翡翠の劫火と生きる   作:伽華 竜魅

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お久しぶりの投稿です。
お気に入り登録100人突破並びに高評価ありがとうございます。
それとfateコラボとホタルの新衣装が楽しみしょうがありません。




劫火と赫灼

 

 

 

 

深夜により黒く染まる摩天楼一か所。

先の爆発により地獄の劫火と染まっている。

数人の人間が焼け焦げ倒れ、中心に立っているのは1人。だがその現場に数人の正式な正義の味方(プロヒーロー)が数人駆け付ける。

 

「貴様が噂の【熔火の騎士】か!?」

 

ヒーローの1人が戦士へ問いかける。

その呼び名はいつから付けられ、戦士はいつから目を付けられたのかは不明。

しかし出久がホタルを覚醒させ、力を得てから既に月日では二ヵ月が経過している。

 

そして二人の行動は今回が初めてではない。

故に認知され、現在に至る。

彼らが見る現場は、周辺に燃え上がる劫火は被害だけにあらず、戦士が操る劫火も多く混ざり込んでいる。

 

劫火の中立つは、鉄騎を纏い劫火を操る戦士のみ。

 

戦士は劫火の中、己の鎧の手を、ひらを見ている。

しかし駆け付けたヒーローに気づき、彼らへと振り向く。

 

大きな等身に、全身を鉄騎の装甲にて纏い劫火を操る戦士。

ヒーローたちは戦士の、【熔火の騎士】姿をその眼に、脳にしっかりと焼き付ける。

同時に戦士の放つ覇気が本物にして、敵であれば焼き尽くすと感じさせる故、一部ヒーローは己の脚を一歩引き、狼狽えた。

 

「No.2ヒーロー『エンデヴァー』……」

 

己はヒーローであるが故に知名度も高い。

戦士はその中でも、最も知名度、ランキングも高いNo.2にして同じ劫火、否、赫灼を操る人物を見る。

 

「このまま私を見逃し、あなた方も去れば誰も傷つきません」

 

すれば戦士は落ち着いた様子で——

 

「でなければ…——全員、戦闘不能になり(死に)ます」

 

——劫火と共に戦闘態勢に移行し、構えた。

 

「——くだらん。貴様がどうであれ、"個性"の無断使用に周辺の被害と他者への攻撃使用。既に(ヴィラン)と変わらん」

 

努力を積み重ね、その実力はまさしく本物。

ランキング二位にして、戦士と同じく劫火を、赫灼を操るエンデヴァーが一歩前へ足を踏み込み、戦士を鋭い眼にて睨みつける。

同時に彼らは、戦士が戦闘態勢に入っていることで、抵抗すると判断。

ヒーローたちもまた戦闘態勢に移行し、構える。

 

「——掃滅開始」

 

要求を受け入れない。

己を捕えるため、力を行使すると戦士は理解し、自身もまた力を行使する。

この場を打開し、現場から逃走するため。

 

「ふんっ!!」

 

先手はヒーロー。

エンデヴァーが既に溜めていた赫灼を戦士へと放つ。しかし背面と脚部の推進器(スラスター)から劫火を点火、飛び上がる。

 

【 Action.1 実行ッ!!】

 

戦士は片足を突き出し、劫火をその足先に溜め、推進器(スラスター)からの劫火と落下による推進力を乗せ、エンデヴァーへ差し向ける。

対しエンデヴァーは己の赫灼と共に戦士の攻撃を受け止める。

しかし戦士の攻撃は強力故、熱が伝わり続けていたコンクリートの地は削り押される。

 

「あっつ!?」

 

「なんだこの尋常じゃねェ熱さは!?」

 

攻撃の余波、劫火の熱は周辺ヒーローにも伝わる。

 

「舐めるな!」

 

エンデヴァーは腕を、足を、身体を力みさせ戦士を弾き飛ばす。

 

「なるほど、全身絶え間なく纏う鎧は自身の炎をコントロールするためにあるのか。貴様、その鎧がなければまともに"個性"も扱えないだろ?」

 

「答えはNOとさせていただきます」

 

推測と推測の否定。

その直後、戦士に赫灼以外の攻撃が差し向けられ、戦士は推進器(スラスター)にて宙へと飛び、回避する。

 

「エンデヴァー以外は劫火に対し耐性をあまり持っていない。故にあなた方は、先に強制退場していただきます」

 

戦士は地へ降り、劫火を瞬時に溜め周辺へと放つ。

 

【 ——2nd Gear 点火ッ!!】

 

発動者自身である戦士と、炎を扱い体制のある赫灼のヒーローだけを覆うように劫火、周辺へ熔火の領域が展開された。

 

「あっつ! エンデヴァー!!」

 

「ッチ、貴様らは周辺に残っているかもしれない(ヴィラン)と要救助者を探せ! こいつは……俺一人で十分だ」

 

エンデヴァーは即座に熔火の領域(フィールド)外にいるヒーロー達へ指示をする。

終えれば戦士へ向き、赫灼と共に構える。

 

「炎で俺と一騎打ちを挑むとは……なめられたものだ。すぐに後悔させてやる」

 

「戦いに勝つつもりは微塵もありません。私の勝利は、この状況を打開し逃走する。ただそれだけです」

 

