酔うじょオペレーション   作:マキシマムとと

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TS幼女おじさんとトリプル甲羅

 

 ーーーゴローはマリカしないの?

 

 

 「マリカ…Switch2のアレな〜」

 

 拠点爆破を阻止するための歩兵行動を練習していたゴロー。機体から降りて歩兵のスラスターで爆弾設置ポイントが見える位置まで前進、バズーカを撃ったら即座に後退してスラスターが切れる前に機体へ帰るだけの単純作業なのだが、エイムもキャラコンも終わっているゴローにはなかなかハードルが高く苦戦していた。

 

 

 ーーーお、それは俺も思ってたな

 ーーーマリカワールドな

 ーーーせっかくSwitch2あるもんなぁ(妬ましい)

 ーーーマリカ配信なら敷居広がるかもな?

 ーーーコ〜ス〜プ〜レ〜〜〜!!

 

 

 「マリカ…う〜ん………」

 

 沸き立つコメント欄とは対照的にゴローのテンションは低い。設定していた練習時間の8分が経過し、ゴローは缶のプルタブをまた押し開ける。

 今日は色付きのビールにしてみた。

 缶カバーをしてあるから特に外見は変わらないが、鼻から抜ける香りが若干フルーティーで心地良い気がする。

 

 「…さ〜てと! 今日のオツマミはアーモンドチョコ! 今の若い人達にはわからんかも知らんが、おっちゃん世代ならこのアーモンドの特別感は伝わると思うね、あの頃はしょっちゅうCMしてたからな〜。なんかちょっと高級でセレブリティなお菓子ってイメージがあるんよな!」

 

 中のアーモンドごとチョコを噛み砕いたり、あえて口に含んで転がしながらチョコだけ溶かして食べたり。食べ方がイロイロあるのもまたグー。

 

 チョコならではの濃厚な甘さとナッツの素朴ながらも個性的な味わいが、更にビールをグイグイ進める…!!

 

 「ぷはぁ〜〜〜〜!! うみゃい!」

 

 雑談と飲食に集中したい、けど(腐っても)ゲーム実況者だからなんらかのプレイはしておきたい。

 そんなフザけた観点から選んだミッションはフリー演習での地形確認。

 雰囲気でバトオペを遊んでいるゴローなので、よくわかってない地形がたくさんあるのだ。

 

 「んで〜、マリカの話な? おっちゃんも昔はマリカ好きだったんよ? スーファミの初代マリカなんてアタプタが燃えるんじゃねーのってくらいやり続けたし、64になってからも友達と一緒に遊んでた」

 

 ーーーアタプタ燃えんやろ?

 ーーー今の若い子には伝わらんよなw

 ーーー懐かし〜!

 

 「けどなぁ、高校の頃にとある事件があってさ…」

 

 フリー演習の出撃先は峡谷。

 狭いながらも地形が複雑で初心者は翻弄されがち。ウロウロと歩きながら地形や射線を確認していく。

 

 「おっちゃん田舎育ちでな? 田舎って何処へ行くにしても距離が遠くてなー、乗り物が必須なんよ。特に高校生とか親から離れたい時期じゃし? 友達なんかみ〜んなスクーターに乗るわけ。当時は今と違ってバイクの速度制限なんて簡単に解除できて50〜60キロ程度は平気で出せたし、田舎だと割と警察もおおらかで60までならセーフなんじゃね? みたいなローカルルールってーかなんだ? そんな雰囲気があったんよね」

 

 ーーー今って厳しいよな

 ーーー昔ってそんな雑なん!?

 ーーーそんな警察が良かった…

 

 「んで、とある雨の日な? 今では考えられんのじゃけど当時のおっちゃんは割とイケイケな馬鹿ガキやったからさ、2輪車の癖に雨の日のカーブ直前でもそんなにスピード落とさずに曲がってたのな? 少し見通しは悪いけど普段から使ってる道だし…て言う慢心もあったんだろーけど、その日も当たり前の顔してカーブに50キロくらいで突っ込んだのよ」 

 

 過去を懐かしむように。

 今の命を確かめるように。

 ゴローはグビリとビールを食らう。

 

 「キツい右カーブでさ…ちょうど対向車の大型トラックが抜けた瞬間、進路上に黒緑の石ころみたいなんが見えてな? お! あぶね!? と思いながらよく見たら結構な太さの亀でさ、しかもそれが3匹並んでんの。やべぇつってハンドル切りながら車体コントロールしたんじゃけど、カーブ中だぜ? トラックに気を取られてて全然見えてなかった亀3匹を瞬間で避ける技量なんてあるわけなくてさ、トリプル緑甲羅に引っかかって大回転よ」

 

 ーーーうわー!?

