文字数に着いてですが、3000文字を目安に書いて行くつもりです。
「最近はやての様子がおかしい」
そう切り出したフェイトちゃんに私も同意する。
私たち機動六課の部隊長である『八神はやて』
最近の彼女は何処か上の空。仕事のミスが目立ち、よくリインに心配されているのを見かける。そのたびになんでもないと言う彼女ではあるが
「あれはやっぱり何かあったよね…」
私たちだけではなく、シグナムやヴィータちゃんも気がついているだろう。まぁ彼女達の場合は魔力パスで繋がっているのでそちらで気がついた可能性もありそうだけど…
「あ、はやてだ」
噂をすればなんとやら。フェイトちゃんが見ている方にははやてちゃんがいた。
件の彼女は窓の外を眺めて…、違う。
はやてちゃんはチラチラと電子端末を、何かを確認するように何度も見ている。なんといいますか、まだかまだかと待ち続けるその姿はまるで…
「はやてちゃん恋してるみたいだね」
なんて呟いてしまう。
ふとフェイトちゃんに視線を戻すと、ジト目で見られていた。
「他人事のように言うけど、なのはもユーノに恋してるでしょ…」
「にゃはは…」
否定はしない。私、高町なのははユーノ君に恋をしている。この気持ちを意識し始めたのは大分前であるが…
「今は私のことよりはやてちゃんのことだよ、フェイトちゃん」
「確かに…,あんなはやて初めて見た…」
少し、羨望の眼差しではやてちゃんを見ているフェイトちゃん。彼女はまだ、恋を知らない。甘く、淡く、脆く、切ない気持ち。それでいて心が落ち着き温かくなるそんな気持ち。心の中でフェイトちゃんにもいつかは相手が出来るのであろう、その時が来たら精一杯からかって、精一杯相談に乗ってあげよう。私はそう心に決め、はやてちゃんに視線を戻すと
「………」
顔を真っ赤に染めながら、自室に駆け込むはやてちゃんが見えた。
まだ仕事あるんだけどな…
「私はなんちゅーことをしたんや…」
いや、自身がしたことは分かる。人生初の告白だ。
問題は何故あの時、あの場所、あのタイミングで告白してしまったのか…
「抑えきれへんとは思わんかったで…」
はぁ、とため息とともに言葉を漏らす。恋は盲目とは言うが盲目にも程がある。市街地で、ど真ん中で愛を叫ぶなんて何処の映画だ。ある意味では世界の中心で有るために映画まんまではないか…。
うがー、と頭を抱える。恋愛について悩むなんて何処の乙女だ。いや、まだ年齢的には乙女だ、乙女である。
「こんなん…私のキャラちゃうやん…」
恋に恋していた頃とは違う、本物の恋。
それが私の心をどうしようもなく乱して行く…
「あかんあかん、気分転換や。甘い物でも食べにいこ…」
誰に言うでもなく、一人つぶやき通路を歩く。
ふと、端末に目を落とすとメールの受信を知らせる表示があり
『from:神楽悠人』
「にゃー!!!」
またしても私の心は乱れて行く…
『返信遅れてしまい、申し訳ありません。少し仕事がゴタゴタしていたので連絡を取る機会がありませんでした…
八神さんは現在お仕事中でしょうか?だとしたら、お忙しい中申し訳ありません。
もし今後お時間が取れるのであれば一度会うことは出来ないでしょうか?
お返事お待ちしております』
待ち焦がれていた相手からメールが届く。たった一通のメールで心が満たされて行く。
メールを何度も何度も見返す。そして私はある考えに至った。
(もしかしてこれはデートとやらでは…?)
ボン!
顔から蒸気が噴出する。実際噴出していたら『ミッドチルダ面白い人間グランプリ』に出場出来てしまう。
ベットにダイブして、慌てて次の休みを確認する。幸いにしてここ最近は狂った紫髪の変態もおとなしく、余裕がある。何時にしようかなーと、自然と緩む頬で返信の内容を打ち込んで行く。
『メールありがとうございます。
現在は休憩の時間でしたので、迷惑なんかじゃありませんよ。
お仕事がお忙しそうですが、体調は大丈夫でしょうか?
なんて、少し心配をしてみたりします(笑)
会う日取りですが、可能であれば明後日なんて如何でしょうか?もしよろしいのであれば、クラナガンにある犬の銅像付近で待ち合わせでよろしいでしょうか?
返信お待ちしております』
ニヤニヤしながらメールを返信する。
待ち合わせの予定まで立ててしまうなんて完全にデートではないか。
「待たせましたか?」「ううん、私も今来たとこですよ」
なんてテンプレもあるかもしれない…
「乙女や、完全に今私は乙女になっとる!」
キャーキャー言いながらベットでゴロゴロと動き回る自称乙女八神はやて。
そんな彼女が天井の隅に潜むサーチャーに気がつくことは遂に無かった…
はやて可愛いよはやて!