酔うじょオペレーション   作:マキシマムとと

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続・ポポちゃん感謝祭

 

 随分と酔いが回ったのか、ヘロヘロとした頼りない舌でゴローが言葉を紡ぎ出す。

 

 

 「んにょ、バイクのヤツなんじゃけろ…」

 

 バイクのヤツ。

 つまりポポちゃんワールドサーキット。

 ポポちゃんがゴローにプレゼントした超クオリティバイク体感ゲーム。

 

 ゴロー専用の装備。

 (完璧に体型を網羅されてる恐怖にゲボ吐いたよね)

 その装備を活かしたギミックの数々。

 

 とてつもない技術と時間と金(と狂気)を要するであろうスーパーマシンではあるが、何よりポポちゃん(現代の怪異)がする事だ。

 今まで交流してきた感覚からするとポポちゃん的には無理の無い範疇での…なんというか、友達に1000円くらいでプレゼントを買ってあげた程度のノリでしか無さそうで。

 

 だからゴローもこの場でソコに触れるつもりは無い。

 感謝すべき事は他にもあるのだ。

 

 「あのド田舎のおっちゃんの家をホームに選べるようにしてくれたじゃろ? アレすっごい助かったし嬉しかったわ〜」

 

 もしゲームオーバーしても東京から再スタートしなくて済む。これは本当に有難かった。

 おかげで行ける範囲も増えたし、ハードモードでモビルスーツと遊ぶ余裕だって出来た。

 

 「あのゲームをプレゼントしてくれた事も、おっちゃんに会いに来てくれたこともさ、あと…あの変態クソ野郎から守ってくれたのも…あれ、ポポちゃんやろ? 他にも色々なんもかんも。ちゃんと顔を見て………は、無理かもだけど、ちゃんと…ん〜〜〜〜なんだ、顔を…合わせて? うん、顔を合わせてお礼したかったんよ」

 

 酔っててスマンけど。

 

 照れ臭そうに。

 崩れた笑顔で頭のちょんまげを弄りながらゴローが頭を下げた。

 

 ーーーショ…ションナ、ワティシガ、チュチュ、チュキデ、ヤタ、コツヤカラ!

 

 ポポちゃんくらい頭が良くてなんでも出来る怪異なら日本語なんて序の口だろうに、相変わらずズレた言語で一生懸命に喋る姿に好感度が増していく。

 

 「そう言えばさ、ポポちゃんと顔合わせるのってまだ2回目なんよね?」

 

 マネキンおばさんで逝った誘拐未遂事件以降、ポポちゃんからの直接的な接触は無い。

 唯一ポポちゃん配送のお姉さん達は怪しかったけど、こうして実物と比べれば(何処がとは言わないが)ハッキリと質量が違うから。

 

 ーーーショノセチュハ、ゴ、ゴゴゴゴメイワキュヲ

 

 「ゴゴゴゴ言うの止めよ? なんかポポちゃんが言うとジョジョのヤツ思い出して笑っちゃうから」

 

 ゴゴゴ……】

 

 ポポちゃんの顔の渦巻きの周囲。そこにジョジョ黒い擬音を幻視しながらチビリと切り崩したたこ焼きの欠片を摘み、焼酎で唇を濡らした。

 

 「それに迷惑だなんて思ってねーよ? 確かにビビったし怖かったしゲボ吐いた事もあるけろさ、それより何より嬉しかったんよな、おっちゃんは………」

 

 目覚めて、狂って、足掻いて、腐って。

 

 それで這うようにして辿り着いたバトオペ配信の世界。そこで出会ってくれた、俺を見つけてくれた…俺の配信を待ってくれているすべてのリスナーに。

 

 「……おっちゃんは、ダメだと思ってた」

 

 目覚めた直後の混乱。

 それを過ぎた後に待っていた絶望。

 

 「社会と切り離されて」

 

 TSして(気持ちが悪い)

 

 「家族において行かれて」

 

 幼女になって(気味が悪い)

 

 「見える世界は灰色で」

 

 壊しても復元する肉体(他人のような、化物の器)

 

 「音は記憶に残らなくて」

 

 居なくても変わらない世界(本当に俺は生きているのか)

 

 「何にも無いから何かをしてみた。反応があって驚いてさ…んですぐにバンされて。アレは笑ったわな」

 

 ほんの数ヶ月前とはとても思えない。

 

 「も〜終わりだーって思ったのにさ、サヲリはやたらと応援してくるし、スミレはクソ真面目に書類纏めて抗議して、ずっとず〜っっっと戦ってくれて。凍結されるまでのほんの少しの間にファンメくれた人もいたんたぜ?」

 

 ずっと支えられてきた。

 

