酔うじょオペレーション   作:マキシマムとと

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TS幼女おじさんのキラキラな1日【コスプレ・ドゥー】

 

 「こっち向いて…」

 

 

 いつに無く真面目な表情のスミレが背後に立つ。

 彼女の眼差しを受け、真新しい鏡台の前に座るのは本物よりかは少しだけ健康そうに見えるドゥー・ムラサメ。

 

 そう。

 ドゥー・ムラサメに扮した我らがTS幼女おじさん(コスプレイヤー)

 ゴローが嫌そうに口を開いた。

 

 「セットとか適当でよくね?」

 

 面倒とかジッとするのが嫌だとか、コレはそんなちっぽけな話ではない。

 ついこないだ大恥を晒した愛娘が至近距離で、自分(中身45歳男性)のコスプレを手伝っているのだ。

 これで心安らかになれるヤツは神だ…そうゴローは思う。

 

 しかし、そんなゴローの絶望的な内心など意にも介さず、完璧な作品造りへとスミレは真剣に取り組んでいた。

 

 「適当って言ってもさ〜…………ほら、今までもコスプレしたでしょ? キッカに、アラ○ちゃんに……………ここはちょっと固めるかな? うん。マチュは特に評判良かったよね。けどさ、ドゥーはこれまでのコスプレみたいにウィッグ被れば良しって感じには出来ないんだもん」

 

 本音で言えば出来る。

 当然クオリティは下がるが、マネキンに被せた状態でセットして要所を固めてしまえば、ゴローと直接触れ合わなくともある程度までは再現出来る。

 

 ーーーしかし。

 

 「みんな楽しみにしてんだよ? ○○さんのコスプレ! アーシには最高の○○さんをみんなに見せつける義務がある!」

 

 最高の○○さん。

 ○○さん(お父さん)…。

 鏡に映るチンチクリンの幼女が今の自分である。

 認められないからこそ、そう呼ばれる事に強く抵抗を感じる。

 

 「は〜〜〜(くそデカため息)」

 

 「ふふっ、最近それハマってんの?」

 

 「受け入れられない現実に狂ってんだよ」

 

 「なにソレ〜?」

 

 ケラケラと笑うスミレは楽しそうだ。

 どうせ自分など娘に対してなにもしてやれることの無いマダオなのだ、せめて趣味への協力くらいはしてやるべきなのかもしれない。

 

 嫌だし、居心地悪いし、情けないったらない。

 そんな気持ちが腹の中で渦巻くのだが、結局は楽しそうなスミレの顔に押し負けてしまうゴローなのであった。

 

 「…………ねぇ、メイクしても良い?」

 

 「それは嫌だ!!」

 

 

 

 ◆

 

 

 

 ーーー良かったよ!

 ーーー次は!? 次もあるんだよね!?

 ーーー順当に行けばシイコさんだろ?

 ーーーエロスが足らん! 失格!!

 ーーードゥーが図抜けて票集めちゃったし、次点のマチュはもうやってんだろ? なんか別のコスに行くんじゃね?

 ーーープリチーだわ…♡

 ーーー健康そうなドゥーも良いよね!

 ーーーなんか格好良かったw

 ーーーキラキラが足らない…

 ーーーゴロタス…ほんっと〜にチュキ♡

 ーーーバトオペはイマイチだったな…もっとキラキラしなきゃドゥー失格ダゾ、要練習!

 ーーーなんか大人しかったのがな〜

 ーーードゥーの癖にザコすぎ

 ーーーサイコガンダムさえあれば…!

 ーーーこれだからムラサメ研は

 ーーー本編のドゥーもそんな活躍しなかったし、ある意味原作再現してたのではw

 ーーーコモリンの絶対領域を! どうかッ!!

 ーーーニャアン(´;ω;`)

 ーーー明日も配信してくれよな

 

 

 コスプレ回は無事に終わった。

 バトオペでは500・450・300と回したが、どれも戦果は今ひとつ。

 特に300コスト、グフ重装型がイマイチ上手く使えなかった。副兵装の5連装F・バルカン砲x2[斉射]をメインで回し、高い蓄積よろけ能力を活かした前線の構築が理想だったのだが『エイム』→『静止』→『腕を上げて射撃』と言うワンテンポ遅い静止射撃機体特有の癖に翻弄されてミスを連発。

 

 遠ければ弾がバラけてよろけを取れず、近ければ射撃硬直に格闘を捩じ込まれる。

 今回はたまたま味方が優秀だったおかげでチームとしては勝利したものの、個人としては完全にお荷物の敗北者だった。

 

 「まー明日300でやるならアッガイたんやな」

 

 それじゃ……と。

 配信終了ボタンを押す直前。

 

 「んあ?」

 

 珍しくスマホへの着信音。

 発信相手の名前を確認してーーーと思った所に追撃のように玄関のチャイムが鳴った。

 

 「おお〜?」

 

 どちらかを待たせるのは嫌だ。

 そんな欲張りなゴローを助ける便利アイテム。

 

