酔うじょオペレーション   作:マキシマムとと

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私の曽祖父

 

 それはお父さん(ゴロー)がAC6にドハマりする前の、家族が集まったお爺様退院パーティーの後の記憶。

 

 

 「お爺様、私はかまわないのですよ?」

 

 田舎に帰る。

 そう宣言したお爺様(源八)に私は声をかけました。

 

 父と変わらない大きさになってしまった曽祖父は、今現在戸籍を持っていません。

 2年前の災害の際に山の奥深くで倒れ、誰にも見つからないままに特別失踪として処理されたためです。

 それはTS幼女お爺さんとして目覚めてからもそのままにしてあるらしく…。

 

 これまでは田舎の友人の家を渡り歩いて生活していたとの事ですが、何かあった時には困る…あれ? 困らない…のかしら? お爺様の事ですので、案外なんともないぜーなのかも知れませんが、それでも…少なくとも見た目は幼女の元ご老人を野に放つ事に抵抗がありました。

 

 それ故の同居の誘い───それはしかし。

 

 「ワシぁ国に飼われるのは好かん!!」

 

 予想した通りの反応。

 私はお爺様の家族であると同時に国の職員の一人でもあります。戸籍を取り戻し、共に生活するとなれば流石に現状を維持して口を紡ぐ事は難しい。

 

 だからこそ私は二の矢を放ちました。

 

 「なんでしたらお爺様にはスミレと暮していただく…と言う選択肢も御座いますが?」

 

 ごく真面目に提案しながら、自分の胸の前のにある空間()を両手で下から持ち上げる動作をして揺さぶりました(心理的な揺さぶり…ぶるんぶるん♡)。

 

 「むほ…(΄◞ิ౪◟ิ‵)」

 

 男って本当に………。

 

 スミレのオッパイという極上の餌に一瞬表情の崩れた残念幼女お爺さんですが、しかし。

 急に軸がズレたような違和感。

 お爺様から香る気配が一変しました。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 「───ワシは、もう生まれて100年息をしちょる」

 

 100から先は数えていない。

 

 それは幼児特有の甲高い声の響きや唇の張り、肌艶とは真逆で、異質とすら感じられる深く…重みのある音で。

 彼が積み重ねた年月は幼化現象(リバースエイジング)と言う奇跡を持ってしても覆い隠す事は出来なかった。

 

 「一浪、次郎、左武郎…ヒーフーミの三馬鹿も、松竹梅に扇の四姉妹も。み〜んな生き急ぎおったわ。ワシの生き運が強過ぎたのが悪かったんかも知らんがな」

 

 身体の強い子も居た。

 頭の良い子も、顔の良い子も、あの子は歌が上手かったし、アイツには役者の才があった。

 

 ───しかし。

 

 「みんな…み〜んな死んでしもうた…」

 

 この場にはスミレと源八の二人だけ。

 それ故に。

 大切な人(今は亡き妻)の血を色濃く受け継いだ彼女にだけは知っていて貰いたい。

 そう、思えたのだろう。

 

 「人にはそれぞれ、生まれた時からお天道様がくだすった役目がある。松子はワシらぁに命の儚さちぅモンを身を持って教えてくれたし、ちぃと前の農林水産大臣が生きとんのは一浪が身を張って動いた結果じゃ。次郎の絵はきっと誰かの心ん中に残っとるし、竹姫も左武郎も小梅も扇も…みぃんな役割を全うして天に召されたんじゃ」

 

 彼はそう考える。

 多くの子を成し、多くの子を看取って来た彼の言葉だからこそ、誰にも反論させない声の響きとなるのだろう。

 

 「あのアホ垂れの史郎は毛利の血を繋げて、その血は今もお前さんとスミレのオッパイに流れちょる」

 

 「オッパイは蛇足ですけどね」

 

 『んぁ!? 蛇足なもんかぃえ! オッパイやぞオッパイ! ワシのおマメちゃんに唯一足らんかった酒池肉林やが』と言いかけた源八ではあるが、オッパイというより雄ッパイに到達した現霊長類最強人類である孫のサヲリを前にしては、流石に命の危機を感じて口を紡いだ。

 

 「まぁ………兎も角じゃ、ワシは天命を果たした」

 

 何故、またしても生き残ったのか。

 あの子もこの子も…不甲斐なく子供を先に死なせ、妻にまで先立たれ。唯一生き残った孫は遠く離れ、身体は干からび病に侵され。

 最後には山で倒れて生涯を終えた───その筈が…気づけは女の幼子に変わっていて。

 何故、己だけがこの生地獄に取り残されてしまうのか…そのように、彼は確かに絶望していた。

 