互いに駆け出し、戦士の劫火を纏う拳とNo.2の赫灼を纏う拳が激突する。

 

「(このまま!)」

 

激突し押し合う拳。

エンデヴァーはその拳に赫灼を集中させ溜めていく。されど戦士はいち早く察知し、身体を捻らせ、その回転を乗せた足をエンデヴァーの顔へと命中させる。

 

「あなたの技は把握済み。それに同じ炎を扱う身として、どのように使用しているのかも、ある程度推測できます」

 

——故に。

 

「私の逃走(勝利)は——確定している」

 

追い打ちとばかりに戦士は拳をエンデヴァーの腹部へと突き刺し殴り飛ばす。

エンデヴァーは押されながらに耐える。

だが反撃を戦士は許さない。

 

戦士はその身纏う鉄騎の装甲全体を劫火に包ませ、火柱のごとく夜空へ飛び上がる。

それを見たエンデヴァーはすぐに溜めていた赫灼を更に溜めていき、一点に集中させる。

 

【 赫灼熱拳 ジェットバーンッ!!】

 

【 協定採択——焦土作戦実行ッ!!】

 

互いの膨大な劫火と赫灼がぶつかり合う。

だがエンデヴァーはヒーロー故、強力であるが被害を最小限に抑えている。

一方で戦士はお構いなし。

自身の出せる最大火力、劫火を解き放つ。

 

まさに——【SUPER NOVA(スーパーノヴァ)

 

燃え盛る二つの炎、劫火と赫灼。

その熱は凄まじく、コンクリートの地、周辺の建物を赤くさせ溶かしていく。

やがて炎は勢いを弱め、その現場を露にさせる。

 

「エンデヴァー!」

 

ヒーローが叫ぶも、現場をその眼で確認し絶句する。

 

「はぁ…はぁ…! くっ…!」

 

「ある程度相殺されましたか……ですが、私の炎も合わさり、あなたの熱は予定以上に籠ったはずです」

 

片膝を着き、息を荒くするエンデヴァー。

膝を着かず、平然と立っている戦士。

『フレイムヒーロー』と呼ばれている大男が、規則を破り"個性"を使用する戦士に敗れたのだ。

 

「(なんだ今の火力は…!? 俺の赫灼熱拳も溜めて放つ技故、火力は他の炎使いよりは上であることは確信を得ていた…だが、コイツは【ジェットバーン】であるが、それを上回って来た! しかもコイツ、()()()()()()()()…!!)」

 

プロにしてNo.2に上り詰めた男。

故に戦士がまだ完全に全力を出していないと、これまでの経験によって理解することができていた。

 

「ですがこれ以上の戦闘継続はこちらとしても支障をきたす恐れがある。先の忠告通り、逃がさせていただきます」

 

戦士は背面の推進器(スラスター)から劫火を点火、噴射させ飛び上がる。

戦士を追いかける者はいない。

それ以上に、現場の劫火による炎上を止めなければならないからだ。

 

 

——◆——

 

 

摩天楼の端の路地。

戦士はそこへ舞い降り、その装甲を解除する。

すれば一人の少年……緑谷出久が姿を露にする。

 

「はぁ…はぁ…エンデヴァーと、戦うことになっちゃうなんて……」

 

ヒーローに憧れている故、ヒーローと交戦することになると彼自身も予想外。

装甲を纏い戦士になってる間は、ホタルの意志と戦闘経験もあり戦えるが、単体であればか勝つ以前に交戦すらまともに出来ないだろう。

故に出久は息を荒くしている。

 

『イズク、大丈夫?』

 

「うん、なんとか……」

 

『体力とか身体のダメージもだけど…ヒーローと戦ったから……』

 

その身一つの状態でも、二人は互いに会話が可能。

ホタルは出久の精神含め全てを心配する。

されど出久は心配させまいと振る舞う。

 

「本当に大丈夫だよホタルさん…僕は一人じゃないから」

 

『……そうだね。イズクにはあたしがいて、あたしにはイズクがいるからね』

 

「うん。とりあえず家に帰ろう…これ以上はお母さんにもバレちゃう」

 

出久は疲労が溜まった身体を動かし、深夜の中自宅へと向かい始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビルの屋上に一人の人影が立ち、自宅へ歩む出久を見下ろしている。

 

『ふ~ん…『サム』がこの世界に来てたから会いに来たけど、これは私も予想外。力だけで、ホタルはいないのかな?』

 

その身、身体全体を青色のバーチャルとして映し出すように滞在しているドリルポニーテールの少女。同時に青色のバーチャルスクリーンを器用且つ慣れた手つきで操作している。

 

『彼がホタルの力を扱えているのなら、きっと召喚者によって与えられた可能性が高い……念のため『()()()()()()()()()()()()。後は、彼の住所特定だね』

 

少女はやることを終えたのか、背を向け歩き出す。

すれば映像を消すようにその場から、量子として姿を消した。

 

 

 

 





・『エンデヴァー』
No.2まで上り詰めた序盤はとんでも最低な男。
出久とホタルの戦士としての劫火が自身の"個性"を遥かに凌駕すると何となく察した、そっち方面では感も察しもいい最低な男。

・『バーチャル少女』
戦いを終えて帰宅している最中の出久とホタルを観察していた少女。
ホタルや戦士の姿がサムであることを知っている。

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