700コスト戦場。
それはゴローにとっての魔境。
ただの一瞬でHPを消し飛ばされ、何一つ成すことなく敵のポイントに錬成される。
頭とエイミング能力が狂ったガンダム動物園の餌として跳ねる以外に道の無い、最低な8分間。
数少ない選択肢から、これぞと選んだ機体達。
ーーーしかし。
ユニコーンは散った。
ハイニューは壊れた。
強い強いと噂されるサザビーに何度も何度も殴り付けられて、その上でサザビーを選べるほどゴローの精神は強く無かった。
それ故の逃亡。
750コスト同様に、700コストもゴローの中では封印されし獣となっていた。
しかし、それはーーーーーー。
◆
「
ガシィィィン!!
耳に心地良い打音のSE。
ゴローの操るグスタフ・カールLv2がスキルによって魔改造された
トールギスⅢはトチ狂った攻撃性能と人を選ぶ機動性能を兼ね備えた超攻撃的な汎用機だ。
(汎用機の皮を被った強襲機)
その理解があればピーキーなトールギスⅢの性能を遺憾なく発揮出来るのだろう。しかし、ゴローのランクはAフラット。
B+よりは上手く、しかしA+の維持までは出来ない程度の腕前が揃う場所。
「おかわり自由ぅぅぅぅ!!」
基本的にタックルはスラスターゲージを全消費する。
しかし、一部のスキルを所持する事である程度スラスターの消費量を低減でき、タックル始動時のスラスターゲージに余裕さえあれば2回連続のタックルが可能となるのだ。
火力に特化し、当たらなければどうと言う事はない…を地で行くトールギスⅢのHPがグスタフ・カールの連続タックルにより大きく削れる。
そして何よりここは最前線。
例え2軍落ちのAフラット帯であろうとも、2回ものタックルでよろけ続ける紙装甲汎用機が生存を許される程甘い世界では無い。
僚機のからの集中砲火を受けトールギスⅢは膝を付いて炎上。リゾート開発者区域の突き抜けるような青空のもと、ものの見事に爆発四散した。
「ヨシッ! 次ぃ!!」
主兵装の『ジェガンD型用バズーカ』を構えて移動する。
ドシンドシンと揺れる尻。
ムッチリムッチリ歩く脚。
他の機体でもそうだが、グスタフ・カールは特にスラスターゲージの管理が重要になる。
遅い足を引き摺って。
スラスターボタンを押し込みたい欲求を制御して、極力我慢して歩いて進む。
「なんどもなんども床ペロしたかんね〜。最前線に立たなきゃ仕事出来ねーからある程度は仕方ないんじゃけど、この図体と歩行速度で前線張るならアクティブガードとタックルで延命しなきゃならんのよ。一瞬の延命で勝敗が別れるのが高コスト帯なんだよな、たぶん、おそらく、メイ………ビィィィィィ!」
ビルの物陰。
死角からの強襲を察知したゴローのグスタフ・カールがアクティブガードによる防御姿勢を取る。
「おっちゃん今日は冴えてるゾイ!?」
普段なら床ペロした後にボタンを押すのだが、今日のゴローは一味違う。
新たな敵機ーーーウイングガンダムゼロ【EW】ーーーの下格闘をやり過ごし、間髪入れずに差し込まれる2種格闘からも亀のように身を守る。
「ここで焦っては行けない。焦らず、動じず、不動の心で味方の援護を待つでゴザルよ!」
格闘戦複合システムによりよろけを軽減する能力を持とうとも、餌に集る無防備な背中を見逃す奴はいない*1。
僚機のからの砲火に姿勢を崩すウイング。
「鈍速バズーカを食らえッ!」
ズドン!!
