酔うじょオペレーション   作:マキシマムとと

133 / 133
2歩進んで1歩下がる。そんな酔うじょの1日

 

 「信用がない!!」

 

 

 いつもの配信をしようとして、ドクターストップならぬドーターストップをかけられてしまった。

 

 「アーシがあんだけ言ったのに! 聞かずにゲボした事、もう忘れちゃったの!? アーシが(・・・・)助けに行かなかったらニコちゃんがどうなってたか!!」

 

 いつもの日常。

 ニコちゃん明けのゴローを仁王立ちでスミレが見下ろしていた、

 

 「悪かったって言ってんだるぉ??」

 

 「全然反省してないじゃん!?」

 

 「してんだよなぁ…」

 

 スミレの心配はわかるが、それでもゴローは腐ってもゲロっても配信者だ。

 

 「スミレにもそうだけど、リスナーの皆にも心配かけてんじゃん? 平気だったよってくらいは伝えなきゃダメやろ、人として」

 

 もっともな正論。

 スミレも一応はプロだ。

 リスナーを大切にしたい、とするゴローの声を無下には出来ない…けれど。

 

 ───ニコちゃんは自分が(・・・)助けた。

 

 その筈なのに、何故かその事実が遠くて。

 心が苦しい。

 伝えられないモヤモヤが、どうしてもスミレの心を掻き乱していた。

 

 「んじゃ〜今回はACもガンダムも無し! もっと気楽に遊べるゲームにするし、スミレから見て体調がヤバそうだってなったらスグに配信終わるから…な!?」

 

 そんな押し問答の後、ゴローが配信に選んだ題材はドラキュラだった。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 「───と、言う訳で! 今日はコイツで遊んでくぞ〜☆」

 

 【悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲】

 

 1997年。

 今から29年前に発売されたアクションRPG。

 探索とレベルアップ、技能獲得により行ける場所が増えて行く、俗にいうメトロイドヴァニアと言うジャンルのゲームである。

 

 

 ───名作キタ!

 ───ゲロっても生きてる幼女w

 ───対戦は神経使うもんな

 ───懐かしい〜

 ───まーた古そうなゲームを

 ───おじいちゃんコレな〜に??

 ───配信ブッチした謝罪パンチラをハヨ…

 ───マリオとかもっとメジャーなヤツをだなぁ

 ───生きてたなら!ヨシ(現場猫)!!

 

 

 帰ってきたゴローを暖かく迎えるリスナーの声。

 

 「スゲー久々にやるわ〜コレ。おっちゃん一応クリアした事あるんやが、さーす〜がーに〜〜久しぶりじゃけんなー。覚えてないトコ色々あると思うんよね。あ、書いてある通りネタバレと匂わせは厳禁な? 今回はみんなでゆったり遊ぼ〜ぜ」

 

 懐かしい名作ゲームを楽しみながら、リスナーと言葉を交わしていく。

 マップの合間合間で酒を飲んだり、オツマミをパクつきコメントを消化する。

 こうした都度の小休止はACやガンダムではままならないが、対戦相手に合わせる必要のないゲームでなら、好きなように遊べる。

 

 「たまにはこんな穏やかな配信も悪くなねーな」

 

 そんな風にゲームを進める。

 

 

 ───身体は大丈夫なの?

 

 

 心配したリスナーの言葉。

 コメントだけではわからない筈なのに、何故かゴローにはこのコメントの主がまだ子供のように感じられた。

 なんだか嬉しい。

 そんな気持ちが顔に出る。へにゃりと眉尻を下げながら、どうしても広角は上に上がって。

 

 「いや〜心配かけてスマネー。身体っつーか頭なw いや、でも目が覚めた時は割とスッキリしてんだよね。今朝なんかも───」

 

 リスナーの気遣いに応えつつ、今朝の記憶を思い出す。

 決して悪くない。

 不思議な夢の記憶と共に。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 「んむ〜〜〜〜〜…」

 

 

 回線(意識)が繋がった感覚。

 朝の光をまぶたの向こうから感じて、ゴローは寝転んだままゆっくりと背筋を伸ばした。

 

 「はふぁ〜」

 

 脳みそが軽い。

 良く遊んで、よく寝た後の好調な脳みそ。

 

 「ニコちゃん…妙な夢過ぎなんやが」

 

 服装はお決まりのワンピースに呪物(オムツ)

 おチッコでパンパンになった紙オムツの端っこを手で切り裂きクルクルと丸めてテープで固定。流れるようなフォームで汚物入れへとダンク・シュート!

 スースーするオマタをウエットティッシュで軽く拭いて、その辺から適当に着替えを取り出して風呂場へ向かった。

 

 最初こそ娘からニコちゃんと間違われる残念イベントがあったが、現在ではこのようにニコちゃんでは不可能な『一人でシャワー』なる大人のルーティンを組む事で出会う前からパパの帰還を宣言する事を可能としていたのだ。

 

 

 ───シャワ〜〜〜

 ───シャワ〜〜〜

 ───シャワ〜〜〜

 

 

 「にしても…参った夢だったわな」

 

 降り注ぐ温かなシャワーを浴びながら、ゆっくりと夢の内容を思い出す。

 幼女概念C4-621のコスプレをした所までは現実だったと思う(現実か? スゲー現実感のある夢って珍しく無いし、また後で確認するとして)けど、その後がやべーって話だわ。

 

 「八木沼はまぁわかる。もともとクソ変態野郎だから夢ん中でフッハしたんやろーけど、その後がなぁ」

 

 ニコちゃんを操作して変態を撃退。

 

