酔うじょオペレーション   作:マキシマムとと

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エビを食い、海に思いを馳せるのだ

 

 「500コストも振り出しかなぁ…」

 

 

 500コスト。

 それはゴローの希望だった。

 エイムが死んでいるゴローにとってヘイズル改(散弾バズーカ装備)の強力な弾幕形成能力は魅力であり、心の支えでもあった。

 

 ……だが。

 

 「ヘイズルがもぉキッツい!」

 

 機体性能よりも人間性能に問題があるって? それはそう。だけど今は棚上げして置いて。

 

 

 ーーーだからもう、それ百億年前から言ってるw

 ーーーむしろ散バズで戦えてたのが不思議

 ーーーなんでGQu6X引かんかったの?

 ーーーゴロタスは情弱だから…

 ーーースパチャ受け取れば買えるんだよ??

 ーーー金持ってる癖になんでそんな貧乏性なの

 ーーー判断が遅いッ!!

 ーーーお目々からハイライトが消えてるわよw

 ーーーなんでヘイズルじゃダメなの?

 ーーーヘイズルで行ける道理が無いのだが…

 

 

 「素ガン使いだしてから余計に思うようになったけど、ヘイズル改は武装がへなちょこ過ぎるんよね」

 

 ステータス画面で武装を眺める。

 同時にビールのプルタブを『パカシュ!』して黄金のお薬を喉の奥へと流し込む。

 

 「んクッんクッんクッんクッ…」

 

 最近の暑さはヤバい。

 ゴローの住処の空調設備は万全だ。

 だが昔からエアコンの風が苦手なゴローは極力クーラーの稼働を抑えており、今の室内にはそれなり以上の熱気が満ちていた。

 その中での…ビール!!

 

 「ぷひぁ〜〜〜〜!」

 

 生き返る美味さ。

 ある程度まで一気飲みした後、残りを水洗いした氷の入ったグラスにゆっくりと注ぐ。

 どうしても泡が立つ。それは嫌だがグラスに注がれた黄金の美しさには頬が緩む。

 

 「氷で少し水っぽくなるけど〜…やっぱ直冷の美味さには代えられんよな!」

 

 今日のオツマミはエビ。

 バナメイエビと言う種類の安価で美味しい小ぶりのエビちゃんにホワイトソースを絡めた一品。隠し味のガーリックと黒胡椒が甘さをピリリと引き締める。

 

 「プリっプリ!」

 

 プリプリプリプリプリ〜! と叫びながら部屋を駆け回るべきかと思ったが、流石にしんどかったので延期して。

 

 「…にしてもヘイズル改な〜? たぶん相手にもよるのよ? 散弾バズーカ装備の場合、対策知られてたら本当に手も足も出んけど、対策知らん子に当たったら永遠と遠距離戦に付き合ってくれるからかなりダメージ稼げるし。けどな〜」

 

 ーーー詰められたら○ぬもんな

 ーーー出会い頭に1発よろけさせたら後は喰うだけ

 ーーージークアクスのエサ

 

 「それ! ホントな〜? 即よろけ無いから壊滅的に接近戦に弱いんよね。サーベル判定もイモやし、長所のマニューバーアーマーもスラスター機動時に使用できる射撃武装が無いから宝の持ち腐れになりやすいし、なんかイマイチ噛み合ってない。特に今のジークアクス環境がやべぇのよな。アイツって格闘の有効範囲が馬鹿デカイから一瞬でもよろけたら即座に喰われちゃうやん?」

 

 モキュモキュ、ゴクゴク。

 甘みと苦味のエンドレスワルツ。

 

 ヘイズル改は噛み合わなくとも。

 リスナーからの叱責は厳しくとも。

 ビールとエビはそんな無慈悲な現実を押し退けるようにステキに噛み合いゴローのハートを癒やしてくれる。

 

 「つーか、ここ最近オペ子さんが酷くてね? おっちゃんの機体が転がってるか爆発してるときに限って『その機体、まさにあなたの愛機って感じですよねw』て煽ってくるんだが…あれナンなん? イジメ??」

