酔うじょオペレーション   作:マキシマムとと

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Vs.スタンガン

 

 「とりあえず、スタンガンに勝ちたい」

 

 

 寝起きから頭の具合が違うように感じていた。

 いつものような腐敗したゾンビ脳ではない。

 無我夢中で何処にあるのかもわからないゴールを探していた昨日までとは明確に違う。

 

 確実な勝利のヴィジョンが定まった時の、ゴール(短期目標)を見据えたロジックが動いている感覚。

 

 その感覚がゴローに問う。

 今のままで勝てるのか…と。

 その答えは───

 

 「───新しい機体を作る。スタンガンに勝つ事だけを考えて、その上で俺の操作技術で扱える機体を」

 

 アセンブル。

 それはACの華。

 

 レイヴンの好みに合わせて、出撃するミッションに合わせて、倒したい『敵』に合わせて。

 

 【勝つ】

 

 その理想を体現する為の重要な因子。

 こと対人戦においてはアセンブルじゃんけんと呼ばれ忌み嫌われる事もある魔の要素ではあるが、己の目標に向けて必要な数値を理解していくこの工程こそがAC(アーマードコア)の魅力である事は疑いようのない事実。

 

 「単発高威力の武装より、やっぱ連射系が好き。と言うか───もう手に馴染んでる。となると…」

 

 プランはいくつ浮かぶ。

 参考となるのはこれまでに戦ってきた数多のレイヴン。

 

 「前に()った中量2脚は上手かったんよな。wルドローでスタッガーレース仕掛けながらイヤショ*1を囮に使ったり、スタッガー時には確定でズドンして火力を底上げしてた。けど…アレじゃスタンガンの相手は厳しいし、何より俺にあんなイヤショテクニックは無い」

 

 一芸に秀でたレイヴンは強い。

 己の長所で短所を覆い隠して勝つ。

 

 「4ガト…」

 

 忌まわしいドス(コイ)ガトリンガーを思い出す。

 

 「いや、アレは無いな」

 

 まず重量機と言うカテゴリーがキツイ。

 AB凸を前提とした鈍い操作追従性がまず辛いし、何よりアレ(脳死)で勝つのはこれまでに積み上げた自分自身の努力への冒涜である…と、感じてしまう。

 

 「───けど、最低限の操作性(速度)を維持しながら耐久力を高めるのはアリなのでは? スタンガンなんて超近距離武器なんだし、跳弾させられればかなり優位よな」

 

 硬い機体はそれだけで強い。

 射程距離が短い機体を嫌でも吸い付けるムチムチワガママボディの魔力を帯びている。

 

 「なら………脚をいっそ車椅子(軽量タンク)に換装して、頭はスタンガン対策のアンテナ頭」

 

 悪くない案だと思う…が。

 

 「ん〜〜〜〜…やっぱガトが重いんよな。ルドローの2倍超の重量の癖に連射性能を加味したDPSでは似たようなモンだし、何より射撃反動がヤベーから期待値はグっと下がる。弾幕で仕事するタイプなんだろーけど………」

 

 う〜むむむ。

 考えながらモニターを眺めるゴローの目が、フと画面下を捉えた。

 

 ○:装備 ☓:戻る □:動画再生 △:表情切替 L3:ソート ▽:ヘルプ

 

 「ソート…??」

 

 何となく、吸い寄せられるようにL3ボタンを押し込むと『ソート基準を選択してください』と言う画面が表示された。

 

 「へ〜? 『初期順』に『入手順』 『重量』に『EN負荷』………あ? あん? これ…もしかして?」

 

 選んだのは『武装タイプ』の項目。

 見た所、上から順に『単発実弾武器』『単発爆破武器』『連射実弾武器』と並んでいるようで…。

 

 「ほほ〜ん? わかりやすくて良いなこの機能。連射実弾の後が連射爆破で、そんで…………EN連射武器か」

 

 実際には連射EN武器のパルスガンの下にバースト実弾武器のサンプがあったり、その下に謎に単発実弾武器のライフル系があるのでゴローの解釈は間違っているのだが。それはそれとして、ゴローの意識は別の所に引き付けられていた。

 

 「パルガンの火力って、かなり高いよな??」

 

 思えばABで特攻しながらパルガンを擦るだけ擦ってそのままABで逃げていく轢き逃げ野郎のようなACと対戦した事もあったし、あの時のAPの減り方は本当に卑怯だとすら思った。

 (当然のように負けた)

 

 「ん…コレ、ジェネ次第で火力上がるんよな? となると…………あれ? コレって…ルドローの2倍のDPSになるのでは? つまり、2個持てばルドロー4丁分…?」

 

 目に付いたのは範囲型パルスガン『HI-18: GU-A2』。

 

 衝撃値ではルドロー負けているし、パルガンの弾は遅いはず。そんな理想通りの数値になる訳がない。

 そのように思考しながらも指は半自動的にアセンブルを組み上げる。

 

 「150ジェネ*2と、やっぱしEN出力がキツイからコアはスネイルコア*3。腕は…防御と軽さを考えて肩イボ*4で───あ…いや、今は耐弾防御のが欲しいんだから、この場合はメランダ*5のが正解で。肩武器は………もう適当に初期ミサと光波キャノンでいーや」

 

 ザックリと組んだアセン。

 これまでに考えた愛機達の1/10にも満たない速度で急造された試験機体の実力は───しかし。

 

 「……………は?」

 

 たまたま上手くマッチングした対スタンガン戦。

 敵が遠ければミサイルで殴り、近付いて来れば装甲で受けてルドロー4丁分のクソ火力で圧し潰す。

 

 「勝ったん……だが??」

 

 数値に直せば当然の結末だった。

 

 平均より高い火力。

 平均より厚い装甲。

 平均より速い速度。

 

 近寄る以外に選択肢の無い敵機に、

 操作技術が同等のレイヴンに、

 このアセンパワー格差を埋める事は…不可能!!

 

 「パルガン…強えぇな」

 

 当然、このアセンには欠点がある。

 しかしパルガンの強さには希望があった。

 

 「勝てる…勝てるやんけッ!!」

 

 勝利の美酒は要らなかった。

 まだ違う。

 ここが始まりのアセンであり、この先に本当の自分の愛機が待っている。

 

 そんな予感が…未来への希望が、ゴローのハートをゾクゾクと奮わせていた。

 

*1
肩に装備する大火力の爆炎付き大砲

*2
EN武器の火力を最高に伸ばせるジェネレーター

*3
ケロロ軍曹の顔みたいなコア。デカくてダサくてクッソ強い。基本的に見た目性能が低い=機能性能が高いのがACの伝統

*4
肩にカエルのイボ見たいな丸が着いた腕。クッソ強い。基本的に見た目性能が低い=機能性能が高いのがry

*5
腕パーツ。総合的には肩イボより少し柔らかくて重い。見た目性能○

AC6のコスプレ、誰を選ぶ?

  • 幼女概念C4-621
  • 幼女概念リトル・ツィイー
  • 幼女概念シンダー・カーラ
  • 幼児概念ハンドラー・ウォルター
  • 幼児概念V.Ⅳラスティ
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