ゴローの胃が限界を突破して口から虹を生み出したその頃。モニターの向こう側に黒い悪意が忍び寄っていた。
「───もぉ! だから言ったのに!!」
怒り心頭。
心配爆発。
幼女概念C4-621扮するゴローが口から中身をお漏らしした瞬間、それを見守っていたスミレが遠隔操作にて配信の強制終了ボタンを押した。
父の危機である。
早く駆け付けて拘束具を外すのだ!
ニコちゃんが目覚める前兆は既にあった。
それ故に緊急対応の準備は万端。
今すぐに立ち上がって…!?
(あ…………あれ??)
ふらつく身体。
倒れないように手に力を込めながら。
おかしい───と、スミレは思った。
急に、である。
まるでテレビのチャンネルを切り替えるような唐突さで身体の中心に悪寒が走り、花粉の嵐に巻き込まれたかのように目や鼻から体液が流れた。
風邪やインフルで体調不良になる事はあるし、今の体調はその不調のピーク時に似ている。
だが、つい先程まで何一つ身体に異変を感じなかったのだ。これほど急激に体調が激変する事は人生でも初めてで。
「う………いだっ…!」
気付けば椅子から転がり落ちていた。
「ナォん!?」
異変に気付いたマロ(後郎叔父さん)が駆け寄るも、畜生の身で出来る事など知れている。
何がどうして。
その問に応えるのは…。
【ピン・ポ〜ン】
チャイムの音が来客を告げた。
「ぉこんにちは〜〜〜っピ☆」
インターホンを鳴らすのは白い悪魔。
「マロくんのテーキ検診に来たっピよ〜! んん〜? スミレちゃん? おかし〜な? いつもならスグに来るのになー?? あれあれあれれ? 外出のヨテーは無いハズだっピ! これはおかしい! きっと中でジケンが起きてるんだっピね☆」
キンキュー事態だから〜♡
いま助けるから〜♡♡
うへへへうへへ〜〜♡♡♡
嬉しそうに鍵を
その名も八木沼。
幼児化お爺さんこと、八木沼誠一の姿がそこにあった。
───ガチャ───
ドアを開ける八木沼。
「シャー!!」
「おぉっと危ないっピ☆」
不意打ち狙いで飛び掛るマロ。
それを見越していた八木沼が独自開発した対マロ用マタタビスプレーを鼻に噴霧した。
「ゴニャ!?」
「うぇっへっへっへっへっ………」
予定通り、計画通り、想定通りの現実に、どうしても黒い笑みが隠せない。
ゴロゴロと、快楽の世界へトリップしたマロを足で押しのけ、勝手知ったる他人の家へと背筋を伸ばして不法侵入する幼児。
「あん……た、なに……を…………!!」
床で息をする女子。
まともな感性であればエロスを感じるであろう荒い吐息を鼻で笑い、八木沼がスミレを見下した。
「おやおやぁ!? これはこれはスミレちゃん! なんだか体調が悪そうだっピねー?」
当たり前のようにその首筋に手を当て、下まぶたを押し下げて網膜の様子を確認する。
「これはヒドイ! とってもひどいインフルエンザにカンセンしてるっピ!」
このタイミング、態度、そしてあまりにも白々しいセリフ。それが意味する所は…。
「あん…た……!!」
どんな手品を使ったのか、それはスミレにはわからない。しかし、この状況を作り出したのが目の前にいる
「かわいそうーなスミレちゃん! でもだいじょうぶだっピ! ボクの作ったトクセーのお薬を刺して1日グッスリ眠れば、
明らかに、明確に。
目は口程に物を言う…その古いことわざ。
長く人の世に受け継がれてきた真理は、明確に八木沼の罪と愉悦を指し示す。
険しい表情で八木沼を睨むスミレだが、当の本人はどこ吹く風。完全にマウントを取っていた。
「うんうん、わかる。わかるっピ! スミレちゃんはモーリくんの事が心配なんだっピね! ボクも今さっきまで配信見てたからわかるっピ! だけどアレ? あれれれれぇ?? 困ったぞ!? こんなジョータイのスミレちゃんじゃモーリくんのカンビョーはムリだっピよ(ヾノ・ω・`)ムリムリ」
「く………サヲ、リ」
そうだ。
姉なら…!?
