酔うじょオペレーション   作:マキシマムとと

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500コストでも息をしたいTS幼女おじさん

 

 「500だよ………また500、今日も500昨日も500明日も500だよちくしょーめ………」

 

 トン。

 缶カバーのおかげで音は優しい。

 しかし衝撃に耐えかねて飛び散った中身がテーブルを濡らし、ゴローが慌ててティッシュで拭き取る。

 

 

 ーーーこの子どしたの?

 ーーーゴロタス、ザコだから(´・ω・`)

 ーーー言われりゃ確かに低コスト減ったか?

 ーーー前と同じやろ

 ーーージークアクスの新規参入だし

 ーーー500は最低ラインなとこあるよな

 

 

 「おじさんは死ねってか!? 500コストの機体なんて扱えるわきゃねんだよッ!!」

 

 ゴローが荒れた理由は簡単。

 バトオペで勝てないからだ。

 配信再開前の連勝が嘘のように勝てない。

 1度調子に乗ってからドン底に叩き落とされる屈辱に、メスガキ幼女メンタルでは耐えられなかったのだ…!

 

 「ちっげーよ! 戦えるコストが来ないのっ!」

 

 ゴローがまともに扱える機体は僅かだ。

 

 300コスト・アッガイ火力型A【TB】

 400コスト・ギャン・エーオース

 450コスト・ザク・マシーナリー

 

 この3機をメインとして、あとは壁汎が出来る機体を細々と回す程度。

 一応ザク・マシーナリーLv2は持っているため、無理をすれば500コストにも出撃可能なのだが、先日の連敗(トラウマ)が尾を引いているのと、それでも試しに出撃して赤いガンダム(今週の新機体)から一方的にマトにされ続けた結果完全に心がへし折れていたのだ。

 

 「影からファンネル飛ばしてきてさ? ちょっとよろけたと思ったら速攻でハンマー投げてくんだぜ??」

 

 ガンダムこわい

 ガンダムこわい

 

 「今日はバトオペ配諦めてプラモ作ろっかな。最近おっちゃんのむ………っと、友達がプラモデルをプレゼントしてくれたんよね〜!」

 

 ーーーむ?

 ーーーむってなんだ?

 ーーームスコかッ!?

 ーーームスメに期待!!

 ーーーデカイおっぱいの娘さんが来ると聞いて

 ーーー無駄にチチのデカイ嫁かも?

 ーーーふざんなゴローは俺の娘だ

 ーーー俺の嫁だ

 ーーー俺の天使

 

 ザワつくコメントをガン無視して、ゴローが赤色の箱を取り出す。

 

 「ジャジャ〜ん! グランゾート【王金版】知らん人の方が多いやろ〜し、知ってる人でもワタルのオマケみたいにとらえてる人が多いっぽいけど、おっちゃんはコレが好きでなぁ〜〜〜!  まさか覚えててくれてるとは思ってなくてスゲー嬉しかったんよね〜」

 

 ーーーへ〜? 逃げるんだ

 ーーー俺はバトオペで凹まされるゴローを見に来たんだが?

 ーーーゴローはザコだからね

 

 煽り文句に青筋を立てるゴローだが、

 

 ーーーお願いだからヘイルズ改使ってみてよ! こないだ拡張スキルの【装甲Lv4】出たでしょ? だまされたと思って1回だけ! 先っちょだけでイイから!!

 

 少しだけ名前に覚えのあるリスナーからのリクエストもあり、とりあえず一戦だけ頑張ってみることにした。

 

 「補助パーツでオバヒ時間とかを軽減しながら装甲値で稼ぐ王道壁汎機体………武装の種類は3コ、強化タックルLv5でダメージ底上げなぁ?」

 

 ーーー対ビのLv3に拡張スキルの【装甲Lv5】を加えたら対ビームだけは防御補正50行くから赤いガンダムのファンネル程度なら蚊に刺された位にダメージ軽減できるよ! Lv4でもじゅうぶん硬いから! 中学生のアレみたいにカッチカチだからっ!!

 

 「え〜? キモいんですがぁー↑↑ ほんとにゴザルかぁ〜??」

 

 ーーージムⅢパワードの方が火力出るけど、たぶんゴロタスはこっちの方が使いやすいと思う

 ーーーゴローのPSなら確かに

 ーーーシンプル過ぎじゃね?

 ーーーこのくらいシンプルじゃなきゃ

 ーーーゴローだかんな〜

 

 ボロカスに言われるのたが、事実武装は少なく、エイムは簡単に、装甲は兎に角硬く。そうしたMSを求めているのは自分自身なのだ。

 

 カシュ!

 馴染みの音を響かせて。

 

 「ん、ゴッゴッゴッゴッゴッゴッーーー!!」

 

 ぱふぁ〜!!

 

 ーーーガソリン注入完了

 ーーーレギュラー満タン

 ーーーハイオク…ゴローにはムリか

 ーーーLCL

 

 「500コスト帯、鉱山都市、TS幼女おじさんヘイルズ改…いきや〜すッッッ!!」

 

 出撃シークエンスを終え、大地へ降り立ったゴローのヘイルズ改。

 

 「ん………んぉ? なんか早くね?」

 

 「流石にオバヒ回復早いな……」

 

 「サーベル微妙に短いか?」

 

 「いやでも……硬いなヲィ?」

 

 「ん?? 硬いぞ…??」

 

 「あれ? こんな…硬いのか?」

 

 「タックルさえしとけば………んん??」

 

 ヘイルズ改の持つスキル『シールド・ブースター制御機構』の恩恵は凄まじく、シールドがある時に限定される縛りこそあれど、ゴローの低いPSを効率的に補ってくれていた。

 

 「ミスってもワンチャン生きれる。だからタックルを強引に選べる……のか? 無理しすぎると流石に死ぬけど、これは………赤いガンダムを、地の果まで追いかけてやれるのでは」

 

 強襲機を狙う。

 高い耐久に任せてひたすら敵の行動を阻害して、隙あらばサーベルをねじ込み、イザとなったら一目散に逃げ惑う。

 

 「……………総合2位、だと??」

 

 仲間が強かったのもある。

 …しかしゴローのヘイルズ改がヘイトを受け持ち、タックルの強制よろけにより多くの攻撃チャンスを作り出したのもまた事実。

 

 ゴローは今日、新たなる剣を手にしたのであった。

 

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