世界は見る人によって形を変える。
宝くじが当たりやすい人。
事故に遭いやすい人。
霊感がある人。
力の強い人、弱い人。
人にはそれぞれ他者とは違う
しかし、大本が同じである以上ある程度まで世界は共有の物となるのだ。
だからこそ、ゴローはそのお爺さんとの初対面の際に凄まじく混乱させられた。
まず、部屋がおかしかった。
SF映画で見たような真っ白い空間。
何をどうやって作ったのか、部屋の角も継ぎ目も見当たらない、照明器具の在り処もわからない謎空間。
その部屋の中央に白いテーブルと白いパソコン。そして白衣で白髪の老人がポツンと椅子に座っていた。
「え………」
「座りなさい」
「え?」
何かしら喋っているらしい老人の鼻には呼吸を補助するためのチューブが入っているし、よく見れば白く塗られた点滴の袋からチューブが伸びて老人の身体に巻きついている。
老人が指を指す場所をよく見れば、こちらにも部屋の色にあわせて白く塗られた丸椅子(構造はよく病院等で見かける安そうな回転椅子)があったので、ゴローは恐る恐るそこに腰掛けた。
その頃のゴローは今のウン倍は情緒が乱れていたのだが、人は唐突に見知らぬ環境に投げ込まれたり自分よりヤバそうな他人を目の前にするとある程度の確率で精神に防壁を作る。それが自己の安定に繋がるため一時的にマトモになれるのだ。
「毛利くん…」
「あ、はい。毛利…です」
喉に問題を抱えているのか、酷くしわがれた声で頑張って喋っている。
シオシオのご老人が手に持っていたカルテから目線を上げてゴローを見つめた。
「毛利くん………」
感情の読めない表情。
しかし、何故かその落ち窪んだ瞳の圧力をゴローは強く感じていた。
それが老人。
八木沼 誠一とのファーストコンタクトであった。
そして、時は流れて…………。
◇
「モーリくん!」
弾むようなソプラノボイス。いつもの扉を潜った瞬間、小さな熱の塊がゴローの腹へ突っ込んできた。
「ぉわ!?」
衝撃は軽い。
華奢なゴローの肉体でも耐えきれるレベルの弱い突撃。頭からゴローに突っ込んできたのはゴローより頭1つ分小さなぽよぽよの幼児だった。
「えっ…と、あれ?」
来る場所を間違えた?
ここは何処? 託児所? いやでも部屋はいつもの真っ白空間だし間違いないハズ…いや、それならお爺ちゃん先生はどこよ? もしかして寿命でポックリ逝ったのか…??
混乱するゴローを幼児が懸命に抱きしめる。
「モーリくん! モーリくん!!」
モーリくん…………毛利くん?
ーーーーーーいや、まさか。
抱きつく幼児をマジマジと見つめるゴロー。
クンカクンカと犬のように纏わり付く子供。その服装はお爺ちゃん先生が愛用していた白衣とシャツと、白のスラックスによく似ていた。
胸元にある唯一の色。
銀縁の懐中時計まで同じで、まるであの先生を縮めたようなーーーーー。
「まさか…その。八木沼先生ご本人…とか?」
そんな馬鹿な、と思う反面。
現実にTS幼女と化した自分がここに居て、あの天才お爺さんはその新型TS細胞を何年も何年も研究していた。その事実に精神がささくれ、胃がピクピクと痙攣を始める。
そして、ハスハスとゴローの匂いを嗅いでいた幼児がその指摘にビクリと身体を震わせた。
「……………え?」
ちょっとキモい。
流石に怖い。
キモくて怖くてゲボ吐きそう。
厳しい現実に向き合うために、身体にへばり着いた幼児を引き剥がす。すると幼児は幼児らしからぬネットリとした笑顔でゴローを見上げた。
「サスガはモーリくんだっピ! よくぞカンパしたとホメてあげるっピよ! アッパレなんだっピー!!」
最近話題のハッピー星原語で全力肯定する子供。
ここが漫画の世界であれば、ゴローの魂が口から抜ける映像が見られた事だろう。
そう、幼児はかつてのお爺さん。
八木沼 誠一ご本人であった。
◆
八木沼氏が語るには新型TS細胞の研究はかなり進んでいるらしい。
ゴローが変化している最中だった5年間を含め、今年の年始から本格稼働した研究により人体変異のメカニズムは解明済み(国へは未報告)で、後はどうやってTSさせずに肉体年齢を巻き戻すか…と言う段階に入っていたとか。
「かなりイイ線まで行ったんだっピけどね?」
現在の八木沼氏、その肉体年齢は推定3歳。
性別は男。可愛らしいおちんちんを見せつけられたので間違いない。
「肉体ねんれーのセッテーがゲキムズだっんだっピ!」
「いや、そんなんいいからチンコロ仕舞えよ」
「ダメだっピ! まずはボクのゾウさんが元気になるようにお祈りして欲しいんだっピ! 具体的にはモーリくんのお手手で優しくヨシヨシして欲しいっピよ〜…ポ♡」
「ポ♡ じゃねーよ死ねよ…」
上のようなかなり頭の悪いやりとりを続けていくつかの事実が判明した。
まず、八木沼氏は己の肉体寿命の限界を察知。
まだ試験段階にあった新型TS細胞YSを自分の身体に投与して死地を脱した。
「ホントなら10才のイケイケボディになってモーリくんの処女をパクパクする予定だったんだっピ! その後はハッピーなれるお薬でモーリくんを永遠に幸せにしてボク専用のオナペットにしてあげようと思ってたのに。ゴメンねモーリくん、ボクは悲しいっピよ…」
彼の誤算としては肉体年齢の調整に失敗した事。
そして何よりも脳の幼化による人格障害を防げなかった事らしい。
「やっぱりモーリくんの新形TS細胞はキセキの細胞なんだっピ!
流石に気色が悪かったので彼が脱ぎ捨てたスラックスで簀巻にした。ギャグ漫画なら天井から逆さ吊りにする所なのだが、悲しいかな現実。非力なゴローの腕力ではこれが限界だったのだ。
「それにしてもオカシイっピね!? モーリくんに出会うまではボクもここまで狂ってなかったっピ! そもそもボクはこんなペラペラ喋るキャラじゃなかったっピよ? つまり、きっとこれはモーリくんから培養した新型TS細胞がモーリくんを求めてるって事なんだっピよ! まま…ママーーーーっピ!!」
ふにゃふにゃのチンコロを丸出しにて床に転がったまま、首と脚の全筋力を用いてブリッジをキメる幼児。明らかに
エスケープ
とんずら
遁走
→にげる
今日はもう、何も考えたくなかった。
八木沼氏の語尾。
最初は「〜なのだ!」によしよう思っていたのですが、どうせならビッグウェーブに乗るべきだと考えを改めてハッピー原語を採用してみました。
この小説はハッピー星人の原罪を応援しております。悪しからず。
ZZのコスプレ、誰を選ぶ?
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エルピー・プル
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プルツー
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ルー・ルカ
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エル・ビアンノ
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ハマーン・カーン
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はにゃーん・かーん