトリックスは薄ら笑いが消え、恐怖の色が強くなる。

 

「わ、我が君…予言は…」

「見ていたとも。予言は壊されたようだな」

「も、申し訳ありません…」

「良い。此度は不問に処してやろう。俺様にとっても想定外の客がいたのだからな」

 

 男は邪悪な笑みを浮かべると、エルメロイII世とグレイに目を向ける。エルメロイII世とグレイは杖を握りながら男と向き合った。

 

「お初にお目にかかる。私は現代魔術科(ノーリッジ)君主(ロード)、ロード・エルメロイII世。ヴォルデモート卿とお見受けするが、相違ないかね」

「いかにも。俺様が現存する魔法使いで最も偉大な魔法使いであるヴォルデモート卿だ」

 

 エルメロイII世の言葉に冷徹な笑みを浮かべながら男、ヴォルデモート卿は頷く。エルメロイII世とグレイは史上最悪の魔法使いと初めて会合するのだった。

 

 




Q.オリバンダー、なんかビッグネーム過ぎない?
A.実はオリバンダー一族って紀元前から存在してます。魔術協会よりも歴史が長く、神代の神秘が色濃く存在している時期から杖職人やってるので、これくらいビッグネームでもおかしくないとは思ってます。

Q.切嗣って杖使ってたみたいだけど、どうやって戦ってたの?
A.基本銃ですが、魔法も使います。人払いの結界や銃の反動を抑えるオリジナル魔法みたいなのは使います。あとは銃が使えないような場所では許されざる魔法を含めたあらゆる魔法も使えます。物陰からいきなりアバダすることもあります。さすが切嗣汚い。

Q.幻想種と魔法動物の違いは何?
A.幻想種の神秘が薄くなった存在が魔法動物になります。例えば竜種は幻想種になりますが、通常のドラゴンは劣化種になるといった感じで、神秘が薄くなったものが魔法動物としてカテゴライズされます。魔法動物として区別されている麒麟は厳密には幻獣なので、分類しにくい種族もいます。

Q.エルメロイII世がはじめからハリー達についていけば良かったのでは?
A.二人の神秘部道中でした会話を記載します。
「あの、師匠」
「なんだね」
「師匠がハリーさん達についていかなかったのはどうしてですか?はじめからついていけば…」
「グレイがいなかったら私の護衛はどうするんだ。死喰い人に遭遇したら真っ先に死ぬのは私だぞ」
「師匠…」



ロード・エルメロイII世
予言を砕いてベラトリックスを絶望させた人。人質になっている生徒よりも戦闘能力は低い。グレイがいなかったらここに来ることすらしなかった、というかできなかった。神秘部についてはどこぞのロードから少し話を聞いた程度で大したことは知らない。
もらったネクタイピンは双子お手製で、双子のプロテゴ・マキシマと同レベルの盾を展開してくれている。これのおかげで弱いエルメロイII世でも大体の場合は即死を避けられる。次回はお辞儀様と対談。


グレイ
杖での戦闘も普通に闇祓い以上。キングズリーと戦っても勝率は六割程度あるため、死喰い人のゴイル程度なら相手にならない。試験勉強していたら連れ出されてしまったが、その分の補習をエルメロイII世が付きっきりでしてくれるから最低限パスできることは確定している。


ハリー・ポッター
暴走癖がある選ばれし者。今回のことはハリーが『全部ただの夢』と割り切っていたら防げた。シリウスが致命傷を負って気が動転しているため、元の暴走癖と合わさって心の闇(憎悪)に支配されてる。


シリウス・ブラック
生死不明。正直このまま死んでもいいかなと思ってるけど、その場合グレイの頑張りが無駄になるし…と作者は葛藤中。


ルシウス・マルフォイ
実は不死鳥の騎士団以降に戦闘描写がない。死の秘宝ではお辞儀様に杖を強奪されたり『俺様を見ろ』とどつかれたり実に不憫だが、家族への愛情は本物。


ベラトリックス・レストレンジ
死喰い人の中では恐らくルシウスと同じくらい有名。戦闘力も死喰い人の中では恐らくトップ。予言をぶっ壊したエルメロイII世とグレイを憎むが、今は魔力切れでほとんど戦えないため手出しができない。


ヴォルデモート
お辞儀をするのだウェイバー。


前回、アンブリッジのことを個人的に二割り増しくらい度し難い存在にしたつもりだったのですが、誰も疑わないし『…まあ、アンブリッジだし』でみなさんが納得してるの見て、『そっか…』ってなりました。まあ、アンブリッジだしね。
神秘部の情報少なすぎて書くの苦労しました。

ハリポタツアー行ってきてやる気出てしまい、かなりの長文になってしまいました。

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