 タッタラ〜♪

 

 取り出したるはイヤホンマイク。

 スマホに接続して通話をオン。

 

 「あいよ〜、どした? ソッチからTELとか珍しくね? あ〜てか今ちょうど宅急便来てっからさ、このまま待っててくれるか?」

 

 急いで玄関に向かうゴロー。

 そこまではまだ覚えていたのたが。

 

 「ジャスト…プレゼント? 宅配?? 中身はーーー」

 

 届いたサプライズに狂喜乱舞するゴロー。

 その頭からはすっぽりと、配信終了ボタンの存在が抜け落ちていた。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 「……………ん」

 

 首が痛い。

 TSしてからは寝起きに身体が痛いなんていう苦痛とは無縁だったゴロー。

 久々に感じる不快感を噛み締めながらゆっくりと背中を伸ばした。

 (机にうつ伏せになって寝るとか、学生時代を思い出すな…)

 

 「あ〜〜〜……ファは〜…」

 

 のんびりとアクビをしながら昨夜の事を思い出す。

 

 「んあ…イケね」

 

 モニターが点けっぱなし。

 画面の中ではマント付の学生服姿の美少年が大正時代の街の中で仁王立ちしていた。

 

 モニターの前には新品のゲームハード。

 ニンテンドーSwitch2、その中身には昨日発売されたばかりのゲームソフト『RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』が差し込まれている。

 昨夜はコレで遊びながら寝落ちしたのだった。

 

 「しっかし…あの子はほんっと〜に出来た子だわ」 

 

 本当に自分の子なのだろうか、とすら思う。

 親の好きだったゲームを覚えてくれていて、更にはこんな高価な物を当然のようにプレゼント出来るとか。

 自分とは人間としての格が違う。鳶が鷹を生むと言うか、母親に感謝と言うか…。

 

 入手困難な新しいゲーム機にリマスターされた名作。しかもそれが愛娘(サヲリ)からのサプライズプレゼントなのだ、驚きもさることながら喜ばずにはいられない。

 

 ニヤニヤと笑みが浮かぶーーーと。

 

 「いっけね。クスリ…は飲んだんだったか。あーけど風呂は入って無かったな」

 

 特に油分の多くない身体なので1日くらいは風呂を飛ばしても平気そうなのだが、気分の問題もあるし何より昨日からの酒盛りで服に染み付いているであろうアルコール臭が………。

 

 「あッ!! やっべ…怒られそう」

 

 うっかりしていたが、この服はスミレが作った特注品だ。洗うにしても普通に洗濯機で良いのかどうかもわからない。コスプレが終わったら脱ぐように言われていた気がする。

 そのスミレは確か昨日は友達の誕生日パーティーで忙しいとかなんとか………。

 

 「ま………いっか!」

 

 胸元のチャックは昨夜から既に全開。

 一人でゲームを遊びながらの酒盛りが楽しすぎて体温が上がっていたのだ。

 後は腹巻きのような部分のホックを外し、ツナギのような服のチャックをヘソの下まで全開にしてーーーーー??

 

 フと。

 虫の知らせのようにゴローの目が配信用モニターを捉えた。

 

 

 ーーーおはよー!

 ーーー脱げ…脱げ…脱げ…脱げ…脱げ…脱げ…!!

 ーーー全裸耐久…最高なんだが…新しい扉が

 ーーーヘソきちゃああああああああ!!

 ーーー気付いたポクね?

 ーーーゴロー! 裸はマズイぞ!!

 ーーーバンBAN(ワクワク♡)

 ーーー昨日はお楽しみでしたねデュフフ…

 ーーーメガテンしながら寝落ちとか…最高かよ

 ーーーチッパイ! チッパイ!!

 ーーー胸板とか…ヘソとか………♡

 ーーー性癖『また…ぼくを殺すの??』

 ーーー寝起きのドゥー…叡智が…クル!!

 ーーーキラキラぁぁぁぁ!!

 ーーーギィラギィラァァァァァァ!!

 ーーードゥーのポッチのお星様が見えるチャンスなんだぞ!? 全員書き込みを止めるんだ!!

 ーーー気付いてるやろ?

 ーーーめっちゃ無表情でくさww

 ーーーここまで気づかなかったのがウケるw

 ーーー寝顔見たかったなぁ…

 ーーー昨夜は沢山お世話になりました

 ーーーサキュバスのコスしてくれよ

 ーーー目が逝ってるwww

 ーーーあ

 ーーーあ

 ーーーあ

 ーーーあ

 

 

 【配信は終了しました】

 

 

 ーーーさて。

 機動戦士Gundam GQuuuuuuX。

 とうとう来週でラストですね。

 

 終わる前に奉納致します↓

 

【挿絵表示】

 

 頑張れ!

 

GQuuuuuuXのコスプレ、誰を選ぶ?

  • アマテ・ユズリハ(マチュ)
  • ニャアン
  • コモリ・ハーコート
  • シイコ・スガイ
  • ドゥー・ムラサメ
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