新エピソード楽しいですね、ていうか二相楽園意外とヒロアカと混ぜ込んでも違和感ないかもしれないと思っちゃいました。
ちなみに爻光も火花もバッチし確保しました。
雄英体育祭が行われる一週間前。
保須と呼ばれし都市の路地にて、
昼間にも関わらず暗い、そんな路地にて一人のボロボロの外套に赤きマフラーを巻く男が、横たわり地に赤き液を垂れ流し広げる白鎧の人物に、刃こぼれの刃を突き立てようとしている。
「どいつもこいつも、名声や金でヒーローを名乗りやがって……貴様らは、ヒーローなんかじゃない! 彼だけなんだ。俺を殺していいのは!」
「うっ、うぁ……」
白鎧は動けぬ身体ながらも、その命は今も動き生きている。
故に痛みによる苦痛の声を漏らす。
されど男はその命の根を断とうとするがために、刃を先を肉へ向け下ろす。
だがその刃が突き立てられることない。
なぜか?更なる痛みが襲うことなかったから。
白鎧はゆっくりと顔を動かし見上げ、驚愕する。
すればクラゲのような謎の生き物はその場で爆発し、男を白鎧から引きはがして見せる。
男は警戒し、白鎧は未だ動けずにいる中、彼らの耳にその声は届いた。
「――プロを圧倒するなんて、噂の『ヒーロー殺し』は本当に強いんだね♭」
響き渡るように、落ち着いたような女性の声が。
すれば歩み寄る足音が響く。
音は男の後ろ故、男は音の方へ振り向き、白鎧もその視線だけを動かし見つめる。
「インゲニウムってヒーローを救けろって
そこには路地から見える外の光を逆光という名の背景に、雨が降っていないにも関わらず、日傘にでもしているのか黒い傘を指す、桃色の長い髪に光を持たない赤い瞳を宿す女性が微笑みながら立っていた。
「……次から次へと現れる。だが貴様、見ない顔だな。新人のヒーローか?」
男――『ヒーロー殺し』と呼ばれし人物は傘を持つ桃髪の女性へと問いかける。
すれば女性は微笑んだままその問いに答えた。
「初めましてかな? ヒーロー殺し。アタシは『長夜月』。ここに来たのは
「
「へぇ、情報収集はしているんだ。でも残念。アタシはそのどちらでもない。アタシが受けた
「ふっ……この贋物をか?」
『長夜月』と名乗った女性は、光のない瞳にてヒーロー殺しを見た後、横たわる白鎧——『インゲニウム』へと向ける。
「そうだよ。アタシはヒーローじゃないけど、あの子の
「……ふっ、
次の瞬間、ヒーロー殺しは長夜月へと迫り、刀の刃を振るうも、長夜月の微笑みは消えない。
なぜか?それは彼女の周りに突如としてクラゲ、否『長夜』が出現し、その刃を防いだからだ。
「迷いもなく首。その判断力は評価するよ。脅威となる者に対して交戦するなら、先手必勝にして一撃による戦闘不能の方が合理的だからね。でも、相手が悪かったとしか言いようがないね♭」
長夜月の周りには長夜が一体だけ現れ、その場にてまるで泳ぐように浮いている。
「それが貴様の"個性"か」
「"個性"…"個性"ね。そうだね。そう捉えていいよ。ただ、アンタはこれに対抗できるかな?」
すれば長夜月の周辺、背後より長夜が無尽蔵とばかりに出現する。
「抜かせ。貴様のそれは数に限りがあるだろう。そしてそういった奴は基本的に本体が何もせずにいるのが定番とも言える。故に――大雑把!」
ヒーロー殺しは十年もの月日で磨き、積み重ね、熟知した殺しの経験がある。
過去に一度敗北し、五感の一つ嗅覚を自ら切り落としたことで、人とはかけ離れた顔となったがそれでも生きれる。
これまで多くの
しかし今目の前にいる存在との差は圧倒的なまでの差がある。
それは今に至るまでではない。
ヒーロー殺しは知る由もしないだろうが、長夜月の年月は、彼からすれば計り知れないもの。
故に――
「ッ!?」
「――残念♭」
――刃こぼれの刃は簡単に避けられる。
否、それだけではない。
周囲の長夜が一斉にヒーロー殺しへ集い、自爆していく。
ヒーロー殺しはその自爆にて吹き飛び、壁へと衝突してしまう結果となる。
されど地に足を付き、舌を露にしながら長夜月を強き眼球にて睨んだ。
「アタシを、アタシたちをそこらのヒーローと同じだと思ったら大間違いだよ。アタシたちが今まで戦った相手は、アンタも想像を絶するレベルだからね」
