いろいろとキャラのこと調べたり、助言や提案を貰ったり、別の方書いてたら遅れました。
その間にランキング入りもしてたなんて驚きです。
誤字報告もありがとうございます。
生徒たちは、各々が申請し制作された
その中には無論出久もおり、
「あっ! デクくんカッコいいね! 地に足付いた感じ!!」
「麗日さん」
他より少々遅れてしまった故、最後に来た出久に真っ先に気づいたのは『麗日お茶子』
入試の時からある意味では交流があった故、入学初日から既に友人となった人物の一人。
そんな彼女は出久へと歩み寄り話しかけた。
「麗日さんの
「アハハ、でも本当はパツパツじゃなかったんよな……もうちょっとちゃんと要望書くべきやった」
一言で言えばハッキリと見える、だ。
麗日の着込む
去年までの出久ならば顔を真っ赤に染め上げ、クソナードを発揮しているだろう。
しかし三人もの女性に接触し、特に一名のスキンシップが多いがために、ほぼ免疫はできているのだ。
「てかデクくんそれ、すっごいオシャレやね! 高級品みたいや!!」
「あっ、これ?」
その一方で麗日は出久の
デザイン等全てが、キュレネが大人の姿の際に着けている耳飾りと同じ。
一見女性が着けるそれを出久が着けているが故なのか、その注目は大きい。
否、それだけではない。
「蝶々とか、背中のマントとか、
「ヒュッ」
出久は呼吸が止まってしまう。
されど、どこか女性が着込んでもおかしくないような部分がある。
男女問わずだが、どちらかというと女子の方がファッションなど、外見を気にすることが多い。
結果、それらに関しては学生であろうと実際敏感なことが多い。
「よし! 皆揃ったようだ。しっかしカッコいいじゃないか少年少女たち! それじゃあ始めようじゃないか!!」
それを他所に、オールマイトが喋りだし、全員の視線が集まる。
しかし一部生徒たちが質問を始めだし、新米教師であるオールマイトは少し手こずってしまっていた。
オールマイトは一度生徒たちを制止させた後、身体に似合わず小さなメモ帳を取り出し始める。
新米である故のカンペであること。
そのままオールマイトは今回行われる戦闘訓練の詳細を説明。
今回の戦闘訓練で共に行う互いのパートナーを決めることを告げる。
すれば同じ文字が二つずつ刻まれたクジを生徒たちは引いていき、その中で出久が引いたものは『H』
同じものが今回の出久のパートナーとなる。
しかし中学まで友人と言っていい人物はおらず、ホタルたちは出久の"個性"。
故に、昨日の下校にて知り合った『飯田天哉』と麗日お茶子以外、全員が初対面。
コミュニケーションは必須であるがために、もう一つの苦難と言えよう。
「ねぇねぇ、もしかして『H』?」
「わっ!?」
すれば彼の背後から、少女らしい高い声が響き、出久は思わず驚愕する。
咄嗟にと、振り返ればそこには
否、いたというべきだ。
顔どころか肉体が見えないが、声の主はすぐそこにいる。
出久はおずおずと声を発した。
「えっと……H、です」
「良かったァ! あっ、私『葉隠透』! よろしくね!!」
「ぼ、僕は緑谷出久。よ、よろしくね葉隠さん」
免疫がある故大丈夫であるが、別の意味で大丈夫ではない。
そうとばかりに、出久の心は荒れていた。
それは目の前にいる、透明であろう人物が声や口調、しぐさなどからも、れっきとした女性であることがわかるからだ。
『……イズクって女性を引き寄せる何かがあるの?』
「(そんなのないし知らないよ!?)」
それをつまらなそうにホタルは呟き、出久は即否定した。
「それでは次に、最初に戦う組同士が……決まったのは、こいつ等だ!!」
オールマイトは白と黒、両方から一つずつ取り出す。両方ともに同じ文字はあるが、片方が出れば後ほどもう片方に残ったのは取り除くようにしている。白はヒーローであり、黒は
そして掲げられたのは、『B』と『J』
出久らは最初の組ではない。
「(あっ、かっちゃんはBだったんだ)」
その中には爆豪もいる。
彼は一度出久を見てから、舌打ちを鳴らし指定された場所へと向かいだした。
『よかったです。彼と当たらずに済んで』
『そうだね。仮にイズクと衝突する形になったら、向こうは迷いなく来ると思ったから』
されどその予感は別の意味で正しいと言える。
何故なら
「ねぇねぇ緑谷くん」
浮いている手袋が出久の肩をつつく。
それに対し出久は思わずびくついてしまう。
いくら女性に対し免疫を手に入れようと、今回のパートナーに限り、ある意味不可能と言えよう。
なぜか?それは葉隠の
つまりそれ以外は透明……裸であるということ。
透明で見えないとは言え、そこには手袋とブーツだけで、それ以外は肌をさらけ出している。
