書いてて思いましたが、これヒロアカとスターレイルをうまく両立させるの難しいですね。
おかげで書き詰まってしまいます。
暑い季節である夏は過ぎ去り、風がゆっくりと冷たくなり始める秋の季節。
星核ハンターとの繋がりを得た出久とホタルは変わらぬ日常を過ごしている。
これまで母である引子と出久の二人だけの家は、ホタルが加わり三人となっていた。
されど星核ハンターとの繋がりを得た今、"個性"の検査結果以降、誰一人とて訪問することのなくなった友人は、今増えつつあった。
「はい私の勝ち。これで五連勝だね~」
「うぅ……」
その訪問者は銀狼。
出久の住所を既に特定していた銀狼は、ホタルがいることもあり、定期的に緑谷宅に訪れるようになっている。
母である引子も、ホタルと異なる形とし超常世界に召喚され、滞在し、友人となったことを既に知っている。
それ以上に引子は息子である出久に友人が出来たことが大きかった。
"無個性"という結果後、出久の周りにいた友人は去って行き、差別化し、いじめをしていたことは既に気づいている。
だが今は、そんな出久にホタルという"個性"と、その真実を知ってなお友人とし良くしている銀狼たちがいる。
故に引子の心は少なからずと救われていた。
「銀狼ちゃん、今夜も夕飯食べていくかしら?」
「マジで? あざま~す」
「ちょっと銀狼! ここは銀狼の家じゃないし、あっちでいろいろとやることがあるんじゃないの!?」
「別にどっちでもやれるから。それにおばさんのご飯が美味しいのが悪い」
穏やかに夕食を誘われる銀狼は、即答ではいの返事を繰り返す。
されどここ数日訪問ではなく泊まり込みをしていることに対し、ホタルは抗議を繰り広げていた。
銀狼もそれに関しては理解しているが、自身が行う仕事はハッキング故、どこでもネットワークさえあれば可能。
同時にカフカや刃とは異なり、完全な母としての料理を食せることが銀狼の秘かな楽しみにもなっている。
「そ、それにイズクと距離がち、近いんじゃないかな…!?」
そんな言い合いをしている二人の間に出久は座っており、銀狼はそんな出久の身体に寄りかかっていた。
「何悪い? 友達とゲームしてるだけだけど?」
「で、でも…イズクも何とか言って!!」
何も言い返せない。
ついにとばかりにホタルは出久へ呼びかけるが、肝心の出久は反応を示さない。
疑問に思い、ホタルは恐る恐ると顔を覗き込み、驚愕した。
「き、気絶してる…!?」
「女性に耐性がないって言ってたけど、気絶するレベルなの?」
体格などに個体差はあれど、美人美少女と言える二人の間に座れば緊張し、最終的に気絶すると、誰かが語るだろう。
それほどまでに、クソナードである出久は、二人の間に座るだけでも厳しい試練である。
にもかかわらず銀狼は寄りかかり、ホタルも今彼の肩に手を添えている。
故に緑谷出久のキャパは限界を超えていた。
「これカフカとかにいじられたら、もっと面白くなるんじゃないの?」
「だ、ダメだよ!?」
「はいはい分かってるよ。よっぽど気に入ってるんだね」
そんな会話をしているのを引子は顔を微笑みながら耳に入れ、今夜の夕食もご馳走にしよう。
彼女はそう思い、手を動かした。
——◆——
四人での夕食を終えた出久たちは、各々が部屋に戻っている。
引子は自室、ホタルもまた家に帰ってくることなく、物置と化している父の部屋を自室としており、銀狼もまたその部屋へ。
そして出久も自室へと戻っており、軽く受験へ向けての自主勉強を取り組んでいた。
「(喉乾いたな……)」
されどしばらくして、喉は乾き、液体を欲し始めていた。
自室に飲み物を持って来ていない出久は、一度ノートにペン先を走らせていた手を止め、リビングへと向かい始める。
「…?」
誰もいないリビングにて、台所の電気のみを照らし、冷蔵庫から飲み物を一つ取り出している時。
不意に、ふとと、彼はベランダに繋がる窓へと視線を向ける。
カーテンが閉められている故、本来外を見ることは不可能にもかかわらず、
そして気が付いた時には既にカーテンと窓を開き、ベランダへと足を踏み入れていた。
夏は過ぎ秋へと入っている季節の夜は、日が昇り照らされている時間と異なり、多少なりと肌寒さを感じさせる。