 

 ーーーヒント出撃回数

 ーーーゴローw

 ーーーヒント下手すぎ

 ーーーゴロタス(´;ω;`)

 ーーーオペ子「愛機w 爆散してますねww」

 

 「散バズ捨ててビーライ装備にした事もあるけどさ、それならもぉ〜それこそナラティブで良くね? になるし、1発外したら取り返しつかんとか終わりすぎてる…」

 

 悪い機体ではないのだが、最近のエイム力上昇に伴い少しづつ上がり始めたゴローのレート的にみても、ヘイズル改の性能はかなり限界に近付いていた。

 

 「手持ちでマニュ有りの汎用機ってなるとガルスJとかギラ・ドーガとかカプールとか…レーティングで1回も見たことないような大型MSしか無かったし、試しに演習行ってみたけどカプールとか笑っちゃったもんな〜………ん? カプール見たい? 見てどーなるもんでもなかろうに」

 

 とは言いつつも演習に出撃するゴロー。

 流石にCPUに負けるレベルでは無いが、かと言って目が覚めるほど上手いプレイングでもない。

 蓄積よろけ武装で遊びながポロポロと呟く。

 

 「そ~言や最近思う所があってZZ見たんだけどさ、カプールってめちゃくちゃチョイ役やったんやね。ゲームとかでは割と知った気になってたけど全然なの。作中では大した活躍も無くたった1話でお役ごめんとか逆に笑えたなー」

 

 ぼんやりと思い出されるアニメの記憶。

 青い海、白い波、丸いカプール。

 アクシズ兵に嫌われて現地人の少年に丸投げされた可哀想なカプール。

 

 「あ〜海、行きたくなってくるよな………んあ、いや違うのよ、想像しろってのが無茶な話だから仕方ないんやけど、おっちゃんはTS幼女おじさんなんよね。それなりにまぁ貴重で希少なモルモットなのでありまして、基本的に私用での外出は許可されてないの。国とそう言う契約結んでるし、そうでなくても誘拐とか犯罪とか抹殺とか…諸々のリスク考えたら気軽にフラフラお外に遊びになんて行けねーのよ」

 

 TS幼化して得た物は多い。

 健康な歯ぐき、回復力抜群の肉体、簡単に壊れる頭。楽で拘束時間の少ない仕事に有り余る給金。

 けれど失った物もまた多い。

 

 「こんなんなる前はなー、もし泡銭みたいに好きに使って良い金があるならバチバチにかっく良いバイクでも買って日がな一日ケツが痛くなるまでツーリングしてやろうって思ってたもんだけど…今じゃコレ(幼女)じゃろ? 乗れたとしてモンキーとかグロムとかのミニバイクになるだろーけど、仮におっちゃんがそんなバイクに乗ってたら秒でパトカー来るからな〜」

 

 ーーーサイズがミニチュア過ぎるww

 ーーーそれ見たいかも!

 ーーー可愛&格好良いだよ♡

 ーーー最近ライダーブーム再燃してるし

 ーーー想像しただけで…【ズキューン!!】

 

 「ま、無い物ねだりしてもダメだわな。カプールは無いにしても500コスト…ヘイズル改で立ち回りを見直すか、いっそマニュも強制噴射も捨てちゃって素ガンのレベル3にでも乗るか…う〜むむむ、まーボチボチやっていきますか〜」

 

 …この時ゴローは気付いていなかった。

 自らがこぼした小さな願いが、何処のドイツに繋がっているのか、と言うことを。

 

 ーーーゴロタス…ワティシガ、カナラヅ…!!

 

 黒い影。

 彼女の心は地獄のマグマのように煮え滾っていた。

 

ZZのコスプレ、誰を選ぶ?

  • エルピー・プル
  • プルツー
  • ルー・ルカ
  • エル・ビアンノ
  • ハマーン・カーン
  • はにゃーん・かーん
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