この間やっとピノコニー終わりました。ホタルが可愛い。
あと何気にサム対キャストリスが出来て、ある意味嫁対決的なのなってた。
自宅に一度帰宅後、引子に「帰りは遅くなるかもしれない」と報告した出久は、ホタルと共に銀狼から送られた位置情報へと向かっている。
その際、自身を観察していたオールマイト並びに爆豪勝己は振り切ることに成功しているため、出久は安心して向かうことができていた。
「位置情報だと、ここら辺だよね……」
現在出久は自宅から遠く離れた場所、銀狼から送られた位置情報の場所に到着していた。
実際には一般的道路、歩道までの道は途中で途絶えており、彼の視界に今広がっているのは一つの路地裏。出久は狼狽えるが、彼の中にいるホタルが実際に手を繋いでいるように、劫火によって内側から暖かく包ませる。
故に出久は落ち着くことができ、その足を一歩踏み出し、路地裏へと向かい歩き始めた。
されど時刻は15時を迎え始めている。
夏であるためまだ空も街も明るいが、路地裏は影、裏社会の住人の出入り口であり溜まり場としても良く使われる場所。
故に日の光は入っておらず、日陰でとても暗くなっていた。
「本当に、ここであってるんだよね…?」
『銀狼から送られた位置情報のルートは、今通ってるルートと同じだから大丈夫だと思う。でも不安だよね』
銀狼から送られた位置情報であるため、ホタルも最初は実体化して向かおうと考えていた。
だが可能性は低いとはいえ、仮に罠だった場合の対処は誤差が生じてしまい、捉えられる可能性がある。故に二人は一人として向かっていた。
「(【星核ハンター】…調べてもヒットしなかった。本当に情報系全部漏れないよう隠されているんだ。でもそれが本当なら銀狼って人の言ってることと、ホタルさんの関係も——)」
『イズク、止まって』
「えっ?」
突如ホタルから制止を掛けられ、出久は咄嗟に言われた通りに足を止める。
すれば次の瞬間、出久の目の前にホログラムが出現した。
『やっほー。言われた通りに来てくれたみたいだね、サム』
「あなたは…!」
全身が青いホログラムでありながら、正確に人の形を形成させて現れたのは銀狼。
出久が驚愕する中、銀狼は話を続ける。
『ここからは直接私が案内するよ。その位置情報でも正確な建物まではわからないようにしてあるから、ほらついてきて』
ホログラムの銀狼は背を向けて迷うことなく、慣れたように路地を歩き始める。
出久は慌てながらも、見失わないと銀狼の後をついて歩き始めた。
『にしても最初は驚いたよ。まさかホタルまで召喚されていたなんて。それも地味目な彼に憑依的な感じで』
「……あの、銀狼さんは、ホタルさんの知り合いなんですよね?」
『あぁ敬語はいいよ固いし。それに歳は近いと思うから。それにホタルともほぼタメで話してるでしょ?』
向かいながらも話を続ける。
というよりは、銀狼がほぼ話を振り、出久が答えたり、逆に質問をしたりする形で話は繰り広げられていた。
『さてと、ついたよ。——
「アジ、ト…?」
付いたのは路地裏の奥に入らなければわからない『BAR』。
銀狼はそのBARのことをアジトと呼んでいた。
「あの、僕未成年なんだけど……」
『そんなの君の情報を調べてるからわかるよ。でも今回は私たちからのお呼び出しで来てるんだから気にしなくていいよ。まぁ飲んでみたかったら自由に飲んでいいし』
「飲まないよ!?」
『そっ、なら入っちゃって。私たち全員このBAR内で待ってるから。それじゃまた後で』
ホログラムの銀狼はその場で消滅する。
見届けた出久は不安の表情でBARの看板を見る。
本当に入って大丈夫だろうか、そう思う出久だが、呼吸を整え、満を持してついに手すりを掴み、扉を開けた。
「いらっしゃいませ」
「……」
客は誰一人としていないBAR。
唯一いるのはカウンター席で仕事をこなしている店員一人のみ。
客がいないと言えど場違い感がある故、出久はオロオロとし始める。