透明を最大に生かすためであろうが、男性にとってはいろいろとダメなのだ。
『あら? あたしもミュリオンの時は裸よ?』
『あたしも一緒にサムになった時は、その、は…裸、だよ……?』
「(ミュリオンは妖精ですし、サムになってもあくまで僕でホタルさんは中にいるからで……!!)」
『……私も、した方がよろしいのでしょうか?』
「(しなくていいから! むしろやめてください!!)」
内でも外でも女性がいる出久のキャパは、久しく限界を迎えようとしていた。
——◆——
そのような一部始終がありつつ、ついに出久らの出番が回った。
出久と葉隠は
対戦相手であるチームは『F』
『瀬呂範太』と『常闇踏陰』がヒーロー側の形で、彼らの戦闘訓練が行われる。
「(昨日のテストで見た感じだと、『テープっぽいのを肘から出す』"個性"に、『黒い影のような、獣魔のようなものを出して戦わせる』"個性"……)」
昨日行われた"個性"把握テスト。
それだけでも十分他者の"個性"を見ることはできよう。何より出久は他者の"個性"を、本人以上に幅広く応用や可能性を見出すことが出来る存在。
故に、彼の中ではいくつかのプランが既に見出されていた。
「葉隠さん、作戦があるんだけどいいかな?」
「本当!? 私本気出して奇襲しかけようと思ったんだけど!!」
出久は葉隠へと向く。
一方の葉隠は手袋とブーツまでも脱ぎ捨てようとしていた。
咄嗟に出久は止めに入るが、確かにそれもまた一つの強みだろう。
今回の戦いにおいて、音などを察知する索敵はいない。同時に足場などを固定するといった人物もいない故、まさしく活躍する。
しかしこれはあくまで、出久が
それはなぜか?彼の中には今三
ホタル、キャストリス、キュレネ。
三人の力をもってすれば、確実に出久はこのクラスで最も強いだろう。
下手すれば、否、確実に一位を取れるだろう。
されどその規模は計り知れない。
一人一人の力が、超常世界では桁違いの強さ、まさに次元が違うもの。
それを三つも、出久は宿している。
そして出久を気絶させようと、内側にいる三人の意識は残っている。
故に、出久を確実に倒すには内側にいる"個性"たちをも倒さなければならないということ。
しかしそれを知るものはいない。
知ったとしても、対処のしようはないだろう。
「葉隠さんはさっきの説明通り、透明人間なんだよね?」
「そうだよ! それ以外はないんだよね~…あっ、でも光の屈折とかはできるよ!!」
「うん。葉隠さんは確かに奇襲とかでも活躍できるけど、逆もまた可能なんだ。向こうにも索敵がいないから、葉隠さんは隙を伺ってほしい」
人間という者は、そこに誰もいなくとも警戒はする。しかし完全にいないと確信すればその警戒心、緊張感は多少なりとも抜けていくもの。
出久はそこに目を付けた。
透明人間であるならば、気配をも完全に殺せば確実にいないと思わせることが出来ると。
仮に突破されても、待ち伏せによる奇襲で先手を取ることはできると。
「僕の場合、広範囲攻撃の方が多いけど、ある程度コントロールはできる。僕が先手で二人の相手をするから、葉隠さんはどっちかの隙を狙って取り押さえてほしい。そのタイミングで確保テープを渡すよ」
「なるほど……それなら任せて!」
「あっ、て、手袋とブーツも脱ぐならちゃんと隠すなり、ここに置いておくなりしてね?」
「ハッ! 確かに!!」
すれば次の瞬間、開始の合図が鳴り響く。
彼らの作戦は開始前に定まった。
故に出久は葉隠に軽く告げ、二人そろって核の保管エリアから出ていく。
本来ならば、片方が残った方が正しいであろう。
しかし今出久と共に戦う仲間は『透明人間』
完全に衣服を捨てれば、索敵でもない限り、いるかいないかの確認は不可。
故に、核の傍で待ち伏せているか、先行し取り押さえようとするかもわからない。
出久はそこに目を付け、一人で待ち構えているように見せかけ、実際は二人で勝負を仕掛けることにした。
同時に両手と両足には鉄騎を顕現し纏う。
剣、大鎌、弓は屋内である故に使用は不可。
精霊…否、
実際、五対二と言えるが、極力出久は己の"個性"等のことは隠したいと思っている。
否、隠さなくてはならない。
一度死に、転生した者の手により、この世界には多くの異界のものが顕現している。
それも、転生者が命を落としてもなお、大きな爪痕の如く残っている。
その極僅かと言えよう一端は、出久の中に、"個性"として存在しているのだ。
超常故、そういった話はできようが、信じられるかと言えば答えは不可になるだろう。
他者に"個性"を、それも自我と肉体を持つ存在そのものを与えるなど前代未聞。
"個性"を奪い、他者に与える存在はいえど、最後の最後に大きな、もっと大きな爪痕を残した転生者の"個性"はまさに異常と言えよう。
