酔うじょオペレーション   作:マキシマムとと

131 / 137
モーリくん♡リョージョク♡計画♡ 後編

 

 ヤバイという事はわかっていた。

 

 

 幼女概念C4-621のコスプレ姿を決めたのは自分だ。体調を危惧する娘の反対を押し切り強引に配信を始めたのも自分だし、彩りが悪いから…と周囲に色鮮やかなクッションを敷き詰めたのも自分。

 

 気分が悪くても拘束具が邪魔で立ち上がれなかった。ゲロを吐く瞬間、不安定なクッションの上で痙攣してしまった身体を支える為に床から手が離せなかった。

 配信を中止したくてもボタンが遠すぎて何も出来なかった。

 

 結果としてゲロをビグ・ザムの主砲のように勢い良くドピュり、お茶の間の皆様へ不快感を与えるだけ与えて動画の配信は強制終了。

 ※新しいアダ名はビグ・ザム56ですね。

  わかります。

 

 ヒドイ。

 自分でもひどいと思う。

 

 「うば〜〜……………」

 

 口の中が酸っぱい。

 上手にゲロった事もあり胃酸は鼻に入らなかった。なので不快感はそこそこ低め。

 

 しかし…これは絶対に怒られる。

 むしろ怒られるほうがマシまである。

 

 頭もボーっとして来たし、多少怒られても呆れられてもヘーキヘーキなのだが、スミレの中のお父さん株がドンドン下落してしまうと思うとなんだかとても悲しくなってしまう。

 

 「うう……」

 

 悲しくて悲しくて…制御が出来ない感情が心臓を物理的な傷みすら伴ってキリキリと締め上げる。

 

 「うぐ…う………ふぇ……」

 

 あ〜…………。

 なんか────意識が─────。

 

 「ふぇ〜ん!!」

 

 ───と、自分の喉から出る赤ちゃんのような泣き声を他人事のように聞きながら、ゴローの意識が薄れていく。

 

 もう、落ちる。

 ゴローの意識が闇に消える。

 

 ───その瞬間だった。

 

 「ぐへへへへへへ…ピ♡」

 

 背筋が凍るような怪音波。

 

 「ぴゃ!?」

 

 喧しい自分の鳴き声すら貫通して耳に届いた悪意の響き。その『(笑い声)』に反応してニコちゃんの涙が引っ込んだ。

 

 (この声、八木沼………え、なんで!?)

 

 ゴローは微妙な状態にあった。

 身体は拘束具の中であり、ゲロまみれであり、精神の主導権はニコちゃんなる幼児人格が握っている。

 今のゴローは自分を俯瞰する幽霊のような状態で犯行現場を見守る事しか出来ない。

 

 「お♡ おこ♡ おここんにち、うへ♡♡ うへへへ♡ おこんにちは〜〜〜〜っピ♡♡♡」

 

 ガンギマリである。

 八木沼誠一(肉体年齢)3歳。

 顔の上パーツである目はガンキマリに決まっており、下パーツとなる口からはヨダレがあふれ出してキラキラと顎を濡らしている。

 

 汚い。

 こんなに汚い顔の幼児が存在するのか?

 いや居たわ。

 

 そんな顔である。

 

 あまりの恐怖にニコちゃんが硬まる。

 その表情に察する物があったのか、八木沼くんのテンションは早漏の様に早々と限界点を突破した。

 

 「食べ放題っピ!!!!!」

 

 本物のルパンに土下座して謝って欲しい。

 心からそう思える。

 しかし、それでいて見事としか表現出来ない至高のルパンジャンプにて電光石火の脱衣&跳躍を行った八木沼…!!

 

 「ぴぇ…!!!」

 

 ゲームオーバーは確実だった。

 瞬間的に超加速したゴローの意識が現状を正確に把握する。

 

 恐怖に引きつるニコちゃんの口もと。被捕食者じみた負け犬の目付き。八木沼の汚い顔とぴよよんと揺れるおちんちん。

 そうした映像が意識の上では、とてもゆっくりと流れて見える。まぶたの動きすらアクビの出るようなコマ送りの映像世界で、ゴローの意識だけは取り残されたように思考を重ねる。

 