だが店員の言葉でそれも収まり、逆に驚愕に染まった。
「——
「へっ?」
驚愕している出久を他所に、店員は「奥の部屋へ」と案内するように扉を開ける。
『イズク、あの店員さんは多分銀狼たちの協力者だと思う。じゃないとあたしたちの名前を言い当てられないし、追い出されてると思うから』
「そ、そっか……あの、本当に通って大丈夫なんですか?」
「もちろんです。これからもご来店をお待ちしてし続けていますので、さっ、皆様方がお待ちです」
「あ、はい…」
戸惑う。
だが案内された以上向かう他ない。
出久が開かれた扉の中へと入れば、店員は扉を閉じた。
招かれ入った場所は先ほどまでのBARと打って変わり、豪邸のような内装が広がっている。
故に出久は絶句し、その場から動けずにいた。
「あっ、もう入ってきたんだ。てっきり晩酌でもするのかと」
「へっ!? あ、銀狼さん!? てか晩酌って、夜じゃないし僕は未成年だよ!!」
「そうだったねー、まっ、とりあえず改めてようこそって感じかな」
置かれている高級なソファの上に寝ころびながらゲームをしていた銀狼。
出久の存在に気づき、冗談を言いながら立ち上がり、出久の傍まで歩み寄った。
「ここは監視カメラとかもないから、姿を現してもいいよホタル。あなたもこの内装の作りからもうわかってるでしょ?」
その言葉通りな故か、出久の身体から劫火が溢れ出し、ホタルがその劫火から顕現する。
出久の隣で地に足を付いたホタルは銀狼をしっかりとその眼で捉えた。
「久しぶり銀狼…まさかこの世界であなたに会えるなんて思わなかったよ」
「それは私もだよ」
ただ面識があるだけではない。
この二人は元の世界からの友人なんだと、出久は思う。ホタルは出久の生い立ちから記憶まで全てを見たが、出久自身はホタルのことをまだ全てを知ったわけではない。
故に、二人の会話に入れずにいた。
「それはそうと銀狼、あなたがいるってことは……」
「ご明察。あの二人もこの世界にいるよ。おっ、噂をすれば」
歩く音が響き渡り、銀狼が音の方向へと視線を移す。出久とホタルも同じ方向へと視線を向れば、視線の先には一人の女性が既に彼らの前に立っていた。
「カフカ」
「久しぶりねホタル。坊やのほうは初めましてね」
ポニーテールに結ばれた暗いマゼンタの髪に、小さいサングラスを頭部に掛けている。
服装もまた、
まさしく美人にしてモデル、女優とも言える姿。
出久も男であるが故、その性には抗えず見惚れてしまう。その際ホタルは少し頬を膨らませていた。
そんなホタルを見ていた銀狼はニヤついていた。
「あっ、ぼ、僕、緑谷出久といいます!!」
「銀狼から聞いているわ。坊やがホタルのご主人様なんでしょ?」
「な、なに言ってるのカフカ!?」
転生者の手によって、元の世界より趙常世界に召喚されたホタルだけではない。
否、ホタルの召喚は出久の"個性"という形で宿らせる形で趙常世界に召喚された。
だがホタル以外、銀狼やカフカの召喚は違う。
その一個体として召喚され、元の世界に戻ることなく滞在し続けている。
誰かの"個性"として宿ることもなく、転移でもしてきたかのように。
「違うの?」
「ちがっ…た、確かに言い方によってはそう言えちゃうけど……あたしはイズクの"個性"だけど、イズクはあたしのことをホタルとして見てくれてるから…」
「あら、意外とテクニシャンなのね坊やは」
「て、テクニシャン…?」
カフカの言葉にいまいち理解できない出久は首をかしげる。
一方で銀狼は、ホタルの反応が面白いのか、笑いをこらえていた。
ホタルは一度呼吸を整れば、真剣な表情、眼差しをカフカに向けた
「カフカもいるってことは、『刃』もいるの?」
「もちろんいるわ。刃ちゃんも
「そっか……てことは星核ハンターは召喚されているんだね」
「えぇ、だけど私たち星核ハンター以外にも召喚されている者は多くいるわ。一部はこの世界に適応して、ヒーローとして活動もしている」