そしてその爪痕を武器として渡されたのは出久なのだ。
『昨日のテスト。その際にお二方の"個性"は私たちも確認しています』
『拘束系と、近距離から遠距離まで可能かもしれない獣魔系。拘束系はあたしたちの武器や、サムの劫火でも何とかなるかもだけど、まだ未知数だからね』
「(キャストリスさんとキュレネさんには申し訳ないけど、今回はホタルさんの力だけで攻略します)」
『屋内だとどうしてもね~、じゃあその分帰った後楽しみましょうか♪』
警戒しつつ、ヒーロー側の二人を探す出久。
ヴィジランテの経験故、クリアリング等はある程度行える。
「ッ! 見つけた。葉隠さんは少し離れた位置で待機してて。僕が二人の注意を引くから、そのうちにどちらかを」
「了解!」
見えないであろうが、葉隠自身は一度その場から少し離れていく。
見えない故に確証などはないが、それでもと出久は信じ、二人の前に姿を現した。
二人もまた出久に気づき、警戒する。
「一人か。もう一人は……確か透明人間だったな」
「てっきりそっちが奇襲とかで来ると思ったぜ!」
どうやらヒーロー側も、最初の葉隠の奇襲による特攻を予想していたようで、出久の予想は当たっていた。すれば、常闇が一歩前に歩み出る。
「ここは闇が多い。『
「アイヨ」
腹部、否臍部分から黒い影が伸び、まさに影と言わんばかりに上半身が顕現される。
そして意思がある。
そこだけを見れば、出久の"個性"と同じに見えよう。
しかし違う点は存在する。
それはあくまで本体と繋がっていること。
『黒影』と呼ばれし獣魔は、完全な分離ではなく、本体である常闇踏影と実際に、肉眼で捉えられる程に繋がっている状態。
『似て異なる…というものですね』
鉄騎から劫火を漏らし、警戒する出久。
二対一…実際は二対四であるが、第三者から見れば二対一の状況。
「昨日でも見た。貴殿は光の使者的存在。だが今、ここは闇で覆われ、俺の味方となっている。瀬呂、ここは俺に任せろ」
「まぁ制限時間あるし、ここで二人でってのはダメか。じゃあ頼むぜ!」
二手に分かれて勝利を掴む。
実に合理的かつ最もな作戦と言えよう。
しかし今二人の目の前にいるのは、異常者とも言える存在。
故に——
【 ——2nd Gear 点火!】
——出久は範囲を抑えながらに、ハリボテであろうと核に影響しない程に、両腕の鉄騎から周辺へと熔火の領域を展開した。
「あっつ!!?」
「炎による結界だと…!? 闇が…!」
思わず声を荒げる二人を他所に、出久は己が目だけを『黒影』に向ける。
『黒影』は、劫火による発光の影響に、その実態が少々弱々しくなっていた。
それを見た出久は気付く。
『黒影』が光に弱いことを。
すれば出久は脚部の推進器から劫火を漏らし、拘束系の"個性"であろう瀬呂を優先し距離を詰める。
距離が近い故に一瞬である故、気付くのにほんの数秒かかってしまう。
されど、お構いなしと出久は鉄騎を纏うその拳を、劫火を漏らし握りしめ、顎へと放ち叩き上げた。
「ゴボッ…!!」
「なっ!? くっ、『黒影』!!」
隣で仲間が一瞬にしてやられたことに常闇は驚愕する。だがそれでもヒーロー志望であるがためか、即座に対応するべく攻撃を仕掛ける。
しかし出久は即座に『黒影』へと向き、攻撃を正面から受け止めた。
「まだ辛うじて闇はある! 押し切れ『黒——」
瞬間——常闇は見えない何かに押され、身体を地面に押さえつけられた。
突然の事態に困惑する中、それを『黒影』も感付き、一瞬と常闇へと意識が向けられる。
出久はその隙を逃さず、そのまま『黒影』を押さえ、確保テープを何もないところへ投げた。
すれば確保テープはその場で止まり、テープが伸ばされ常闇を縛り上げる。
出久もまたすぐに瀬呂へと向き、もう一つの確保テープを出し巻き上げた。
何故確保テープを二個持っているか?それは葉隠が透明人間故、支給品の持ち運びも困難であるがため。
しかしその結果、彼らは即座にヒーロー二人を捉えることに成功したと言える。
その核心と言えるように、オールマイトによる、出久・葉隠チームが勝利したと放送し告げた。
「やった! 勝ったよ緑谷くん!」
「うん…! あ、葉隠さん、劫火は大丈夫だった?」
「すっごく熱かった!!」
「だよね……」
呆気なく、出久の
・『葉隠透』
出久のペアとなり、勝利を掴んだ透明少女。
・『瀬呂範太』
強烈なアッパーを食らった醤油顔。
・『常闇踏陰』
中二病故にオンパロス系は絶対食いつきそうな人。
"個性"が光が弱いことをすぐに見抜かれてしまった。
戦闘訓練、頑張りました。
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