 しかし、だからこそ。

 その問は(ゴロー)との出逢いにより紐解けた。

 

 「この身体はもう限界じゃわ」

 

 「───え?」

 

 孫を救う。

 胸を張って妻や子供たちに向か合うための。

 その為の命だと理解して。

 海を越え、山を駆け、空を探して辿り着き。

 

 「死ぬる場所は30年と昔に決めておる」

 

 結局は孫に助けられる羽目になった事は不甲斐なく思うが、それも含めての我が天命。

 そのように、源八は理解していた。

 

 「そんな、だって八木沼先生は───!」

 

 「チンコロ小僧の誠一はの、ああ見えて口が堅いんじゃぜ。何をどう間違ったんか知らんゼンタの事になりゃ一気にトチ狂いおるが、余計な事を漏らす程のアホではないわぃ」

 

 ニヤリ…と笑みを浮かべる。

 最後だろうが何だろうが、男とは格好をつけたがる生き物なのだから。

 

 「ゼンタには喋るなよ。アレはああ見えてワシに甘えるクソガキじゃから───はぁ…」

 

 やはり血は争えない。

 親のために顔を捨てた曽孫。

 しかしどうして。

 勝ち気で真面目で、それなのに何処か剽軽(ひょうきん)で───そして、何より涙脆い。

 

 己が愛した人の血を。

 これほど強く引き継いでくれた。

 大切な曽孫。

 

 「おいで…ほれ、座らんとワシの手が届かんじゃろ?」

 

 身体の動きが妙に鈍い。

 そんな不快感を押し殺し。

 彼はサヲリの頭を撫で、抱き締めて笑った。

 

 「お前もスミレも良い女じゃの。玄孫(やしゃご)の顔を見れんかったのはちぃと心残りじゃが、まぁ…」

 

 悪くない人生じゃった。

 

 

 

 「達者で暮らせ」

 

 そう呟き、源八はその地を去った。

 それが約1ヶ月前の事である。

 

 

 

 ───そして。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 「国際便…ですか?」

 

 お父さんが困ったような…それでいて嬉しさを押し隠せないような奇妙な笑みを浮かべていました。

 お父さん宛の荷物の中に入っていた封筒。

 

 その中の写真を私に押しつけて目を逸らす。

 

 「アホみてーな面だろ?」

 

 そこに写っていたのは私の曽祖父。

 短髪で白髪の幼女。筆舌し難いほどに助兵衛な顔をした女の子がそこに居ました。

 

 それは間違いなくあの日見たお爺様の姿で、左右にはお爺様の顔を両側から押し潰すように密着した南米系のグラマラス美女(リオのカーニバル)2人のおっぱいがバルルン♪ ボヨンボヨン♪ と全力の自己主張をしていました。

 

 「───は??」

 

 え?

 あれ?

 だって………え??

 

 「クソ爺だよな〜ホント、見ろよこの面。コイツの血引いてると思うと泣けてくるんだわマジで」

 

 日付は2026.4.15となっています。

 間違いなく、最近の写真。

 それに付属していたらしい便箋をお父さんが読み上げてくれたました。

 

 「なになに…『拝啓サヲリ殿! 案外生きてた! スマン!!』だとw」

 

 案外…案外生きてた???

 

 宇宙ネコになった私の顔を見て、お父さんが嫌な笑顔を浮かべて言いました。

 

 「ど〜せ『ワシはもう死ぬ!』なんて言われたんやろ? あれ、妖怪爺の十八番なんだわなーww 父ちゃんもヤラれた事あったなーアレ、20年前だったか? 確かサヲリはまだ居なかった頃だから───」

 

 嬉しい。

 生きていた。

 

 生きていてくれる。

 

 お父さんが喋っている言葉も耳に入らず。

 そわそわして、ウキウキして。

 そんな気持ちを必死で隠して。

 私は声を荒げて叫んだのでした。

 

 「もぅ! 妖怪お爺様!!」───と。

 

 それは、もう風が温もりを帯びてきた春のうららかな昼下がりの1ページ。

 





 最近更新ペースが落ちて申し訳無い。
 仕事がね?
 作者から安眠を強奪して来やがってね??

 はぁ………今期は本当に、キツイ。
 寝かしてくれ。
 誰か…僕にオネムの時間を下さい。
 。゚゚(*´□`*。)°゚。

水星の魔女のコスプレ、誰を選ぶ?

  • 赤いたぬき・スレッタ!
  • 白いきつね・ミオリネ!
  • ツンデレ侍・グエル!
  • 日陰の美人・ニカ!
  • ボンボン頭・チュアチュリー
  • ハッピーバースディ・エラン
  • エロの化身・シャディク
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