ヒーロー殺しは今一度接近しようと駆け出すも、その二人の間に黄金の槍先が乱入し、刃こぼれの刃を砕いて見せた。
「なっ…!? ガッ!!」
驚愕するヒーロー殺しだが、その一瞬の油断故に当身を受け、あっけなく気絶してしまった。
「――ふざけ過ぎだ長夜月」
「ごめんね。でもアタシに意識を向かせたんだから結果オーライだよ『丹恒』」
黄金の槍先を片手に持ち乱入した存在。
その正体である人物――男性は中国を思わせる服装に加え、龍を印象付ける黄金の角を頭部に、尾を腰に生やし、一見一部だけが異形型と言える姿をしている。
角を持つ男性はため息を漏らし、次には倒れたままのインゲニウムへと歩み寄り、ゆっくりと支え、立ち上がらせた。
「大丈夫か?」
「あ、あぁ…それよりも君たちは? あのヒーロー殺しをあっけなく倒すなんて……」
「すまない。そのことについてはあまり答えられない。それとこれらのことも黙ってくれると助かる」
インゲニウムは連続殺人犯であるヒーロー殺しを圧倒し、あっけなく気絶させた二人にしかもはや意識を向けていなかった。
熟練のヒーローすら殺して見せた経歴があるヒーロー殺しを圧倒したのだ、無理もないだろう。
「ヒーローじゃないんだったら、いろいろと問題があるんだが……」
「幸い目撃者はお前だけだ。本当なら気絶している間にことを片付けたかったんだが、仕方がない」
男性がインゲニウムに応急処置をしている中、インゲニウム本人は思考を動かし考える。
されど過去、約四年から五年程前にヴィジランテとして活動しており、一度は協力、そして最終的に捕えなくてはならなくなったある民間人のことを思い出した。
「わかった。俺からうまく誤魔化すよ……ただ、俺個人として礼だけでもさせてほしい。民間人ってわけじゃないだろ?」
「感謝する。だが礼は無用だ。その気持ちだけを受け取っておく。これ以上深く関わっては逆に怪しまれるからな」
「警察に突き出すのもお願いするね。インゲニウム♭」
瞬間――路地の入口、日差しで照らされている町の方から、突然と列車が通過し、出入り口をちょうどよく停車させ開かせて見せた。
あまりの出来事にインゲニウムだけが硬直するも、すぐに意識を取り戻し町のことを心配しだした。
「安心しろ。
「原理は不明だけど、そういうことが出来るんだよ」
二人はその入口の階段へ足を乗せ、乗車していく。
そして足を止め、インゲニウムへと振り向き告げた。
「改めて、このことは他言無用で頼む。だが俺たちは敵ではない。それだけは事実だ」
「また機会があったら会えるかもね♭」
やがて二人は乗車し姿を消す。
すれば列車の扉は閉じられ、動き出し、青空へと駆け出していき、やがて姿を消した。
それを拘束したヒーロー殺しを連れて路地から出たインゲニウムはただ見ているだけ。
「……君たちのことは誰にも話さない。だけどもし、俺たちのように表に出て来た時には、改めて礼を言わせてもらうよ」
だが彼の記憶には、しかと先までの出来事が、強く刻まれていた。
・『長夜月』
表である彼女のガチ恋勢。
灰色髪の女性の願いと同時に彼女の願いもあって表に出てヒーロー殺しを圧倒的差で抑えた。
元の世界同様身体は互いに共有し合っている。
・『丹恒』
灰色髪の女性の願いのもと長夜月と同行しヒーロー殺しを戦闘不能にさせた。
元の姿やもう一つの姿も持っており、自由に変わることができる。
・ヒーロー殺し
ちょっと早めに保須に来てまた贋物が来たから見せしめとして瀕死にしてやろうとしたら、長夜月たちによって失敗に。
連合との接触、己のカリスマ、執念を世に知れ渡らせることなく捕まったために、この先の連合の生末が分からなくなってしまっている。
・『インゲニウム』
原作よりも早くやられかけて、下手すれば弟が体育祭で思う存分に活躍できなかったかもしれない結果にさせてしまう所だったヒーロー。
長夜月と丹恒のおかげで引退にもならずにこのまま活動続行。
今回の件はちゃんと自分のうちにのみ秘めると誓った。
もうスタレキャラがヒロアカ世界に主人公の周り以外でも普通にいる時点で崩壊みたいなものですよ。
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