 ーーーバカじゃんww

 ーーー痛そう!

 ーーー亀は無事だったのか!?

 ーーートリプル甲羅w

 ーーーリアルトリプル甲羅ww

 

 「幸いカッパを2重に着込んでたのと、その頃学校の授業で習ってた柔道の受け身がキレイに決まってさ! こうわかる? 死んだと思った瞬間右手が自動的に動いてさ、地面をスパァン!! て叩いて衝撃を飛ばしたんよね、もうアレは我ながら完璧な受け身でさ、おかげで俺は無事だったし亀もタイヤが当たった場所が良かったのか知らん1匹だけ路肩に跳ね飛ばされてたけど全員生きてたんだわ。まぁそこまでは良かったし生きてただけ有り難い話なんやけどね…」

 

 ウロウロしていたゴローの機体が止まる。

 

 「バイクはオシャカよ。我が愛しのジョグ太郎はおっちゃんの身代わりに川へ紐なしバンジーしちゃってな〜、川はまだ浅かったし水も少なかったからさ、親戚のバイク屋のおっちゃんに軽トラで来てもろてロープ使って回収したんじゃけど、真ん中が見事にベッキリへし折れててな…誰が見たって改修なんて不可能なご臨終バイクにクラスチェンジしちまったのよなぁ…」

 

 懐かしい記憶。

 フルーティーなビールが何故か苦く感じる。

 その苦味をチョコで誤魔化しゴローが続ける。

 

 「今はどうか知らんがおっちゃんの育った田舎ってアルバイトも少なくてな? ジョグ太郎は理性を総動員して確保したお年玉含め、田舎では数少ない農業の短期バイトでヒーヒー言いながら貯めた金、あとは母親がコッソリ貯めてたヘソクリを融通してくれてさ。それでバイト屋のおっちゃんに頼み込んで頼み込んで…よ〜やく買った中古品の一品でな〜。当然保険なんて必要最低限の補償しか入ってないじゃん? 廃車してからはチャリンコ生活に逆戻りよ」

 

 フとあの頃の同級生の顔が浮かぶ。

 幼馴染のアイツや高校で出会ったあの子。

 

 「そっからかな〜…マリカっつーか亀が嫌いになってなぁ。ゲームですら見ると嫌な気分になってさ。マリオならギリだけどマリカとかはやっぱトラウマしちゃってムリだったんよな」

 

 みんなで友達の家にお泊りした日にしたマリカだけは楽しかったけど。確かにメンバーはいつもの二人と、あと名前がパッと出て来ない彼と川でゲロ吐いたアイツ。

 

 「結構危ない事もしたよな〜。チャリしか無いけど遠出したいから…って、バイク乗ってる友達の腕を掴んで牽引してもらったり、友達と連れ立って嵐の海に行ってさ、アホの子が飛び込んで岩肌でズタズタに皮膚切り裂かれてさ、大根摩り下ろしたみたいな大惨事になったり………へ? それはねーよ、凪の海ならあり得るけど嵐の日の海は海流グチャグチャだかんね、エヴァみたいな海になるのは流石にムリ。陸に上がってからは凄かったけどなww ーーーんあ? バイト? タバコの苗植えだわ。こう黒いビニール被せた畝にな? 専用の道具を使って1個1個ーーーーーー」

 

 過去を振り返るゴロー。

 生きてきた時代。

 生きていた過去。

 

 それをリスナーと共有出来る今が、彼にはとても大切な時間だった。ゴローは確かに生きていた…そしてこれからも、きっと。

 





 さて、予言の大災害まであと4日ですね。
 もし運良く生き残れたらシーズン2のコスプレを嫁に依頼する予定なので、みなさんまたアンケートご協力よろしくお願いします。

 7/5以降に更新が途絶えたら察して下さい。
 ご冥福をお祈りしてくれ。

ZZのコスプレ、誰を選ぶ?

  • エルピー・プル
  • プルツー
  • ルー・ルカ
  • エル・ビアンノ
  • ハマーン・カーン
  • はにゃーん・かーん
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