 「ポポちゃんの正体がウサさんだった…とか」

 

 その後の夢の中にはポポちゃんが登場した。

 

 ゲロまみれで床に転がっていたニコをすくい上げ、一緒にお風呂に入ってくれて(最初はニコ一人で行かそうとしていたが、あまりにも泣き叫ぶので諦めた感じの流れ)当然ながらテンションMAX! になったニコちゃんの怪獣ダンスの余波を受けてグルグル渦巻き発生装置の機能が停止。

 (あんな高級そうな未来マシンが水飛沫程度で壊れるとか…まぁ夢だもんな)

 

 そう言えば、顔が見える前からちょっと思ってたかな? オッパイとかお尻、陰毛の形なんか…あ、あとホクロ。

 そう言えばウサさんも太ももの内側にホクロがあったんよな。夏の大三角形そっくりなヤツ。

 

 「にしても若かったな…あの頃のウサさん。案外覚えてるもんやねんなぁ」

 

 夢の中のウサさんは20歳の頃の若い顔をしていた。

 肌艶もピチピチで………。

 

 「はよ出よ」

 

 思い出したら少しモンモンしてきた。

 幼女ボディでモンモンしたら犯罪な気がする。

 夢の中の八木沼みたくなりたくない。

 

 そんな気持ちでゴローはシャワーを終えた。

 ───それは、それとして。

 

 「メッチャクチャ…可愛かったなぁ………」

 

 嘘偽り無い正直な感想。

 夢ででも、久々に出会えた伴侶との一時。

 もっと苦しいと思っていた。

 もっと悲しいと信じていた。

 

 けれど、ゴローの薄くて平べったい胸の中にある気持ちは───胸が張り裂けそうなほど弾んでいて。

 

 とても、とても…暖かかった。

 

AC6のコスプレ、誰を選ぶ?

  • 幼女概念C4-621
  • 幼女概念リトル・ツィイー
  • 幼女概念シンダー・カーラ
  • 幼児概念ハンドラー・ウォルター
  • 幼児概念V.Ⅳラスティ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

転生して型月版・沖田総司になったけど、労咳を克服したら明神弥彦の母になっていた件 〜るろ剣世界で最強のママやってます〜(作者:だいたい大丈夫)(原作:るろうに剣心)

かつて京都を震撼させた「人斬り抜刀斎」と並び称された、新選組一番隊組長・沖田総司。▼労咳の運命を越え、彼女が手にしたのは平穏な明治の世と、亡き夫が残した一人息子・弥彦だった。▼しかし、その剣はまだ、錆びついてはいない。▼「たまには人を斬っておかないと、腕が鈍るでしょう?」▼昼は息子の教育に頭を悩ませる士族の未亡人。夜は月夜に紛れ、暗殺者として死体の山を築く。…


総合評価:3103/評価:6.92/連載:86話/更新日時:2026年05月31日(日) 12:00 小説情報

魔女学園のTS生徒〜被検体の俺は美少女の皮を着せられ、魔女学園(女子校)へ編入する事に〜(作者:海神アリア)(オリジナル現代/冒険・バトル)

 普通の人には扱えず、感じる事すら出来ない『魔法』の力。自在に扱えるのは女性、それも限られた者のみである。▼ そんな魔法世界の教育機関、暁虹(ぎょうこう)学園は当然女子校だ。▼ これは華の魔女学園に送り込まれた『男性』の被検体、『雨海(あまがい) 惺(しずく)』の物語である。▼ ……厳密には水の魔女、『瑠璃海(るりうみ) 蒼蘭(せいら)』の『皮』を着せられた…


総合評価:702/評価:7.69/連載:101話/更新日時:2026年05月29日(金) 18:00 小説情報

妹に撃たれない方法(作者:Brooks)(原作:ガンダム)

ア・バオア・クーでキシリアに射殺されたギレン・ザビは、目を覚ますとジオン・ダイクン逝去の当日に戻っていた。次は絶対に妹に殺されたくない。その一点だけを現実的な目標に定めた彼は、戦争より先に家族会議を整え、暗殺より先に議事録を作り、歴史より先に妹の機嫌を取りにかかる。しかし未来を知るのは彼だけではなかった。動乱へ傾くサイド3で、兄妹は奇妙な休戦に踏み込む。笑え…


総合評価:479/評価:6.2/完結:226話/更新日時:2026年05月06日(水) 19:56 小説情報

ロシア装備でサバゲーしていた俺がいつの間にかブルアカの世界に転生してTSしていたんだが?(作者:NK7)(原作:ブルーアーカイブ)

山の中、ロシア装備で三日間耐久サバイバルゲームに参加していた筋肉モリモリマッチョマンの変態が崖から落ちたらブルーアーカイブの世界にTS転生していた。ただそれだけである▼(主人公のブルアカの知識はlet's goミームと陸八魔アルぐらいしか知らないものとする)▼評価、感想、お待ちしてます


総合評価:975/評価:7.38/連載:72話/更新日時:2026年04月04日(土) 23:20 小説情報

機動戦士ガンダムSEED~旭日旗を掲げて(作者:武御雷参型)(原作:ガンダム)

C.E9。国家の枠組みが大きく変わった時、台湾が日本に吸収され、日本皇国として誕生した。▼また、日本皇国は中立を宣言し、オーブと防衛協定を結びお互いの国家に安寧の地を目指していた。▼登場するキャラクターの一部は、ある作家さんのキャラを使っています。また、今作品は合作となっています。


総合評価:172/評価:-.--/連載:14話/更新日時:2026年05月03日(日) 00:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>