されど出久はその肌寒さを感じることなく、自身の目に映るものに目を奪されていた。
「蝶…?」
正体は紫色にして、微妙だにと光を放つ一匹の蝶。
多少なりと草木がある故、虫はいるが、緑谷宅のベランダまで飛んできた蝶はいない。
故に出久は不思議に思っていた。
すれば次の瞬間——蝶は羽ばたき始め、出久の鼻へと乗りかかる。
その行動に驚く出久だが、蝶はそれでも離れることはない。
同時に出久は、
「へ、部屋に連れ込んで大丈夫かな? それに蝶って花の蜜を食べるって調べたことあるけど、果汁でもいいのかな…?」
一切の抵抗を見せず、自身の鼻に留まる蝶と共に内部へと戻る。
そして見たことない柄を持ち、光を放つ蝶故、出久は何か"個性"の影響か、それとも虫にも"個性"的力を持った個体が生まれたのかと思い込んでいた。
『あ———私に触れ——、死————で——』
「……?」
すれば彼の耳か、それとも頭にか、分からないが微かに誰か…女性のような声に近しいものが響き渡る。かつて似たようなことがあったが、それもまた同じく曇り、途切れ途切れでもあるが故、ハッキリとは分からなかった。
——◆——
ホタルを身に宿してから、出久が眠り付き見る夢は『干渉』か『記憶』だった。
ホタルが生まれ生きた世界の、ホタル自身の記憶。
もしくは『夢の中の空に一番近い場所』で出会い、朝になるまでお互いに話を積むこと。
出久の夢見る夢はそれらだけになってしまっていた。
されど、
古代、神々が存在したと思わせる遺跡。
出久の現代の衣服とも、ホタルの本来の衣服とも更に異なる、現代の人々はキトーンと呼ばれし衣服を身に纏う古代の人々。
断片的にではあるが、過去の風景とも言える光景を夢に見せられる。
そこに自分はいない。
されど次に見せられた光景、場所にて、彼は身体を持ちその夢の地に足を着けていた。
そこは『
出久の生まれ生きる日本とは異なり、異国…海外との繋がりの方が大きいと言える作りの場。
ホタルの記憶でもなければ、『夢の中の空に一番近い場所』でもない。
なにより、いつも隣にいたはずのホタルは今、彼の隣にはいない。
淡い藤色の髪を、左右を結んで下ろし、白と紫を基調にした衣服を身に纏う女の子。
その姿はどこか、ミステリアスであり、神秘的な印象を与える。
それはまだホタルを覚醒する前に見せられていた、幾度も同じであった夢と同じ。
姿は見えようとも、顔だけは見えない。
そして視界が光に包まれる瞬間にのみ、女の子は気づいたかのように、出久の方へと振り返る。
されどその顔を見ることなく光に包まれ、夢から現実へと引き戻された。
目が覚め、身体の上半身だけを起こす。
夢は鮮明に覚えているが、異なる夢、ホタルとは異なる女の子に対し、出久は戸惑いを隠せなかった。
——◆——
「……」
「イズク、どうしたの?」
ホタルの覚醒前と似た夢を見た翌日。
出久達はいつも通りに朝食を取っていたが、肝心の出久は先の夢のことによって上の空となっていた。
「ずっと上の空だよ…ぎ、銀狼! どういうことかなこれ!?」
「いやそれよりもその頭の上に乗ってる蝶々のほうが気になるんだけど?」
ホタルは食事すらとろうとしない出久が心配になる中、銀狼は彼の頭に乗っている紫の蝶を指摘する。
昨夜、出久に飛び乗り、家に招かれた蝶は、未だ彼の傍にて留まっており、既に開けられている窓からも出ようとしなかった。
すれば次の瞬間、彼はようやくと現実へ意識を戻した。
「出久、大丈夫なの…? ずっと上の空だよ?」
「だ、大丈夫! ちょっと寝不足なだけだから……」
「寝不足? 遅くまで起きちゃってたの?」
そんな感じ。と返事をし朝食をかきこむ。
されどホタルは、
銀狼の付き合いを終えてから
「(何か別の何かが干渉して来たような感じ……イズクの頭に乗ってる蝶が関係してるの?)」
ホタルは視線を蝶へと向けられるが、蝶は微動だにせず、居心地が良いかの如く、出久の頭部にとどまり続ける。
そう、既に一匹の蛍火が住まう緑の谷には——
——一匹の死蝶が迷い込んでいるのだ。
・淡い藤色髪の女の子
蝶と共に突然夢の中に現れた謎の女の子。
謎に包まれているが、何故か出久との繋がりを果たそうともしている。
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