酔うじょオペレーション   作:マキシマムとと

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ルパンジャンプ…今の若い子には通じるのでしょうか? そんな疑問を心に秘めるTS幼女おじさんなのであった。

 

 八木沼 誠一を名乗る幼児との邂逅。

 

 

 あの日、身体をグルグル巻に縛られてなお両足と頭頂部で身体を支え、丸出しにしたふにゃふにゃのおちんちんを力いっぱい誇張しながら逆海老反りで変態を叫んだHT(変態)幼児お爺さんの悪夢。

 

 ゴローはあれ以降病院で彼に会うことはなかった。

 

 定期検診を受けて帰宅する日々。

 ゴローとて鬼ではない。

 検診の看護師さんに八木沼氏の事を聞こうとした事もあった…だが、詳細を知るのが怖くてやっぱりムリだったし、なにより向こうからのアクションが無かったのだ。

 

 触らぬ神に祟りなし。

 そんなスタンスで生きていたゴローではあったが、全てを忘れて心地よく過ごせる訳でもなく…。

 

 アレ(変態)は本当に八木沼氏だったのか。

 アレ(幼児)が本当に八木沼先生の幼児化した姿だと仮定して、あのクソキモやベェ言動(ゴローオナペット計画)は八木沼の本心だったのか。

 アレ(ちん丸出し)はあの後無事に拘束から開放されたのか…。

 

 気にはなる。

 しかし関わりたくはない。

 

 そんな精神的な不安を抱えていたのが失点1。

 そして誰か(・・)を求める心の空白に、ジャストなタイミングでの訪問を受けたのが失点2。

 二度と合う事はないと思っていた八木沼氏(御老人の姿)にお目にかかれたのが失点3といった所か。

 

 

 気付けばゴローはドアを開けていた。

 

 

 あとあと冷静になって考えればそれがよろしく無い行動だったと反省は出来る。

 

 サヲリとスミレ以外の人間がゴローの部屋を訪ねる為にはまずサヲリにアポを取らなくてはならないし、それをゴローが承諾していなくてはならない。

 ゴローの様子がおかしくて会話が成立しなかったとして、もしくは何らかの事情でサヲリと連絡が取れなかった場合があったとしても。その場合は最低限このマンションの管理人であるサヲリの元上司(ケツアゴシャアおじさん)の同伴や代理での面会が義務付けられている。

 にも関わらず、モニターに映る八木沼氏の背後には中世貴族っぽいドレスコードの女性だけ。

 

 モニターから見て取れる情報の時点で、モニターカメラを偽装して襲来したポポちゃん配送のお姉さん達よりも質が悪いのだ。

 しかし今のゴローにそんな理屈は通用しない。

 

 「おっ! しぇんしぇ(先生)〜生きてたんか!」

 

 覗き穴の活用も忘れ。

 酒にコロコロされて茹だった脳みそで。

 ニコニコで出迎えたゴローちゃん。

 

 「ほりゃ、入って入って!」

 

 マネキンおばさん(特殊外装)でお外に出撃する為、ゴローの住処の玄関はバリアフリーになっている。

 車椅子に乗った八木沼氏もマネキンおばさんと同じようにその緩やかな傾斜を登るのだが。

 

 「………………」

 

 その、登り方が…ヤバかった。

 

 「おぉ…毛利くん」

 「おぉ…毛利くん」

 「おぉ…毛利くん」

 

 壊れた機械のようにゴローの名を呼ぶ八木沼氏。

 視点は定まらず声もただボイスレコーダーを再生したかのように色が無い。この時点で異変だが、なによりその後ろに居る女性がヤバい。

 

 淡い黄色のドレス。

 腰がキュッと括れて、反対に下半身がポワンと広がるディズニーのお姫様っぽい服装。

 頭は帽子パンみたいな白い帽子を被り、その下にある顔に穏やかな微笑を湛えたままで。

 

 腐っても傾斜である。

 

 例えショボくても上り坂、そこを人一人乗せた車椅子を押して登るのなら最低でも前屈みになる筈なのに、細腕の彼女は直立不動の姿勢で『スイスイスイ〜』っと滑るように八木沼氏の乗った車椅子を前進させたのだ。

 

 「ドムなの?」

 

 まさかのホバークラフト。

 

 「熱核ジェット・エンジンかな………??」

 

 大昔の、プレステ初期のポリゴン映像にも似た不動のホバー走行。

 ゴローの目が壊れたのでなければ、足元を隠すスカートの裾だけが、内側から吹き荒れる風圧によって外にパタパタとたなびいているように見える。

 裾以外の部分はプラスチックで出来ているのかと問い質したくなくレベルで微動だにしない、そして仮面のような女性のアルカイックスマイル。その細瞼の奥にある瞳。

 