 (このまま八木沼の理想通りの未来が訪れたなら、きっと明日は地獄だよな。ヤツの息子が目覚めるか否かはさておき、肉体を拘束され精神も幼児化したニコじゃ何一つ奴に抵抗する事も出来ずに全身を陵辱されてしまう)

 

 『ボクのおちんちんでマーキングしてあげるっピ☆』

 『ぱんぱん…ぱんぱん…楽しいっピ!!』

 『かわいいっピ、よしよし…よしよし…っピ♡』

 『チュ…チュパ…ベロベロベロ……』

 『歯を立ててもイイっピよ? その時はまたお仕置きしてあげるっピから』

 『あぁ…ボクのボクちゃんが元気になってきたっピ』

 『奇跡だっピ』

 『やっぱりモーリくんはボクの性女(聖女)…♡』

 『これか…愛なんだっピね…ポ♡』

 『結婚…いや結合…なんて幸せな人生だっピー!!』

 『ただいま…ただいま…ただいま…うぅ……!!』

 

 少し想像しただけで嫌にリアルな最低の未来が垣間見える。泣き叫ぶ幼女…容赦ない幼児。

 

 自分なら耐えられるだろう。

 もちろん最悪だ。

 考え得る限り最悪なエピソードではあるが、ゴローとて伊達に45年も6年も生きていない。

 

 自分個人なら耐えられるのだ。

 犬に噛まれたと思えば行ける。

 

 だが、ニコには無理だろう。

 十中八九壊れてしまう。

 …そして、事後に地獄と化したこの部屋に突入するだろう、大切な二人の娘も、まず間違いなく耐えられない。

 下手をすればサヲリ辺りは八木沼をブチ56して刑務所に入る未来まである。

 

 娘を守りたいし、ニコも守りたい。

 今はこんな(犯罪者)だが、八木沼にだってお世話にはなっている。コイツを犯罪者にはしたくない。

 そう思うのだ。

 

 だが、肉体の主導権はゴローには無い。

 

 (このままじゃ負ける)

 

 ───このまま、まける?

 

 (負けたくない)

 

 ──まけない、もん。

 

 (戦いたい)

 

 ─やっつける!

 

 (それなら)

 

 それなら…!!

 

 

 

 ───状況を理解する。

 

 自機と敵機との座標。

 軸は正確。

 敵はジャンプからの突撃モーション。

 自機は地上で脚を拘束中。

 

 (カウンターだ…カウンターしかない!)

 

 ニコちゃんの両手にチカラがこもる。

 ぐっと下半身を引き寄せ、身体を丸める。

 ニコの顔つきが変わる。

 恐怖の色はそのままに、しかし瞳の奥には闘志が宿る。

 

 (身体()は闘争を求める)

 

 気付けばゴローの意識はコントローラーを握っていた。有線式の、PS4のコントローラー。

 

 接続先のニコ(幼女)へと支持を飛ばす(オペレーション)!!

 

 (AB!!)

 

 アサルトブースト。

 超加速モーションから。

 

 「え〜びぃぃぃぃぃ!!」

 

 (行けオラァ!!)

 

 狙うは鳩尾(ミゾオチ)!!

 

 (キック!)

 「きぃぃぃぃぃぃっく!!!」

 

 

 

 ※1カメ(正面映像)

 八木沼のミゾオチをえぐるように、拘束具により強く硬められたニコの両足が突き刺さり、八木沼の矮躯が空中で『く』の字に曲がる。

 

 ※2カメ(背面映像)

 八木沼の背中が見える。

 体の中心から『く』の字にへし曲げられているお陰で汚いケツ穴が映像に映る事はない。

 

 ※3カメ(アップ映像・八木沼)

 驚愕に目を見開いた八木沼。

 直後ミゾオチを襲う衝撃により、一瞬だけアニメのように瞼から眼球が押し出される。

 

 ※4カメ(アップ映像・ニコ)

 凛々しい幼女の決意の表情。

 インパクトの瞬間もその闘志が鈍る事はなく。 

 変態幼児を蹴り飛ばした後には、生を叫ぶような野性味の溢れる笑顔で勝利の雄叫びを上げたのであった。

 

AC6のコスプレ、誰を選ぶ?

  • 幼女概念C4-621
  • 幼女概念リトル・ツィイー
  • 幼女概念シンダー・カーラ
  • 幼児概念ハンドラー・ウォルター
  • 幼児概念V.Ⅳラスティ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。