「ついに来たぞ! 燃焼効率補助装置…我々は3年待ったのだ! 私はこれを求めていたのだ!!」
ーーーそんな前からゲームしてないよな
ーーー3年前のゴロタスは植物だったでしょ?
ーーーおじいちゃん良かったわねぇ…
ーーー流石にコレは知ってたか
今回*1のSTEPUP抽選配給にゴローは激しく歓喜した。
バトオペでは各機体に
そこで登場するのがSTEPUP抽選配給であり、そこにひっそりと付属してくるオマケのカスパなのである。
「最初はなー? トークンの使い所がわかんなくてな〜? 『ただいま初回半額!』みたいな文言に釣られて無意味な抽選を回したりしててさ…」
ーーーあるある
ーーーわかるぜゴロタスぅ!
ーーー情弱過ぎんか?
ーーー引くわぁ
ーーーググってどぅぞ
ーーーそんなゴロタスが好きよ♡
「抽選のオマケが重要なんだって気付いてから今日までず〜っと、そのオマケが高コスト帯のMS専用です! みたいなスロット馬鹿食いするカスパばっかしでさ、低コスト帯でも使えるカスパがなかなか来なくてトークンだけが無駄に貯まってたんよね〜」
抽選配給をぐるぐると回す。
7回目の10連ガチャのオマケが目的。
初回半額なので合計で195トークンを消費してゴローは念願のカスパを手に入れた。
「よし! 今日はこのカスタムで行くぜぃ!」
ーーーお?
ーーー少しバトオペわかってきた?
ーーーゴロたす誰かに入れ知恵した?
ーーー比較的まとも
ーーー俺にはわからん
ーーーなんか違う? 違わない??
「え〜っと、前回までおっちゃんのギャン・エーオースくんは拡張装甲のHPを活かす事だけ考えてカスタムしてたんじゃけどな? 今回は火力とHPを引き下げて、代わりに足回りを強化してみたんよ」
格闘強化プログラムを主軸に攻撃系のカスパで埋め尽くしていたスロットを移動関連に開放した。
「ホレ、動画とかでエロい人(死語)がよく言ってるじゃろ? 素人はとりあえず装甲盛れ…って。おっちゃんそれを信じて兎に角カタ〜くする事にこだわってたんじゃけど、最近エーオースくん使っても勝てんくてな〜? 理由を考えた時に思ったのがスラスターの容量不足だったんよね。前のカスパ構成ってさ、耐久はそれなりにあったし殴れれば無茶苦茶に強いかったんだけど…単純に、殴りの距離まで走れなかったのよ。スタミナ切れの馬娘みたいな?」
ゼーハーゼーハー。
舌を出して喘ぐ様子にコメント欄が荒れる。
クソが、ガワが幼女ってのはこれだからクソなんだ。
可愛いだけで数字を稼ぎやがって…!
「な〜んてな」
ケラケラと笑いながらオツマミを取り出す。
今日は趣向を変えてスッパイ系。
「かーり〜かーり〜梅〜!!」
カリカリともジョリジョリともゴリゴリともガリガリとも。独特で心地良い、硬い果肉が削れて潰れる音がリスナーの耳を潤す。
「うんま! マジでうぅぅぅんま!」
酸っぱくなった口内にビールをぶち込む。
「至高なり…!」
ミハイル・カミンスキー中尉の魂を宿して。
いざ、コスト400へ…!!
「TS幼女おじさん、ギャン・エーオース、いきま〜っす!!」
声高らかに。
ゴローは戦場へ挑んだ。
◆
ーーー今回はそれなりかな〜?
ーーー勝ったんだし褒めても良いのでは?
ーーー低コストってこんな雑だったのか…編成も動きも凄すぎて久々に見ると笑えるw
ーーーゴロタソしか勝たん!
ーーーゴローちゃん大活躍!! ママ嬉しいわ♡
ーーー今日は赤飯か? 赤飯だな!?
ーーー敵が下手くそだっただけやろ
ーーー下格を我慢したのが偉かった!
ーーーすごく、つよかったです。
ーーーおめ!
ーーーおめ♡
燃焼効率補助装置にプラスした噴射制御装置のお陰か、はたまた『耐久を盛れていない』という意識がゴローが普段行っている雑なプレイングを抑制したのか。
チームは勝利し、ゴローは久々に総合順位1stを獲得した。
「ひゃ〜勝った勝った! うっし! 今日は気分も良いし勝ち逃げしま〜す」
配信終了ーーーその、間際。
ーーーお?
ーーー珍しくね?
ーーースマホ鳴ってるよ?
「ん……あ゛」
嫌そうに通話ボタンを開くゴロー。
「あい…え、あい………いやでも、うぐぐ」
ーーーどしたの?
ーーーアクシデント発生
ーーー相手が気になる
ーーー男か?
ーーー嫌そうだな
ーーーもしや脅迫? イメージビデオに出演!?
ーーー漏れてる声の感じは女だな
「あ゛〜もううっせぇ! やればインだろ!?」
珍しく声を荒らげるゴロー。
しかし、心の底から怒っている風でもなく苦笑いにも似た複雑な表情で通話を終わらせた。
「………………ちょっとクレームが入ってな?」
ーーーは?
ーーークレーム?
ーーーkwsk
「ちょっとな…う〜んほれ、こないだキッカコスしたじゃろ? アレとはまた違うコスプレを用意してたんじゃけど、めんどいし馬鹿馬鹿しいし需要なんてねーじゃろ、と思って無視してたんだーーー」
ーーーふざけろ、メイド服で来い
ーーー今すぐ! 着替えて! 今すぐ! パンツ脱ぐから! 今すぐ!!
ーーーメインディッシュキターーーーー!!
ーーー馬鹿かお前はゴロー求む→コスプレ
ーーー友達に知らせるから5分待って!!
阿鼻叫喚となるコメント欄。
否定的な意見が1つでもあればそれを盾にしてコスプレを回避しよう…などというゴローの甘い想定は完全に無効化。
どのコメントもゴローの新コスプレに浮足立った。
「え〜…………キモ過ぎんかキミら。おっちゃん元おっちゃんなんやで? TS幼女おじさんやねんで?」
ーーーそれが良い
理解に苦しむゴロー。
しかし要望は要望。
通話相手との約束もあり、仕方なく着替え室に向かった。
………数分後。
ゴローの服装は赤色のTシャツ、その上に紺色のオーバーオールを重ね着しており、紫色のウィッグの上に特徴的な羽根付き帽子を被っていた。
スカートは嫌。
一人で着替えられる服装でなきゃ嫌。
知らんキャラは嫌。
小賢しい要求をクリアしつつ、ゴローの魅力を最大限引き出せるコスチュームの選択。
その結果は火を見るよりも明らか。
前回のキッカコスの反応を軽々と上回る同接数と登録者数。文字通りそれは『桁』違いの大反響であり、今もゴローの眼前ではカウンターがぐるぐると回転する衝撃映像がリアルガチで進行していた。
「え〜……………」
前回のリプレイ映像かのようにドン引きしたゴローが配信を強制終了するまで後5秒。
世界は昨日よりも少しだけーーー。
すまんかった。
自分で発案しておきながら、直前になってガンダム作品で他作品のキャラのコスプレを出すのは流石に不味いと判断してすまんかった。
けどボツにするのはもったいないから黒目線を入れれば似てるキャラとして通用するとか判断してすまんかった。
最終的に大きなお友達が大切にしてベットの下に隠してるビデオのパッケージみたいな雰囲気になってしまってすまんかった。
嫁がセック…せっかく描いてくれたのに。
すまんかった。
五体投地。