カフカたちの知る情報を提供してもらうため、ホタルは真剣に会話を始める。
だが出久は話があまりついていけない故、孤立していた。その出久を見た銀狼はコントローラーを渡し提案する。
「暇だからゲームの相手してよ」
「え、でも…」
「どうせホタルたちの会話が終わるまで君はやることがないんだから。その時間を有効に使うために、私とゲームするの」
強制的にコントローラーを出久に押し付ける。
出久がコントローラーを握れば、銀狼は巨大スクリーンとゲームを起動させた。
「さっ、やるよ」
「わ、わかった…」
銀狼の言っていることも正しい故、出久は断ることなく銀狼の遊びに付き合うことを選択した。
——◆——
出久と銀狼がゲームをしている一方、ホタルはカフカと共に現状の情報を共有していた。
「やっぱり、ヴィジランテとして活動していたのね」
「カフカたちがいるかもしれないって、探すために活動してたの。
頬を赤らめ目を逸らすホタル。
そんなホタルを見たカフカは口元を手で隠し微笑むように笑み、出久と銀狼へと視線を向ける。
「
「……うん、イズクは誰よりも優しい心を持ってる。周りに否定されても、頑張って夢を掴もうとイズクはイズクなりに努力してたから、あたしはその夢を応援したい。隣で叶う瞬間を見たいの」
ホタルは自然と出久へと視線を向ける。
当人である出久はホタルの視線に気づかず、銀狼に追い詰められ焦りを露にしている。
「随分あの坊やのことを気に入っているのね。なら、星核ハンターに
「それは……」
出久にはまだ打ち明けていない事実をホタルは宿している。
その一つは、かつてにして本来の世界にて、ホタルが高額な賞金を懸けられている犯罪者であること。
星核ハンターは犯罪組織ともいえる故、犯罪なども数知れず。
身に纏う装甲、その手で多くの命を奪ってきたのもまた事実。
故に、反対に多くの命を救う正義に、ヒーローに憧れている出久に打ち明けることができない。
同時に、本当に出久の"個性"であろうと、隣に立っていいのかと一人思い詰めることも多々ある。
「『聞いて』」
瞬間、ホタルはカフカの言霊に襲われる。
そしてカフカは問うた。
「聞いてサム。いいえ、聞きましょうホタル。今のあなたは……——
一瞬とはいえ、言霊は確かにされた。
にもかかわらず、既に言霊による洗脳は解かれ解放されている。
ホタルは悟った。その迷いは捨てるべきだと。
でなければ、彼の隣に立ち歩むことはできないと。
「あたしは——」
——蒼穹帝国グラモスの『AR-26710』でも、
——星核ハンターの『
「——あたしは、緑谷出久と一生をともにする"個性"『
「……そう、それがあなたの答えなのね」
カフカは微笑み、ホタルに一つのアタッシュケースを手渡し、ホタルは受け取る。
「これは?」
「坊や……緑谷出久含めて、私たち星核ハンターは裏からあなた達をある程度支えるわ。それもまた同じものよ」
「……ありがとう、カフカ」
かつての世界にて生まれ、生きるために死ぬことを選んだホタルは、超常世界で新たな生き方を手にした。
「それと二人のゲームに参加しないの? あのままじゃ銀狼に取られるわよ?」
「うぇ!? あっ、ち、ちが! えっと…と、とりあえず参加してくる!!」
それが過酷であり、多くの苦難、壁が立ちふさがろうと、彼女は屈しないだろう。
なぜなら彼女は——
・『カフカ』
超常世界でも星核ハンターとして活動している、言霊も普通に使えるお母さん。
小さなBARの裏を隠れ家兼本拠地としている。
・『刃』
買い出し中なため今回出番がなかった人。
ちなみに出久の世界でもちゃんと運転免許取ってる。
・『BARの定員』
ただの協力者。
豊穣のイケおじとは別人。それだけ。
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