 ガラス玉のような瞳に既視感を感じて…。

 普通に考えて有り得ない。

 

 コイツらは絶対にヤバいぞ…と。

 8番出口なら回れ右1択の異常事態に、ゴローの心のウサギちゃんが緊急避難警報を発令したーーーその時。

 

 『もぅ、ムリだっピ……!』

 

 どこからか声が聞こえた。

 聞き覚えのある、二度と聞きたくはなかった声。

 

 『モーリくんの部屋、モーリくんのにおい………!! ボク、ボクもう辛抱たまらんッピーーー!!』

 

 【強制開放プログラム起動…オ疲レ様デシタ】

 

 バコン、と一息で八木沼氏の顔面が縦に割れる。 

 ゴローのマネキンおばさんを解析し、八木沼の天才を用いて再構築した海賊版機体。

 

 【Master Never Keeping(マネキン) SOX(ソックス)

 

 御老人八木沼ボディ、その白衣の下にルーズソックスを着用したオシャンティな特殊外装。

 その胴体も顔面に負けじと爆発するように縦に裂け、その内側から珠のような全裸の変態が飛び出(ルパンジャンプ)したのであった!!

 

 「ママ〜〜〜〜〜ッピ!!」

 

 タコくち、全裸、カエル足。

 ルパン三世への限りないリスペクトを魅せて八木沼(幼児)がゴローへ向かって空を泳ぐ。

 (伝統の平泳ぎですね、わかります←?)

 

 「ひッ!?!?!?」

 

 絶望、後悔、驚愕、嫌悪。

 様々な感情の色が弾け、だからこそ硬直したゴロー。

 あわや八木沼の毒牙にかかるその直前!

 

 「………ピ?」

 

 御老人の八木沼氏を模した特殊外装マネキンソックスが二本の腕(マニピュレータ)を稼働させ、空中で変態幼児をキャッチして見せたのだ。

 

 「な、なんだっピ? ボクはこんなプログラム入れてないッピ……はっ! まさかお前ッ!? このーーー離すっピ! ボクにはママのお腹(お膣)の中にただいま〜ってする権利があるんだッピ!! こんな横暴は許されないッピよ!? クソ、この一瞬で稼働システムを………うが〜〜〜〜〜いつもいつもボクの邪魔をしやがってッピぃ!!」

 

 暴れる変態、その足を後ろに控えていたドレス姿の女性が押さえ込み、2人(2人??)がかりで強引にマネキンソックスの中に封印した。

 

 『出せ〜!! ボクのおちんちんだけでも! お願いだッピ! モーリくん! ボクを助けると思ってボクのおちんちんを…おちんちんを…ッピィィィィィィ!!』

 

 

 

 ゴローには意味がわからなかった。

 

 

 

 ゴローは知らない。

 

 八木沼氏が国に提供した新型TS細胞の研究データに時限式のウイルスを仕込んでいた事を。

 あの日以降、八木沼が国の管理下を離れ国際指名手配されている事も。

 幼児化した事によって人体の一分野に特化していた彼の天才性があらゆる分野へと開花した事も。

 己に匹敵しうる危険人物であるとして、ゴローの認識外の世界でポポちゃんと八木沼が一進一退の攻防を繰広げている事も。

 (ゴローの前ではポンコツ化するだけで普段は化物)

 

 

 丁寧に会釈したマネキンソックスと付添の女性が玄関から去った後も、ゴローはただ呆然と立ち尽くしていた。

 





 一応言葉遊びとしてマネキンおばさんやマネキンソックスくんの記号には意味があったりします。

 【Master Never Keeping(マネキン) O8−3】

 この最後のO8-3はオリジンエイト(O8)-3でして、マネキンシリーズの試作8体の内の3番目…と言う意味を隠しており、【Master Never Keeping(マネキン) SOX】はSは八木沼誠一の誠一(S)から、Oはオリジナル、XはクロスボーンガンダムのX…つまり海賊版を意味しているのです。
 (な…なんだってぇ!?)

 いつか【Master Never Keeping(マネキン) O8−8】マネキンオババを登場させたい野望があったりなかったりしております。
 おばさんだらけの絵とか誰得なんでしょうかね?
 ハハハ…………。

ZZのコスプレ、誰を選ぶ?

  • エルピー・プル
  • プルツー
  • ルー・ルカ
  • エル・ビアンノ
  • ハマーン・カーン
  • はにゃーん・かーん
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