グスタフ・カールの主兵装『ジェガンD型用バズーカ』が火を吹き、ウイングのよろけを継続させた。
「バトオペの何が面白いかって話よぉ! 新品の高級機を中古の量産機でシバキ倒すこの瞬間! コレが出来るから楽しいんだわ…何処ぞの集金ソシャゲと違ってなぁ!!」
その後もゴローの駆るグスタフ・カールは最前線での活躍を続けた。
「上手く使えなくても肉壁としては役立てるし、上手く使えれば総合上位も夢じゃない。ブルGよりはよっぽど使いやすいし…この子、マジで良い機体になったよなぁ」
今回の成績は3位。
最近強化されたグスタフの機体パワーを存分に活かし、ゴローは無事に勝利を収めたのだった。
◆
「祝杯! 飲まずにはいられないッ!」
トクトクトク…と焼酎を注ぐ。
瓶入りの焼酎が好きだ。
あの重圧で置き場に困る感じがグッとくる。
いつものウサギのアップリケが施された布のカバーで中身が何かは隠されているのだが、ゴローとしてはこの中身こそ宣伝したかった。
「コレな、黒麹芋焼酎って種類なんやけどな? なんかネットでたまたま見つけたんじゃけど、コレ北斗の拳とコラボしてるヤツでな〜? 最初はネタのつもりで買ったんじゃが飲んでみたら格別に美味くってなー!!」
ーーーなんじゃそれ?
ーーーオレ! 知ってる!!
ーーーコラボ? 芋焼酎? 検索検索ぅ!!
ーーー芋とかよー飲めるな
ーーー我が生涯に一片の悔い無し!!
ーーーストレートで飲めよオォン?
ーーー酔い潰して首輪つけてぇ
焼酎に氷を入れ、レモン風味の炭酸水で割る。
「そして今こそカールおじさん!」
取り出したるは明治の伝説。黄色いサクサクのスナック菓子をババーンと掲げて封を切る。
「東日本で販売しなくなったと言う悲しみのおじさんww けどやっぱな? おやつと言えばカール! たま〜に無性に食いたくなるんよなぁ」
ーーーわかる…時代の味よなぁ
ーーー歯にくっつくから嫌い
ーーー味が濃くてなぁ…
ーーーゆうめいなオカシなんですか?
ーーー髭面おじさん懐かしーなヲぃw
可愛く丸まったスナックをポイと投げ入れると、サクッ…と口の中で溶けながら砕け、トウモロコシの風味と塩ベースっぽい調味料の味わいが舌の上にベットリと広がる。
その濃厚な味を感じつつ、カララララン…炭酸割りのグラス、その中身をマドラーでかき混ぜて味覚と視覚、そして聴覚を遊ばせる。
口の中ではカールおじさんが踊り、目の前では炭酸の美しい泡と焼酎の光が渦を巻いてゴローを誘う。
クンクンクン…。
結露、夏の部活動終わりの汗のように表面を濡らすグラスを手にし、犬のように焼酎の香りを楽しんで。
「うひぃ〜〜〜…!!」
ーーー100点の笑顔なんよなぁ(酒カス)
ーーーこれを見に来てる俺が通るぜ
ーーーもぅ…この時点で………ゔぅ゙ぅ゙!
ーーー人生終わらせる悪魔
ーーー酒カスメスガキに出会えるChはここです
水分を吸い取るカールおじさん。
カラカラになった口に焼酎を………ブチ込む!
「ん…………ん………………チュパ…」
氷を直接口に入れないように、歯の隙間から焼酎を吸うのだが、たまに上手く出来ずに唇が鳴る。
その音がまぁリスナーの股間に刺さりコメント欄は大渋滞の様相となったのだが。
「うっっっまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!」
酒の旨さ。
炭酸で飛ばされてなお濃厚に舌を刺激する芋焼酎の暴力。それでいて爽快に鼻を突き抜ける香りと喉越し。
これぞ北斗神拳の絶技…その顕現!!
「カールおじさんが空をとびゅぜ…あひぃ!!」
ゴクゴク。
モグモグ…。
今日の祝杯は少し刺激的に、何よりも楽しく続いたのであった。
wキャラのコスプレ、誰を選ぶ?
-
やはり主人公! ヒイロ・ユイ
-
ココこそヒロイン! リリーナ・ドーリアン
-
お母さん! デュオ・マックスウェル
-
スネ夫! トロワ・バートン
-
頑固ショタ! カトル・ラバーバ・ウィナー
-
オデコ紳士! 張五飛
-
火消しの! ゼクス・マーキス