 「気が付いたら再開してて、少しずつ少しずつ応援してくれる人も増えて。相変わらずバトオペは上手くなんねーけろ、それでも誰かと関われてるのが嬉しくてさ」

 

 そしてあの日を思い出す。

 黒い怪異と出会った恐怖を。

 

 「あの日は本当に驚いたわなー。TS幼女なんて言うとんでもねー属性持っておきながら登録者もロクに増やせねぇ底辺YouTube相手に人攫いだもんろ〜。それも『トゥンク』『トゥンク』言いながら迫ってくるガチ恋お姉さんやぜ? 俺を応援するためだけにアホみたいな警備を掻い潜ってあんな騒動を巻き起こすとか…ほんと笑ったしーーー」

 

 そわそわと落ち着き無く胸の前で指先を擦り合わせる可愛らしいポポちゃんの一面を眺めて。

 

 「ーーー何より、嬉しかった」

 

 生きてて良い。

 求められている。

 

 そう、君に…君達に背中を押してもらった。

 

 「だから本当に有り難う。俺を…見つけてくれて」

 

 何もかもすべて無くした世界で。

 だからこそゴローは今。

 息が出来ているのだから。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 「てかよ〜気になる事は他にもあるんじゃけろ…」

 

 その後、なんだか泣いちゃって照れくさかったり、ポポちゃんもモジモジモジモジしてて…そんなほわほわしたようで気まずい雰囲気を払拭するため、ゴローがガンダムw(任務完了)の視聴を始めた。

 久々(それこそ30年振り)に見るwのクオリティの高さとキワキワの崖っぷちをギリギリまで攻めるイニシャルDのようなハイセンスなストーリー&キャラクターに脳を焼かれて子供のようにはしゃぎながらアニメに没頭し、あっという間に1話のエンドロールに入った頃、思いだしたように切り出したのだ。

 

 「あのゲーム…ポポちゃんワールドサーキットにゃ? あにょ映像って現実とリンクしちょるんよね?」

 

 例えば建設中の有名な雑貨屋であったり、ニュースで報道されるような事故や火事。

 そうした現実世界での家屋のダメージが正確にゲームの映像に反映されていた。

 

 ーーーン〜そォダヨ〜〜〜♡

 

 ゴローの愛の告白(草)に気を良くしたポポちゃん。

 焼酎から日本酒→ワインと節操なく酒を取り替えてはたこ焼きを摘み、顔のぐるぐるもなんだかピンク色になってきた不思議生物がぽやぽやと答える。

 

 「やっぱしか〜…はーすっげーな〜! すっげ!」

 

 何を言おうとしたのか思い出せないゴローが「すっげー」を連発しながら酒を食らい。

 

 ーーーうへ…ウヘウヘヘヘ………♡

 

 テーブルの上でスライムのように巨大な胸部を変形させながらポポちゃんが下半身をピクつかせる。

 (察して…いや、お察ししないで…)

 

 そんなカオスな世界でようやくゴローの脳みそが繋がった。

 

 「しょ! しょや! あれな? おっちゃんの家ぬぁ? なんか放置さらてた感じじゃなかったんよら!? だりか、管理してくれれててのけろ??」

 

 家とは朽ちる物である。

 特に人が住まなくなった家は脆い。

 …しかしゴローの家は見るからに健在。

 以前から機会があればポポちゃんに聞いてみようと思っていたのだ。

 

 ーーーア〜〜〜〜♡ ァ…アォ?? ア…ショノ、チガクテ…ウヘヘヘ…エト、イ…イエ? ウィエは、サヲリチャンガ、ウエシュギサンに、カンリ…タニョンディタ……ウヘ…ウヘへヘへ。

 

 エグいレベルで残念な(甘イキしやがったコイツ…!?)怪異さんの生態に目をそっ閉じしつつ、その言葉を解読する*1

 

 「ーーーウエシュギ…上杉…………か」

 

 あぁ…なるほど。

 

 デロデロに溶けるポポちゃんから溢れた家名。

 その耳慣れた響きに、ゴローは自らの酔いが醒めていくのを感じた。

 

*1
ゴローの名誉の為に明記しておきますが、ゴローとポポちゃんの間にはちゃんと適正距離が保たれております。NOタッチ、YESポポちゃん。ーーーちなみにポポちゃんの手はテーブルの上にあります。NOタッチ、YESポポちゃん。

wキャラのコスプレ、誰を選ぶ?

  • やはり主人公! ヒイロ・ユイ
  • ココこそヒロイン! リリーナ・ドーリアン
  • お母さん! デュオ・マックスウェル
  • スネ夫! トロワ・バートン
  • 頑固ショタ! カトル・ラバーバ・ウィナー
  • オデコ紳士! 張五飛
  • 火消しの! ゼクス・マーキス
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