そこまで考え、瞬間的に八木沼の瞳の闇に気付く。
「まさ…か………!!」
口から牙が見えるような笑み。
醜悪な吐息すら感じさせる…天使の微笑みを浮かべ、眉尻だけは姑息にもへにゃりと下げ、如何にも困りましたとポージング☆
「流石は姉妹だっピ! これがイシンデンシンって奴だっピか? お察しの通り…実はサヲリちゃんもわる〜いカゼを引いちゃってるんだっピよね〜? そう言えばあのお邪魔虫も、なんだかチキュウの裏側でジケンがあって、手が離せないらしいんだっピ〜〜〜www」
もちろん、八木沼はポポちゃんの優先順位を把握しているし、そのクソ高い能力と執念を評価している。
───故に。
「どうしよう!? モーリくんのピンチだっピ! こんな時に頼れる人が居たなら………あ! 頼れるステキなナイスガイが、ココに居るじゃないっピか!?」
───故に、彼は機を待った。
耐えて、耐えて、耐えて。
己の内側を焼き焦がす情欲の…ヘドロのような慾望の熱に耐え、今この時、この瞬間を作り出すことに全霊を捧げた。
「仕方ないっピね、役立たず…いやゴミ…カス…ごく潰し………存在がザンネンな君達に変わって、このボクが特別に
目はトリップし、口の端からヨダレが垂れる。
完全にアウトである。
性犯罪者の顔の見本のようなクズである。
(知ってる…この男は、お父さんの状態も、このタイミングも…全部知ってて……ッ!!)
あの子が襲われる。
無垢で、純粋で、我儘で、可愛い。
ニコちゃん……そんなこと、絶対に許さない!!
「この………クソや…ろ……ぐぐぅ!!」
意志の力だ。
いつの世も、悪意に立ち向かうのは黄金の魂を持つ者の、決して挫けることの無い強靭な精神!!
震える足で立ち上がったスミレが───「はいガンバリましたね〜っピ☆」───何かを成すよりも早く、八木沼がエピペンによく似た形状の注射器をその太ももに突き刺した。
「お・や・す・み・・・っピ☆」
意識が遠退く。
即効性の薬剤が、彼女の魂を封じ込める。
「あ………かは………………」
「う〜ん、とぉ〜ってもカンタン! 流石にサヲリちゃんと身体ノーリョク一般人なスミレちゃんを比べちゃダメだっピね!」
サヲリと比べる。
その言葉の意味に戦慄する暇すらなく…。
「後はキーを手に入れて、正規の手段でモーリくんのお部屋にお招きされれば……ぐへ、ぐへへへへへ♡」
合鍵。
不正なドアの解除には反応されるが、家族にのみ許された合鍵を使用すればポポちゃん警戒網と戦う必要すら無くなるし、中の監視AIは何ヶ月も前からジリジリと削り落とすようにして掌握している。
そう。
全ての計算はこの後の記念日を彩るために。
ドキドキ、と言うよりもコトコトやトコトコと表現する方が正しく思える。
小さく早くなった己の鼓動を感じながら、
「何もかも! ボクに任せておけば100%カンペキなんだっピ!」
思い描く未来への期待。
脳の血管が千切れそうなほどに分泌される快楽物質。
何故これで股間が大きくならないのか。
「モーリくん…モーリくんが居れば………ピ♡」
きっと大きく固くなる。
八木沼はこの日、幸せな未来へと王手をかけたのであった。
AC6のコスプレ、誰を選ぶ?
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幼女概念C4-621
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幼女概念リトル・ツィイー
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幼女概念シンダー・カーラ
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幼児概念ハンドラー・ウォルター
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幼児概念V.Ⅳラスティ